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セシェ島編
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「ガルドさん、エドさん、ありがとうございました」
船を降り、見送りにやってきたふたりに頭をさげると、ガルドは眉をしかめた。
「お嬢さん、本当にここに残るのか? セシェ島の冬は厳しいぞ」
「王都にいるよりは安全です。ガルドさんはまたこちらに来ますか?」
「今年はあと一回だけな。帰るなら、次の便が最後のチャンスだぜ」
たった半日の船旅だったが、ずいぶんガルドは心配してくれる。面倒見がいい人なのだろう。レオナはにこりとしたあと、エドを見上げる。
「エドさんとはしばらくお会いできませんね。ベリウス卿と交代で、エドさんが部屋の前を見張ってくださっていたと聞きました。おかげで安心してここまで来れました」
「いやぁ、大したことじゃ。それにしても、公爵のご令嬢はお優しいんですね。もっと鼻持ちならない高慢ちき……」
「おい、エド」
ガルドに脇を小突かれて、エドはうへへと笑ってごまかす。
「別れのあいさつはそのぐらいにして、行きましょうか、レオナ嬢」
そばで様子を見ていたベリウスが、しびれを切らして、そう言う。
「ベリウス卿は一緒に帰らないのですか?」
「まずは副団長に状況を説明しなきゃいけないですからね。最後の便で王都に戻るかは、団長の判断次第です」
「ルドアース副団長でしたね。案内してくれますか?」
「もちろん。あの人のことだから、きっとすでに屋敷の入り口で待機してますよ」
「それでは、お待たせしているかもしれませんね。急ぎましょう」
レオナはガルドとエドにもう一度礼を言うと、ベリウスとともに屋敷へ向かう。
船着場から屋敷までは、ろくに舗装されていない砂利の道が続いていた。ところどころ、とけた雪で土はぬかるみ、レオナの靴はあっという間に泥まみれになった。
「あとで、湯の用意をさせますよ。冬を二回越せるぐらい、じゅうぶんな物資を運んできましたからね。多少のぜいたくはできます」
「身体がぬぐえるのでしたら、ぜいたくは言いません。あ……でも、ドレスが届くまでは……」
できれば、ドレスを脱ぎ着する回数は減らしたい。レオナの不安を感じ取ったのか、ベリウスがあっけらかんと言う。
「俺でよければ、いつでも。ご負担になるようなことはしませんし、慣れるとどうってことないですよ」
女性としての魅力はまったく感じないと言われたようで複雑だったが、そのぐらいの態度でいてくれると安心する。
「お願いできるのは、ベリウス卿だけですから」
「そんなに信用してもらえてるんですね。まあ、監獄暮らしのやつらは女に飢えてるし、レオナ嬢の警護は任せてください」
「それでは、王都に戻れなくなりますよね?」
「これも何かのご縁。副団長には、ここに残ると直談判しておきます」
覚悟を決めたのだろうか。苦笑いしつつも、ベリウスはどこか吹っ切れたような爽やかな笑みを見せる。
「さあ、ここが、かの有名な氷嶺監獄です。見た目は普通の屋敷ですが、中はじめじめして、ぼろぼろです。陰気くさいところで働くと、兵士まで陰気くさくなるようで、あいつらはほとんどしゃべりません」
「そうなんですね……」
「唯一の楽しみは食事ぐらいですかね。団長が気に入りのシェフを連れてきたので、宮殿の食事と変わらないぐらいうまいですよ」
途方に暮れたように屋敷を見上げるレオナの気分をあげようとしたのか、ベリウスは今にも舌鼓を打ちそうな勢いでそう言ったあと、屋敷の扉を開くようにと、門兵に声をかける。
ギシギシと音を立ててゆっくりと開いていく扉を、レオナは息をつめて見守った。
一歩中へ入ると、重苦しい空気がレオナを包み込む。罪人を閉じ込める場所だからか、湿気に満ちた空気がどこか不気味な気配を放っている。
「さあ、行きましょう。階段の前にいるのが、副団長ですよ」
ベリウスはこの雰囲気に慣れているのだろうか。軽快にこっそり耳打ちをすると、こちらに気づいてやってくるマントの男へ、レオナを連れていく。男のマントには、フォルフェス騎士団の紋章が刺繍されている。
「レオナ・ベネット様、お話はすでにベリウスから聞いております。私はフォルフェス騎士団副団長、ルドアース・マキスと申します」
「レオナ・ベネットです。このたびは保護していただき、大変感謝しています。セリオス王子殿下にお願いがございます。お会いすることはできますでしょうか?」
「殿下はお会いになる心づもりがございますが、しばらくお待ちください」
「すぐにはお会いできませんか? お父さまはいま、軟禁されているそうなのです」
助けてもらう身で、わがままを言っている自覚はあったが、少しでもはやく父を助けたくて願い出るが、ルドアースは表情一つ変えない。
