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沙羅との約束の日
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数日後、私は沙羅との待ち合わせ場所に来ていた。
久しぶりに会う沙羅はどうしているだろうか?元気にしているだろうか?
そんな事を考えながら待っていると、遠くの方から沙羅の声が聞こえた。
私はその声の方に顔を向け、大きく手を振った。
沙羅もそれに答えるように手を振り、こちらに駆け寄ってきた。
その姿を見て、私は嬉しくなった。
「ルカ~~!!久しぶり!!」
「お久しぶりです、沙羅……わっ!」
沙羅はいきなり私に抱きついてきて、そのまま勢いよく後ろに倒れた。
沙羅の重みを感じながら、私は目を閉じて沙羅の温もりを感じていた。
しばらくして、どちらともなく離れると、お互いに見つめ合い微笑んでいた。
やっぱり沙羅は凄い、さっきまであんなに不安な気持ちとかでいっぱいだったのに、沙羅の顔を見ると全て吹き飛んでしまった。
やっぱり私にとって沙羅はとても大きな存在なんだと改めて思ってしまった。
「そうだ!ルカに渡したいものがあったんだ、よいしょっと……」
「渡したいもの……?」
「うん!えっとねぇ~~」
沙羅は持っていた鞄の中をゴソゴソと漁り、何かを探しているようだ。
その様子を見て、何だか子供みたいだなぁと思いクスッと笑ってしまう。
すると、探し物が見つかったようで、それを取り出すと私の目の前に差し出した。それは、可愛いリボンが付いた小さな包みだった。
私は、それを受け取って首を傾げながら沙羅を見つめた。
沙羅は少し照れ臭そうにしながら口を開いた。
「これね、私とフィリスで作ったんだ……」
「お二人で?開けてみてもいいでしょうか?」
「うん……!!」
スルッと包みのリボンを解き、包みを開くとそこには、美味しそうなクッキーが入っていた。
形は少し歪だったけれど、とても可愛らしい形をしていた。
「少し食べてみてもいいかしら?」
「もちろんだよ!食べて食べて~」
包みの中に入っていたその一つを摘まんで口に運ぶ。
サクッとした食感の後に優しい甘さが広がった。
優しくて懐かしい……二人が作ったクッキーはそんな味がした。
「どうかな……?」
「……すごく美味しいです。沙羅ありがとうございます、フィリスにもありがとうと伝えてください」
「うん……!!フィリスも喜ぶよ!!」
そう言って、沙羅はパァーっと弾けたような笑顔を見せてくれた。
この笑顔を見ると、自然と私も顔が綻んでしまう。
「それで、ルカの話したい事って?」
「そうでした、えっと……もうちょっと人気のない所に行きましょうか」
「う、うん……」
そう言って私は、人気の無さそうな公園のベンチへと移動した。
沙羅は私の横に座って、私の言葉を待っていた。
私は深呼吸をして心を落ち着かせると、ゆっくりと話しを始めた。
「まず、私達がここを空けていた数日の事をお話します」
「やっぱり旅行じゃ無かったんだ……」
「えぇ、嘘を付いてしまってごめんなさい……」
「そんな!謝らないで……!!それよりお話を聞かせて?」
「ありがとうございます………あの時、私達は北の国に向かっていました、とある情報を耳にして……」
そうして私は、あの国で起きた出来事を全て沙羅に話した。
沙羅は真剣に聞いてくれていて、時折悲しげな表情を見せた。
話を終えると、沙羅は私の方を向いて口を開いた。
その瞳には、涙を浮かべていた。
「ルカがそんな危険な目に遭っていただなんて…ムル……それに魔女……」
「ごめんなさい、本当はルカには隠しておくつもりでした……でも……」
「謝らないでよ~私も何か力になれる事があったら言ってね!」
「沙羅………ありがとうございます。でも、沙羅をそんな危険な目に合わせるわけには」
「私だって強くなってるんだよ?だから私にもルカを守らせて」
「分かりました……でも、あの人には気を付けて………」
「あの人?誰?」
「アルマ様です」
「アルマ……?」
沙羅はその名前を聞いて、さっきまでニコニコとしていたルカの顔が歪んだ。
無理もない、私と沙羅はあの人に対していい思い出が無いから。
けれど、話さない訳にもいかない……
ふぅ、と深呼吸をしてゆっくりと話し始めた。
アルマ様が私を狙っている事、そしてその為に黒いローブの男と組んで行動している事。
その男は闇魔法を使い、この国で色々と問題を起こしている事も伝えた。
そして、ムルを連れ去った犯人だと言う事も伝えた。
沙羅は最初は驚いていたけれど、最後までちゃんと聞き入れてくれて、最後には納得してくれた。
そして、何かを考え込んでいるようだった。
私は、沙羅が何を考えているのか分からなかった。
だけど、きっと悪い事では無いのだろうと思った。
「うん!色々と事情は分かった、私も何か情報が無いか探してみる」
「いいのですか……?」
「うん!その代わり……私の話も聞いてくれる?」
「沙羅の?もちろんです」
私は沙羅が何を話すつもりなのか全く想像出来なかった。
けれど、沙羅の表情からは今まで見たことの無いくらい真剣な眼差しで、真っ直ぐと私を見つめていて、それだけで大事な話なのだと察することが出来た。
沙羅は一息ついて、落ち着いた声でゆっくりと話し始めた。
久しぶりに会う沙羅はどうしているだろうか?元気にしているだろうか?
