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第49話〜時空測定機完成への道〜
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第49話~時空測定機完成への道~
「それでは始めようか」
朝日が差し込む研究室で、アッシュの父――エドガー卿が冷たい声で宣言した。部屋の中央には巨大な球体型装置『時空測定機』が鎮座し、表面に刻まれた無数の魔法陣が淡く輝いている。
「私たちができることは……?」
私はおそるおそる尋ねた。
「測定機のエネルギー源確保だ」
エドガー卿は腕を組みながら言った。
「この装置は特殊な結晶『クロノライト』を必要とする。三つの結晶が完全に同期することで機能するのだ」
「クロノライト……」
聞いたことのない単語に首を傾げる。
「古代遺跡で稀に発見される希少鉱物だ」
アッシュが補足説明してくれた。
「それぞれ異なる周波数を持つ」
「一つは私が所有している」
エドガー卿はテーブル上の青く光る結晶を指さした。
「残り二つを探してもらう」
「どこを探せばいいんですか?」
レンカが震える声で尋ねる。
「西の古代墓地と北の氷洞窟だ」
冷酷な口調で告げられる。
「お前たち三人で行け」
「三人? 私も?」
私は驚いて声を上げた。
「当たり前だ。君の『コスプレスキル』が役立つかもしれん」
エドガー卿の鋭い視線が突き刺さる。
「……わかりました」
不安を押し殺してうなずいた。
「馬車は用意した。明日出発だ」
エドガー卿が去った後、部屋に重い沈黙が流れる。
「西の墓地か……」
アッシュが溜息をついた。
「あそこは霊脈が強い。危険な場所だ」
「でも行くしかないわよね」
私は覚悟を決めて言った。
「彩音さん……大丈夫ですか?」
レンカが心配そうに尋ねる。
「平気よ!」
強がりながらも内心は不安でいっぱいだ。遺跡探査なんて初めてだし、何より霊的なものに対して全く免疫がない。
「それにしても……」
アッシュが壁の地図を見つめながら言った。
「クロノライトを探すだけでは済まなそうだ」
「どういうこと?」
「父上の真の目的は『過去への干渉』だ」
「時を超えて過去を変えられるってこと?」
「ああ」
真剣な表情のアッシュを見つめる。
「もし過去を変えたらどうなるの?」
「歴史が改変される」
「そんなことしたら世界が……」
「崩壊する可能性もある」
言葉の重みに息を呑む。
「だからこそ止めなければ」
「でも今はまずレンカさんの解放が優先よね」
「そうだな」
三人で頷き合う。それぞれの思惑はあれど共通の目標がある。
「今日は準備して明日に備えよう」
アッシュの提案で一旦解散となった。
夕食後、私の部屋にノックの音が響く。
「彩音さん……」
レンカが顔を出した。
「ちょっとお話してもいいですか?」
「もちろん! 入って!」
彼女を招き入れると椅子を勧めた。
「彩音さん……本当にありがとうございました」
「突然どうしたの?」
レンカは深々と頭を下げた。
「私のために命懸けで動いてくださって」
「そんなことないわよ!」
慌てて両手を振る。
「みんな同じよ」
「でも……」
「それにね」
私は微笑んだ。
「大切な人が苦しんでいたら見過ごせないじゃない?」
レンカの目に涙が浮かぶ。
「彩音さんは……」
「なあに?」
「勇気があって優しくて……羨ましいです」
その言葉に胸が温かくなる。
「私だって怖いわよ」
正直な気持ちを打ち明けた。
「でも一人じゃないから頑張れるの」
「そうですよね……」
レンカはようやく微笑んだ。まだ弱々しいけれど確かな笑顔。
「明日からよろしくお願いします」
「こちらこそ!」
握手を交わす。小さな手のひらからは彼女の決意が伝わってきた。
「あっ……そうだ!」
ふと思い立つ。
「ちょっと待っててね!」
急いでレンカに触れる。
「これどうかな?」
探索用コスチューム――探検家スタイルだ。
「遺跡探索には動きやすさと防御力が必要でしょ?」
「わぁ……素敵です!」
レンカの目が輝いた。
「試してみる?」
「えっ……いいんですか?」
「もちろん!」
「すごい……体が軽いです!」
驚きの声を上げるレンカ。服装に合わせて身体能力が向上している証拠だ。
「よかった! やっぱりこの能力は実用的ね!」
「彩音さんのスキル……本当に素晴らしいです」
「ありがとう!」
得意げに胸を張る。
「それじゃあ明日はこれで行こう!」
「はい!」
二人で笑い合う。少しずつ仲間意識が育っていくのを感じる。
夜も更けた頃、ベッドに入る前に窓辺に立った。遠く離れた森の方角を見つめながら海斗を想う。
「海斗……私、頑張るからね」
小さく呟いた言葉は夜風に溶けていった。
翌朝――
「準備はいいか?」
門の前でアッシュが尋ねる。
「オッケー!」
「大丈夫です!」
私たち二人は元気よく返事した。
「今回は偵察が主目的だ」
アッシュが注意事項を説明する。
「クロノライトの正確な位置は不明だ。まずは古代墓地の構造把握から始める」
「了解!」
「それと……」
アッシュは真剣な表情で続けた。
「墓地内部には多数の亡霊が出没するという噂だ」
「えっ……幽霊!?」
背筋が凍る感覚に襲われる。
「大丈夫だ。物理的な影響はないらしい」
「でも怖いわよ!」
「私の力で結界を張れる」
レンカが自信を持って言った。
「本当!? お願い!」
必死で頼み込む。レンカはクスクス笑いながらうなずいた。
「彩音さんが怯える姿……可愛いです」
「もう! からかわないで!」
頬を膨らませる私に二人とも笑いをこらえている。
「では行くぞ」
アッシュが促し馬車に乗り込んだ。
馬車に揺られること二時間――
「着いたぞ」
アッシュの声で目を覚ます。いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
「ここが……」
目の前に広がる光景に息を呑む。
鬱蒼とした森林の中、古びた石造りの建造物が並んでいる。苔むした階段、崩れかけた柱……どこか神秘的な雰囲気が漂う。
「古代ニール王国の王墓だ」
アッシュが説明する。
「当時の最高技術で作られた防衛設備が残っている」
「へぇ……歴史を感じるわね」
「危険も潜んでいるぞ」
アッシュは警戒しながら先導する。
入口をくぐると中は薄暗く湿った空気が満ちていた。
「光球」
アッシュが詠唱すると手のひらに明かりが灯る。
「便利ね!」
「基本的な魔法だ」
謙遜しながらも得意げな様子が可愛らしい。
「ちょっと待って!」
突然、レンカが立ち止まる。
「どうしたの?」
「何かいます……」
彼女の瞳が赤く輝き出す。精霊使いとしての能力が発動しているのだろう。
「左側の通路から……複数の霊気を感じます」
アッシュと顔を見合わせる。
「避けよう」
「了解」
三人で別ルートを探すことにした。しかし迷路のように入り組んだ構造に次第に方向感覚を失っていく。
「まずい……」
「戻るべきでしょうか?」
「いや……この先に何か感じる」
アッシュが壁の一部を指さす。
「この紋章……記憶にある」
石壁に刻まれた複雑な模様。
「『時の番人』を表すシンボルだ」
「じゃあここにクロノライトが?」
「可能性が高い」
アッシュが慎重に調べ始める。
「彩音……」
突然呼ばれ緊張が走る。
「なに?」
「スキルで何か感じないか?」
「そうねぇ……」
目を閉じ精神を集中させる。
(クロノライト……時を司る結晶……)
脳裏に浮かぶイメージに驚く。
「わかったわ!」
「何がだ?」
「この壁の向こう側……地下に空間がある!」
確信を込めて言う。アッシュは驚いた表情で壁を見つめた。
「どうやって……」
「スキルが教えてくれるのよ」
得意げにウィンクする。最近気づいたことだが、集中すると物の構造や特性が視覚的に認識できるのだ。
「掘るぞ」
アッシュが剣を取り出す。壁を切り裂く鋭い音が響くと、ぽっかりと穴が開いた。
「階段だわ!」
地下への階段が現れた。
「行くぞ」
「ちょっと待って!」
降りようとするアッシュを制止する。
「何か変だわ……」
「どうした?」
「この空気……普通じゃない」
肌を刺すような異様な感覚。恐怖とは違う本能的な警告。
「結界を強化します」
レンカが詠唱を始める。私たちの周りに淡い光の膜が広がる。
「ありがとう!」
感謝しつつも警戒を解かない。
階段を降りていくと広大な空間に出た。天井が高く中央には巨大な水晶が鎮座している。
「あれは……」
「クロノライトだ!」
アッシュが興奮した声を上げる。
「でもただの結晶じゃないわ」
慎重に近づきながら言う。
「何か生物のように見える……」
「彩音さんの言う通りです」
レンカが震える声で続ける。
「結晶の中に生命体が封印されています」
「生命体?」
アッシュが眉をひそめる。
「どういう意味だ?」
「わからないけど……触れたらダメよ」
「だが持ち帰らないと」
「慎重に行動しましょう」
レンカの提案にうなずく。アッシュが一歩踏み出したその時――
「動くな!」
鋭い声が空間に響いた。
「誰だ!」
アッシュが剣を構える。暗闇から一人の女性が姿を現した。銀色の髪に金色の瞳。身に纏う甲冑は星屑のように輝いている。
「あなたは……?」
「私は時の守護者」
女性が厳かな声で答える。
「ここは神聖なる領域」
「何者だ?」
アッシュが問い質す。
「通り過ぎたまえ」
「クロノライトを渡してくれ」
アッシュは臆することなく言い放った。
「それは不可能だ」
「父上のために必要なのだ」
「エドガー・フォン・シュトライザーか……」
女性の表情が曇る。
「彼に渡せば歴史が歪む」
「それでも我々には必要なものだ」
アッシュの強い意志に対し女性は静かに答えた。
「ならば力ずくで奪えばよい」
「なっ……」
「時の牢獄よ……目覚めよ!」
女性の叫びと共に巨大結晶が眩い光を放つ。次の瞬間――空間全体が歪み始めた。
「危ない!」
「彩音さん!」
アッシュとレンカが手を伸ばす。しかし私の身体は宙に浮き始めていた。
「キャァァッ!」
悲鳴を上げながら意識が遠ざかる――
目を開けると全く別の場所にいた。広大な草原の真ん中。空には見たこともない星々が煌めいている。
「ここは……?」
混乱しながら周囲を見回す。ふと背後に気配を感じ振り返ると――
「海斗……?」
信じられない光景が広がっていた。海斗が立っている。しかも現代の制服姿で。
「彩音……」
「本当に海斗なの?」
「ああ……」
優しく微笑む海斗。思わず駆け寄り抱きついた。
「会いたかった!」
「俺もだ」
「でもなんでここに?」
「これは『夢』だ」
海斗の言葉にハッとする。
「夢?」
「そうだ。お前の記憶が創り出した仮想空間だ」
「そんな……」
落胆する私を見つめながら海斗が続ける。
「でも心配するな。これは俺たちがつながる唯一の手段でもある」
「どういう意味?」
「お前の中に俺は生きているということさ」
温かな言葉に涙が溢れる。
「私……頑張るからね」
「ああ……信じてる」
海斗の手が頬に触れる。その温もりが愛おしい。
「戻らなければ」
「わかってる」
名残惜しいけれど使命がある。
「また会える?」
「必ず」
微笑む海斗。次の瞬間――
「彩音!」
アッシュの声で現実に引き戻される。目に映るのは崩れかけた古代墓地の天井だった。
「気がついたか?」
「うん……」
「何があった?」
「説明するのは難しいわ……」
ゆっくりと起き上がる。全身が痛むが致命傷ではないようだ。
「時の守護者は?」
「逃げていったようだ」
アッシュが周囲を見回す。
「でもクロノライトは?」
「そこだ」
地面に転がる緑色に輝く結晶を示す。
「奇跡的に無傷だ」
安堵のため息をつく。レンカも無事なようでホッとした。
「帰りましょう」
アッシュの提案にうなずく。しかし心には海斗の言葉が刻まれていた。
(俺たちはつながっている……)
新たな力を得たような気がした。
翌朝――エドガー卿への報告
「よくやった」
意外にも称賛の言葉を受ける。
「これが西の墓地で見つけたクロノライトです」
「確かにな」
エドガー卿が結晶を手に取り確かめる。
「もう一つの場所は?」
「北の氷洞窟です」
「そちらは難易度がさらに高い」
警告するように言う。
「覚悟はあるか?」
「はい!」
三人で力強く応じる。
「よかろう」
エドガー卿はにやりと笑った。
「今回は私も同行しよう」
「えっ?」
「直接監督する必要がある」
予想外の展開に驚く私たち。
「明日出発だ」
そう言って彼は立ち去った。
「なんだったんだ今の……」
アッシュが困惑した表情で呟く。
「父上の真意が読めない……」
「何か企んでいるのかしら?」
「気をつけないと……」
「彩音さん」
レンカが私の袖を引っ張る。
「さっきの空間での出来事……本当は何があったんですか?」
「実はね……」
海斗との再会について話すと二人とも驚きを隠せない様子だった。
「それは重要だ」
アッシュが真剣な表情で言う。
「父上の計画と関係があるかもしれない」
「そうかもね……」
夜になり窓辺で考える。エドガー卿の真意。海斗との接点。そして時空測定機の正体。
様々な謎が絡み合いながらも一つだけ確かなことがある。
「絶対に負けない……」
決意を新たにする。海斗もきっとどこかで応援しているはずだから。
翌朝の旅立ち――
エドガー卿と共に馬車に乗り込む。アッシュとレンカ、そして私の四人だ。
「氷洞窟までは三日かかる」
「そんなに遠いんですか?」
レンカが尋ねる。
「北方国境に近い場所にあるのだ」
エドガー卿が地図を広げて説明する。
「途中には『時忘れの森』を通る必要がある」
「時忘れの森……?」
「時間の流れが狂った不思議な場所だ」
アッシュが補足する。
「一日滞在すれば十年老けると言われている」
「怖いわね……」
「心配無用」
エドガー卿が自信満々に言う。
「私の魔術障壁があれば影響を受けない」
安心させるつもりだろうが逆に不安になる。
「本当に信用していいんですか?」
「当然だ」
エドガー卿の鋭い視線が突き刺さる。
「レンカさん……」
「はい?」
「もし何かあったら合図を出して」
「わかりました」
密かに打ち合わせる私たち。アッシュも理解してくれているようだ。
馬車が揺れながら進む。遠くに見える山々の頂は既に雪化粧をしている。冬の訪れを感じる寒さだった。
「それでは始めようか」
朝日が差し込む研究室で、アッシュの父――エドガー卿が冷たい声で宣言した。部屋の中央には巨大な球体型装置『時空測定機』が鎮座し、表面に刻まれた無数の魔法陣が淡く輝いている。
「私たちができることは……?」
私はおそるおそる尋ねた。
「測定機のエネルギー源確保だ」
エドガー卿は腕を組みながら言った。
「この装置は特殊な結晶『クロノライト』を必要とする。三つの結晶が完全に同期することで機能するのだ」
「クロノライト……」
聞いたことのない単語に首を傾げる。
「古代遺跡で稀に発見される希少鉱物だ」
アッシュが補足説明してくれた。
「それぞれ異なる周波数を持つ」
「一つは私が所有している」
エドガー卿はテーブル上の青く光る結晶を指さした。
「残り二つを探してもらう」
「どこを探せばいいんですか?」
レンカが震える声で尋ねる。
「西の古代墓地と北の氷洞窟だ」
冷酷な口調で告げられる。
「お前たち三人で行け」
「三人? 私も?」
私は驚いて声を上げた。
「当たり前だ。君の『コスプレスキル』が役立つかもしれん」
エドガー卿の鋭い視線が突き刺さる。
「……わかりました」
不安を押し殺してうなずいた。
「馬車は用意した。明日出発だ」
エドガー卿が去った後、部屋に重い沈黙が流れる。
「西の墓地か……」
アッシュが溜息をついた。
「あそこは霊脈が強い。危険な場所だ」
「でも行くしかないわよね」
私は覚悟を決めて言った。
「彩音さん……大丈夫ですか?」
レンカが心配そうに尋ねる。
「平気よ!」
強がりながらも内心は不安でいっぱいだ。遺跡探査なんて初めてだし、何より霊的なものに対して全く免疫がない。
「それにしても……」
アッシュが壁の地図を見つめながら言った。
「クロノライトを探すだけでは済まなそうだ」
「どういうこと?」
「父上の真の目的は『過去への干渉』だ」
「時を超えて過去を変えられるってこと?」
「ああ」
真剣な表情のアッシュを見つめる。
「もし過去を変えたらどうなるの?」
「歴史が改変される」
「そんなことしたら世界が……」
「崩壊する可能性もある」
言葉の重みに息を呑む。
「だからこそ止めなければ」
「でも今はまずレンカさんの解放が優先よね」
「そうだな」
三人で頷き合う。それぞれの思惑はあれど共通の目標がある。
「今日は準備して明日に備えよう」
アッシュの提案で一旦解散となった。
夕食後、私の部屋にノックの音が響く。
「彩音さん……」
レンカが顔を出した。
「ちょっとお話してもいいですか?」
「もちろん! 入って!」
彼女を招き入れると椅子を勧めた。
「彩音さん……本当にありがとうございました」
「突然どうしたの?」
レンカは深々と頭を下げた。
「私のために命懸けで動いてくださって」
「そんなことないわよ!」
慌てて両手を振る。
「みんな同じよ」
「でも……」
「それにね」
私は微笑んだ。
「大切な人が苦しんでいたら見過ごせないじゃない?」
レンカの目に涙が浮かぶ。
「彩音さんは……」
「なあに?」
「勇気があって優しくて……羨ましいです」
その言葉に胸が温かくなる。
「私だって怖いわよ」
正直な気持ちを打ち明けた。
「でも一人じゃないから頑張れるの」
「そうですよね……」
レンカはようやく微笑んだ。まだ弱々しいけれど確かな笑顔。
「明日からよろしくお願いします」
「こちらこそ!」
握手を交わす。小さな手のひらからは彼女の決意が伝わってきた。
「あっ……そうだ!」
ふと思い立つ。
「ちょっと待っててね!」
急いでレンカに触れる。
「これどうかな?」
探索用コスチューム――探検家スタイルだ。
「遺跡探索には動きやすさと防御力が必要でしょ?」
「わぁ……素敵です!」
レンカの目が輝いた。
「試してみる?」
「えっ……いいんですか?」
「もちろん!」
「すごい……体が軽いです!」
驚きの声を上げるレンカ。服装に合わせて身体能力が向上している証拠だ。
「よかった! やっぱりこの能力は実用的ね!」
「彩音さんのスキル……本当に素晴らしいです」
「ありがとう!」
得意げに胸を張る。
「それじゃあ明日はこれで行こう!」
「はい!」
二人で笑い合う。少しずつ仲間意識が育っていくのを感じる。
夜も更けた頃、ベッドに入る前に窓辺に立った。遠く離れた森の方角を見つめながら海斗を想う。
「海斗……私、頑張るからね」
小さく呟いた言葉は夜風に溶けていった。
翌朝――
「準備はいいか?」
門の前でアッシュが尋ねる。
「オッケー!」
「大丈夫です!」
私たち二人は元気よく返事した。
「今回は偵察が主目的だ」
アッシュが注意事項を説明する。
「クロノライトの正確な位置は不明だ。まずは古代墓地の構造把握から始める」
「了解!」
「それと……」
アッシュは真剣な表情で続けた。
「墓地内部には多数の亡霊が出没するという噂だ」
「えっ……幽霊!?」
背筋が凍る感覚に襲われる。
「大丈夫だ。物理的な影響はないらしい」
「でも怖いわよ!」
「私の力で結界を張れる」
レンカが自信を持って言った。
「本当!? お願い!」
必死で頼み込む。レンカはクスクス笑いながらうなずいた。
「彩音さんが怯える姿……可愛いです」
「もう! からかわないで!」
頬を膨らませる私に二人とも笑いをこらえている。
「では行くぞ」
アッシュが促し馬車に乗り込んだ。
馬車に揺られること二時間――
「着いたぞ」
アッシュの声で目を覚ます。いつの間にか眠ってしまっていたようだ。
「ここが……」
目の前に広がる光景に息を呑む。
鬱蒼とした森林の中、古びた石造りの建造物が並んでいる。苔むした階段、崩れかけた柱……どこか神秘的な雰囲気が漂う。
「古代ニール王国の王墓だ」
アッシュが説明する。
「当時の最高技術で作られた防衛設備が残っている」
「へぇ……歴史を感じるわね」
「危険も潜んでいるぞ」
アッシュは警戒しながら先導する。
入口をくぐると中は薄暗く湿った空気が満ちていた。
「光球」
アッシュが詠唱すると手のひらに明かりが灯る。
「便利ね!」
「基本的な魔法だ」
謙遜しながらも得意げな様子が可愛らしい。
「ちょっと待って!」
突然、レンカが立ち止まる。
「どうしたの?」
「何かいます……」
彼女の瞳が赤く輝き出す。精霊使いとしての能力が発動しているのだろう。
「左側の通路から……複数の霊気を感じます」
アッシュと顔を見合わせる。
「避けよう」
「了解」
三人で別ルートを探すことにした。しかし迷路のように入り組んだ構造に次第に方向感覚を失っていく。
「まずい……」
「戻るべきでしょうか?」
「いや……この先に何か感じる」
アッシュが壁の一部を指さす。
「この紋章……記憶にある」
石壁に刻まれた複雑な模様。
「『時の番人』を表すシンボルだ」
「じゃあここにクロノライトが?」
「可能性が高い」
アッシュが慎重に調べ始める。
「彩音……」
突然呼ばれ緊張が走る。
「なに?」
「スキルで何か感じないか?」
「そうねぇ……」
目を閉じ精神を集中させる。
(クロノライト……時を司る結晶……)
脳裏に浮かぶイメージに驚く。
「わかったわ!」
「何がだ?」
「この壁の向こう側……地下に空間がある!」
確信を込めて言う。アッシュは驚いた表情で壁を見つめた。
「どうやって……」
「スキルが教えてくれるのよ」
得意げにウィンクする。最近気づいたことだが、集中すると物の構造や特性が視覚的に認識できるのだ。
「掘るぞ」
アッシュが剣を取り出す。壁を切り裂く鋭い音が響くと、ぽっかりと穴が開いた。
「階段だわ!」
地下への階段が現れた。
「行くぞ」
「ちょっと待って!」
降りようとするアッシュを制止する。
「何か変だわ……」
「どうした?」
「この空気……普通じゃない」
肌を刺すような異様な感覚。恐怖とは違う本能的な警告。
「結界を強化します」
レンカが詠唱を始める。私たちの周りに淡い光の膜が広がる。
「ありがとう!」
感謝しつつも警戒を解かない。
階段を降りていくと広大な空間に出た。天井が高く中央には巨大な水晶が鎮座している。
「あれは……」
「クロノライトだ!」
アッシュが興奮した声を上げる。
「でもただの結晶じゃないわ」
慎重に近づきながら言う。
「何か生物のように見える……」
「彩音さんの言う通りです」
レンカが震える声で続ける。
「結晶の中に生命体が封印されています」
「生命体?」
アッシュが眉をひそめる。
「どういう意味だ?」
「わからないけど……触れたらダメよ」
「だが持ち帰らないと」
「慎重に行動しましょう」
レンカの提案にうなずく。アッシュが一歩踏み出したその時――
「動くな!」
鋭い声が空間に響いた。
「誰だ!」
アッシュが剣を構える。暗闇から一人の女性が姿を現した。銀色の髪に金色の瞳。身に纏う甲冑は星屑のように輝いている。
「あなたは……?」
「私は時の守護者」
女性が厳かな声で答える。
「ここは神聖なる領域」
「何者だ?」
アッシュが問い質す。
「通り過ぎたまえ」
「クロノライトを渡してくれ」
アッシュは臆することなく言い放った。
「それは不可能だ」
「父上のために必要なのだ」
「エドガー・フォン・シュトライザーか……」
女性の表情が曇る。
「彼に渡せば歴史が歪む」
「それでも我々には必要なものだ」
アッシュの強い意志に対し女性は静かに答えた。
「ならば力ずくで奪えばよい」
「なっ……」
「時の牢獄よ……目覚めよ!」
女性の叫びと共に巨大結晶が眩い光を放つ。次の瞬間――空間全体が歪み始めた。
「危ない!」
「彩音さん!」
アッシュとレンカが手を伸ばす。しかし私の身体は宙に浮き始めていた。
「キャァァッ!」
悲鳴を上げながら意識が遠ざかる――
目を開けると全く別の場所にいた。広大な草原の真ん中。空には見たこともない星々が煌めいている。
「ここは……?」
混乱しながら周囲を見回す。ふと背後に気配を感じ振り返ると――
「海斗……?」
信じられない光景が広がっていた。海斗が立っている。しかも現代の制服姿で。
