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5、初仕事
しおりを挟む…その晩、約束通り迎えに来てくれた佐原さんに連れられた俺は都内某所の高層マンションの中にいた。
「ほぁあ…」
デカい・広い・豪華。
略してDHG。
そんなくだらないことを考えながら、俺はぼんやりと屋上のシャンデリアを見つめていた。
「…今日から1ヶ月、彼が最上階に出入りしますので」
「かしこまりました」
佐原さんが何やら話している相手(綺麗なお姉さん)はいわゆるコンシェルジュ、とかいうやつなのだろうか?
佐原さんの後ろから様子を伺っていると、ニコリと微笑まれた。
「お話はお伺いしました。今日から最上階に出入りされます社 拓磨さまですね。よろしくお願いします」
「あ、は、はい…」
「こちらのコンシェルジュは優秀ですので、契約期間中は顔パスで中に入れますよ。それと中にもうひとつゲートがありますので、そちらはこのカードキーを使ってくださいね」
「ほぁ…わ、分かりました」
ここは…おそらく鏑木さんのような、プライベートを守りたいセレブが暮らすマンションなのだろう。
俺は受け取ったカードキーを見つめながら暮らす世界の違いを目の当たりにした。
「では行きましょうか。奏多も部屋でお待ちかねですよ」
そして俺は佐原さんの先導で、さらには引越し荷物をコンシェルジュさんに運んでもらいながらエレベーターに乗り込んだ。
…………………………………………
ーガチャッ
「ここが私と奏多が住む部屋です。最上階は2部屋しかないので間違えることは無いと思います」
「…玄関だけで既に俺のアパートの部屋より広い…」
リビングで雑誌を読んでいると、玄関から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
その瞬間下半身が熱くなったが、根性で無理矢理鎮めてから優雅に立ち上がる。
(契約早々情けない姿を見られて逃げられるわけには行かないからね…)
「奏多…あぁ、リビングで待っていてくれましたか」
「あっ、か、鏑木…さん…」
「お疲れ、佐原。それと社くん。お試しでも契約してくれてありがとう。…これから、僕の病気を治すためによろしくね」
「!…は、はい…」
決して下心のないことをアピールするため、精一杯の爽やかな笑顔を作り片手を差し出す。
社くんはそれに応えるようにやや緊張しながら手を……
…ぎゅっ
「っー!!」
ただの握手、のつもりがもうダメだった。
彼の手のひらが僕の手を握った瞬間、根性では抑えられないレベルの性欲が襲う。
「えっ!か、鏑木さん!?」
「っ…す、すまない…」
「…社さん、早速で申し訳ないのですが…奏多の性処理をお願いしてもいいですか?」
「い、いきなり!?」
冷静な佐原に対し困惑した社くんの声。
…あぁ、情けない。
そんな声でもこんなにも劣情を催してしまうなんて。
「奏多。奥の部屋に」
「あぁ…社くん。本当に、申し訳ない…」
「鏑木さん…」
前屈みになったまま奥の部屋…自室へと入り、遅れて社くんも部屋にやってくる。
「佐原から、話は?」
「き、聞いてます。…その…とりあえず、見抜きでいいですか…?」
「あぁ、構わないよ」
荒くなる息をどうにか整えながらベッドに腰掛け、急ぐように硬くなった性器を取り出す。
そこは既に完勃ちしており、僕は自分で浅ましいと思いながらも社くんの目の前で上下に扱き始めた。
「っ…」
「はぁ…っ…やしろ、くん…」
(ほ、本当に…あの鏑木奏多が、俺をオカズにしてる…)
(瞳が僅かに揺れて…少し、怯えているのかな?)
唇を噛み締め、こちらを怯えたような目で見つめる社くんに興奮が収まらない。
だがこのままではダメだ。
彼の恐怖心を取り除こうとなんとか口を動かす。
「…社くん…っ、すま、ない…目の前で、こんなことされて…怖いだろう…?」
「い、いや…その…」
「…僕も、こんな状況は…どうにか、したいんだ…っ普通に…好きな女の子、相手に…反応出来るようになれば…くぅっ!」
込み上げる射精感に咄嗟にティッシュへ手を伸ばすが間に合わない。
ービュクッ!
「うぁっ…!」
勢いよく放たれてしまった白濁は、目の前に立つ社くんの頬から胸元の辺りにかかってしまう。
一部分だけだが白濁に汚れたその姿に…僕の性欲はさらに急上昇した。
「っく…!社くんっ…本当に、申し訳ない…!」
「か、鏑木さん…」
そのまま間髪入れずに第2ラウンドへと突入し、社くんの姿を凝視する。
(…恋愛感情ではない…でも、異常なまでに下半身にくるのはどうしてなんだ…?)
しかしいくら自問してもその答えが出る訳もなく、結局僕は社くんの姿をオカズに計3回も抜くことになった。
「…では今回は見抜きで3回、それと服と体に1度かけてしまっているので…ぶっかけオプションということで2万円お渡ししましょう」
「あ、ありがとう…ございます…」
ところ変わってリビング。
抜いたばかりで脱力感が残る中、目の前でお金のやり取りをする2人をぼんやりと見つめていた。
「…奏多。少しは落ち着きましたか?」
「あぁ、なんとかね。…社くん、いきなりあんな姿を見せてしまってごめん。怖かっただろう?」
「え、えーと…」
目を泳がせる社くんにとても申し訳ない気持ちが込み上げる。
今は抜いたばかりだから大丈夫だが…また数日すれば今日のようなことをお願いすることになるだろう。
「…社さん。荷物の片付けなどもあるでしょうし、ひとまずお部屋で休んでいてください。食事の用意が出来たら呼びますので」
「あ、は、はい」
「部屋は…そこの客間をご自由にお使いください。もし足りないものがあれば私に」
「わかりました。…ありがとうございます」
そして気まずそうだった社くんは、佐原の言葉に促されてダンボールを手にこちらに軽く頭を下げてから早足で客間へと入っていった。
パタンとドアが閉まると、佐原はゆっくりとこちらに歩み寄る。
「どうでした?」
「…どうもなにも、本物の彼を前にして3回で済んだのが奇跡にも思えるよ」
「まぁ、最初の時は10年ぶりというブランクもありましたからね」
佐原は目の前の椅子に座り、何やら手帳を取り出すと記録を付け始めた。
「声、姿、直接的な肌の接触とありましたが…どれが一番強かったですか?」
「そうだね…最初は握手した時の手の感触が一番だったけど…その…彼の顔に精液が付いてるのを見た瞬間、出したばかりのものが即復活したような気分だったよ」
「ふむ…」
病気を治すためだからと少し恥ずかしいことも包み隠さず話し、佐原の反応を待つ。
メモした手帳を険しい目で見つめると、佐原は小さく頷いてからこちらを向いた。
「…そうですね…では、幾つか検証実験をしてみましよう」
「実験?」
「はい。条件は色々ありますが…『写真の社さんでも反応するのか』『社さんに似た他人でも反応するのか』あとは『声だけ』『匂いだけ』で反応するのか…そのぐらいでしょうか?」
それだけ聞くとまるで変態のようだが、これも病気の原因と対策を探るためだ。
佐原の提案に僕は大きく頷いた。
「じゃあ時間のある時に色々試してみるよ。…出来れば彼に逃げられる前に、このお試し1ヶ月だけで改善させたいからね」
「おや、逃げられる前提ですか」
「当然だろう。…あんな醜態を晒したんだ。普通今すぐにでも逃げ出したいと思うさ」
欲に溺れた雄の目で見た社くんは怯えていて、僕はノンケのはずなのにその姿に『ただの性欲処理のためだけに抱き潰したい』とすら思ってしまった。
(…一応謝ったけど…しっかりお詫びしておこう)
そんなことを考えながら、僕は飲み物を口にした。
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