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序章
プロローグ
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…ここは人族と魔族が長年争いを続けている世界。
何人もの人族がその戦いの中で倒れ、その一方で魔族も大きな被害を受けていた。
しかし…世界全体で見てみれば、実際にそんな戦いが続く地方はごく一部。
実際には半数以上の人族が魔族との争いとは無縁な生活を送り、また魔族達も人族との争いよりも自分の欲望を優先して自由気ままに暮らしていた。
そんな世界の何処か。
人族の領域である大陸のとある地方。
ここでは今まさに、人間達を誘い込み、捕らえ、時に命を奪う魔窟…『ダンジョン』が生まれようとしていた。
ーーカンッ カンッ
「よっ…と」
人族の暮らす街から数km離れた街道。
さらにその街道から少し離れた崖の麓から響く木槌の音。
本来ならばその音は不用意に魔物を呼び寄せる危険なものとなるはずなのだが…何故か周囲の魔物達は草むらに隠れ、音の主を襲うどころか顔を出す気配すらない。
音の主はそんな魔物達の様子を知ってか知らずか、とにかく周囲を気にすることも無く木槌を振るっていた。
「……ダンテさまぁ。看板、終わりました?」
「あと少し…っと!」
ーガンッ!
木槌を振るう男…ダンテと呼ばれた青年は最後に勢いよく木槌を振り下ろすと、軽く汗を拭いながら振り向く。
そこには、先程間延びした口調で彼の名を呼んだ男…露出の高いボンデージ衣装と黒い羽や尻尾が特徴の淫魔が立っていた。
「ここまで長かったですねぇ…設計図作って、魔物や罠を選別して、建設予定地探して…」
「その発言は少々年寄りくさいぞ、キール」
「えー。ダンテ様が魔人領の屋敷を飛び出してから百年とウン十年。ずっと定住することなく理想のダンジョンを作り続けてたんですよー?」
『多少の愚痴は多めに見てくださいよー』と頬を膨らませる淫魔…キールに、ダンテは小さくため息をついた。
魔物…淫魔であるキールを連れ歩くダンテは、当然のことながら人族などではない。
ダンテは魔族…その中でも上位の存在である魔人で、更には『ダンジョンメーカー』と呼ばれる血筋を持つ。
ダンジョンメーカーとはその名の通りダンジョンを創る魔人の家系であり、ダンテの一族は代々世界中にダンジョンを構築しては人族達を誘い込み、その命を奪っていた。
しかし、ダンテはそんな先祖代々の持つ『人族を殺すためのダンジョン』に異を唱える。
『人族はダンジョンを生かすための血液であり貴重な資源。それを無闇矢鱈に殺すなどとんでもない!』
その理想を体現すべく、ダンテは魔人領を飛び出し理想のダンジョン探求の旅に出た。
…そしてそれから100年とウン十年。
ついに彼らは理想の体現を成し遂げる。
魔人『ダンジョンメーカー』ダンテと、その使い魔・男淫魔のキール。
これは彼らが理想のダンジョン…人を殺さない、エロトラップダンジョンを運営する大冒険譚である…!
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