若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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誓いの言葉

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「ルカに認めて貰えてよかったですね……」
「うん……ずっと不安だったから、私達の事認めて貰えてよかった」
ルカとの勉強会からの帰り道、先に口を開いたのはフィリスだった。
今日ルカが来ると知って、私達の事をルカに話そう……そう決めたのは、昨日の夜だった。
「ルカもルークも自分の事の様に喜んでて……私伝えられてよかった……」
私はそう言って、胸を撫で下ろす。
するとフィリスも微笑みながら頷く。
ルカとルークの二人なら……きっと私達の事を受け入れてくれると思っていたけれど、それでも不安なものは不安だった。
今日ルカに受け入れられた事で、一気に肩の荷が下りた気がしたのだ。
「こんな報告初めてした」
「そうなんですか?あっちの世界では……?」
「うーん……フィリスみたいな関係の人はいなかったし、好きな人もいなかったから……それに、あの世界の両親は私の事に興味無かったみたいだから」
私はそう言いながら、元の世界での事を思い出して苦笑いを浮かべた。
そんな私を見てフィリスは少し寂しそうに眉を下げる。
その表情を見て、私は慌てて笑顔を浮かべた。
「そんな顔しないで?今の私は凄く幸せだから……今の私の家族はルカとルークとエミリア……そして、大切な人にフィリスがいる……今の私は本当に幸せなの」
私はそう言って、フィリスを抱きしめた。
最初は驚いていた様子のフィリスだったが、すぐに受け入れてくれたようで
フィリスも私の体をそっと抱きしめてくれた。
フィリスの体温が私に伝わり、それがとても心地よかった。
トクン、トクン……と少し早いフィリスの心音を聞き、私は安心する。
「ふふ、フィリスもドキドキしてる」
「沙羅と一緒にいるのだから、当たり前です」
私がそう言うと、フィリスは照れたように笑う。
そんなフィリスを見て私は幸せな気持ちになり、自然と笑みが零れた。
そしてそのまま暫くの間……私達は抱き合っていたのだった。
「これから……私達の間には色々な事が起こると思う、私達の事を見て
嫌な言葉を掛けてくる人達もきっと出てくる……世界中の人がルカの様な人じゃないから……」
「えぇ……でも、もしそんな事になったとしても、私は沙羅の傍にずっといます、私はずっと沙羅の味方です」
そう言って、フィリスは私の手をぎゅっと強く握る。
そんなフィリスの手を握り返しながら、私は静かに目を閉じる。
「うん、ありがとうフィリス……」
「世界中が私達の敵になったとしても、私は沙羅を愛し続けると誓います」
フィリスはそう言いながら、私の手を握る手に更に力を込めた。
その言葉に、ゆっくりと目を開ける。
目の前には愛おしい人がいて……彼女の瞳には私が映っていた。
「私もフィリスを愛し続けると……誓います……ふふ、何だかプロポーズみたい」
「あら?私は今すぐ沙羅と婚約しても構いませんが?」
フィリスは冗談交じりにそう言って、悪戯な笑みを浮かべる。
そんなフィリスの笑顔を見て……私も自然と笑みが零れる。
そして私達はお互いに笑い合うのだった。
あぁ……幸せだな……私は心からそう思ったのだった。
「フィリス……愛してるよ」
「私も、沙羅の事を愛しています」
お互いに愛を囁き、私達は微笑み合う。
そして、触れるだけの優しい口付けをし、私達はまた笑い合うのだった。
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