フリー朗読台本

好きが笑った日。

心に好きを感じても、なぜか素直になれなくて。
好きを他人と感じるくらい、強がる言葉を並べてしまう。
そうやって、私は好きを誤魔化した。
心が「酷い」と零しても。
心の涙は拭えなかった。

本当は、命を好きに吹き込みたいのに。
誰かが好きをくれるから。
私の好きは枯れたまま。
それでも、誰かの好きを聞きたくて。
私は、枯れてしまった私の好きに、無理やり命を吹き込んだ。
私の好きは、誰かの好きでしか成り立たない。
これを、虚しいと言わずなんという。

誰か、私に好きを言わせてください。
偽りの、好きを繋ぎ止める好きではなく。
心からの、私の好きを言わせてください。
誰かの好きと、生きたいと願う私の好きが、同じ歩幅で歩けるように。

ようやく、私の心にも好きが芽生えた。
私は、この好きを大事にしたい。
素敵な出会いと、素敵な誰かに、感謝の意を。


どうか、この2つの好きが、未来へと続いていきますように。