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第3話 にぃにぃ!
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「なっ! なんで真宮さんが俺の家にいるんだよ!」
「おかえりなさい、春時」
「あ、にぃにぃお帰りなさぁい」
まだ、帰宅して時間が経っていないのだろう。妹の果奈はセーラー服のまま、サイドテールを揺らして振り向くと俺の声に反応した。
ちなみに中学に入ってから俺のことを、にぃにぃと呼ぶようになったんだが、普通にお兄ちゃん呼びに戻して欲しい。
なんでも沖縄から転校してきたクラスメイトから教わったとかなんとか……以前までの妹を返してくれ。
「ただいま……って、いや、そうじゃなくて! 果奈、どうして真宮さんと一緒にいるんだ」
「はゎ? どうしてって、こっちの台詞だよぉ! 本当、驚いたんだからね! まさか、彼女がいたなんて……果奈は裏切られた気分だよぉ」
「いや、彼女じゃないから」
「そうなの? 真宮さん」
「彼女よ? さっき付き合い始めたばかりだし、果奈ちゃんのお兄さんはきっと照れているのね。ね! 春時」
真宮さんは相変わらず馴れ馴れしく俺を呼び捨てにすると、からかうような笑みを見せてくる。
――ピンポーン。
「まったく。なにが、ね! だよ……真宮さん、その話は!」
――ピンポーン。
「春時、チャイム鳴ってる。お客様じゃないの? いそがないと」
「いそげ、にぃにぃ!」
「お前らなぁ」
ピンポーンと再び呼鈴の音が部屋にひびく。
訪問客を、あまりまたせるわけにもいかないので、テレビドアホンの画面を確認してみると、そこには仲里さんの姿が映っていた。
「仲里さんっ! なんで⁉︎」
俺は急いで玄関に向かい、一度、深呼吸をしてからドアをゆっくりと開ける。
「こ、こんにちは……」
彼女は目を逸らして気まずそうな表情で挨拶をしてきた。思わず俺も同じように、こんにちは、と言葉を返す。
ど、どうして仲里さんが……。
「よ、よく家が分かったね。その、どうしたの?」
「あ、あの……真宮さんが来ていると思うのですけど……」
「え? 来てるけど、どうして知ってるの?」
「そ、その……たまたま、そう! たまたま見かけて……」
真宮さんに、よう? なんだろう……。
それにしても驚いた。突然、仲里さんが家に尋ねてくるなんて……正直、さっきフラれたばかりで気まずいし生きた心地がしない、心臓がバクバクしている。
「仲里さんじゃない。どうしたの?」
突然、背後から真宮さんの声。
振り返ると果奈と二人、並んで立っている。おそらく気になって様子を見にきたのだろう。
「あ、真宮さん。仲里さんが……」
言いかけると、仲里さんは俺の言葉を遮って、あの! と、突然、声を発した。
「ま、真宮さん。あまり勝手なことをしないで欲しいんです」
「は? いきなり現れて、勝手なことってなによ? あたし、仲里さんになにかした?」
「そ、それは……春時くんと……」
「春時となに?」
仲里さんと真宮さんは、さっきからなにを話しているんだ? この二人って、そんなに話す仲だっただろうか……。
「と、とにかく勝手なことをしないで下さい!」
「あー、わかった。あたしが春時と仲良くしているのが気にいらないのね。でも、あたしたちは付き合ってるの……ていうか仲里さんは彼の告白を断ったんでしょ?」
「そ、それは……」
こらこら、まだ俺たちは付き合っていないぞ。とりあえず仲里さんへの誤情報を訂正しておかないと。
「あのさ、仲里さん。俺と真宮さんは付き合ってないから……って……ん?」
瞬間――ふわりと間近に甘い匂いを感じた直後、背中にムニュっと柔らかい感触が……こ、これは……バックハグ!?
目の前に立つ仲里さんの表情が固まっている。この状況はヤバい!
「バッ! こら! ま、ままっ、真宮さん! なにしてんだよ!」
「春時はあたしのだから」
「いや、だから、ちげーだろ!」
「私、もう我慢出来ない……」
仲里さんは小声で呟くと、なにか決意したような表情を俺に向けた。
「早見くんに訊いて欲しいことがあります」
「あ、は、はい……」
なんだろう……やっぱり告白OKしてくれるとか? いや、流石にそれはないか……。
「信じてもらえないかも知れませんけど。その……あなたの後ろにいる真宮さんはね……本当の真宮葵じゃないんです! 彼女は私! 私は彼女なの!」
へ? なにを言って……。
「ちょっとぉ! それは言わないって約束でしょ!」
仲里さんの言葉に、真宮さんは慌てたように大きな声を上げた。
「えーと、ごめん仲里さん。なんの話?」
「ですから、私が本当の真宮葵なんです。そして、早見くんの後ろにいるのが仲里エリカさん……私と彼女は身体が入れ替わっているんです!」
――え? これって……本気で言ってる?
「おかえりなさい、春時」
「あ、にぃにぃお帰りなさぁい」
まだ、帰宅して時間が経っていないのだろう。妹の果奈はセーラー服のまま、サイドテールを揺らして振り向くと俺の声に反応した。
ちなみに中学に入ってから俺のことを、にぃにぃと呼ぶようになったんだが、普通にお兄ちゃん呼びに戻して欲しい。
なんでも沖縄から転校してきたクラスメイトから教わったとかなんとか……以前までの妹を返してくれ。
「ただいま……って、いや、そうじゃなくて! 果奈、どうして真宮さんと一緒にいるんだ」
「はゎ? どうしてって、こっちの台詞だよぉ! 本当、驚いたんだからね! まさか、彼女がいたなんて……果奈は裏切られた気分だよぉ」
「いや、彼女じゃないから」
「そうなの? 真宮さん」
「彼女よ? さっき付き合い始めたばかりだし、果奈ちゃんのお兄さんはきっと照れているのね。ね! 春時」
真宮さんは相変わらず馴れ馴れしく俺を呼び捨てにすると、からかうような笑みを見せてくる。
――ピンポーン。
「まったく。なにが、ね! だよ……真宮さん、その話は!」
――ピンポーン。
「春時、チャイム鳴ってる。お客様じゃないの? いそがないと」
「いそげ、にぃにぃ!」
「お前らなぁ」
ピンポーンと再び呼鈴の音が部屋にひびく。
訪問客を、あまりまたせるわけにもいかないので、テレビドアホンの画面を確認してみると、そこには仲里さんの姿が映っていた。
「仲里さんっ! なんで⁉︎」
俺は急いで玄関に向かい、一度、深呼吸をしてからドアをゆっくりと開ける。
「こ、こんにちは……」
彼女は目を逸らして気まずそうな表情で挨拶をしてきた。思わず俺も同じように、こんにちは、と言葉を返す。
ど、どうして仲里さんが……。
「よ、よく家が分かったね。その、どうしたの?」
「あ、あの……真宮さんが来ていると思うのですけど……」
「え? 来てるけど、どうして知ってるの?」
「そ、その……たまたま、そう! たまたま見かけて……」
真宮さんに、よう? なんだろう……。
それにしても驚いた。突然、仲里さんが家に尋ねてくるなんて……正直、さっきフラれたばかりで気まずいし生きた心地がしない、心臓がバクバクしている。
「仲里さんじゃない。どうしたの?」
突然、背後から真宮さんの声。
振り返ると果奈と二人、並んで立っている。おそらく気になって様子を見にきたのだろう。
「あ、真宮さん。仲里さんが……」
言いかけると、仲里さんは俺の言葉を遮って、あの! と、突然、声を発した。
「ま、真宮さん。あまり勝手なことをしないで欲しいんです」
「は? いきなり現れて、勝手なことってなによ? あたし、仲里さんになにかした?」
「そ、それは……春時くんと……」
「春時となに?」
仲里さんと真宮さんは、さっきからなにを話しているんだ? この二人って、そんなに話す仲だっただろうか……。
「と、とにかく勝手なことをしないで下さい!」
「あー、わかった。あたしが春時と仲良くしているのが気にいらないのね。でも、あたしたちは付き合ってるの……ていうか仲里さんは彼の告白を断ったんでしょ?」
「そ、それは……」
こらこら、まだ俺たちは付き合っていないぞ。とりあえず仲里さんへの誤情報を訂正しておかないと。
「あのさ、仲里さん。俺と真宮さんは付き合ってないから……って……ん?」
瞬間――ふわりと間近に甘い匂いを感じた直後、背中にムニュっと柔らかい感触が……こ、これは……バックハグ!?
目の前に立つ仲里さんの表情が固まっている。この状況はヤバい!
「バッ! こら! ま、ままっ、真宮さん! なにしてんだよ!」
「春時はあたしのだから」
「いや、だから、ちげーだろ!」
「私、もう我慢出来ない……」
仲里さんは小声で呟くと、なにか決意したような表情を俺に向けた。
「早見くんに訊いて欲しいことがあります」
「あ、は、はい……」
なんだろう……やっぱり告白OKしてくれるとか? いや、流石にそれはないか……。
「信じてもらえないかも知れませんけど。その……あなたの後ろにいる真宮さんはね……本当の真宮葵じゃないんです! 彼女は私! 私は彼女なの!」
へ? なにを言って……。
「ちょっとぉ! それは言わないって約束でしょ!」
仲里さんの言葉に、真宮さんは慌てたように大きな声を上げた。
「えーと、ごめん仲里さん。なんの話?」
「ですから、私が本当の真宮葵なんです。そして、早見くんの後ろにいるのが仲里エリカさん……私と彼女は身体が入れ替わっているんです!」
――え? これって……本気で言ってる?
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