「承知しております。現在、ベネット公爵と王都の動向について詳細を調査しておりますが、殿下が直接動くにはさらなる証拠と準備が必要でございます。この場所は不便ではありますが、殿下のご意向により、レオナ様には安全な環境を提供いたしますので、ご安心ください。警護はベリウスに任せます。すべてが整うまでお待ちくださいますようお願い申し上げます」
「……わかりました」
言いたいことはたくさんあったが、レオナはすべて飲み込んで、頭をさげた。
「ベリウス、あとは任せる。今年は監獄で越冬だ。準備しておきなさい」
「やっぱり、そうなりますよね。喜んで引き受けますけど、こんなことなら、昨日のうちにうまい酒と肉を食べておきゃよかった」
ルドアースはぼやくベリウスをあきれ顔で見たあと、「レオナ様が無事に到着したと、殿下に報告してまいります」と、階段をのぼって立ち去った。
2階にセリオスはいるのだろう。監獄というぐらいだから、地下牢に閉じ込められているとばかり思っていたが、違うのかもしれない。
「それじゃあ、俺たちも行きましょう。レオナ嬢の部屋は2階の奥だそうです。2階は見張りの兵士しか立ち入らないですから、困ったことがあれば、俺を呼ぶように見張りに伝えてください」
レオナはベリウスとともにルドアースの登っていった階段をあがった。ルドアースは左手へ進んでいったが、レオナの部屋は反対側に用意されているようだ。
「ああ、よかった。ちゃんと暖が入れてありますね。早速、湯と食事の用意をさせましょう。ほかに娯楽はありませんが、のんびりしてください」
ベリウスの言う通り、部屋へ入った途端に、じゅうぶんすぎるぐらい暖かな空気に包まれた。
レオナは客人であり、保護されるべき対象であると、セリオスが認識している表れではないかと思い、あんどした。
それから毎日、ベリウスが世話を焼いてくれ、覚悟していたセシェ島生活も、比較的快適に過ごすことができた。
そうして過ごしていたある日の午後、ベリウスが笑顔でレオナの部屋へ駆け込んできた。
「もうすぐ、船便でベネット公爵から荷物が届くそうですよっ」
「お父さまから?」
「ええ、そうです。ガルドからの連絡によると、監視付きでの解放だそうです。今はベネット公爵も、クレストル領へお戻りになり、屋敷で過ごされているそうです」
「本当ですか? ああ、よかった……」
レオナはこらえ切れずに涙ぐむ。父が無事であるという知らせが、どれほど自分にとっての救いだったのか、改めて痛感する。
温かく見守ってくれるベリウスの背後に、突如、背の高い男が現れる。ルドアースだった。レオナがその堅苦しい雰囲気に気圧されながら背筋を伸ばすと、ルドアースは淡々と言う。
「レオナ様、お待たせいたしました。殿下がお会いになるそうです。ご案内いたしますので、どうぞ一緒にいらしてください」
「ガルドさん、エドさん、ありがとうございました」
船を降り、見送りにやってきたふたりに頭をさげると、ガルドは眉をしかめた。
「お嬢さん、本当にここに残るのか? セシェ島の冬は厳しいぞ」
「王都にいるよりは安全です。ガルドさんはまたこちらに来ますか?」
「今年はあと一回だけな。帰るなら、次の便が最後のチャンスだぜ」
たった半日の船旅だったが、ずいぶんガルドは心配してくれる。面倒見がいい人なのだろう。レオナはにこりとしたあと、エドを見上げる。
「エドさんとはしばらくお会いできませんね。ベリウス卿と交代で、エドさんが部屋の前を見張ってくださっていたと聞きました。おかげで安心してここまで来れました」
「いやぁ、大したことじゃ。それにしても、公爵のご令嬢はお優しいんですね。もっと鼻持ちならない高慢ちき……」
「おい、エド」
ガルドに脇を小突かれて、エドはうへへと笑ってごまかす。
「別れのあいさつはそのぐらいにして、行きましょうか、レオナ嬢」
そばで様子を見ていたベリウスが、しびれを切らして、そう言う。
「ベリウス卿は一緒に帰らないのですか?」
「まずは副団長に状況を説明しなきゃいけないですからね。最後の便で王都に戻るかは、団長の判断次第です」
「ルドアース副団長でしたね。案内してくれますか?」
「もちろん。あの人のことだから、きっとすでに屋敷の入り口で待機してますよ」
「それでは、お待たせしているかもしれませんね。急ぎましょう」
レオナはガルドとエドにもう一度礼を言うと、ベリウスとともに屋敷へ向かう。
船着場から屋敷までは、ろくに舗装されていない砂利の道が続いていた。ところどころ、とけた雪で土はぬかるみ、レオナの靴はあっという間に泥まみれになった。
「あとで、湯の用意をさせますよ。冬を二回越せるぐらい、じゅうぶんな物資を運んできましたからね。多少のぜいたくはできます」
「身体がぬぐえるのでしたら、ぜいたくは言いません。あ……でも、ドレスが届くまでは……」
できれば、ドレスを脱ぎ着する回数は減らしたい。レオナの不安を感じ取ったのか、ベリウスがあっけらかんと言う。
