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しおりを挟む家に帰ってきた卓郎。ちょっとバクガーでほろ酔い気分だ。
「今日は、良い日だったな。猪型も止めをさしたし、たくさん狩れた、百点ポイントはどのくらい増えたかな?」
俺は百点カードを開いてみる。
「冒険者ギルドっと」
目の前に冒険者ギルドのメッセージボードが現れる。
百点ポイント88、銅級、冒険者レベルF、力の一撃
ステータス、HP:80/80 攻撃力:139 防御力:80
速度:85 知力:100 器用:80、
「百点ポイント88!!」
すごい! なんでこんなにポイントがたまってるんだ?
想定外もいいところだ。俺は指折り数えてポイントを検証した。
猪型が10ポイント、山羊型3匹で15ポイント、ウサギ型リス型合わせて6ポイント位として31ポイント位じゃないの?
今までの狩の結果から考えて今日一日で30ポイント位ついてるのじゃないかと喜んでいたのだが、想定外の88ポイントには驚いた。
57ポイントも多いな? 57? 57?
「あ! 56万3千ゴルド買い取りした。それからお取り寄せは矢とポーション合わせて1万ゴルド。合わせて57万3千ゴルド」
1万ゴルドの売り買いで1ポイントつくのかも?
「きっとそうだ……」
俺は驚きのあまり頭に血が上り鼻血が出そうな気分である。
喜びと一緒に後ろめたさも湧いてくる。そう、56万ゴルドもの買い取り額は自分一人の物を売ったのではない。皆の狩の結果であり、その恩恵を、そのポイントを自分一人で受け取っても良いものだろうか?
だが、ポイントの使い道は、今のところ、スキルを身につけるか、ステータスを上げるかしかない。これは、他人に分け与えることはできないものである。
「うーん。とりあえず、まあ良いか。今更買い取りをしないのは、皆のためにならないのは明白だし、したほうが一日の稼ぎが何倍にもなるようだし、ポイントくらいおおめに見てもらってもばちは当たらないよね」
俺はそう独り言ちて納得する。
それに……ポイントで俺がもっと強くなれば、狩りが安全になるし、たくさん狩れるようになれば稼ぎだってもっと増える。もっとスピードが有れば、素早く皆を助けて回れるしな。
そう考えた俺はポイントをスピードに全振りする。
百点ポイント0、銅級、冒険者レベルF、力の一撃
ステータス、HP:80/80 攻撃力:139 防御力:80
速度:173 知力:100 器用:80、
速度のステータスが173、今までの倍の数字に変化した。
これでかなり早く動けるようになったことは確実だ。猪型や山羊型などが、女子達に突っ込んでいった時でも追いかけて対処できれば良いんだけどな。これで、きっと今までよりもっと皆の役に立てる。
そんなことを思いながら、きっとできると体のむずむずを感じながら自信を深めるのだった。
翌日、パーティは、昨日と同じく森の小道を抜け、山の斜面のほうに向かっていた。
「今日も稼ぐぞー!」
明が上機嫌で先を進む。山の斜面に差し掛かると沙耶が遠くに山羊型の群れを発見した。
「いたわ。山羊型8匹の群れよ」
「よーし。いっちょ、やったるかー!」
「気付かれないように近づきましょう」
明が俺に目配せしてからゆっくり隠れるように前進する。俺もそのあとに続いた。純子たちは矢を射かける準備をしながら魔物の群れに近付いていく。
俺は矢を射かけたらダッシュで切りかかるぞ……とショートソードに手をかける。
「ビュン!」
矢の放たれる音。
俺はダッシュして山羊型に追撃の刃を撃ち込む。山羊型の首が宙に飛んだ。
明の攻撃も別の山羊型を捕らえていた。傷付きながらも角を向ける山羊型に真剣な面持ちで対峙する明。
そして純子たちに射られた一匹は3本の矢を突き立て倒れ伏して伏している。俺はさっと近寄りショートソードを突き立て、明と闘っている魔獣の背後に回り込んだ。
俺に気を取られた一瞬の隙をついて明がロングソードを振りぬいた。剣は魔獣の頭を両断する。
「やったぜ!」
倒れた魔獣に片足をのせ、明が勝ち誇ったように剣を突き上げた。
「追いかけましょう」
純子は魔獣の逃げた方向を見据えていた。
「買い取りしちゃうよ」
「急いでお願いね」
女子3人はもう魔獣の後を追い始めている。俺は急いで『買い取り』処理を行い後に続いた。
逃げた山羊型5匹を見つけると、さっきと同じように攻撃を行い、結局二度の追撃ですべてを狩ることに成功した。
「8匹狩ったところで昼飯にしようぜ。もう腹ペコだ」
「そうね、お昼、だいぶ遅くなっちゃったわ」
「お取り寄せ、楽しみにしてたんだ」
「私も―」
「じゃあ『お取り寄せ』っと」
俺はメッセージボードを表示する。
4人がおれの体に手を置いて、メッセージボードを覗き見る。
「やっぱり、あったかいご飯が食いて―よな。後、味噌汁」
「そうね。持ち帰りは容器代が上乗せされるから、割高だけど味はどうかしら?」
「お店で食べるのと同じなら、きっと美味しいわよ」
「有紗と私は、お店で食べたこと、あるんだー」
「何がお薦め?」
「クリームコロッケとかエビフライとか、美味しかったわよ」
「私はオムライスも良いと思う」
明がよだれを腕で拭う。
『お取り寄せ』によって、楽しい昼食が始まるのだった。
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