首無し王と生首王后 くびなしおうとなまくびおうごう

nionea

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 馬場までの道はこのペースなら三十分ほどだ、とこっそりレンフロと会話をして教えてもらったアンネリザは、十分ほど進んだところで馬車の異変に気付いた。窓が開け放たれ、中で令嬢達が苦し気な表情を浮かべているのが見えたのだ。
(やっぱり五人は無理があったのね…)
 アンネリザはレンフロに頼んで先に行ってもらいつつ、コレトーに言って馬車を止めさせた。勝手に馬車を止められ、気分の悪い令嬢達はものすごい顔で睨み付けてきたが、アンネリザは平然と無視できる心臓の持ち主である。アイーナに降りるよう頼んで、他の令嬢達にはそのまま馬車で進んでもらう。
 アイーナは戸惑っていたが、物理的にも空気的にも精神的にも解放され、顔色は良かった。
「ごめんなさい。でもあのまま馬車に乗っていたのではお体を悪くされると思って。馬で参りましょう」
「あの、でも。私、馬には乗れませんわ…」
「彼女が同乗いたしますから」
 アンネリザの言葉に応えるように、ヴァリシャが笑顔を浮かべた。
「主人と同乗する事もございますので、お心安くお任せ下さい」
「はい、お願いします」
 自然な動作で跪かれ、アイーナも自然に応じてしまう。
「失礼いたします」
 ヴァリシャが告げると、アイーナの足元、ドレスの裾を乱れないように片手を回して押さえ、背に手を添えて抱え上げてしまう。
「あ、あの…!」
 驚くべき事に、ヴァリシャはアイーナを抱えたまま、鐙に足をかけすっと騎乗してしまった。
「大丈夫ですから、どうぞ力を抜いてもたれかかる様になさって下さい。しっかりと支えておりますから」
「はい…」
 ぽーっとした顔になるアイーナを見て、ああまたヴァリシャが令嬢を赤くしている、と思った。昔から群を抜いて長身だったヴァリシャは、忠誠心の塊のような真っ直ぐさもあって、シレーナやアンネリザのみならず彼女達の周りの令嬢も含め、このお小さい方々は己が守らなければという行動が多かった。
(小さい頃はよく擬似騎士様やらされてたせいもあるのよね、たぶん)
 そんなヴァリシャに男性陣が付けたあだ名を、アンネリザは知っている。令嬢殺しである。ヴァリシャがシレーナと共に社交の場に来ると、何故かこぞって女性陣がヴァリシャの元に行くため付けられたのだが、アンネリザとしては何と的を射た表現だろうと感心したものだ。
(まぁ何はともあれこれでアイーナ様も他の皆様も揃って倒れるような事にはならないでしょう)
 コレトーに同乗させてもらい、足を速めてレンフロを追いながら、アンネリザはほっと胸をなで下ろした。馬車にどうぞと言い出した手前、病人を出す事になっていたら流石に気にしていたところだ。
 途中で馬車を追い越し、レンフロに追い着く。馬場に着いたのは予定通り、三十分経った頃だ。
 ヴァリシャは乗った時と同様にアイーナ共々下りる。アンネリザは下りたコレトーに手を借りながら降りた。本当は一人で飛び降りれるのだが、そこは体面というものだ。
「立派な馬場ですね…」
 ヴァリシャが呟く声にアンネリザも同意と感心の溜息で応える。広大な砂地の馬場は、一面しっかりと水分を含んでいる事が解る濃い色をしていたが、泥にはなっていない。手入れが行き届いているという事だ。
 乗り手達を下ろし、風丸と花丸は楽しそうに馬場を駆け始めた。月丸はレンフロから離れずにいるが。
「折角だから、お前が陛下に披露するかい?」
 月丸はそう声をかけられると、珍しく興奮して前足で地を掻いてみせる。宥めるように首を撫でて、レンフロの許可を得た上でヴァリシャが月丸に騎乗するため馬場に入っていく。
 常歩、速歩、駈歩、襲歩、というように徐々に速度を上げて一駆けすると、設置されている障害物を越えていく。
「すごいな…」
「上手い」
 アンネリザは、同行していた騎士達が感心する言葉に心の中でにんまりと得意顔を作りつつ、表面上は穏やかにそっと微笑んだ。本当はレンフロの横に居るつもりだったのだが、話をしようと思えば離れていてもできるので、そっと距離を取った。馬車から降りて気合でレンフロのやや後ろに控える令嬢達を避けたのだ。
 同じく令嬢達に押されつつもレンフロの近くをキープしている騎士達はちょうどアンネリザにとっても令嬢達との間の壁になってくれている。
(そうでしょう? そうでしょう! ヴァリシャってばすごいんだから!)