「彩音……」
「本当に海斗なの?」
「ああ……」
優しく微笑む海斗。思わず駆け寄り抱きついた。
「会いたかった!」
「俺もだ」
「でもなんでここに?」
「これは『夢』だ」
海斗の言葉にハッとする。
「夢?」
「そうだ。お前の記憶が創り出した仮想空間だ」
「そんな……」
落胆する私を見つめながら海斗が続ける。
「でも心配するな。これは俺たちがつながる唯一の手段でもある」
「どういう意味?」
「お前の中に俺は生きているということさ」
温かな言葉に涙が溢れる。
「私……頑張るからね」
「ああ……信じてる」
海斗の手が頬に触れる。その温もりが愛おしい。
「戻らなければ」
「わかってる」
名残惜しいけれど使命がある。
「また会える?」
「必ず」
微笑む海斗。次の瞬間――
「彩音!」
アッシュの声で現実に引き戻される。目に映るのは崩れかけた古代墓地の天井だった。
「気がついたか?」
「うん……」
「何があった?」
「説明するのは難しいわ……」
ゆっくりと起き上がる。全身が痛むが致命傷ではないようだ。
「時の守護者は?」
「逃げていったようだ」
アッシュが周囲を見回す。
「でもクロノライトは?」
「そこだ」
地面に転がる緑色に輝く結晶を示す。
「奇跡的に無傷だ」
安堵のため息をつく。レンカも無事なようでホッとした。
「帰りましょう」
アッシュの提案にうなずく。しかし心には海斗の言葉が刻まれていた。
(俺たちはつながっている……)
新たな力を得たような気がした。
翌朝――エドガー卿への報告
「よくやった」
意外にも称賛の言葉を受ける。
「これが西の墓地で見つけたクロノライトです」
「確かにな」
エドガー卿が結晶を手に取り確かめる。
「もう一つの場所は?」
「北の氷洞窟です」
「そちらは難易度がさらに高い」
警告するように言う。
「覚悟はあるか?」
「はい!」
三人で力強く応じる。
「よかろう」
エドガー卿はにやりと笑った。
「今回は私も同行しよう」
「えっ?」
「直接監督する必要がある」
予想外の展開に驚く私たち。
「明日出発だ」
そう言って彼は立ち去った。
「なんだったんだ今の……」
アッシュが困惑した表情で呟く。
「父上の真意が読めない……」
「何か企んでいるのかしら?」
「気をつけないと……」
「彩音さん」
レンカが私の袖を引っ張る。
「さっきの空間での出来事……本当は何があったんですか?」
「実はね……」
海斗との再会について話すと二人とも驚きを隠せない様子だった。
「それは重要だ」
アッシュが真剣な表情で言う。
「父上の計画と関係があるかもしれない」
「そうかもね……」
夜になり窓辺で考える。エドガー卿の真意。海斗との接点。そして時空測定機の正体。
様々な謎が絡み合いながらも一つだけ確かなことがある。
「絶対に負けない……」
決意を新たにする。海斗もきっとどこかで応援しているはずだから。
翌朝の旅立ち――
エドガー卿と共に馬車に乗り込む。アッシュとレンカ、そして私の四人だ。
「氷洞窟までは三日かかる」
「そんなに遠いんですか?」
レンカが尋ねる。
「北方国境に近い場所にあるのだ」
エドガー卿が地図を広げて説明する。
「途中には『時忘れの森』を通る必要がある」
「時忘れの森……?」
「時間の流れが狂った不思議な場所だ」
アッシュが補足する。
「一日滞在すれば十年老けると言われている」
「怖いわね……」
「心配無用」
エドガー卿が自信満々に言う。
「私の魔術障壁があれば影響を受けない」
安心させるつもりだろうが逆に不安になる。
「本当に信用していいんですか?」
「当然だ」
エドガー卿の鋭い視線が突き刺さる。
「レンカさん……」
「はい?」
「もし何かあったら合図を出して」
「わかりました」
密かに打ち合わせる私たち。アッシュも理解してくれているようだ。
馬車が揺れながら進む。遠くに見える山々の頂は既に雪化粧をしている。冬の訪れを感じる寒さだった。
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