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第1章 眠れるあいつの隠し事(基本壱輝目線)
12.The end of a new day
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利人達と別れて部屋に戻った後、俺はぼーっと窓の外を見ていた。彩兎はシャワーに行っている。
今日は濃い一日だった。まだ彩兎が転入してきて、数時間しか経ってないのに、一年くらい過ごした気分だ。今まで楽な方を選んできたせいだろう。
今日みたいな日があと2年ちょっと続くのかと思うと、憂鬱以外の何物でもない。
深くため息をつくと、彩兎がシャワーから帰ってきた。
「さっぱりした~!」
そう言って彩兎は冷凍庫からアイスを取り出して、それをくわえながらソファーに座った。
「髪くらい乾かせよ…」
「えー、めんどい。乾かして~」
「…」
そのまま、乾かさないで風邪を引かれても困るので、俺はドライヤーを持ってきて、わしゃわしゃと少し雑に乾かした。
すると、彩兎がくすくすと笑い出した。
「…何がおかしい?」
「だって、面倒臭いって心の中で思いつつも、結局やってくれるって…。壱輝は優しいね」
「別に、お前のためにやってんじゃねーよ。風邪でも引かれて、移されたら困るからやってんの」
「壱輝はツンデレなんだね」
俺はこれ以上、何を言っても不利になるだけだと判断し、彩兎の髪を乾かすのに専念する。
髪を乾かし終わって彩兎に声をかけると、うとうと船をこいでいた。
「本当とよく寝るよな…。おーい、寝るならベッドで寝ろ」
「…あ、終わった?ありがと。俺はまだやる事あるから、先に寝てていーよ」
そう言って彩兎は机に向かい、持ち込んだのであろうノートパソコンを開いた。
「部屋の電気は消しとくね。おやすみ、いい夢を」
いい夢をとか…、クッサイ台詞だな、おい。
「あぁ、おやすみ」
暗闇の中で見た、パソコンの光に照らされた彩兎の目が、一瞬赤く光った気がした。
今日は濃い一日だった。まだ彩兎が転入してきて、数時間しか経ってないのに、一年くらい過ごした気分だ。今まで楽な方を選んできたせいだろう。
今日みたいな日があと2年ちょっと続くのかと思うと、憂鬱以外の何物でもない。
深くため息をつくと、彩兎がシャワーから帰ってきた。
「さっぱりした~!」
そう言って彩兎は冷凍庫からアイスを取り出して、それをくわえながらソファーに座った。
「髪くらい乾かせよ…」
「えー、めんどい。乾かして~」
「…」
そのまま、乾かさないで風邪を引かれても困るので、俺はドライヤーを持ってきて、わしゃわしゃと少し雑に乾かした。
すると、彩兎がくすくすと笑い出した。
「…何がおかしい?」
「だって、面倒臭いって心の中で思いつつも、結局やってくれるって…。壱輝は優しいね」
「別に、お前のためにやってんじゃねーよ。風邪でも引かれて、移されたら困るからやってんの」
「壱輝はツンデレなんだね」
俺はこれ以上、何を言っても不利になるだけだと判断し、彩兎の髪を乾かすのに専念する。
髪を乾かし終わって彩兎に声をかけると、うとうと船をこいでいた。
「本当とよく寝るよな…。おーい、寝るならベッドで寝ろ」
「…あ、終わった?ありがと。俺はまだやる事あるから、先に寝てていーよ」
そう言って彩兎は机に向かい、持ち込んだのであろうノートパソコンを開いた。
「部屋の電気は消しとくね。おやすみ、いい夢を」
いい夢をとか…、クッサイ台詞だな、おい。
「あぁ、おやすみ」
暗闇の中で見た、パソコンの光に照らされた彩兎の目が、一瞬赤く光った気がした。
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