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特別編 彩芽
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なんで、あんな顔をしたのだろう
1ヶ月前にあった恭太は苦しそうな顔をしていた
あの苦しそうな顔を思い出しただけでこっちまで痛くなる
どっちかと言うと私の方が痛いよ
覚えてる私と覚えていない君じゃ全然話が違う
小さい頃に恭太に会っていた私は恭太に恋をしていた
幽霊と人間じゃ叶わないことぐらいは知っている
小さい頃は気のせいだと思っていた
でも助けたいって思った時から気のせいなんかじゃないと気づいた
それで今に至った
でもあなたは未だに思い出していない
いつもあなたばかりが苦しそうな顔をしてずるいよ
私だってそんな顔をしたいのに…
でもそれをしないのは、困らせてしまうから
あの好きも嘘なんかじゃない
ほんとに好きだった
友達としてとかじゃなく本当に…
でも気持ちは結局届かない
いつも気がつけばどこかに行ってしまって
私を置き去りにする
もうどこにも行かないで、そう言いたいのに
怖くて言えない
ごめんその3文字を言われるのがただ怖くて
好きって言ったのも遠回しに言ったからかな
そう思った
1ヶ月も会えないとこんなに寂しいのか…
私は、何だかとてもなんとも言えない気持ちに襲われた
1人で天井を見ていると、会ったばかりのことが蘇ってくる
「ねぇお兄ちゃんどうしたの?」
会ったばかりの恭太は、何故か泣いていて
私は幽霊とも知らずに話しかけた
私はまだ小さくて、まあ小さいと言っても
相手より3つくらい年下
あの時はまだ幼稚だったけ
泣いていた恭太は直ぐに笑顔に変えて、私に接した
「なんでもないよ」
そう笑顔でいった
でもその笑顔とは裏腹に涙は溢れ出す恭太の姿は何だか、悲しかった
今思えば、そう思う
あの時は私は、小学6年生
相手は中学3年生だった
会った時にはもう恭太は幽霊だったけど
「私で良かったら話聞くよ?」
当時の小学生のセリフとは思えないが、そんときはそう思ったのだ
「いや大丈夫だよ」
そう断られたけど
それからはよく遊ぶようになって私は、中学生へと上がっていた
そしてだんだん恋に落ちていった
でもあの日以来私は少し、恭太を信じれなくなった
私はそこから無視をし始め、その事を謝ることすら出来なくなった
やっと会えたと思ったら忘れちゃっていて
この気持ちは届かない
「あーあどこで間違えたのかなぁ 会いたいなぁ」
そう呟いた
「お困りのようですね」
「誰!」
その声に体がビクッと跳ねて、すぐに起き上がった
目の前には知らない男の人たち
2人しかいないのになんだこの威圧感…
「私達、死神と申します…」
死神…?恭太と思いきや、まさか知らない人とは…
「何の用ですか?用がないなら出て行ってください!」
「おーお怖い怖い いや、用があって来たのです 石井恭太をご存知ですね?」
え?恭太?
「えぇ もちろん知っていますが…」
「あの人には近寄らない方がいいかと…
あの人の母親は、あの10年前に人間に殺された息子なのです」
ゾクッとした
そして少しだけ…後悔をした
あの時どう思ったんだろう
私の話を聞いて苦しくなったのは違いない
だから怒ったのかもそう思った
「あいつは、その復讐をしようとしているのです…だから、あなたにも近づいて…
なので、安全な場所にお案内するので」
そう言われた
何が危ないのかなんてわかんない…
でも、それでも信じたいと思った
「いえお断りします…」
「いいや…来なさい」
グッ…
私はその男の人たちに手を掴まれ強引に引き寄せようとする
もちろん私なんかの力じゃ勝てるわけもないけど最後まで粘った
ていうか幽霊のくせになんで触れるのよ
「触らないでよ!痛い!やめて!」
そう言い放った
「だいたいあんたら死神の癖に私に触れるのよ!」
そう言うと、力が少し弱まった
その隙を狙って手を払った
腕が痛い…
「なんで触れるかなんて知っているだろう?ここに来た時に貰った力だよ
まあ、この力は呪いかもだけど…
恭太から聞かなかったのか?」
いや聞いたけど…
それが能力なの?しかも、呪いって…
「今日はやめておきます…
ですが、忠告をしておきますよ
恭太と一緒にいれば必ず災いが起きると…
忘れないでください」
「分かりました…」
「後…もしちょっとでも、恭太のことを嫌いや恨みを持てば…まあ負の心を持ってしまったら、その体はあなたのものではなくなります
お気をつけて…それでは」
そう言って、その2人は姿を消した
わけが分からなかった
なんでわざわざそんな忠告をしたんだろう
それに絶対嫌いになったりしないし、恨みなんて持たない…
そうよね?