「俺でよければ、いつでも。ご負担になるようなことはしませんし、慣れるとどうってことないですよ」
女性としての魅力はまったく感じないと言われたようで複雑だったが、そのぐらいの態度でいてくれると安心する。
「お願いできるのは、ベリウス卿だけですから」
「そんなに信用してもらえてるんですね。まあ、監獄暮らしのやつらは女に飢えてるし、レオナ嬢の警護は任せてください」
「それでは、王都に戻れなくなりますよね?」
「これも何かのご縁。副団長には、ここに残ると直談判しておきます」
覚悟を決めたのだろうか。苦笑いしつつも、ベリウスはどこか吹っ切れたような爽やかな笑みを見せる。
「さあ、ここが、かの有名な氷嶺監獄です。見た目は普通の屋敷ですが、中はじめじめして、ぼろぼろです。陰気くさいところで働くと、兵士まで陰気くさくなるようで、あいつらはほとんどしゃべりません」
「そうなんですね……」
「唯一の楽しみは食事ぐらいですかね。団長が気に入りのシェフを連れてきたので、宮殿の食事と変わらないぐらいうまいですよ」
途方に暮れたように屋敷を見上げるレオナの気分をあげようとしたのか、ベリウスは今にも舌鼓を打ちそうな勢いでそう言ったあと、屋敷の扉を開くようにと、門兵に声をかける。
ギシギシと音を立ててゆっくりと開いていく扉を、レオナは息をつめて見守った。
一歩中へ入ると、重苦しい空気がレオナを包み込む。罪人を閉じ込める場所だからか、湿気に満ちた空気がどこか不気味な気配を放っている。
「さあ、行きましょう。階段の前にいるのが、副団長ですよ」
ベリウスはこの雰囲気に慣れているのだろうか。軽快にこっそり耳打ちをすると、こちらに気づいてやってくるマントの男へ、レオナを連れていく。男のマントには、フォルフェス騎士団の紋章が刺繍されている。
「レオナ・ベネット様、お話はすでにベリウスから聞いております。私はフォルフェス騎士団副団長、ルドアース・マキスと申します」
「レオナ・ベネットです。このたびは保護していただき、大変感謝しています。セリオス王子殿下にお願いがございます。お会いすることはできますでしょうか?」
「殿下はお会いになる心づもりがございますが、しばらくお待ちください」
「すぐにはお会いできませんか? お父さまはいま、軟禁されているそうなのです」
助けてもらう身で、わがままを言っている自覚はあったが、少しでもはやく父を助けたくて願い出るが、ルドアースは表情一つ変えない。
「承知しております。現在、ベネット公爵と王都の動向について詳細を調査しておりますが、殿下が直接動くにはさらなる証拠と準備が必要でございます。この場所は不便ではありますが、殿下のご意向により、レオナ様には安全な環境を提供いたしますので、ご安心ください。警護はベリウスに任せます。すべてが整うまでお待ちくださいますようお願い申し上げます」
「……わかりました」
言いたいことはたくさんあったが、レオナはすべて飲み込んで、頭をさげた。
「ベリウス、あとは任せる。今年は監獄で越冬だ。準備しておきなさい」
「やっぱり、そうなりますよね。喜んで引き受けますけど、こんなことなら、昨日のうちにうまい酒と肉を食べておきゃよかった」
ルドアースはぼやくベリウスをあきれ顔で見たあと、「レオナ様が無事に到着したと、殿下に報告してまいります」と、階段をのぼって立ち去った。
2階にセリオスはいるのだろう。監獄というぐらいだから、地下牢に閉じ込められているとばかり思っていたが、違うのかもしれない。
「それじゃあ、俺たちも行きましょう。レオナ嬢の部屋は2階の奥だそうです。2階は見張りの兵士しか立ち入らないですから、困ったことがあれば、俺を呼ぶように見張りに伝えてください」
レオナはベリウスとともにルドアースの登っていった階段をあがった。ルドアースは左手へ進んでいったが、レオナの部屋は反対側に用意されているようだ。
「ああ、よかった。ちゃんと暖が入れてありますね。早速、湯と食事の用意をさせましょう。ほかに娯楽はありませんが、のんびりしてください」
ベリウスの言う通り、部屋へ入った途端に、じゅうぶんすぎるぐらい暖かな空気に包まれた。
レオナは客人であり、保護されるべき対象であると、セリオスが認識している表れではないかと思い、あんどした。
それから毎日、ベリウスが世話を焼いてくれ、覚悟していたセシェ島生活も、比較的快適に過ごすことができた。
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温かく見守ってくれるベリウスの背後に、突如、背の高い男が現れる。ルドアースだった。レオナがその堅苦しい雰囲気に気圧されながら背筋を伸ばすと、ルドアースは淡々と言う。
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