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しおりを挟む「これ、どうする。『買い取り』する? それとも運ぶ?」
「そうだな。ギルドのランクも上げたいしな。でもこれを運ぶのは重すぎる気もする」
明が下顎にてを当て考え込む。
「私はどっちでもいいわよ。運ぶのは明たちだしね」
「「私たちも、どっちでもいいわよ」」
純子がさばさばと明を見つめ、有紗たちは笑顔だ。
俺は明の決定に従うだろうと思われてるのだろう、気にされていない。事実そうなんだけどね。
「卓郎、悪いが運ぶの手伝ってくれるか?」
「いいよ。明が運ぶっていうなら構わないよ。俺だってギルドのランクは上げたいしね」
実際のところ俺はどちらでも構わなかった。それほどギルドのランクにこだわっているわけではないが、上がれば周囲からの評価が良くなるし、メリットもそれなりにある。
このパーティから追放されるようなことにならなければ、ギルドのランクが低いままでも、別にどうでもよいと感じているのも事実だ。明のように冒険者として有名になりたいとか思っているわけじゃあないのだから。
「じゃあ、そこらの木で、天秤棒を作るね」
俺は魔獣の重さにも耐えれるような太さの木を切り倒す。そして枝をはらい即座に天秤棒に加工して猪型をロープで吊るした。
「それじゃあ、町に帰りましょう!」
俺の準備を待っていたかのように純子が、号令をかける。
「「よっせ!」」
俺と明が思い魔獣を担ぎあげた。
「おもてーなー」
明が苦しそうな声を上げた。
「頑張って!」
有紗が笑顔で明の肩をポンポンと軽くたたき、明にはそれも荷重に感じるらしく厳しそうに顔を歪めた。
「……わ……てらい!」
「無理なら、今からでも『買い取り』にまわそうか?」
「だいじょぶだぜ! 俺はギルドのランクを上げたい」
明が歯を食いしばりながら答える。はっきり言って俺も担いでみた後は、買い取りに回したくなっている。明の上昇志向に感心した。
ギルドに付くと解体所のオッサンが嬉しそうに身を乗り出して俺たちを迎えた。
「お前ら、また大物狩ってきたのか。やるじゃあねーか!」
嬉しい声が響き渡る。周りの冒険者たちが猪型魔獣に視線を奪われている。少し誇らしく充実した気持ちになった。
猪型魔獣を解体所に持ち込む。
「今日は肉は持っていくか?」
オッサンの質問に5人はかおを見合わせた。
「別にいいわよね。これから行くのもめんどいし」
「そうだぜ。今日はかなりの稼ぎだろ」
「私たちも、いらないと思うわ」
「うん」
俺もそこまですることはないと思うし、ここに運んだのはギルドのランクを上げるためだ。ギルドの貢献度を上げるためにもたくさん収めた方が良いに決まっている。……なんて考えているうちに話は決まっていて明がオヤジに返事をしていた。
「よっしゃ。すぐ買い取り額をはじいてやるぜ」
親父は解体所の中に入っていった。
「酒場で少し休まない?」
「何か食べながらオヤジを待とうぜ!」
有紗と沙耶がいち早く空いてるテーブルに座ってキープする。
「何、飲もうか?」
俺は笑顔で話しかけてくる有紗の隣の席に座った。
「俺はまた、バクガーでいいよ」
「私たちも、クールジンジャーにしよ」
沙耶がそういうと有紗が頷く。結局この前と同じで男子はバクガー、女子はクールジンジャーを注文した。
飲み物が運ばれ乾杯しようとするとき親父が出て来たので俺が立ち上がろうとすると、純子がそれを制してそそくさとオヤジのもとへ。金を受け取り戻ってくる。
「18万ゴルド。毛皮が少し値段が落ちるんだって」
「仕方ねーよ。ちょっと焦げてるし、真ん中にでけー傷ついてるしな」
「山羊型6匹で54万ゴルド、ウサギとリスで2万3千ゴルドだよ」
「合計74万3千ゴルドね。一人14万8千ゴルドとあまり3千ゴルドだわ。3千ゴルドは卓郎に預けとけばいいんじゃない」
俺が『通貨取り出し』で56万ゴルドを取り出し純子に渡すと純子は全員に分配した。
「矢はいくら?」
「10本2千ゴルドだよ」
「「「はい」」」
三人が矢の代金をテーブルに置く。
「ポーションは4千だよな。ほらよ」
「またいつでも言ってくれ」
俺は全員の分をテーブルから回収し財布に入れた。
「それにしても、卓郎のスキルのおかげで今日はうはうはだなあ!」
明はバクガーのジョッキを掲げて上機嫌である。
「本当ね。運べる量を考えないでいいって、こんなに影響があるんだね」
「卓郎くんに感謝だわ」
有紗と沙耶がおれを見つめる。
「役に立ててうれしいよ」
「卓郎! 明日のお昼ご飯とか、お取り寄せできないかしら?」
「純子、良いこと言うな。俺もその話、乗ったぜ。卓郎何が買えるんだ?」
「お取り寄せすれば、お弁当作らないでよくなるのかしら?」
「それ、とっても助かるんだけど」
「俺なんて、いつも持っていくのは干し肉、干し芋、だからもっと美味いのが食えたら嬉しいぜ。その場で肉を焼くのも毎日だと飽きるしな」
「ちょっと待って、たぶん商業ギルドでは買えるんだと思うけど?」
俺は『お取り寄せ』画面をチェックし始めた。
「商業ギルドの直営店って、パン屋が入ってたわよね」
「レストランも併設してたよな」
「あそこ、お持ち帰りやってたよ」
「卓郎、調べて、調べて」
沙耶が甘えるように卓郎掴んで揺する。
「あ、卓郎に触ってると、お取り寄せ画面が見えるんだね!」
「え! どれどれ?」
沙耶の叫びに有紗と純子が俺にてを伸ばす。
「ほんとだ。見える」
「あ、お惣菜、お弁当各種あるよ。パンもライスも売ってるね」
「やったぜ! 明日はお取り寄せな」
「「わーい。お弁当作らなくて済む。やったー」」
俺は、お取り寄せでみんなが喜んでくれるのを見て嬉しくなった。
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