1 / 132
第01章 最低な始まり
プロローグ
しおりを挟む
僕に名前はない、というのも、僕は奴隷だからだ。
奴隷となると、それまでの名前は白紙になる。
それでも、普通は名前を憶えている。
でも、僕の場合は、元から自分の名前なんて知らない。
誰も、僕のことを名前で呼んでくれなかったから。
どうしてかって、僕の両親は僕が幼いころ魔物に襲われて死んだらしい。
だから、僕は両親のことは全く覚えていない。
そんな幼い僕は、村長の手配により、村のある家族に引き取られた。
そこで、僕はまさに馬車馬のようにこき使われていた。
畑の雑草取り、水運び、荷運び、普通なら小さな子供にやらせないようなことや、ちょっとしたことまで、すべてだ。
それでも、僕は最初は、この人たちが自分の家族なんだって思っていた。
でも、それはすぐに違うことが分かった。
なぜかって、ある時僕は教えられたんだ。
僕が、この家の家族ではないって、僕の両親が魔物に殺されたんだった。
ショックだった。でも、同時に納得もできたし、ほっとした。
よかったよ、こんなひどい人たちが家族じゃなくて、でも、それでも僕がこき使われることが無くなるわけじゃなかった。
それから、数年が経った。
食事も満足にもらえず、こき使われていた僕は、体も小さくやせ細っていた。
そんなとき、僕を引き取った家族の1人が冒険者になるために街に出ることとなった。
僕は殴ってくる1人が減るんだと、内心喜んだ。
でも、旅立ちの朝、僕は突然鞄に入れられた。
何かよくわからない。
そうして、暗闇で揺れること数時間は経っていたと思う。
急に鞄が開けられた。
久しぶりに見る光に目がくらんだ。
「こ、これは、子供? ですかな」
「ええ、こいつを買ってください、いくらになります?」
「そうですね。見たところ、ずいぶんとやつれていますからね。そうですね。これぐらいでしょうか」
そういったのは、見たことのないおじさんだった。
なんの話をしているのだろうと思ったけど、その時の僕にはわからなかった。
まぁ、後で聞いたところによると、おじさんは奴隷商人で、つまり僕は奴隷として売られたということみたいだ。
その値段はセリウス銀貨1枚、奴隷としてはすごく安い値段らしい。
まぁ、あんなにやせ細っていたら、当たり前だと思う、でも、僕を売った人は意気揚々とお金を受け取り去っていった。
こうして、僕は奴隷となった。
奴隷というものは人という扱いをしない、一応食事は出る。そこは村にいるときよりはよかったと思う。
なにせ、村にいるときは時々ご飯がもらえなかったから……
また、毎日のように働かされることはなかった。
ここには僕のように奴隷はいっぱいいたし、何より僕たちは商品であり奴隷商人の奴隷ではないからだ。
じゃぁ、何をしていたかというと、ただ牢屋に入れられてじっとしているだけだった。
時々、知らない人が来て僕たちを品定めして去っていく。
特に僕は小さく細かったことから誰もが去っていく。
そのため、何度もた叩かれた。
それでも、村にいたころに比べるとましな方だと思う。
数年が経ったと思う、僕があまりにも売れないことから、もてあまし別の街で僕を別の奴隷商人に売ることとなった。
ということで、馬車に押し込められて街道を揺られること2日、ついに僕たちを乗せた馬車は隣町であるドロッペインという街たどり着いた。
ドロッペインは僕が売られた街と比べると数倍の大きさがあり、奴隷商が複数存在しているらしい。
その中の1つが僕を買ってくれると、奴隷商は喜んでいた。
そうして、僕は別の奴隷商の商品となった。
あれから、数日が経った。
僕は相変わらず全く売れなかった。
新しい奴隷商人も僕が売れないことに腹を立てたのか叩かれた。それも何度も何度もだった。
痛かったけど、僕には抵抗する力はない。
ただ、なすがままだった。
「……」
叩かれたことで体中が痛い、寝ようとしても眠れない。つらい、どうして、僕はこんな目に会ってるんだろう。
これなら、死んだ方がいいのかな、僕なんて、ボクなんて、いないほうがいいんだ。きっと……
「……うっ、が、がぁぁぁぁぁ!!」
その時だった。突然僕の頭が割れるように痛くなったんだ。
奴隷となると、それまでの名前は白紙になる。