 そんな内心得意満面な主筋の事は気付かずに、ヴァリシャは、内心どうしたものかと考えていた。彼女にとって今日連れてきた馬達は、弟妹であり友人であり自慢である。この国のどんな馬にも引けをとりはしないと確信している。自身の馬術についても、主人達が褒め誇っていくれているのだ、卑屈に思う事は一切ない。
 ただ、例えば騎士の面目を潰すような、やり過ぎた真似をするのはよくない事だ。
 主人の夫が騎士であったので、ヴァリシャは騎士の馬術がどれほどのものか知っている。はっきり言うと、彼女の方が馬術巧者であるのは疑いようがない。それは馬の種類にも差があったし、騎士の行為の主体が馬上での戦闘である事から生じる差ではあるのだが。
(お嬢様は、期待されているようだし。月丸も陛下の前で良いところ見せたいようだな………)
 少し悩んだが、騎士から見れば曲芸の類だろうから、と横足や斜横足、後肢旋回や足踏みを披露する。一頻りの歩様を行ったところで、ヴァリシャは下馬してレンフロの前へ行く。
「実に素晴らしいものを見せてもらった。礼を言う」
「我が身の誉れです」
「アケチの姫」
「はい」
「エリット男爵夫人にもそう伝えておいてくれ」
「畏まりました」
 その後レンフロは新しく呼んでいた馬車に乗り帰ることになり、見送った後でアンネリザ達も花の館へ向けて出発することとなった。
 と、思っていたのだが、そんなに甘い訳がなかった。
「アケチの姫様」
「ちょっとよろしいかしら」
 棟裏と同様に、シトロベルとメリーラッツァを前面に四人に囲まれる。すぐにアイーナがかばうように間に入ってくれたが、四人の令嬢の威圧感は緩まない。
 アンネリザとしては予想していたことなので、特に気にならない。だが、かばってくれようとしているアイーナが気の毒で、どうしようかと内心で首を捻る。
「何か御用でしたら、花の館に戻ってからでよろしいでしょうか? 姉が帰る時間もありますし、皆様も陛下に馬車をお返ししなくてはならないでしょうから」
 ひとまずお茶を濁す手法をとってみた。この案なら筋は通っているし、彼女達にとって味方が増える花の館に戻るのだから、文句は出ないはずだ。案の定、渋々感を滲ませつつも全員が同意した。
 再びアイーナはヴァリシャと風丸に同乗し、アンネリザは花丸に、コレトーは月丸に乗った。残りの令嬢達は当然馬車に乗り込む。
(なんとか問題を先延ばしにしたけど…どんな言い訳しようかしら)
 花丸の上で心地よく風に当たりながら、アンネリザは懸命に考えた。
(下手の考え休むに似たりとはよく言ったものね)
 途中までは懸命に考えていたアンネリザだったが、気が付くと心地よく揺れる馬上でうとうとしてしまう。結局花の館にたどり着いても良い言い訳は考えついていなかった。
 馬車よりも先行して帰り着いているので、まずシレーナを見送る作業は問題無く終えた。まだ、馬車は着いていないので部屋に引き返そうかと考えていると、タイミングをはかっていたように馬車が帰着する。
(逃げられないか。まぁ、いいや)
 始めから四人だったからか、途中で休憩を挟んだからか、両方か、馬場で降りてきた時に比べてだいぶ顔色が良い令嬢達を待って、アンネリザは花の館正面に立ち尽くしている。中に入ろうかとも思ったのだが、各棟の取り巻き組がひしめいていたので、止めたのだ。
 ちなみにアイーナには、何か誤解があるようだけれど私がちゃんと説明するので大丈夫ですよ、と言って紅菊派共々棟へ引き上げてもらっている。
 瞳に明らかな怒気を湛えたシトロベルとメリーラッツァ、訝る瞳のアヤメ、怒りというよりも冷たさの滲むリリアンヌ。そんな反応の別れ方に、やっぱりシトロベルとメリーラッツァは似た者同士なのだな、とアンネリザは暢気な考えを浮かべた。
 状況は、完全包囲である。下手に矛先が向くのが嫌で、コレトーにもナナリスにも下がってもらっているため、一対四だ。
「何の御用でしょうか?」
 この状況で、アンネリザはニッコリと笑って小首を傾げてみせる。令嬢達からすれば、侮っていた小娘がとんでもない猫を被っていた、と騙された思いだろう。
 感情の表に出易いシトロベルとメリーラッツァなど、わなわなと扇子を握る手が震えている。
「貴方、一体いつ陛下とお約束をなさいましたの?」
 感情を必死に押し殺すような震える声でシトロベルが問いかけてきた。
「馬を見せるお約束の件でしたら、私ではなくエリット男爵のお約束です」
 嘘ではなかった。発端はアンネリザとレンフロの直接の会話だが、そういう体をとって根回していたので、公の流れとしてはエリット男爵が妻の侍従の馬を褒めた所からになっている。
「は?」
「陛下とエリット男爵のお約束でしたのなら、何故貴方の元に陛下がやってきましたの?」
 シトロベルを遮るように言葉を発したメリーラッツァの目が誤魔化すなと語りかけていた。
「姉がエリット男爵に嫁いだのは今年の事で、馬術を披露いたしました侍従は、未だ我がアケチ家の家人ですので」
 侍従の主人はエリット男爵夫人でも、彼女の主家はアケチ家だから私がしゃしゃり出たんですよ、とアンネリザは言っている。これは一応の筋は通っている話だ。目の前の怒りに震える彼女達に通じるかどうかは別だが。
「馬だなんて…本当にアケチの姫様は変わった手駒をお持ちね。そうやって、何でもない顔をして陛下に取り入ろうだなんて、恥ずかしくありませんの?」
 アンネリザにとっては思いがけないことに、アヤメから直接的な口撃を受けた。アンネリザが意外だという思いで見つめ返すと、心底蔑んだ目がこちらを向いている。
(恥ずかしい、ねぇ…)
 こういう時は何か言うだけ無駄だと解るので、アンネリザは無言で首を傾げる。
「?」
 そもそもアケチ家の名馬の話は、その乗り手共々八年以上前から有名な話である。何故ならアケチ伯爵その人が、様々な場面で言いふらしていたからだ。女性陣はもしかしたら興味がなくて知らなかったのかもしれないが、レンフロだって名馬と名手が居るという話はアンネリザが言い出す前から知っていた。その、アケチの資産とも言うべき馬を使う事を、変わっていると思われるのなら、それは価値観の違いだ。
 アヤメは苛立たしさを現すように扇子を己の手のひらで受けてぱしんという音を立てた。
「なるほど。解りました」
 黙って一連を見ていたリリアンヌは、パチリと扇子を閉じると、一言言いおいて踵を返す。
「今日の事、よぉく覚えておきますわ」
 リリアンヌの一言を最後に四人が揃ってアンネリザの前から去っていく。それぞれにきつい睨みを浴びせてからだが。
(あーあ、随分怒らせてしまったわ)
 アンネリザとしては、本当に馬達とヴァリシャを自慢したかっただけなので、薄々怒らせるだろうなとは思っていたが、ここまでとは思っていなかった。まぁ、ほとんど気にしていないが。
(家の馬を自慢するのが陛下に取り入る事になると本気で思っているなら彼女達も馬を飼えば良いのよ。まったく。自分達の状況が好転しなくて機嫌が悪いからって私に当たらないで欲しいわ。そもそも自分達の家に対してアケチ家なんて大した事ないって考えが頭にあるからあんなに怒るのよ。自分達の傲慢さこそ恥ずかしがって欲しいわね)
 アンネリザの心臓は、たぶん鍛え上げられた鋼か何かでできている。
「ねぇ、コレトーだってそう思うでしょう?」
 主人から話を聞いて、コレトーが押さえた胃も、是非アンネリザの心臓と同じもので作り代えてあげたい、柔らかな微笑みの下でマツはそんな事を考えていた。
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