そんな事を考えながら待っていると、遠くの方から沙羅の声が聞こえた。
私はその声の方に顔を向け、大きく手を振った。
沙羅もそれに答えるように手を振り、こちらに駆け寄ってきた。
その姿を見て、私は嬉しくなった。
「ルカ~~!!久しぶり!!」
「お久しぶりです、沙羅……わっ!」
沙羅はいきなり私に抱きついてきて、そのまま勢いよく後ろに倒れた。
沙羅の重みを感じながら、私は目を閉じて沙羅の温もりを感じていた。
しばらくして、どちらともなく離れると、お互いに見つめ合い微笑んでいた。
やっぱり沙羅は凄い、さっきまであんなに不安な気持ちとかでいっぱいだったのに、沙羅の顔を見ると全て吹き飛んでしまった。
やっぱり私にとって沙羅はとても大きな存在なんだと改めて思ってしまった。
「そうだ!ルカに渡したいものがあったんだ、よいしょっと……」
「渡したいもの……?」
「うん!えっとねぇ~~」
沙羅は持っていた鞄の中をゴソゴソと漁り、何かを探しているようだ。
その様子を見て、何だか子供みたいだなぁと思いクスッと笑ってしまう。
すると、探し物が見つかったようで、それを取り出すと私の目の前に差し出した。それは、可愛いリボンが付いた小さな包みだった。
私は、それを受け取って首を傾げながら沙羅を見つめた。
沙羅は少し照れ臭そうにしながら口を開いた。
「これね、私とフィリスで作ったんだ……」
「お二人で?開けてみてもいいでしょうか?」
「うん……!!」
スルッと包みのリボンを解き、包みを開くとそこには、美味しそうなクッキーが入っていた。
形は少し歪だったけれど、とても可愛らしい形をしていた。
「少し食べてみてもいいかしら?」
「もちろんだよ!食べて食べて~」
包みの中に入っていたその一つを摘まんで口に運ぶ。
サクッとした食感の後に優しい甘さが広がった。
優しくて懐かしい……二人が作ったクッキーはそんな味がした。
「どうかな……?」
「……すごく美味しいです。沙羅ありがとうございます、フィリスにもありがとうと伝えてください」
「うん……!!フィリスも喜ぶよ!!」
そう言って、沙羅はパァーっと弾けたような笑顔を見せてくれた。
この笑顔を見ると、自然と私も顔が綻んでしまう。
「それで、ルカの話したい事って?」
「そうでした、えっと……もうちょっと人気のない所に行きましょうか」
「う、うん……」
そう言って私は、人気の無さそうな公園のベンチへと移動した。
沙羅は私の横に座って、私の言葉を待っていた。
私は深呼吸をして心を落ち着かせると、ゆっくりと話しを始めた。
「まず、私達がここを空けていた数日の事をお話します」
「やっぱり旅行じゃ無かったんだ……」
「えぇ、嘘を付いてしまってごめんなさい……」
「そんな!謝らないで……!!それよりお話を聞かせて?」
「ありがとうございます………あの時、私達は北の国に向かっていました、とある情報を耳にして……」
そうして私は、あの国で起きた出来事を全て沙羅に話した。
沙羅は真剣に聞いてくれていて、時折悲しげな表情を見せた。
話を終えると、沙羅は私の方を向いて口を開いた。
その瞳には、涙を浮かべていた。
「ルカがそんな危険な目に遭っていただなんて…ムル……それに魔女……」
「ごめんなさい、本当はルカには隠しておくつもりでした……でも……」
「謝らないでよ~私も何か力になれる事があったら言ってね!」
「沙羅………ありがとうございます。でも、沙羅をそんな危険な目に合わせるわけには」
「私だって強くなってるんだよ?だから私にもルカを守らせて」
「分かりました……でも、あの人には気を付けて………」
「あの人?誰?」
「アルマ様です」
「アルマ……?」
沙羅はその名前を聞いて、さっきまでニコニコとしていたルカの顔が歪んだ。
無理もない、私と沙羅はあの人に対していい思い出が無いから。
けれど、話さない訳にもいかない……
ふぅ、と深呼吸をしてゆっくりと話し始めた。
アルマ様が私を狙っている事、そしてその為に黒いローブの男と組んで行動している事。
その男は闇魔法を使い、この国で色々と問題を起こしている事も伝えた。
そして、ムルを連れ去った犯人だと言う事も伝えた。
沙羅は最初は驚いていたけれど、最後までちゃんと聞き入れてくれて、最後には納得してくれた。
そして、何かを考え込んでいるようだった。
私は、沙羅が何を考えているのか分からなかった。
だけど、きっと悪い事では無いのだろうと思った。
「うん!色々と事情は分かった、私も何か情報が無いか探してみる」
「いいのですか……?」
「うん!その代わり……私の話も聞いてくれる?」
「沙羅の?もちろんです」
私は沙羅が何を話すつもりなのか全く想像出来なかった。
けれど、沙羅の表情からは今まで見たことの無いくらい真剣な眼差しで、真っ直ぐと私を見つめていて、それだけで大事な話なのだと察することが出来た。
沙羅は一息ついて、落ち着いた声でゆっくりと話し始めた。
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