それでも、普通は名前を憶えている。
でも、僕の場合は、元から自分の名前なんて知らない。
誰も、僕のことを名前で呼んでくれなかったから。
どうしてかって、僕の両親は僕が幼いころ魔物に襲われて死んだらしい。
だから、僕は両親のことは全く覚えていない。
そんな幼い僕は、村長の手配により、村のある家族に引き取られた。
そこで、僕はまさに馬車馬のようにこき使われていた。
畑の雑草取り、水運び、荷運び、普通なら小さな子供にやらせないようなことや、ちょっとしたことまで、すべてだ。
それでも、僕は最初は、この人たちが自分の家族なんだって思っていた。
でも、それはすぐに違うことが分かった。
なぜかって、ある時僕は教えられたんだ。
僕が、この家の家族ではないって、僕の両親が魔物に殺されたんだった。
ショックだった。でも、同時に納得もできたし、ほっとした。
よかったよ、こんなひどい人たちが家族じゃなくて、でも、それでも僕がこき使われることが無くなるわけじゃなかった。
それから、数年が経った。
食事も満足にもらえず、こき使われていた僕は、体も小さくやせ細っていた。
そんなとき、僕を引き取った家族の1人が冒険者になるために街に出ることとなった。
僕は殴ってくる1人が減るんだと、内心喜んだ。
でも、旅立ちの朝、僕は突然鞄に入れられた。
何かよくわからない。
そうして、暗闇で揺れること数時間は経っていたと思う。
急に鞄が開けられた。
久しぶりに見る光に目がくらんだ。
「こ、これは、子供? ですかな」
「ええ、こいつを買ってください、いくらになります?」
「そうですね。見たところ、ずいぶんとやつれていますからね。そうですね。これぐらいでしょうか」
そういったのは、見たことのないおじさんだった。
なんの話をしているのだろうと思ったけど、その時の僕にはわからなかった。
まぁ、後で聞いたところによると、おじさんは奴隷商人で、つまり僕は奴隷として売られたということみたいだ。
その値段はセリウス銀貨1枚、奴隷としてはすごく安い値段らしい。
まぁ、あんなにやせ細っていたら、当たり前だと思う、でも、僕を売った人は意気揚々とお金を受け取り去っていった。
こうして、僕は奴隷となった。
奴隷というものは人という扱いをしない、一応食事は出る。そこは村にいるときよりはよかったと思う。
なにせ、村にいるときは時々ご飯がもらえなかったから……
また、毎日のように働かされることはなかった。
ここには僕のように奴隷はいっぱいいたし、何より僕たちは商品であり奴隷商人の奴隷ではないからだ。
じゃぁ、何をしていたかというと、ただ牢屋に入れられてじっとしているだけだった。
時々、知らない人が来て僕たちを品定めして去っていく。
特に僕は小さく細かったことから誰もが去っていく。
そのため、何度もた叩かれた。
それでも、村にいたころに比べるとましな方だと思う。
数年が経ったと思う、僕があまりにも売れないことから、もてあまし別の街で僕を別の奴隷商人に売ることとなった。
ということで、馬車に押し込められて街道を揺られること2日、ついに僕たちを乗せた馬車は隣町であるドロッペインという街たどり着いた。
ドロッペインは僕が売られた街と比べると数倍の大きさがあり、奴隷商が複数存在しているらしい。
その中の1つが僕を買ってくれると、奴隷商は喜んでいた。
そうして、僕は別の奴隷商の商品となった。
あれから、数日が経った。
僕は相変わらず全く売れなかった。
新しい奴隷商人も僕が売れないことに腹を立てたのか叩かれた。それも何度も何度もだった。
痛かったけど、僕には抵抗する力はない。
ただ、なすがままだった。
「……」
叩かれたことで体中が痛い、寝ようとしても眠れない。つらい、どうして、僕はこんな目に会ってるんだろう。
これなら、死んだ方がいいのかな、僕なんて、ボクなんて、いないほうがいいんだ。きっと……
「……うっ、が、がぁぁぁぁぁ!!」
その時だった。突然僕の頭が割れるように痛くなったんだ。
応援ありがとうございます!
21
お気に入りに追加
45
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる