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楽園編
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セリオスが叫んだ瞬間、フィリスの吐息が聞こえた。
「やめよ、ロエル」
静かに言い放つフィリスは、掲げた右手の人差し指をわずかにひねる。その途端、レイヴンに向かって伸びる光の糸がパッと飛び散って消えた。
何が起きたのか、わからなかった。甘んじて攻撃を受けようとしていたレイヴンでさえ、驚きでまばたきをした。
「ロエルよ、客人が帰るようだ。ステラの間へ案内しなさい」
「しかし……」
ロエルは不満げに口を開くが、フィリスはセリオスへ目を向ける。
「ロエルは少々感情的で無礼であった。ユーラスを守るためであると理解してほしい。しかし、長居はお互いのためによろしくない。王都へはステラの間から行くがよい」
「ステラの間とは?」
「行けばわかる。私は少し用事があるので、先に行って待っていなさい」
セリオスの尋ねにそう答えたフィリスは、ロエルに「バルター殿も連れてきなさい」と言うと、扉の奥へと消えていった。
それでもロエルは納得いかない目でレイヴンをにらんだが、フィリスの命に逆らうことはないようだ。息を吐き出すと冷静沈着な面持ちになって、手のひらを扉へ向ける。
「ステラの間は神殿最奥にあります。ご案内しましたら、こちらへは戻れませんが、よろしいでしょうか?」
「仲間さえ連れていければ問題ない」
「かしこまりました。では、ご案内します」
歩き出すロエルについていきかけて、レオナは両親のお墓を振り返る。まだきちんと話もできていない。
レオナは墓石の前でひざまずき、両手を組んでまぶたを落とした。思い浮かぶのは、美しい銀色の髪が揺れる笑顔の母。光を受けて、その髪色も顔立ちもわからない、ただ口もとには幸せそうな笑みが浮かぶ父の姿。それでもレオナは祈った。ずっと会いたかった両親に会えてうれしいと。しかし、もっと大切な人ができたから、行かねばならないのだと。
レオナは隣に気配を感じて顔をあげた。セリオスが胸もとに手をあてて、墓石へ向かって敬礼していた。彼は家族を大切にできる人だろう。そう思ったが、腑に落ちないこともあった。
セリオスは父親を暗殺しようとした人でもある。大罪人である彼と、レオナの知る優しい彼が同じ人物とは思えないのだ。国王暗殺未遂の罪には、何か事情があったのだろうか……。レオナがそう思いを巡らせたとき、セリオスがこちらへそっとほほえみかける。
「また来よう、レオナ。ユーラスが以前の姿を取り戻したときに」
「以前の……ですか?」
「フィリス教皇は賢明な方だ。レイヴンの言葉はきちんと届いている」
いつか見られるだろうか……。かつてのように開かれた楽園が。
セリオスに手を引かれて立ち上がると、無言で待っているロエルのもとへ向かい、神殿のさらなる奥へと向かった。
薄暗い通路の先は、ロエルが手に持つ燭台の灯りでわずかに見えるぐらいだった。どれほど進んだだろう。まだまだ続くのだろうかと思ったそのとき、突然目の前に大きな扉が現れ、ロエルは立ち止まった。
「こちらがステラの間でございます。ステラの間にはいくつものステラの門があり、大陸中にあるステラの門とつながっております。しかしながら、すべての門は一方通行となっております。一度入られたら、こちらには戻れません。準備はよろしいですか?」
「ああ、かまわぬ。皆で王都エヴァンモアへ帰還する」
セリオスが高らかに宣言すると、ロエルは扉を押し開いた。ギギギ……と音が鳴る。もう何年も使われていないかのようだ。
扉の中へ進み入ると、赤い絨毯が張り巡らされた空間の中央にある台の上へ、ロエルは燭台を置いた。ほんのりと周囲が照らされる。湖で見たものと同じ扉が室内を取り囲むようにいくつもある。これらはすべて、ステラの門なのだろう。
ロエルはその中の一つに歩み寄った。門の両側にある燭台に手をかざして灯りをつける。
「こちらがエヴァンモアの大聖堂につながる門でございます」
「大聖堂というと、サンクタ・ポルタか?」
「はい。王都エヴァンモアとユーラスをつなぐ唯一の門がございます」
「なるほど。この門をくぐれば大聖堂に行けるわけか。面白い。アメリアたちより先に王都へ帰れそうだ」
セリオスは満足そうにうなずくと、後ろを振り返る。
「レイヴン、ともに行こう」
手を差し伸べるセリオスを見て、レイヴンはゆっくりまばたきをすると、そっと首を横に振る。
「私はノクシスへ帰ります。セリオス殿とはここまでです」
「何?」
眉を寄せるセリオスからレオナへと、レイヴンは目を移す。
「レオナさんも、ここでお別れです」
レイヴンの目が切なく揺れている。レオナはズキリと痛む胸を押さえる。レイヴンは別れたくないんじゃないか。そんなふうに感じた。
「なぜ……ですか?」
「私の目的はユーラスへ来ることだとお話しました」
「唐突すぎます。レイヴンにはまだまだ教えてもらいたい魔法もあります」
引き止めようとするレオナを、レイヴンはくすりと笑う。
「王都には身分の高い神官がたくさんいらっしゃるでしょう。その方たちに学んでください。レオナさんなら大丈夫ですよ。すぐにさまざまな属性の魔法を使いこなされますよ」
「でも……」
レイヴンはそっとまぶたを伏せ、丸めた手をレオナの前へ差し出して開く。そこには、傷だらけの金色の指輪があった。
「これは……?」
「父がはめていた結婚指輪です。飾り気のない人でしたが、この指輪だけは常に身につけていたのを覚えています」
「大切な指輪ですね」
「父は指が太くなって外れないだけだと言ってましたが、照れ隠しでしょう」
「優しいお父さまが思い浮かびます」
「はい。ですから、この指輪を母のもとへ届けたいのです」
そう答えるレイヴンの目は清々しく、レオナはもう引き止められないのだとあきらめるしかなかった。
「お元気でいてくださいね」
「レオナさんも」
レイヴンはロエルへ向かって頭をさげる。
「先ほどは申し訳ありませんでした。私はこのままノクシスへ帰ります。ユーラスの入り口まで案内してもらえないでしょうか?」
「ノクシスへつながる門もあります。ノクシスでしたら、最東端にある森の湖になりますが、よろしいでしょうか?」
レオナははらはらしたが、ロエルはすっかりわだかまりを隠して、淡々とそう答えた。
「東というと、フラシュの森でしょうか。そこでしたら、自宅に近いです」
「フラシュの森に湖は二つ。比較的、街に近い場所です。危険はないでしょう」
「わかりました。フラシュの森までよろしくお願いします」
「では、あちらの門へどうぞ」
ロエルは二つ隣の扉へ移ると、そこにある燭台にも灯りをともす。
「どちらが先に」
「レイヴンを頼む。俺たちはまだアレスやイリス……それに、バルターも連れていかねばならないからな」
「わかりました。あなたもよろしいですか?」
ロエルはうなずくと、レイヴンへ目を移す。
「思い残すものは……」
レイヴンはそう言葉を濁し、レオナを見つめると、「何も」とつぶやいた。
「ステラの門を開きます。みなさん、さがっていてください」
ロエルは声をかけると、右手のひらを扉の方へ向けてスッと腕をあげる。その手の中指には、星魔石の指輪があった。
指輪がわずかに光り、扉がゆっくりと開いていく。
「ステラの門が開いている時間には限りがあります。お別れは手短に」
レイヴンはうなずくと扉の前へ移動し、振り返る。
「私一人では、ユーラスへ来るのは叶わなかったでしょう。セリオス殿、レオナさん、……ベリウスさんも、あなたたちとお会いできてよかった。もう会うことはないでしょうが……」
「レイヴン、落ち着いたら、エルアルムの王都を訪ねてこい」
セリオスは彼の言葉を遮って、手を伸ばす。レイヴンは戸惑っていたが、とうとうその手を握る。
「俺はしばらく王都から出られないだろう。だから、おまえから来てくれ。そのときは、フォルフェスの一員として歓迎する」
「セリオス殿、それは……」
「つべこべ言うな。必ず来い。待っている」
レイヴンはうっすら笑むと、セリオスの手をするりと離し、レオナへと目を向ける。
「レイヴン……」
話したいことも、お礼を言いたいことも、たくさんあった。でも、何から言えばいいのかわからなくて、レオナは言葉をつまらせる。
「……もう行かなくては」
レイヴンは振り返ってつぶやくと、光が揺らぎ始める扉の奥へと吸い込まれていった。
「やめよ、ロエル」
静かに言い放つフィリスは、掲げた右手の人差し指をわずかにひねる。その途端、レイヴンに向かって伸びる光の糸がパッと飛び散って消えた。
何が起きたのか、わからなかった。甘んじて攻撃を受けようとしていたレイヴンでさえ、驚きでまばたきをした。
「ロエルよ、客人が帰るようだ。ステラの間へ案内しなさい」
「しかし……」
ロエルは不満げに口を開くが、フィリスはセリオスへ目を向ける。
「ロエルは少々感情的で無礼であった。ユーラスを守るためであると理解してほしい。しかし、長居はお互いのためによろしくない。王都へはステラの間から行くがよい」
「ステラの間とは?」
「行けばわかる。私は少し用事があるので、先に行って待っていなさい」
セリオスの尋ねにそう答えたフィリスは、ロエルに「バルター殿も連れてきなさい」と言うと、扉の奥へと消えていった。
それでもロエルは納得いかない目でレイヴンをにらんだが、フィリスの命に逆らうことはないようだ。息を吐き出すと冷静沈着な面持ちになって、手のひらを扉へ向ける。
「ステラの間は神殿最奥にあります。ご案内しましたら、こちらへは戻れませんが、よろしいでしょうか?」
「仲間さえ連れていければ問題ない」
「かしこまりました。では、ご案内します」
歩き出すロエルについていきかけて、レオナは両親のお墓を振り返る。まだきちんと話もできていない。
レオナは墓石の前でひざまずき、両手を組んでまぶたを落とした。思い浮かぶのは、美しい銀色の髪が揺れる笑顔の母。光を受けて、その髪色も顔立ちもわからない、ただ口もとには幸せそうな笑みが浮かぶ父の姿。それでもレオナは祈った。ずっと会いたかった両親に会えてうれしいと。しかし、もっと大切な人ができたから、行かねばならないのだと。
レオナは隣に気配を感じて顔をあげた。セリオスが胸もとに手をあてて、墓石へ向かって敬礼していた。彼は家族を大切にできる人だろう。そう思ったが、腑に落ちないこともあった。
セリオスは父親を暗殺しようとした人でもある。大罪人である彼と、レオナの知る優しい彼が同じ人物とは思えないのだ。国王暗殺未遂の罪には、何か事情があったのだろうか……。レオナがそう思いを巡らせたとき、セリオスがこちらへそっとほほえみかける。
「また来よう、レオナ。ユーラスが以前の姿を取り戻したときに」
「以前の……ですか?」
「フィリス教皇は賢明な方だ。レイヴンの言葉はきちんと届いている」
いつか見られるだろうか……。かつてのように開かれた楽園が。
セリオスに手を引かれて立ち上がると、無言で待っているロエルのもとへ向かい、神殿のさらなる奥へと向かった。
薄暗い通路の先は、ロエルが手に持つ燭台の灯りでわずかに見えるぐらいだった。どれほど進んだだろう。まだまだ続くのだろうかと思ったそのとき、突然目の前に大きな扉が現れ、ロエルは立ち止まった。
「こちらがステラの間でございます。ステラの間にはいくつものステラの門があり、大陸中にあるステラの門とつながっております。しかしながら、すべての門は一方通行となっております。一度入られたら、こちらには戻れません。準備はよろしいですか?」
「ああ、かまわぬ。皆で王都エヴァンモアへ帰還する」
セリオスが高らかに宣言すると、ロエルは扉を押し開いた。ギギギ……と音が鳴る。もう何年も使われていないかのようだ。
扉の中へ進み入ると、赤い絨毯が張り巡らされた空間の中央にある台の上へ、ロエルは燭台を置いた。ほんのりと周囲が照らされる。湖で見たものと同じ扉が室内を取り囲むようにいくつもある。これらはすべて、ステラの門なのだろう。
ロエルはその中の一つに歩み寄った。門の両側にある燭台に手をかざして灯りをつける。
「こちらがエヴァンモアの大聖堂につながる門でございます」
「大聖堂というと、サンクタ・ポルタか?」
「はい。王都エヴァンモアとユーラスをつなぐ唯一の門がございます」
「なるほど。この門をくぐれば大聖堂に行けるわけか。面白い。アメリアたちより先に王都へ帰れそうだ」
セリオスは満足そうにうなずくと、後ろを振り返る。