それになんだろう
〝その体はあなたのものではなくなります〟
あれはどう意味だったんだろう…
私は最低だ…
母親とは知らずに悪いみたいな扱いで喋ってきっと傷つけたよね?
会いたいよ…
私はしぶしぶ寺の外にでて、庭の手入れをすることにした
草木が自由に伸びている
生きているんだね…そう思った
携帯を出そうとポケットに手を突っ込むと
チリン…と鈴の音がした
ポケットに入っている鈴を取り出す
その鈴は、紛れもない恭太から貰った鈴
〝その鈴に願えばどこにいたって飛んでいく〟その言葉を思い出した
もう夕方で、夕焼けで金色の鈴は有り得もない輝きを見せていた
そしてその鈴を持って、天に願った
〝お願い…会いたいよ 今すぐ来て…〟
そう願った
でも結局何も起こらなかった
やっぱり怒っているのだと思った
「はぁ」
小さくため息をついて、庭の手入れを始めた
「彩芽」
聞き覚えのある声
聞くと苦しくなるし、落ち着く声
振り返るのが少し怖かった
でも、振り返った
「恭太…」
私は思わず声を漏らしてしまった
そこには、微笑んでいる恭太の姿
姿を見ると何故か泣いてしまった
私はあなたなしじゃ生きていけない…
そう思った
もう聞こえててもいいそう思った
「恭太…会いたかった ごめんなさい」
恭太はずっと黙ったままだった
言わなくても伝わっていた
心の中では、会いたかったって言ってくれたから
それだけでも、もう幸せなんだよ
「悪かったな…俺の身勝手で、急に姿消して、気まずかったんだ
俺さ、お前のことどうも好きみたいでよ」
ドキッと心臓が高鳴った
あぁ神様これは運命なのですか?
それとも使命なのですか?
「ありがとう 私も好きなの…
遠回しに言ったから伝わらなかったんだと思う…
でも、本気で好きなの!」
そう言った
もう自分の思いが伝わらないなんて嫌だ
耐えらんないよ…
顔を上げると、真っ赤に顔を赤くした彼がいた
腕を口元にやって恥ずかしそうにする
その姿はまるで本当生きているよう
私はゆっくり近づいて、抱きしめた
体温も実体も感じないけど、でも心は繋がってるって分かるよ…
「恭太…会いたかったよほんと…」
そう私は泣きながら言った…
「俺もだよ…彩芽俺と付き合ってよ
幽霊となんてって思うかもだけど…もし良かったら」
当たり前でしょ
そう思った
幽霊なんてどうでもいい…
私と一緒にいてよ
「うん よろしくね」
ここで2人はやっと繋がったと思った
大好きだよ
もう二度と離れないで…
夕焼けに染まった恭太はかっこよく見えた
でもやっぱり寂しそうな背中
ずっと見ているだけじゃ見失いそうになる
気づいたらいなくなってしまいそう
私達はずっと抱きしめ合ったままだった
それはお互いの愛を確かめるように
「その腕…」恭太は私の腕を見た
さっき男達に掴まれた腕は真っ赤になっていた
だんだんアザのようになってきて、紫色になる
そんな力で掴まれていたのか…
と言う程に紫色に腫れ上がっていた
「どうしたんだ?」恭太が私に聞いてきた
これは言ってもいいのかと迷った矢先に私は言わないことにした
言ってしまったら心配を掛けてしまう
心配を掛けてしまったら、その人たちを探してしまうのではないかと
別に探すことはいいが、探しに行けば二度と戻ってこなさそうで怖い
「ううん、ぶつけただけ」
笑顔で言った
心配をかけないように…
「手を貸して」
言われた通り腕を出した
ゆっくりと、恭太は傷を触り撫でる
すると、綺麗に治っていた
「ありがとう…」
私はお礼を言った
「いや、いいよ 女の子の体に傷は天敵でしょ?それに、普通の病や怪我を治すくらいだったら、俺に影響は及ばないから…」
最後らへんは小さな声で喋ってあまり聞こえなかった
「なんて言ったの?」聞き返すと、恭太は笑顔で「大丈夫なんでもない」そう言った
それにしても綺麗に治っていてびっくりした
「すごいね!」能力が凄すぎて私の動揺が隠せない
「いやそこまで」そういう癖にすごく照れていた
そっぽ向いて、顔を赤くする
夕焼けのせいで赤く見えるのかな?
どっちだっていいや…
「じゃーお礼に面白いものを見せてあげる」
私は、桜の花を出しそれを自分のペンダントに埋め込んだ
ペンダントの中には、綺麗な桜が入り込み
後ろにも自然と花が咲く
「はい!これはお守りって思って!
もし、花が枯れてしまったら私の身になにかあったって思ってね
それに大抵なことならなんでも守ってくれるから
鈴を貰ったお礼!」
と言って私はペンダントを渡した
私の力は願えばなんでも叶えてくれる
花のことならなんでも
「ありがとう…」そう言って、恭太は自分の首からペンダントをかけた
そのペンダントを持っている限り、大抵なことならなんでも守ってくれる
私の力が込められている
守りたいって言う花言葉なのだから
「じゃーもう行くわ 俺」
そう言って、恭太は私に手を振った
背中を向けると、すぐどこかへ行ってしまった
まさか付き合うことになるなんて…
顔が熱くなった
鈴を見ながら私は思わず笑顔になってしまう
忘れたままだけどこんなのも悪くないなって思った
そして、その日から何ヶ月もの月日がたった
私は、未だに幸せで楽しく過ごしている
そんなある日だった
「え?」
何ヶ月も前に消してもらったアザがまた浮き出てきていた
「なんで?」そう呟いた
またぶつけたのかなっと思ったけど、そんな覚えはない
あの男に付けられたアザがまた浮き出てくるなんて…
でも全然痛くない
何だか見た目だけのような感じだった
私はそのアザに何故か不気味さを感じた
不気味なアザは、負のオーラを出しているような…
そう思った
怖くなったので、直ぐに清めようと自分で作った霊水をかけた
いつも、悪霊が取り付かないように清めている時は、痛くないのに今日はそのアザのところが痛かった
やっぱり…
あの男になにかの呪縛をかけられた?
霊水をかけて痛いのはだいたい呪いなどをかけられた時
もしかしたら…あの時連れていく振りをして
実は、このアザを作るためだけに手を取ったのでは?
そう思った
というかそうとしか考えられなくなった
「最悪…」
私はそう呟いた
もし、またこのアザを恭太に見られたらなにか危ないことをしでかすに決まってる
ん?待って…
私は恭太にあげたペンダントを思い出した
そのペンダントとリンクしているものをもう1つ作っておいて良かった
私のは、自分のも分かるし恭太の状況も分かるペンダント
少し枯れてる…
これをもし見られたら、なにかあったって気づかれてしまう
そう思った私は、急いでその傷を治そうと頑張った
でもやっぱり無理で、花も少し枯れたまま
もう、嘘をついてやり過ごすしかない
そう思った
あの男達は何者だったんだろう
もしかしたら昔あった死神だったかもしれない
「あーあ」
そう小さく呟いた
きっと、ここまで順調に進みすぎたんだね
幸せな日々を過ごしたせいだったんだ
ここからだっけ?歯車が狂いだしたのは
幸せな日々を送っていたある日
私は、ついにアザのことがバレてしまった
でも、またぶつけたと嘘をついた
嘘をつく時はどうも苦しかった
嘘は本当はつきたくないけど…つかなくいゃいけないこと
でも、その嘘をついた日から恭太が冷たくなり始めた
何だか避けられている感じ…
そして、2年くらい経ったある日
彼は言った
「ごめん…もう会わないことにしたんだ
だから、別れてくれ」と…
1ヶ月前にあった恭太は苦しそうな顔をしていた
あの苦しそうな顔を思い出しただけでこっちまで痛くなる
どっちかと言うと私の方が痛いよ
覚えてる私と覚えていない君じゃ全然話が違う
小さい頃に恭太に会っていた私は恭太に恋をしていた
幽霊と人間じゃ叶わないことぐらいは知っている
小さい頃は気のせいだと思っていた
でも助けたいって思った時から気のせいなんかじゃないと気づいた
それで今に至った
でもあなたは未だに思い出していない
いつもあなたばかりが苦しそうな顔をしてずるいよ
私だってそんな顔をしたいのに…
