27 / 117
〜シンデレラガール〜
大門の死闘
しおりを挟む
レンがアークガルド城の大門についたときには、辺りはすでに騒然となっていた。
時折大門の外から弓矢が降ってきてそれに当たって負傷した兵士達があちこちに居た。大門の前には大勢の信者たちが詰めかけていた。
アークガルド城の大門前には小さな橋が架かっていて、その橋の上に大勢が押し寄せていたので、このままでは橋が人の重さで壊れそうになっていた。
信者たちはどこからか大木を持ってきて、多くの信者がその大木を担いで釣鐘の様に大門に衝突させていた。大門は大きな音を立て振動すると大きなヒビが入った。
あと2~3回同じように大木をぶつけられれば門が壊れてしまうと思ったレンは、大門に近づくと近くの衛兵に大門を開放するように言った。
「何を言っているんだ? そんなことをすれば大勢の信者達が一斉に城内になだれ込んでしまうぞ!!」
衛兵は必死でレンに抵抗したが、レンも負けじと言い返した。
「早くしろ!! いずれにしろ、もうこの大門は持ちこたえられない。俺に任せろ!!」
「で……ですが……」
「任せろと言ってるんだ!! 誰一人として城内に入れやしない」
漆黒のレンにそこまで言われて衛兵は観念した様子で大門を開放するように仲間の衛兵に言った。仲間の衛兵は大門を開けるため操作盤に走って行った。
レンはその様子を見届けると大門の前に立ち腰に下げている刀の柄に手をかけた。漆黒のオーラが体中から溢れだして、あっという間に体中が包まれた。
『ゴゴゴゴ…………」
「な……なんだ? 大門が開くぞ! このスキに城の中になだれ込むぞ!!」
多くの信者が大門の開いた隙間から一斉に入ってきた。
『ドォオオオーーーン!!!』
レンは前方の地面に刀を振り下ろした。ものすごい衝撃波が出て大門に入ろうとした信者達は10メートルほど後ろに吹き飛ばされた。
レンは攻撃した後にゆっくりと大門の外に向かって歩き出した。近くの衛兵に自分が大門から出たら門を閉めろと言った。
「そ……そんなことをしたらあなたが無事ではすみませんよ」
「大丈夫だ。俺がここで食い止める。心配するな」
レンはそう言うと大門から外に出ていった。衛兵はレンに言われたとおり大門から出ていくのを見届けるとしぶしぶ門を閉止した。
大門の外は何が起こったかわからない信者達がパニックを起こしていた。
大門が開いて押し寄せたまでは良かったが、次の瞬間、大勢が橋の外まで吹き飛ばされていた。大門を見ると土煙の中、何者かが大門から出てくるのが分かった。
「なんだ? 誰か城から出てきたぞ?」
「あれは? 誰だ?」
「黒いオーラに包まれているぞ! まさか! あいつは漆黒のレンじゃないか?」
「なに? 漆黒のレンだと? 剣聖が出てきたのか?」
「あいつが剣聖? 漆黒のレンという奴か?」
教団の信者達は騒然となり、目の前の鎧を纏った青年に皆が恐怖した。
「どうする?」
「どうするって言ったって、相手は剣聖だぞ」
信者達が動揺しているとレンが大声で信者たちに言った。
「聞けアスペルド教団の信者達よ! ここから先に入ることは俺が許さん! その橋に一歩でも入ったやつは容赦なく攻撃するから覚悟しろ!」
レンはそう言うとオーラを爆発させた。一層大きくなったオーラを見て信者たちは恐れおののいた。
「ヒィイイーーー!」
信者たちは我先にと大門前の橋から逃げ出した。
信者達が逃げ出している中、一人の男がレンの前に姿を表した。ロマノフだった。
「これは、これは伝説の剣聖の再来とまで言われている、あなたが漆黒のレンですか?」
「そうだ。アスペルド教団よ、ここからはこの剣聖が相手になってやる」
「我々は逃げたりは決してしない。いかに剣聖だろうが、これだけの人数を相手に無事ではすみませんよ」
「いいぜ。試してみろよ。俺は覚悟ができている」
アスペルド教団の信者たちは再び橋の前まで集まって来ていた。レンは襲撃に備えて剣を構えた。一触即発の状態になり今にも戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
その時、橋の前に集まった信者たちが一斉にどよめいた。信者たちの視線の先には大門の上に姿を表したアークガルド王がいた。
時折大門の外から弓矢が降ってきてそれに当たって負傷した兵士達があちこちに居た。大門の前には大勢の信者たちが詰めかけていた。
アークガルド城の大門前には小さな橋が架かっていて、その橋の上に大勢が押し寄せていたので、このままでは橋が人の重さで壊れそうになっていた。
信者たちはどこからか大木を持ってきて、多くの信者がその大木を担いで釣鐘の様に大門に衝突させていた。大門は大きな音を立て振動すると大きなヒビが入った。
あと2~3回同じように大木をぶつけられれば門が壊れてしまうと思ったレンは、大門に近づくと近くの衛兵に大門を開放するように言った。
「何を言っているんだ? そんなことをすれば大勢の信者達が一斉に城内になだれ込んでしまうぞ!!」
衛兵は必死でレンに抵抗したが、レンも負けじと言い返した。
「早くしろ!! いずれにしろ、もうこの大門は持ちこたえられない。俺に任せろ!!」
「で……ですが……」
「任せろと言ってるんだ!! 誰一人として城内に入れやしない」
漆黒のレンにそこまで言われて衛兵は観念した様子で大門を開放するように仲間の衛兵に言った。仲間の衛兵は大門を開けるため操作盤に走って行った。
レンはその様子を見届けると大門の前に立ち腰に下げている刀の柄に手をかけた。漆黒のオーラが体中から溢れだして、あっという間に体中が包まれた。
『ゴゴゴゴ…………」
「な……なんだ? 大門が開くぞ! このスキに城の中になだれ込むぞ!!」
多くの信者が大門の開いた隙間から一斉に入ってきた。
『ドォオオオーーーン!!!』
レンは前方の地面に刀を振り下ろした。ものすごい衝撃波が出て大門に入ろうとした信者達は10メートルほど後ろに吹き飛ばされた。
レンは攻撃した後にゆっくりと大門の外に向かって歩き出した。近くの衛兵に自分が大門から出たら門を閉めろと言った。
「そ……そんなことをしたらあなたが無事ではすみませんよ」
「大丈夫だ。俺がここで食い止める。心配するな」
レンはそう言うと大門から外に出ていった。衛兵はレンに言われたとおり大門から出ていくのを見届けるとしぶしぶ門を閉止した。
大門の外は何が起こったかわからない信者達がパニックを起こしていた。
大門が開いて押し寄せたまでは良かったが、次の瞬間、大勢が橋の外まで吹き飛ばされていた。大門を見ると土煙の中、何者かが大門から出てくるのが分かった。
「なんだ? 誰か城から出てきたぞ?」
「あれは? 誰だ?」
「黒いオーラに包まれているぞ! まさか! あいつは漆黒のレンじゃないか?」
「なに? 漆黒のレンだと? 剣聖が出てきたのか?」
「あいつが剣聖? 漆黒のレンという奴か?」
教団の信者達は騒然となり、目の前の鎧を纏った青年に皆が恐怖した。
「どうする?」
「どうするって言ったって、相手は剣聖だぞ」
信者達が動揺しているとレンが大声で信者たちに言った。
「聞けアスペルド教団の信者達よ! ここから先に入ることは俺が許さん! その橋に一歩でも入ったやつは容赦なく攻撃するから覚悟しろ!」
レンはそう言うとオーラを爆発させた。一層大きくなったオーラを見て信者たちは恐れおののいた。
「ヒィイイーーー!」
信者たちは我先にと大門前の橋から逃げ出した。
信者達が逃げ出している中、一人の男がレンの前に姿を表した。ロマノフだった。
「これは、これは伝説の剣聖の再来とまで言われている、あなたが漆黒のレンですか?」
「そうだ。アスペルド教団よ、ここからはこの剣聖が相手になってやる」
「我々は逃げたりは決してしない。いかに剣聖だろうが、これだけの人数を相手に無事ではすみませんよ」
「いいぜ。試してみろよ。俺は覚悟ができている」
アスペルド教団の信者たちは再び橋の前まで集まって来ていた。レンは襲撃に備えて剣を構えた。一触即発の状態になり今にも戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
その時、橋の前に集まった信者たちが一斉にどよめいた。信者たちの視線の先には大門の上に姿を表したアークガルド王がいた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】異世界リメイク日和〜おじいさん村で第二の人生はじめます〜
天音蝶子(あまねちょうこ)
ファンタジー
壊れた椅子も、傷ついた心も。
手を動かせば、もう一度やり直せる。
——おじいさん村で始まる、“優しさ”を紡ぐ異世界スローライフ。
不器用な鍛冶師と転生ヒロインが、手仕事で未来をリメイクしていく癒しの日々。
今日も風の吹く丘で、桜は“ここで生きていく”。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる