ヒロインの性格が死ぬほど悪い乙女ゲームに転生したけど、私は当て馬悪役令嬢で幼馴染に振られるはずの人間だった。

海瀬

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3.

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「あら、二人でデートするの?  羨ましいわ!」


パパと話すのに夢中でママの存在に気づけなかった。あ、双子も一緒だ。

「「おねえたん」」

ん~! かわいい。可愛すぎる。天使が二人もいるよ!

「リカ、リン!」

妹がリカ、弟がリンだ。性格はリカよりリンの方が大人しい。リカは入江家の問題児だ。私もリカみたいに自由になりたいな。中身18歳の私にはそんなこと出来ないが。まぁ、かわいいのでみんなリカのことをきちんと叱れずにいる。

「おねえたん、あのねさっきかっこいいおとこのことおともだちになったの!」

「よかったね、リカ」

「そんなことない!  おにいたんのほうがかっこいいもん!」

そういえば兄がいたんだった。今日は金曜日だが、小学校があるため今は不在だ。ちなみに私の1つ上、小学校1年生である。

「リンにそういってもらえておにいたんもよろこぶね」

それにしてもかっこいいお兄ちゃんとは誰なんだろうか。あ、もしかしてシオンかな。朝からママ同士でお茶飲んでたみたいだし、シオンとシオンのお母さんが合流したところに双子も一緒だったのかもしれない。

「シオンっていう子なのだけどね?  月曜日からリオと同じ幼稚園にいくのよ。誕生日パーティーの時に紹介するから楽しみにしててね。だからリカとリンも同じよ。」

「やったあ!  リカまたあのおにいたんとあえるんだね!」

シオンたちはもう帰ったようだ。じゃあ、朝から会わなくて良かったんじゃ……?  と思ったのは秘密だ。

「それよりリオ、パーティーの準備は済んだの?  ハナが探してたけど。」

「あっ、わすれてた! みんな、あとでね!」

走って向かおうとしたが後ろからパパに「危ないから歩きなさい」と言われ早歩きで向かった。

「はぁ、ほはばがせまいからつかれちゃった」

「お嬢様?  どちらへ行かれてたんですか?」

お、怒ってる。とてつもなくお怒りのようです。

「といれに……」

「はぁ……お説教は後です。1度お風呂に入って汚れを落としましょう。」

それからというもの、私は移動していないのにも関わらず、着替えや髪型の準備が終わった。まだ5歳なので化粧はしていない。今は12時で少しお腹がすいてきたところだ。パーティーが始まるのは1時。パパやママの知り合いが多く招かれている。中には私と仲のいい友達もいる。2日連続誕生日なんて得した気分だ。お父さんとお母さん悲しんでいないかな。

「リオ。」

「おにいたん!?  おかーりなさい!」

「クッキー食うか?  ちょっと奪ってきた」

「たべたい!」

奪ってきたという言葉が聞こえた気がするが私の耳には届いていなかった。空腹で倒れそうだったのだ。

「うまいか?」

美味しいと伝えるとニカッと笑顔でだろ? と返された。私が1人でいることを気にしてわざわざ様子を見に来てくれたらしい。優しいなあ。ちなみにお兄ちゃんの名前はリク
私が名前で呼ぶことはないと思うが。お兄ちゃんはまだ制服のままだったので着替えるために部屋を出た。短パンかな!?  短パンだよね!

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読んでくださってる方ありがとうございます!
感想などくれるとモチベ上がります……。
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