287 / 321
少しだけの平和な時間
しおりを挟む
あれから私達はムルと一緒に過ごしながら、どう力を合わせれば記憶を取り戻せるか考えた。
私達の力をムルに分けるにしても、どうすれば
力を分け与えることが出来るのか……
「やっぱり難しいわね……」
『ルカ?難しい顔してどうしたの?』
「ムル、どうやったらムルに力を返せるのか考えていたの」
『う~ん……それはムルにも良く分からなくて……ごめんね……』
しゅん、と申し訳なさそうに項垂れるムルの頭を撫でてあげる。
すると、嬉しそうに私の周りをふわふわと飛び始めた。
そんなムルの様子を眺めていると、ルークが私に声を掛けてきた。
「ルーク?どうしたの?」
「……話し合いの機会を作れた」
「話し合い……まさか、あの人達と……!?」
「あぁ、一人だけだがな」
そう言ってルークは、視線を窓の外へと向ける。
この機会を逃したら、あの人達と話す事はもう二度と
叶わないのかもしれない。
私はルークに、私も一緒に行くと伝えれば、彼は少し驚いた表情をした。
けれどすぐに、分かったと頷いてくれた。
「二人共なんの話をしてるの?あの人達って?」
「えっと……」
「すべてが終わったら話すから、それまで待っててくれないか?」
ルークはエミリアにそう言って、困ったように微笑む。
そんなルークの言葉に、エミリアは少し不満そうな表情を見せたが、分かったと小さく頷いてくれた。
「終わったら絶対教えてね?もし、困ったことがあれば私もお手伝いするから
その時は教えてよね」
「えぇ、もちろんよ。ありがとうエミリア」
そう言って私は、優しく彼女の頭を撫でた。
すると彼女は嬉しそうに微笑み返し、ルークの方を少し心配そうに見つめる。
「ルカに無理させちゃダメだからね?」
「あぁ、分かっているよ。俺もルカに無理をさせるつもりはない、だが……」
「ルカ本人が無理しようとするんだよねぇ……ルカ!」
「は、はい!」
「本当に、無理しちゃダメだからね?私との約束!」
そう言ってエミリアは私に小指を差し出し指切りげんまん、と笑いかけた。
そんなエミリアの小指に自分の小指を絡めて指きりげんまんをする。
「ふふ、約束だからね?」
「はい、約束です」
「やっぱり……二人は仲が良いんだな」
クスクスと笑うルークの声に少しだけ恥ずかしさを感じていたら
エミリアが、私とルカの仲がいいのなんてあたりまえでしょう?なんて
得意げな顔で言った。
『なになに~?なんの話~?ムルにも教えて~』
「エミリアとルカは仲良しだね、って言う話をしてたんだ」
ルークは、ムルに向かってそう言いながらムルの頭を撫でる。
すると、ムルはふ~ん?と首を傾げながら私達を見つめて来た。
『ムルもルカと仲良しだよ!』
「ふふ、そうねみんな仲良しよね」
ムルに向かって笑いかければ、ムルは嬉しそうに笑顔を浮かべた。
そんな私達の様子を見たルークは、静かに微笑むと窓の外へと視線を向けた。
「ルーク?どうかした?」
「いや、平和だな……って思ってな」
「そうね……まだやらなくてはいけない事は沢山あるけれど……今はこの平和な時間を楽しんでもバチは当たらないわよね」
そう言って私も窓の外に視線を向ければ、楽しそうな街の人達や子供達の笑い声が響き渡っていた。
私達の力をムルに分けるにしても、どうすれば
力を分け与えることが出来るのか……
「やっぱり難しいわね……」
『ルカ?難しい顔してどうしたの?』
「ムル、どうやったらムルに力を返せるのか考えていたの」
『う~ん……それはムルにも良く分からなくて……ごめんね……』
しゅん、と申し訳なさそうに項垂れるムルの頭を撫でてあげる。
すると、嬉しそうに私の周りをふわふわと飛び始めた。
そんなムルの様子を眺めていると、ルークが私に声を掛けてきた。
「ルーク?どうしたの?」
「……話し合いの機会を作れた」
「話し合い……まさか、あの人達と……!?」
「あぁ、一人だけだがな」
そう言ってルークは、視線を窓の外へと向ける。
この機会を逃したら、あの人達と話す事はもう二度と
叶わないのかもしれない。
私はルークに、私も一緒に行くと伝えれば、彼は少し驚いた表情をした。
けれどすぐに、分かったと頷いてくれた。
「二人共なんの話をしてるの?あの人達って?」
「えっと……」
「すべてが終わったら話すから、それまで待っててくれないか?」
ルークはエミリアにそう言って、困ったように微笑む。
そんなルークの言葉に、エミリアは少し不満そうな表情を見せたが、分かったと小さく頷いてくれた。
「終わったら絶対教えてね?もし、困ったことがあれば私もお手伝いするから
その時は教えてよね」
「えぇ、もちろんよ。ありがとうエミリア」
そう言って私は、優しく彼女の頭を撫でた。
すると彼女は嬉しそうに微笑み返し、ルークの方を少し心配そうに見つめる。
「ルカに無理させちゃダメだからね?」
「あぁ、分かっているよ。俺もルカに無理をさせるつもりはない、だが……」
「ルカ本人が無理しようとするんだよねぇ……ルカ!」
「は、はい!」
「本当に、無理しちゃダメだからね?私との約束!」
そう言ってエミリアは私に小指を差し出し指切りげんまん、と笑いかけた。
そんなエミリアの小指に自分の小指を絡めて指きりげんまんをする。
「ふふ、約束だからね?」
「はい、約束です」
「やっぱり……二人は仲が良いんだな」
クスクスと笑うルークの声に少しだけ恥ずかしさを感じていたら
エミリアが、私とルカの仲がいいのなんてあたりまえでしょう?なんて
得意げな顔で言った。
『なになに~?なんの話~?ムルにも教えて~』
「エミリアとルカは仲良しだね、って言う話をしてたんだ」
ルークは、ムルに向かってそう言いながらムルの頭を撫でる。
すると、ムルはふ~ん?と首を傾げながら私達を見つめて来た。
『ムルもルカと仲良しだよ!』
「ふふ、そうねみんな仲良しよね」
ムルに向かって笑いかければ、ムルは嬉しそうに笑顔を浮かべた。
そんな私達の様子を見たルークは、静かに微笑むと窓の外へと視線を向けた。
「ルーク?どうかした?」
「いや、平和だな……って思ってな」
「そうね……まだやらなくてはいけない事は沢山あるけれど……今はこの平和な時間を楽しんでもバチは当たらないわよね」
そう言って私も窓の外に視線を向ければ、楽しそうな街の人達や子供達の笑い声が響き渡っていた。
0
あなたにおすすめの小説
こんな国、捨てて差し上げますわ
藍田ひびき
恋愛
「ユリアーナ!本日をもって、お前との婚約を破棄する!」
『豊穣の聖女』ユリアーナは婚約者である王太子アルベリクから、突然に婚約破棄を言い渡された。しかもアルベリクは妹のフランシーヌと新たに婚約すると言う。
聖女を掲げる神殿側はそれを不服とし、ユリアーナとフランシーヌのどちらが聖女に相応しいか、試験をするように助言するが…?
※ 4/27 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
聖女の魔力を失い国が崩壊。婚約破棄したら、彼と幼馴染が事故死した。
佐藤 美奈
恋愛
聖女のクロエ公爵令嬢はガブリエル王太子殿下と婚約していた。しかしガブリエルはマリアという幼馴染に夢中になり、隠れて密会していた。
二人が人目を避けて会っている事をクロエに知られてしまい、ガブリエルは謝罪して「マリアとは距離を置く」と約束してくれる。
クロエはその言葉を信じていましたが、実は二人はこっそり関係を続けていました。
その事をガブリエルに厳しく抗議するとあり得ない反論をされる。
「クロエとは婚約破棄して聖女の地位を剥奪する!そして僕は愛するマリアと結婚して彼女を聖女にする!」
「ガブリエル考え直してください。私が聖女を辞めればこの国は大変なことになります!」
「僕を騙すつもりか?」
「どういう事でしょう?」
「クロエには聖女の魔力なんて最初から無い。マリアが言っていた。それにマリアのことを随分といじめて嫌がらせをしているようだな」
「心から誓ってそんなことはしておりません!」
「黙れ!偽聖女が!」
クロエは婚約破棄されて聖女の地位を剥奪されました。ところが二人に天罰が下る。デート中にガブリエルとマリアは事故死したと知らせを受けます。
信頼していた婚約者に裏切られ、涙を流し悲痛な思いで身体を震わせるクロエは、急に頭痛がして倒れてしまう。
――目覚めたら一年前に戻っていた――
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
大好きな第一王子様、私の正体を知りたいですか? 本当に知りたいんですか?
サイコちゃん
恋愛
第一王子クライドは聖女アレクサンドラに婚約破棄を言い渡す。すると彼女はお腹にあなたの子がいると訴えた。しかしクライドは彼女と寝た覚えはない。狂言だと断じて、妹のカサンドラとの婚約を告げた。ショックを受けたアレクサンドラは消えてしまい、そのまま行方知れずとなる。その頃、クライドは我が儘なカサンドラを重たく感じていた。やがて新しい聖女レイラと恋に落ちた彼はカサンドラと別れることにする。その時、カサンドラが言った。「私……あなたに隠していたことがあるの……! 実は私の正体は……――」
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになります!
近藤アリス
恋愛
私生児聖女のコルネリアは、敵国に二束三文で売られて嫁ぐことに。
「悪名高い国王のヴァルター様は私好みだし、みんな優しいし、ご飯美味しいし。あれ?この国最高ですわ!」
声を失った儚げ見た目のコルネリアが、勘違いされたり、幸せになったりする話。
※ざまぁはほんのり。安心のハッピーエンド設定です!
※「カクヨム」にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる