最初で最後の日まで…

しろきち

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大切な人とは……

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ハクは車の下敷きになっていた。。
なんてことだ。そう思うと俺は焦って救急車を呼ぶ。手に汗が握る。非常に嫌な感覚だ。
そうすると遠くからサイレンの音が鳴り響く。
「あぁ……嘘だ……こんなのありえない……」
そうしてると車の運転手が降りてきてこう言った。
「お前!ふざけんなよ!俺の車だぞ!」
は?と、俺の顔が苛立つ。
「何が……何がだ……お前の車よりも大切なものを失った俺に………いちゃもんをつけるんじゃねぇぇ!!」
「なんなんだよお前は!大切な人を失った!!それなのに車の心配をする奴なのか!しょうもねぇな!」
「は?」
「だからなぁ、俺は車を壊したが、お前は俺の大切な人を跳ねた!この状態で車の方を大切にする馬鹿はどこにいるって言ってんだよ!!」
運転手の顔が強張る。
「ははは、はははは」
「何笑ってんだよ」
「いや、実に君は面白いね。それは君の友達が本当に願っていることなのか?その子が本当に俺を君が殴ってほしい。それはその子が本当に願っていることなのか?それも君はわからない。ということは君のしていることは無駄なんだよ。ははは。」
そういわれ私は無意識に男の胸倉を掴んでいた。そして私は自我を取り戻したのか掴んでいた手を離す。
本当ににこの男が憎い。殺したい。死刑にしたい。苦しむ顔が見たい。怒りが収まらない。
冷静を取り戻しこう私は考える。いっそのこと裁判にでもつき出したい。
が、そうしても無駄だ。さっきの男が言ってたように。ハクが本当に望んでいたことなのか。そこで突っかかる。
それをしてハクのためになるのか。そう考える。
少しして警察と救急車がきた。
警察「君が、通報してくれた人かい?」
そういわれ私は震える声で答えた。
「はい。そうです」
「なるほどそれじゃ、一度署まで行こうか。その男も連れて。」
そう警察はいい。救急隊員にハクを運ぶよう指示し。
私と男を署まで連行した。

~警察署~

「それで、君は本当に、その、ハク君?と歩いてただけなの?」
「はい。そうです。」
「それで、後ろからブレーキ音と同時に跳ねた音も聞こえたんだね?」
「そうです」
「そうか。ありがとう。今日はもう帰っていいよ」
「はい。ありがとうございました。では、失礼します。」
そういい私は無我夢中に走って家に帰る。

~リビング~

私はソファーに座りはぁ、と大きいため息を吐き、考えた。
なぜハクは死んだのだろうか。俺の周りの人はすぐいなくなる。
俺の両親、妹、そしてハク、幼馴染まで。
全員が俺の元から消えていく。その大切な存在。全員がだ!
この状況は本でも読んだことがある。
そう、それは、、、
「命に嫌われている」
そう思うのも無理がない。俺の元から全員消えて行くのだ。
かつての友人でさえ事故死している。
これが本当の苦しみということか。
そう考えていると、頰から涙が伝っていく。
あの時こうしてれば、あの時ああしてれば。
その思いのはけ口などどこにもない。
この後どうするか。ハクもいない妹も頼れない。
そうして一つの結論の辿り着いた。
「学校行くのやめようかな。。。。」
そう考えてしまう。明日は学校に行けるはずがない。全員を失った今の俺には到底学校へ行くのは無理だ。
さて、悩み事をしているとチャイムがなった。
ピーンポーン。
「入っていいぞ」
「邪魔するぜぇ」
その声は聞き覚えのある声だった。
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