「レイヴン、ともに行こう」
手を差し伸べるセリオスを見て、レイヴンはゆっくりまばたきをすると、そっと首を横に振る。
「私はノクシスへ帰ります。セリオス殿とはここまでです」
「何?」
眉を寄せるセリオスからレオナへと、レイヴンは目を移す。
「レオナさんも、ここでお別れです」
レイヴンの目が切なく揺れている。レオナはズキリと痛む胸を押さえる。レイヴンは別れたくないんじゃないか。そんなふうに感じた。
「なぜ……ですか?」
「私の目的はユーラスへ来ることだとお話しました」
「唐突すぎます。レイヴンにはまだまだ教えてもらいたい魔法もあります」
引き止めようとするレオナを、レイヴンはくすりと笑う。
「王都には身分の高い神官がたくさんいらっしゃるでしょう。その方たちに学んでください。レオナさんなら大丈夫ですよ。すぐにさまざまな属性の魔法を使いこなされますよ」
「でも……」
レイヴンはそっとまぶたを伏せ、丸めた手をレオナの前へ差し出して開く。そこには、傷だらけの金色の指輪があった。
「これは……?」
「父がはめていた結婚指輪です。飾り気のない人でしたが、この指輪だけは常に身につけていたのを覚えています」
「大切な指輪ですね」
「父は指が太くなって外れないだけだと言ってましたが、照れ隠しでしょう」
「優しいお父さまが思い浮かびます」
「はい。ですから、この指輪を母のもとへ届けたいのです」
そう答えるレイヴンの目は清々しく、レオナはもう引き止められないのだとあきらめるしかなかった。
「お元気でいてくださいね」
「レオナさんも」
レイヴンはロエルへ向かって頭をさげる。
「先ほどは申し訳ありませんでした。私はこのままノクシスへ帰ります。ユーラスの入り口まで案内してもらえないでしょうか?」
「ノクシスへつながる門もあります。ノクシスでしたら、最東端にある森の湖になりますが、よろしいでしょうか?」
レオナははらはらしたが、ロエルはすっかりわだかまりを隠して、淡々とそう答えた。
「東というと、フラシュの森でしょうか。そこでしたら、自宅に近いです」
「フラシュの森に湖は二つ。比較的、街に近い場所です。危険はないでしょう」
「わかりました。フラシュの森までよろしくお願いします」
「では、あちらの門へどうぞ」
ロエルは二つ隣の扉へ移ると、そこにある燭台にも灯りをともす。
「どちらが先に」
「レイヴンを頼む。俺たちはまだアレスやイリス……それに、バルターも連れていかねばならないからな」
「わかりました。あなたもよろしいですか?」
ロエルはうなずくと、レイヴンへ目を移す。
「思い残すものは……」
レイヴンはそう言葉を濁し、レオナを見つめると、「何も」とつぶやいた。
「ステラの門を開きます。みなさん、さがっていてください」
ロエルは声をかけると、右手のひらを扉の方へ向けてスッと腕をあげる。その手の中指には、星魔石の指輪があった。
指輪がわずかに光り、扉がゆっくりと開いていく。
「ステラの門が開いている時間には限りがあります。お別れは手短に」
レイヴンはうなずくと扉の前へ移動し、振り返る。
「私一人では、ユーラスへ来るのは叶わなかったでしょう。セリオス殿、レオナさん、……ベリウスさんも、あなたたちとお会いできてよかった。もう会うことはないでしょうが……」
「レイヴン、落ち着いたら、エルアルムの王都を訪ねてこい」
セリオスは彼の言葉を遮って、手を伸ばす。レイヴンは戸惑っていたが、とうとうその手を握る。
「俺はしばらく王都から出られないだろう。だから、おまえから来てくれ。そのときは、フォルフェスの一員として歓迎する」
「セリオス殿、それは……」
「つべこべ言うな。必ず来い。待っている」
レイヴンはうっすら笑むと、セリオスの手をするりと離し、レオナへと目を向ける。
「レイヴン……」
話したいことも、お礼を言いたいことも、たくさんあった。でも、何から言えばいいのかわからなくて、レオナは言葉をつまらせる。
「……もう行かなくては」
レイヴンは振り返ってつぶやくと、光が揺らぎ始める扉の奥へと吸い込まれていった。
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