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君を守りたくて
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「ずっと会ってないというわりには、ずいぶんと松村さんはあなたに固執しているように見えますね」
異母姉妹であることは、すでに若村は承知しているだろう。その上で、そう言ってくるのだから、自分たち姉妹の仲が良好ではないことも知っているに違いない。
「理乃が私をどう思っていたかは知りません。ただ……」
「ただ、うらみを持たれていても不思議じゃない?」
殺害動機があると言われたようだ。しかし、それ自体は否定ができなくて、わずかに目を伏せる。
「はい……」
「では、松村さんの母である真理子さんが自殺されたというのはご存知ですか?」
光莉は弾かれたように顔をあげ、若村の顔を真正面から見つめた。
「自殺? 病死ではなくて?」
「病死と聞いていましたか?」
「ええ、はい。……理乃が高校2年のときにご病気で亡くなられたと、父から聞きました」
まさか、自殺だったなんて。まだ多感な時期だった光莉を心配して、父は真実を隠していたのだろうか。
「そうでしたか。ずいぶん前から松村真理子さんは心身のバランスを崩していたそうです」
「その原因を作ったのは、両親の不倫……ですよね」
「松村さんもそう思っていたと思いますか?」
「そうですね……。そう思います。理乃は私たち家族をうらんでいたかもしれません。でも、私が理乃をうらむことはないんです。理乃が私を殺すことはあっても、私は彼女を殺したりはしません」
両親の不倫で誰よりも傷ついたのは、理乃だ。そんな彼女を殺すはずがない。たとえ、どんなにひどいことをされても、だ。
「あの、もういいですか?」
拓海が口を挟む。彼に肩を抱き寄せられたら、力が抜けた。彼のぬくもりに触れて、ずいぶん張り詰めていたと気づく。
「最後にもう一つだけ、よろしいですか?」
若村が人差し指を立てる。
「松村さんに新しい恋人がいるとか、そういう話を聞いたことはありませんか?」
「赤村さんから聞きました。理乃と別れた原因だって」
「そうですか。それと、これ、見てもらえますか?」
まだ何かあるのかと不服そうな拓海に、大丈夫だからと光莉はなだめるようにうなずいて、若村の差し出す写真をのぞき込む。よく見ると、それは写真ではなく、カタログの切り抜きだった。
「この腕時計が、何か?」
二本の腕時計が並んでいる。文字盤は同じデザインで、一本はブラック、もう一本はピンクゴールド。ハイブランドのペアウォッチのようだ。
「8月に松村さんが高級腕時計店で購入したペアの腕時計です。赤村に確認しましたが、彼にプレゼントしたものではないようです」
「じゃあ、新しい恋人に?」
「その可能性が高いと、我々は考えています。月島さん、あなたも見覚えはありませんか?」
若村はカタログの切り抜きを拓海の目の前にかざす。
「さあ、わからないです」
彼はそっけなくそう答えたが、肩に触れている彼の指先に力が入ったのを、光莉は敏感に感じ取っていた。
異母姉妹であることは、すでに若村は承知しているだろう。その上で、そう言ってくるのだから、自分たち姉妹の仲が良好ではないことも知っているに違いない。
「理乃が私をどう思っていたかは知りません。ただ……」
「ただ、うらみを持たれていても不思議じゃない?」
殺害動機があると言われたようだ。しかし、それ自体は否定ができなくて、わずかに目を伏せる。
「はい……」
「では、松村さんの母である真理子さんが自殺されたというのはご存知ですか?」
光莉は弾かれたように顔をあげ、若村の顔を真正面から見つめた。
「自殺? 病死ではなくて?」
「病死と聞いていましたか?」
「ええ、はい。……理乃が高校2年のときにご病気で亡くなられたと、父から聞きました」
まさか、自殺だったなんて。まだ多感な時期だった光莉を心配して、父は真実を隠していたのだろうか。
「そうでしたか。ずいぶん前から松村真理子さんは心身のバランスを崩していたそうです」
「その原因を作ったのは、両親の不倫……ですよね」
「松村さんもそう思っていたと思いますか?」
「そうですね……。そう思います。理乃は私たち家族をうらんでいたかもしれません。でも、私が理乃をうらむことはないんです。理乃が私を殺すことはあっても、私は彼女を殺したりはしません」
両親の不倫で誰よりも傷ついたのは、理乃だ。そんな彼女を殺すはずがない。たとえ、どんなにひどいことをされても、だ。
「あの、もういいですか?」
拓海が口を挟む。彼に肩を抱き寄せられたら、力が抜けた。彼のぬくもりに触れて、ずいぶん張り詰めていたと気づく。
「最後にもう一つだけ、よろしいですか?」
若村が人差し指を立てる。
「松村さんに新しい恋人がいるとか、そういう話を聞いたことはありませんか?」
「赤村さんから聞きました。理乃と別れた原因だって」
「そうですか。それと、これ、見てもらえますか?」
まだ何かあるのかと不服そうな拓海に、大丈夫だからと光莉はなだめるようにうなずいて、若村の差し出す写真をのぞき込む。よく見ると、それは写真ではなく、カタログの切り抜きだった。
「この腕時計が、何か?」
二本の腕時計が並んでいる。文字盤は同じデザインで、一本はブラック、もう一本はピンクゴールド。ハイブランドのペアウォッチのようだ。
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「じゃあ、新しい恋人に?」
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