若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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勉強再開

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「さぁ、今日は頑張りましょうね」
「「はい!」」
あんな出来事があった数日後、私は沙羅とフィリスと一緒に裏の森へと来ていた。
この間はムルとの事があって、教える事を教えられなかったから
それを取り戻すために今日は朝からこうして集まって勉強をしている。
『今日はムルもいるからね!二人共頑張って!』
「うん!私頑張るよ!」
『沙羅は今日も元気だね~』
ムルと沙羅の和やかな会話に耳を傾けながら、フィリスと今日使う為の道具の準備を進めた。
「フィリスありがとう、どう?上手くできそう?」
「えぇ、まだルカには及びませんが……」
「そんな事無いわ、二人はちゃんと成長してる。今日二人の力を見るのが楽しみ」
そう言って笑いかければ、フィリスは少し照れた様な表情を浮かべながら ありがとうございます。と答えてくれた。
そんなやり取りをしていると、後ろの方で沙羅とムルが私達も手伝うよ
と言って、私達の方へと向かってきた。
「もう大体終わったので大丈夫ですよ、さぁ……始めましょう」
「う、うん!」
「よろしくお願いします」
「じゃあまずは……この間と同じこの石を持って」
そう言って私は二人に小さな石を手渡した。
この石は、魔力を蓄積出来る不思議な石
二人は、この石に魔力を込める練習をしていたけれど、上手くいかなかった。
けれど、今なら……
「一度私が見本を見せますね、石を手のひらの上に置いて……神経を……」
ふぅ、と深呼吸をして、石に力を込める。
神経を集中させ、自分の魔力を石に注ぐイメージを頭に浮かべる。
すると、石は徐々に光を放ち始める。
光が強まっていくのを見つめながら、さらに魔力を込める。
「ふぅ……こんな感じです、さぁお二人共」
「う、うん……」
「はい……」
緊張した面持ちで、沙羅とフィリスは私がしたように石を手のひらに乗せ魔力を注ぎ始める。
すると、私の時よりも少し時間はかかったが小さな石は淡い光を放った。
そして、徐々に光は弱まっていく。
それと同時に二人はホッとしたような表情を浮かべた。
その隣でムルも嬉しそうに二人を見つめている。
「で……出来た……!!みて!ルカ!!出来た!」
「私も……出来ました……!!」
「凄いわ二人共……!!この間は、石を割ってしまったのに……魔力のコントロールが出来るようになったのね」
「ルカに言われたことを自分なりに考えて試してみただけだよ」
「それでも凄いです……!」
私は嬉しくて、二人をぎゅっと抱きしめた。
すると、沙羅とフィリスも嬉しそうに笑い返してくれた。
「でも!まだこの石に込められた力は弱いから、今度はもっと力を込められるようにならないといけないわね」
そう言って、私は二人の手のひらの上に乗ったままの石を手に取る。
そして、その石に力を注ぐイメージを思い浮かべながら魔力を込める。
すると、先程の二人と同じ様に淡い光が石の中で輝き始めた。
それを二人に手渡して見せれば、驚いた顔を見せた。
「まだそんなに魔力が……」
「私はあれでもう限界でしたのに……」
「ふふ、これに関しては練習あるのみです!さぁ、やってみましょう!」
そう二人に笑いかければ、二人も笑顔で頷き返した。
そんな二人を微笑ましく思いながら、私はさらに石を二つ取り出し二人の前に置く。
そして、私も同じように石に魔力を込めた。
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