でもそれをしないのは、困らせてしまうから
あの好きも嘘なんかじゃない
ほんとに好きだった
友達としてとかじゃなく本当に…
でも気持ちは結局届かない
いつも気がつけばどこかに行ってしまって
私を置き去りにする
もうどこにも行かないで、そう言いたいのに
怖くて言えない
ごめんその3文字を言われるのがただ怖くて
好きって言ったのも遠回しに言ったからかな
そう思った
1ヶ月も会えないとこんなに寂しいのか…
私は、何だかとてもなんとも言えない気持ちに襲われた
1人で天井を見ていると、会ったばかりのことが蘇ってくる
「ねぇお兄ちゃんどうしたの?」
会ったばかりの恭太は、何故か泣いていて
私は幽霊とも知らずに話しかけた
私はまだ小さくて、まあ小さいと言っても
相手より3つくらい年下
あの時はまだ幼稚だったけ
泣いていた恭太は直ぐに笑顔に変えて、私に接した
「なんでもないよ」
そう笑顔でいった
でもその笑顔とは裏腹に涙は溢れ出す恭太の姿は何だか、悲しかった
今思えば、そう思う
あの時は私は、小学6年生
相手は中学3年生だった
会った時にはもう恭太は幽霊だったけど
「私で良かったら話聞くよ?」
当時の小学生のセリフとは思えないが、そんときはそう思ったのだ
「いや大丈夫だよ」
そう断られたけど
それからはよく遊ぶようになって私は、中学生へと上がっていた
そしてだんだん恋に落ちていった
でもあの日以来私は少し、恭太を信じれなくなった
私はそこから無視をし始め、その事を謝ることすら出来なくなった
やっと会えたと思ったら忘れちゃっていて
この気持ちは届かない
「あーあどこで間違えたのかなぁ 会いたいなぁ」
そう呟いた
「お困りのようですね」
「誰!」
その声に体がビクッと跳ねて、すぐに起き上がった
目の前には知らない男の人たち
2人しかいないのになんだこの威圧感…
「私達、死神と申します…」
死神…?恭太と思いきや、まさか知らない人とは…
「何の用ですか?用がないなら出て行ってください!」
「おーお怖い怖い いや、用があって来たのです 石井恭太をご存知ですね?」
え?恭太?
「えぇ もちろん知っていますが…」
「あの人には近寄らない方がいいかと…
あの人の母親は、あの10年前に人間に殺された息子なのです」
ゾクッとした
そして少しだけ…後悔をした
あの時どう思ったんだろう
私の話を聞いて苦しくなったのは違いない
だから怒ったのかもそう思った
「あいつは、その復讐をしようとしているのです…だから、あなたにも近づいて…
なので、安全な場所にお案内するので」
そう言われた
何が危ないのかなんてわかんない…
でも、それでも信じたいと思った
「いえお断りします…」
「いいや…来なさい」
グッ…
私はその男の人たちに手を掴まれ強引に引き寄せようとする
もちろん私なんかの力じゃ勝てるわけもないけど最後まで粘った
ていうか幽霊のくせになんで触れるのよ
「触らないでよ!痛い!やめて!」
そう言い放った
「だいたいあんたら死神の癖に私に触れるのよ!」
そう言うと、力が少し弱まった
その隙を狙って手を払った
腕が痛い…
「なんで触れるかなんて知っているだろう?ここに来た時に貰った力だよ
まあ、この力は呪いかもだけど…
恭太から聞かなかったのか?」
いや聞いたけど…
それが能力なの?しかも、呪いって…
「今日はやめておきます…
ですが、忠告をしておきますよ
恭太と一緒にいれば必ず災いが起きると…
忘れないでください」
「分かりました…」
「後…もしちょっとでも、恭太のことを嫌いや恨みを持てば…まあ負の心を持ってしまったら、その体はあなたのものではなくなります
お気をつけて…それでは」
そう言って、その2人は姿を消した
わけが分からなかった
なんでわざわざそんな忠告をしたんだろう
それに絶対嫌いになったりしないし、恨みなんて持たない…
そうよね?
