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ルカの事を聞いた沙羅は
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「フィリス!ルカが風邪引いたって本当!?」
沙羅がそう叫びながら勢いよく教室の扉を開けると、教室の中にいた生徒達の
視線が、一斉に沙羅の方へ向けられ、注目を浴びる。
私はそんな沙羅に小さくため息を零しつつ、椅子から立ち上がり沙羅の元へと
向かう事にした。
「そんなに大きな声出したら、皆びっくりしちゃうでしょう?」
私がそう言うと、沙羅はごめんなさい。と謝りながら私の所までやってくる。
私はそんな沙羅に苦笑いを浮かべると、周りから視線が向けられているのを 感じつつ、自分の席へと向かった。
「それで、ルカがどうしたのですか?」
「う、うん……エミリアからルカが風邪引いたって聞いて……」
沙羅は荷物を片付けながら、もごもごと口篭る。
そんな沙羅を横目で見つつ、私はため息を吐き出した。
沙羅さんはルカの事になると、いつもの沙羅では無くなる……
「ルカの事なら私も聞きました。でも、今はもう治ったとエミリアから聞きましたけど……沙羅は聞いていないんですか?」
「えっ?」
私がそう尋ねると、沙羅は慌ててスマホを取り出し、操作し始めた。
おそらく、エミリアから来たメッセージを読み直しているのだろう、と思った私は、特に口も出さずに沙羅の答えを待つことにした。
「…………ほんとだ、ルカ治ったって……」
「風邪の文字だけ見て、その後のメッセージに気が付かなったんですね?」
私が呆れた声でそう尋ねると、沙羅はまたごめんなさい。と謝った。
私はそんな沙羅の姿を見て、クスクスと笑った。
沙羅のこういった所が可愛くもあり、面白くもある……でもそれを本人に言うとまた拗ねてしまうので黙っている事にする。
私が笑っていると、沙羅は唇を尖らせながら私を見るのだった。
「何笑ってるの……?」
「ふふ、沙羅は見てて飽きないな、と思いまして」
「なにそれ……でも、ルカが元気になって良かった」
「えぇ、それは私も同じ気持ちです」
私がそう答えると、沙羅はそうだよね~と呟き、ほっ、とした表情を浮かべて
私の方をジッと見つめてくる。
私はそんな沙羅に、首を傾げながらどうしたんですか?と尋ねると沙羅は
放課後、ルカのお見舞いに行かない?と言った。
「お見舞いですか?」
「うん、治ったって言ってもルカの事だもん、また無理したりしてるかもしれないし……」
「確かに……ルカならありえそうですね、治ったからって、色々な事に夢中になってまた倒れて……想像が付きます……」
「でしょ!?だから、ルカが無理してないかって確認の為にも、どうかな?」
こてん、と首を傾げながらそう尋ねて来る沙羅の仕草が、凄く可愛くて
ここが教室じゃ無かったら、抱きしめていたかもしれない。
「わかりました、でも、ルカのお家に連絡してからですよ?いきなり行ったら迷惑かもしれませんからね」
「うん!お昼に電話する!」
「ふふ、いいお返事ですね」
私がそう答えると、沙羅はやった!と言って嬉しそうに笑う。
そんな沙羅を私は優しく見つめるのだった……
あぁ、やっぱり沙羅は可愛い。
私は、沙羅にこんな風に思ってもらえるルカが少しだけ羨ましい……
なんて、ルカと付き合ってから、我が儘で、欲張りになってしまったのかしら
そんな自分に呆れていると、沙羅が私の顔を不思議そうに見つめていた。
どうかしたの?と聞かれ、私は何でもないと言って誤魔化したけれど
沙羅は納得して無さそうな表情を浮かべ、何かあったでしょ?としつこく
聞いて来たので、今日の課題ちゃんと出来てたか心配なんです。と答えたら
沙羅は、フィリスなら大丈夫だよ!と笑顔で言われて 私は苦笑いを浮かべる事しか出来なかった。
沙羅がそう叫びながら勢いよく教室の扉を開けると、教室の中にいた生徒達の
視線が、一斉に沙羅の方へ向けられ、注目を浴びる。
私はそんな沙羅に小さくため息を零しつつ、椅子から立ち上がり沙羅の元へと
向かう事にした。
「そんなに大きな声出したら、皆びっくりしちゃうでしょう?」
私がそう言うと、沙羅はごめんなさい。と謝りながら私の所までやってくる。
私はそんな沙羅に苦笑いを浮かべると、周りから視線が向けられているのを 感じつつ、自分の席へと向かった。
「それで、ルカがどうしたのですか?」
「う、うん……エミリアからルカが風邪引いたって聞いて……」
沙羅は荷物を片付けながら、もごもごと口篭る。
そんな沙羅を横目で見つつ、私はため息を吐き出した。
沙羅さんはルカの事になると、いつもの沙羅では無くなる……
「ルカの事なら私も聞きました。でも、今はもう治ったとエミリアから聞きましたけど……沙羅は聞いていないんですか?」
「えっ?」
私がそう尋ねると、沙羅は慌ててスマホを取り出し、操作し始めた。
おそらく、エミリアから来たメッセージを読み直しているのだろう、と思った私は、特に口も出さずに沙羅の答えを待つことにした。
「…………ほんとだ、ルカ治ったって……」
「風邪の文字だけ見て、その後のメッセージに気が付かなったんですね?」
私が呆れた声でそう尋ねると、沙羅はまたごめんなさい。と謝った。
私はそんな沙羅の姿を見て、クスクスと笑った。
沙羅のこういった所が可愛くもあり、面白くもある……でもそれを本人に言うとまた拗ねてしまうので黙っている事にする。
私が笑っていると、沙羅は唇を尖らせながら私を見るのだった。
「何笑ってるの……?」
「ふふ、沙羅は見てて飽きないな、と思いまして」
「なにそれ……でも、ルカが元気になって良かった」
「えぇ、それは私も同じ気持ちです」
私がそう答えると、沙羅はそうだよね~と呟き、ほっ、とした表情を浮かべて
私の方をジッと見つめてくる。
私はそんな沙羅に、首を傾げながらどうしたんですか?と尋ねると沙羅は
放課後、ルカのお見舞いに行かない?と言った。
「お見舞いですか?」
「うん、治ったって言ってもルカの事だもん、また無理したりしてるかもしれないし……」
「確かに……ルカならありえそうですね、治ったからって、色々な事に夢中になってまた倒れて……想像が付きます……」
「でしょ!?だから、ルカが無理してないかって確認の為にも、どうかな?」
こてん、と首を傾げながらそう尋ねて来る沙羅の仕草が、凄く可愛くて
ここが教室じゃ無かったら、抱きしめていたかもしれない。
「わかりました、でも、ルカのお家に連絡してからですよ?いきなり行ったら迷惑かもしれませんからね」
「うん!お昼に電話する!」
「ふふ、いいお返事ですね」
私がそう答えると、沙羅はやった!と言って嬉しそうに笑う。
そんな沙羅を私は優しく見つめるのだった……
あぁ、やっぱり沙羅は可愛い。
私は、沙羅にこんな風に思ってもらえるルカが少しだけ羨ましい……
なんて、ルカと付き合ってから、我が儘で、欲張りになってしまったのかしら
そんな自分に呆れていると、沙羅が私の顔を不思議そうに見つめていた。
どうかしたの?と聞かれ、私は何でもないと言って誤魔化したけれど
沙羅は納得して無さそうな表情を浮かべ、何かあったでしょ?としつこく
聞いて来たので、今日の課題ちゃんと出来てたか心配なんです。と答えたら
沙羅は、フィリスなら大丈夫だよ!と笑顔で言われて 私は苦笑いを浮かべる事しか出来なかった。
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