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君を守りたくて
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「そうですか。わかりました。我々は、松村理乃さんが亡くなられたのは、最後に出社した9月8日以降と考えています。それ以降、松村さんの姿を見たのは赤村以外にいません」
やはり、そうなのか。理乃が行方不明になる前の足取りを知るのは、赤村しかいないのだろう。しかし、警察は理乃が亡くなった日を12日以降とは考えていないのだ。
「赤村さんが嘘をついてるって言うんですか?」
「そんなことは言ってません。それとも、赤村が嘘をついてると思うような何かがありますか?」
若村は慎重に光莉の顔色をうかがう。
「理乃は本当に12日に会社へ電話をかけているんでしょうか? 赤村さんを疑うわけじゃないんですけど」
「電話はなかった、とお考えですか?」
「……わかりません」
そう答えると、期待はずれだったのか、若村は息をつく。
「電話に関してですが、現在、録音を確認中です」
「録音があるんですか?」
「ええ。あのような会社では、トラブル対策がいくつも取られているんですよ」
「そうなんですね。よかった」
光莉がほっと息をつくと、若村は前山と目配せするみたいにそっと目を合わせる。
あんどしたのがそんなにおかしいのだろうかと思っていると、ふたたび、若村が尋ねてくる。
「あなたは9月8日以降、松村さんにお会いになっていませんか?」
「会ってないです」
「間違いないですか?」
やけに念を押してくる。
「……もしかして、私を疑ってるんですか?」
「いえ、確認しているだけです。先月の8日から1週間、あなたは日本に滞在されてますね?」
拓海が驚いたようにこちらを見たのがわかった。光莉にも、理乃を殺害できる時間があった。それを知って、彼は今、何を思うだろうか。
「仕事で来ていただけです。理乃に会いに来たわけじゃありません。理乃とは高校以来、ずっと会ってないんです」
「それなのに、父親と連絡が取れないと知って、日本に来られた?」
「それは……」
「それは?」
「父から聞いてますよね? 理乃からメールが来たんです。最初はいたずらか何かだと思ってたんですが、父から理乃と連絡が取れないと聞いて、メールを思い出しました。だから、理乃に何かあったんじゃないかって、気になって日本に来ることにしたんです」
「確かに、11日の夜、松村さんのスマートフォンからあなたのメールアドレスに、助けてという内容のメールが送信されています」
「じゃあ、やっぱりあのメールは理乃からのメールで間違いないんですね?」
「何者かが、松村さんが送ったかのように偽装したのでなければ」
そう言って、若村は鋭い目で光莉を見つめた。
警察は赤村か光莉が犯人じゃないかと疑っているのだろう。しかし、自分は理乃を殺していない。だとしたら、犯人はやはり赤村だろうか。
理乃は赤村と別れた10日に殺害された。しかし、生きているように見せかけるため、11日に光莉にメールを送り、12日には会社へ電話があったと嘘をついている可能性がある。
「あなたのメールアドレスは仕事用ですよね? 松村さんには伝えていたのですか?」
若村は質問を続ける。
「あ、いえ。メールアドレスは私が開設したホームページに載せてあるので、理乃はそれを見たのかもしれません」
光莉は本名でフォトグラファーとして活動している。ホームページに顔写真は載せていないが、光莉にたどり着くのは難しくないだろう。いつか、ロサンゼルスに理乃がやってくるかもしれない。その覚悟はしていたが、意外にも彼女は現れなかった。日本で充実した日々を送っているのだろう。そう思っていた。
やはり、そうなのか。理乃が行方不明になる前の足取りを知るのは、赤村しかいないのだろう。しかし、警察は理乃が亡くなった日を12日以降とは考えていないのだ。
「赤村さんが嘘をついてるって言うんですか?」
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若村は慎重に光莉の顔色をうかがう。
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「電話はなかった、とお考えですか?」
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「あなたは9月8日以降、松村さんにお会いになっていませんか?」
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「それなのに、父親と連絡が取れないと知って、日本に来られた?」
「それは……」
「それは?」
「父から聞いてますよね? 理乃からメールが来たんです。最初はいたずらか何かだと思ってたんですが、父から理乃と連絡が取れないと聞いて、メールを思い出しました。だから、理乃に何かあったんじゃないかって、気になって日本に来ることにしたんです」
「確かに、11日の夜、松村さんのスマートフォンからあなたのメールアドレスに、助けてという内容のメールが送信されています」
「じゃあ、やっぱりあのメールは理乃からのメールで間違いないんですね?」
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