それになんだろう
〝その体はあなたのものではなくなります〟
あれはどう意味だったんだろう…
私は最低だ…
母親とは知らずに悪いみたいな扱いで喋ってきっと傷つけたよね?
会いたいよ…
私はしぶしぶ寺の外にでて、庭の手入れをすることにした
草木が自由に伸びている
生きているんだね…そう思った
携帯を出そうとポケットに手を突っ込むと
チリン…と鈴の音がした
ポケットに入っている鈴を取り出す
その鈴は、紛れもない恭太から貰った鈴
〝その鈴に願えばどこにいたって飛んでいく〟その言葉を思い出した
もう夕方で、夕焼けで金色の鈴は有り得もない輝きを見せていた
そしてその鈴を持って、天に願った
〝お願い…会いたいよ 今すぐ来て…〟
そう願った
でも結局何も起こらなかった
やっぱり怒っているのだと思った
「はぁ」
小さくため息をついて、庭の手入れを始めた
「彩芽」
聞き覚えのある声
聞くと苦しくなるし、落ち着く声
振り返るのが少し怖かった
でも、振り返った
「恭太…」
私は思わず声を漏らしてしまった
そこには、微笑んでいる恭太の姿
姿を見ると何故か泣いてしまった
私はあなたなしじゃ生きていけない…
そう思った
もう聞こえててもいいそう思った
「恭太…会いたかった ごめんなさい」
恭太はずっと黙ったままだった
言わなくても伝わっていた
心の中では、会いたかったって言ってくれたから
それだけでも、もう幸せなんだよ
「悪かったな…俺の身勝手で、急に姿消して、気まずかったんだ
俺さ、お前のことどうも好きみたいでよ」
ドキッと心臓が高鳴った
あぁ神様これは運命なのですか?
それとも使命なのですか?
「ありがとう 私も好きなの…
遠回しに言ったから伝わらなかったんだと思う…
でも、本気で好きなの!」
そう言った
もう自分の思いが伝わらないなんて嫌だ
耐えらんないよ…
顔を上げると、真っ赤に顔を赤くした彼がいた
腕を口元にやって恥ずかしそうにする
その姿はまるで本当生きているよう
私はゆっくり近づいて、抱きしめた
体温も実体も感じないけど、でも心は繋がってるって分かるよ…
「恭太…会いたかったよほんと…」
そう私は泣きながら言った…
「俺もだよ…彩芽俺と付き合ってよ
幽霊となんてって思うかもだけど…もし良かったら」
当たり前でしょ
そう思った
幽霊なんてどうでもいい…
私と一緒にいてよ
「うん よろしくね」
ここで2人はやっと繋がったと思った
大好きだよ
もう二度と離れないで…
夕焼けに染まった恭太はかっこよく見えた
でもやっぱり寂しそうな背中
ずっと見ているだけじゃ見失いそうになる
気づいたらいなくなってしまいそう
私達はずっと抱きしめ合ったままだった
それはお互いの愛を確かめるように
「その腕…」恭太は私の腕を見た
さっき男達に掴まれた腕は真っ赤になっていた
だんだんアザのようになってきて、紫色になる
そんな力で掴まれていたのか…
と言う程に紫色に腫れ上がっていた
「どうしたんだ?」恭太が私に聞いてきた
これは言ってもいいのかと迷った矢先に私は言わないことにした
言ってしまったら心配を掛けてしまう
心配を掛けてしまったら、その人たちを探してしまうのではないかと
別に探すことはいいが、探しに行けば二度と戻ってこなさそうで怖い
「ううん、ぶつけただけ」
笑顔で言った
心配をかけないように…
「手を貸して」
言われた通り腕を出した
ゆっくりと、恭太は傷を触り撫でる
すると、綺麗に治っていた
「ありがとう…」
私はお礼を言った
「いや、いいよ 女の子の体に傷は天敵でしょ?それに、普通の病や怪我を治すくらいだったら、俺に影響は及ばないから…」
最後らへんは小さな声で喋ってあまり聞こえなかった
「なんて言ったの?」聞き返すと、恭太は笑顔で「大丈夫なんでもない」そう言った
それにしても綺麗に治っていてびっくりした
「すごいね!」能力が凄すぎて私の動揺が隠せない
「いやそこまで」そういう癖にすごく照れていた
そっぽ向いて、顔を赤くする
夕焼けのせいで赤く見えるのかな?
