53 / 58
53話〜四天王の村作り
しおりを挟む
バーンダーバがノインドラで奴隷達を買ってから4日が経った。
ようやっとカルバンが「ここにしよう」と決めた村を作る予定の地に到着した。
「さぁ、まずは家を作ろう。 必要な木は切ってきて用意してある、ノコギリやら木槌やらの工具も大体揃ってるはずだが足りない物があったら言ってくれ」
予定地はカルバンが視察して正確な場所を決め、予め必要な物は揃えておいた。
距離にして1kmほどに森が見えている。
魔物が出てもすぐに対処出来るぎりぎりの距離だ。
川は氾濫すると危険なので多少距離が離れている、早めに上流から生活用の水路を引きたいとカルバンが言っていた。
「おぉ、戻ってきたな」
セルカが見上げるとロゼに乗り盗賊達を引き連れたバーンダーバが狩りから戻ってきた。
「おぉ、バンさん達が戻ってきたぞ!」
村人達も笑顔でそれを迎える。
「おかえりなさい!」
アビーや他の子供達が走りよっていく。
「出迎えありがとう、運ぶのを手伝ってくれるか?」
バンが仕留めた鳥を子供達に渡す。
「うん、任せて!」
子供達は手に持ってかけていく、鳥の羽を毟るのは子供達の仕事になっている。
「よくまぁ毎日そんなに取ってこれるな」
盗賊達がバンが仕留めたであろう獲物を総出で運んでいる。
その数は200人で食べても数日分はありそうな量だ。
カルバンが呆れたように呟く。
「これしか脳がないからな」
「よく言う」
「カルバン、これからどうするんだ?」
「そうだな、ここで安定して生活していける基盤作りだ。 まずは生活必要な水を引きたいな、川から引くか、井戸を掘るか」
「なるほど、生きるのに水は必要だな」
飲水は勿論、炊事洗濯、畑をするにも水は必要である。
「上から掘っていくのか?」
「そうだ、上に関を作ってから掘っていく」
「ふむ、場所はどうする?」
「地形を見てからだな、いや、ロゼがいるから上空から見れるのか。 まぁ、相当な人数でしなけりゃならん。 まだ先の話だ」
「溝を掘ればいいのだろう? 私が出来るかもしれん、場所を教えてくれ」
カルバンは首を傾げつつ、ロゼに頼んでバーンダーバと2人で乗り込んだ。
上空から川を眺めてカルバンが指を指し示しながらあそこからあそこまでをと説明していく。
「溝の幅と深さは?」
「そうだな、縦横1mってところか」
「分かった」
バーンダーバが弓を構える、魔弓が具現化されると迷うことなく矢を撃ち放っていく!
「おいおいマジか!」
カルバンが指し示した場所を正確に矢で撃ち抜いていく。
「ロゼ、ゆっくり下流の方へ移動してくれ」
「あいよ」
矢を放ちながら涼しい顔でロゼに指示を出す。
関も作らずに掘っていくが水の流れる速さを上回る速さでバーンダーバの弓が溝を掘っていく。
村人の近くを通ると村人全員が矢を放つバーンダーバを口を開けて見上げている。
子供達がはしゃいでバーンダーバが掘ったばかりの溝に入る。
「そこは水路だ! 水が流れるから出ていなさい!」
喋りながらも矢を射続ける。
======
村の予定地を通る水路がほんの数分で完成した。
村人達は水路をサラサラと流れる水を眺めて呆気に取られている。
「・・・ 全く、やる事がデタラメだな」
「カルバン、バンは迷宮に大穴を開けて崩壊させたんだ。 こんな水路くらいで驚いてちゃ身が持たないぜ」
セルカがヘラヘラと笑いながらカルバンの肩を叩く。
「カルバン、畑はどの辺に作るのだ?」
「あぁ、そうだな、今度は何をするつもりだ?」
「土が硬いからな、鍬で耕す前に矢を撃ち込んでおけば少しは楽に土を起こせるだろう」
「穴だらけになるだろう?」
「上手く調整するから大丈夫だ」
「はは、そうか。 じゃあ、場所を決めよう」
カルバンは笑いながら頷いた。
ようやっとカルバンが「ここにしよう」と決めた村を作る予定の地に到着した。
「さぁ、まずは家を作ろう。 必要な木は切ってきて用意してある、ノコギリやら木槌やらの工具も大体揃ってるはずだが足りない物があったら言ってくれ」
予定地はカルバンが視察して正確な場所を決め、予め必要な物は揃えておいた。
距離にして1kmほどに森が見えている。
魔物が出てもすぐに対処出来るぎりぎりの距離だ。
川は氾濫すると危険なので多少距離が離れている、早めに上流から生活用の水路を引きたいとカルバンが言っていた。
「おぉ、戻ってきたな」
セルカが見上げるとロゼに乗り盗賊達を引き連れたバーンダーバが狩りから戻ってきた。
「おぉ、バンさん達が戻ってきたぞ!」
村人達も笑顔でそれを迎える。
「おかえりなさい!」
アビーや他の子供達が走りよっていく。
「出迎えありがとう、運ぶのを手伝ってくれるか?」
バンが仕留めた鳥を子供達に渡す。
「うん、任せて!」
子供達は手に持ってかけていく、鳥の羽を毟るのは子供達の仕事になっている。
「よくまぁ毎日そんなに取ってこれるな」
盗賊達がバンが仕留めたであろう獲物を総出で運んでいる。
その数は200人で食べても数日分はありそうな量だ。
カルバンが呆れたように呟く。
「これしか脳がないからな」
「よく言う」
「カルバン、これからどうするんだ?」
「そうだな、ここで安定して生活していける基盤作りだ。 まずは生活必要な水を引きたいな、川から引くか、井戸を掘るか」
「なるほど、生きるのに水は必要だな」
飲水は勿論、炊事洗濯、畑をするにも水は必要である。
「上から掘っていくのか?」
「そうだ、上に関を作ってから掘っていく」
「ふむ、場所はどうする?」
「地形を見てからだな、いや、ロゼがいるから上空から見れるのか。 まぁ、相当な人数でしなけりゃならん。 まだ先の話だ」
「溝を掘ればいいのだろう? 私が出来るかもしれん、場所を教えてくれ」
カルバンは首を傾げつつ、ロゼに頼んでバーンダーバと2人で乗り込んだ。
上空から川を眺めてカルバンが指を指し示しながらあそこからあそこまでをと説明していく。
「溝の幅と深さは?」
「そうだな、縦横1mってところか」
「分かった」
バーンダーバが弓を構える、魔弓が具現化されると迷うことなく矢を撃ち放っていく!
「おいおいマジか!」
カルバンが指し示した場所を正確に矢で撃ち抜いていく。
「ロゼ、ゆっくり下流の方へ移動してくれ」
「あいよ」
矢を放ちながら涼しい顔でロゼに指示を出す。
関も作らずに掘っていくが水の流れる速さを上回る速さでバーンダーバの弓が溝を掘っていく。
村人の近くを通ると村人全員が矢を放つバーンダーバを口を開けて見上げている。
子供達がはしゃいでバーンダーバが掘ったばかりの溝に入る。
「そこは水路だ! 水が流れるから出ていなさい!」
喋りながらも矢を射続ける。
======
村の予定地を通る水路がほんの数分で完成した。
村人達は水路をサラサラと流れる水を眺めて呆気に取られている。
「・・・ 全く、やる事がデタラメだな」
「カルバン、バンは迷宮に大穴を開けて崩壊させたんだ。 こんな水路くらいで驚いてちゃ身が持たないぜ」
セルカがヘラヘラと笑いながらカルバンの肩を叩く。
「カルバン、畑はどの辺に作るのだ?」
「あぁ、そうだな、今度は何をするつもりだ?」
「土が硬いからな、鍬で耕す前に矢を撃ち込んでおけば少しは楽に土を起こせるだろう」
「穴だらけになるだろう?」
「上手く調整するから大丈夫だ」
「はは、そうか。 じゃあ、場所を決めよう」
カルバンは笑いながら頷いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
120
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる