ダメスキル『百点カード』でチート生活・ポイカツ極めて無双する。

米糠

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 夕方。
 腹が減って目を覚ました俺は、じわりと差し込む橙色の陽光に顔をしかめた。窓の向こうでは、太陽が沈みかけている。

 そういえば昨日の晩から何も食べてなかったんだった。朝方帰ってきたあとそのまま倒れるようにベッドに潜り込んで──。

「グーッ……」
 腹の音が、遠慮なく静寂を破る。分かってる、早くなにかくれって言ってんだろ。

 俺はベッドの上でぐっと一つ伸びをしたあと、のそりと立ち上がる。

「……『お取り寄せ』でもするか」

 街へ食べに行くほどの元気もないし、面倒だ。そんなとき役に立つのが、スキル『百点カード』の中でもよく使う一機能、『お取り寄せ』。メニューを開いて、さっと注文──目の前に現れたのは、できたてホヤホヤのハンバーグ弁当だった。便利だよね! 『お取り寄せ』。

 湯気が立ちのぼり、デミグラスソースの香りが鼻をくすぐる。

「うっまそ……!」

 思わず涎が出そうになりながら、俺は一気にかき込む。

 食べながら、ステータス画面をチェックする。

 百点ポイント43、銅級、冒険者レベルE、力の一撃 (魔法適性 光)
 ステータス、HP:200/200 MP?/? 
 攻撃力:209 魔法効果:2 防御力:200
 速度:284 知力:200 器用:200、

 ポイントは3ポイントだけしか増えていない。全員の弁当買った分が反映されたのだろう。後冒険者ランクはちゃんとEが反映している。

 無理に何か買えば百点ポイントを増やすことはできるけど、何か買うものあったっけ? ポイント貯まれば、魔法が覚えられる。金は今までになく貯まっている。

 片手用の盾かロングソードか? 大盾だと剣を持てないし、これはないな。
 ロングソードは安いものでも30万ゴルドはする。高級品になると一気に跳ね上がる。

 『お取り寄せ』のラインナップをざっと見ていたら、目に止まったのがコレ。

「ミスリル製ロングソード 中古良品 特価:70万ゴルド」

 ……ミスリル製? まじか。
 長さも扱いやすそうだし、本物ならマジで掘り出し物。ミスリル製と言えば魔力の伝導性が高いから、魔力を流せば斬れ味も強度も上がるってヤツ。上位の冒険者がこぞって愛用してる逸品だ。

 問題は俺のMPが「?/?」って謎表記なところ。
 でも、0だったら0/0って表示になるよな? この感じ、実は……あるんじゃないか?

 盾も見てみたけど、20万台はどれもイマイチ。50万くらい出せば良いのはあるけど……いやいや、やっぱりロングソードのほうが魅力的。

 ハンバーグ弁当を完食した俺は、少しだけ迷ったが――

「……ええい、ポチッとな!」

 画面をタップすると、ミスリル製のロングソードが光を帯びながら、目の前に現れた。
 う、美しい……。
 刀身を握って、その輝きを眺めながら、思わずニヤける。口元の緩みが止まらない。

「俺ってMP?/?なんだけど。いっちょ、試してみますか。」

 俺はミスリルの剣に魔力を流すイメージをする。なんだか掌から魔力が剣に流れ込んでいくような感覚。

 あ! やっぱ、俺の魔力、0じゃないわ、これ。だって剣がさっきから輝きを増してるんだもん。

 ムフフフフ……。

 これって……この剣の斬撃って、魔力が流れてるんだから単純に物理攻撃とは言い切れないよね。もしかしたらあの悪霊に、魔物に攻撃が通る可能性も0じゃないんじゃないだろうか?

 まあ、0じゃないってだけで、期待するのも危険だけどね。下手に期待したために、墓穴を掘るってことだってある訳で……まあいいか、まあいい。まあいい。


 よし、次は魔法! 現在の百点ポイントは113、100ポイント使っていよいよ魔法をおぼえるぞ!

 俺が覚えられる魔法を調べる。ライト、クリーン、キュア(解毒)、ヒール、覚えられる魔法は多くない。200ポイントあれば、もっと覚えられる魔法がいろいろあるのだろうが……。

 やはりここはヒール1択だよね。回復がこの中では1番欲しい。自分たちの傷を治すだけでなく、アンデッドに対しては攻撃力もあると聞くし。

 ポチッと押して、ステータスにヒールが追加されているのを確認。やっと最初の魔法を覚えたぜ!

 そして残りの13ポイントは魔法効果に全振りして15に上げておく。流石に2では、心許ないからね。

 本来なら、初魔法を覚えたこの瞬間、テンション爆上がりしてもいいはずなんだけど……どうにも胸に引っかかる心配事が2つ。
 それが重石になって、気持ちが晴れきらない。

「ふう……。明日に備えて、もう一眠りしとくか」

 肩をぐるぐると回して関節をほぐすと、俺は再びベッドに潜り込んだ。


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