どっちだっていいや…
「じゃーお礼に面白いものを見せてあげる」
私は、桜の花を出しそれを自分のペンダントに埋め込んだ
ペンダントの中には、綺麗な桜が入り込み
後ろにも自然と花が咲く
「はい!これはお守りって思って!
もし、花が枯れてしまったら私の身になにかあったって思ってね
それに大抵なことならなんでも守ってくれるから
鈴を貰ったお礼!」
と言って私はペンダントを渡した
私の力は願えばなんでも叶えてくれる
花のことならなんでも
「ありがとう…」そう言って、恭太は自分の首からペンダントをかけた
そのペンダントを持っている限り、大抵なことならなんでも守ってくれる
私の力が込められている
守りたいって言う花言葉なのだから
「じゃーもう行くわ 俺」
そう言って、恭太は私に手を振った
背中を向けると、すぐどこかへ行ってしまった
まさか付き合うことになるなんて…
顔が熱くなった
鈴を見ながら私は思わず笑顔になってしまう
忘れたままだけどこんなのも悪くないなって思った
そして、その日から何ヶ月もの月日がたった
私は、未だに幸せで楽しく過ごしている
そんなある日だった
「え?」
何ヶ月も前に消してもらったアザがまた浮き出てきていた
「なんで?」そう呟いた
またぶつけたのかなっと思ったけど、そんな覚えはない
あの男に付けられたアザがまた浮き出てくるなんて…
でも全然痛くない
何だか見た目だけのような感じだった
私はそのアザに何故か不気味さを感じた
不気味なアザは、負のオーラを出しているような…
そう思った
怖くなったので、直ぐに清めようと自分で作った霊水をかけた
いつも、悪霊が取り付かないように清めている時は、痛くないのに今日はそのアザのところが痛かった
やっぱり…
あの男になにかの呪縛をかけられた?
霊水をかけて痛いのはだいたい呪いなどをかけられた時
もしかしたら…あの時連れていく振りをして
実は、このアザを作るためだけに手を取ったのでは?
そう思った
というかそうとしか考えられなくなった
「最悪…」
私はそう呟いた
もし、またこのアザを恭太に見られたらなにか危ないことをしでかすに決まってる
ん?待って…
私は恭太にあげたペンダントを思い出した
そのペンダントとリンクしているものをもう1つ作っておいて良かった
私のは、自分のも分かるし恭太の状況も分かるペンダント
少し枯れてる…
これをもし見られたら、なにかあったって気づかれてしまう
そう思った私は、急いでその傷を治そうと頑張った
でもやっぱり無理で、花も少し枯れたまま
もう、嘘をついてやり過ごすしかない
そう思った
あの男達は何者だったんだろう
もしかしたら昔あった死神だったかもしれない
「あーあ」
そう小さく呟いた
きっと、ここまで順調に進みすぎたんだね
幸せな日々を過ごしたせいだったんだ
ここからだっけ?歯車が狂いだしたのは
幸せな日々を送っていたある日
私は、ついにアザのことがバレてしまった
でも、またぶつけたと嘘をついた
嘘をつく時はどうも苦しかった
嘘は本当はつきたくないけど…つかなくいゃいけないこと
でも、その嘘をついた日から恭太が冷たくなり始めた
何だか避けられている感じ…
そして、2年くらい経ったある日
彼は言った
「ごめん…もう会わないことにしたんだ
だから、別れてくれ」と…
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