フリー朗読台本

私の言葉を、あなたに。

「さようなら」だけが、別れの言葉だと。
そう思っていた私に、「またね」を教えてくれたのは、あなたでした。

あなたがいつも、何気なく与えてくれた言葉たちは。
私がいつも、誰かから欲しがって。
誰にも言ってもらえなくて。
無理やり心に閉じ込めた、哀れな言葉たちでした。
その言葉達が、あなたにお礼を告げている。
「僕たちを、ここから出してくれて、ありがとう」と。

あなたの言葉は、誰もと一緒の言葉でも、誰もと違った形をしていて。
それがすごく魅力的で。
私の心をさらってくれました。
あなたの想いを乗せた、その声で。

あなたの言葉の本当の意味を。
私は今なら、理解することが出来るのです。
あなたからもらった「幸あれ」が、本当は「離れたくない」だったのだと。
そう教えてくれたのは、あなたがそこに残してくれた、あなたの言葉と、あなたの想いでした。

ありがとう。
私に「またね」を与えてくれて。

これから言う、私の言葉を受け取ってくれますか。

未来でも、あなたと一緒に笑っていたいです。