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禁じられた恋
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冷静な真中も、さすがに驚いた様子で目を丸くする。
「それがわかったら苦労しないよ」
「付き合ってたのか? って、そんな記憶もないか」
不可解そうに真中は腕を組む。何やら考え込むが、程なくして首を振る。
「いやー、おまえと松村さんは考えにくいよ。だいたい、松村さんはミステリアスで、駆け引きが苦手なおまえのタイプじゃない。本田さんみたいに素直でわかりやすいタイプが好きだよな」
「だよな。そんな気がする。腕時計からもさ、俺の指紋しか出なくてさ、おかしいんだよな」
「ということは、考えられるのは、一つだよな?」
真中は人差し指を立てて拓海の顔をのぞき込む。
「一つって?」
「だからさ、その腕時計の持ち主が犯人だとするなら、罪をおまえになすりつけようとしたってことだろ? おまえが記憶障害なのをいいことに」
ハッと息を飲み、光莉と目を合わせる拓海を見て、真中はあきれる。
「なんだよ。その可能性、考えてなかったのか?」
「まあ」
「で、その腕時計、どこにあったんだ?」
「どこって……。ああそうだ。バッグの中だよ」
拓海は愛用しているボディバッグを軽く叩く。
「いつも使ってるバッグか?」
「ここのところは、ずっと。入院中に母親が買ってきたんだよ。前のやつは、びしょ濡れでダメになったからさ」
「びしょ濡れ?」
「川に落ちたから」
「ああ、そうか。じゃあ、例の腕時計は間違いなく、転落事故以降に入れられたってことだな。じゃあ、そのバッグに腕時計を入れるチャンスがあったのは、誰だ?」
真中と目が合うが、光莉は首を横に振る。光莉が拓海と再会したときにはきっともう、あの腕時計は拓海のもとにあった。
ふたりで拓海を見守っていると、彼は思い出しながら話す。
「そうだなー。バッグは病室にずっと置いてあったから、まず、うちの両親だろ? 次に、看護師と医者か」
「病室は個室だったか?」
「そう。部屋には常に誰かいたし、ほかの患者が入れたとかは考えにくいかな」
「お見舞いには誰が来た?」
「誰って、警察と会社の同僚ぐらいだな。ああ、あと、シオンの店長」
「シオン?」
「アパート近くのバー。よく行くんだよ。シオンの帰り道で川に落ちたからさ、店長が申し訳ないって毎日のように顔出してくれてさー」
それ以外に来た人はいないと思う、と拓海は補足する。
「退院後はそのバッグ持って出かけたか?」
「もちろん。って言っても、腕時計に気づいたのは、退院して1週間後ぐらいかな。それまでに会ったのは、やっぱり、両親と警察の前山さん、シオンの基哉さんたちぐらいかな。コンビニは毎日行ってたけど、そこで入れられたなら、お手上げだ」
「まずはわかる範囲で潰していこう。とりあえず、今あげた中で、松村さんと接点がありそうなのは?」
「……全然わからない」
拓海は悩んだ挙句、そう答える。
「まあ、そうだよな。ご両親には腕時計のこと話したのか?」
「いや、まだ。聞いた方がいいか?」
「ああ。もしかしたら、おまえの部屋にあったものを、気をきかせて入れたかもしれないからな」
真中はいろんな可能性を考えているようだ。次々と拓海に指示を出す姿には頼もしさを感じる。
「それがわかったら苦労しないよ」
「付き合ってたのか? って、そんな記憶もないか」
不可解そうに真中は腕を組む。何やら考え込むが、程なくして首を振る。
「いやー、おまえと松村さんは考えにくいよ。だいたい、松村さんはミステリアスで、駆け引きが苦手なおまえのタイプじゃない。本田さんみたいに素直でわかりやすいタイプが好きだよな」
「だよな。そんな気がする。腕時計からもさ、俺の指紋しか出なくてさ、おかしいんだよな」
「ということは、考えられるのは、一つだよな?」
真中は人差し指を立てて拓海の顔をのぞき込む。
「一つって?」
「だからさ、その腕時計の持ち主が犯人だとするなら、罪をおまえになすりつけようとしたってことだろ? おまえが記憶障害なのをいいことに」
ハッと息を飲み、光莉と目を合わせる拓海を見て、真中はあきれる。
「なんだよ。その可能性、考えてなかったのか?」
「まあ」
「で、その腕時計、どこにあったんだ?」
「どこって……。ああそうだ。バッグの中だよ」
拓海は愛用しているボディバッグを軽く叩く。
「いつも使ってるバッグか?」
「ここのところは、ずっと。入院中に母親が買ってきたんだよ。前のやつは、びしょ濡れでダメになったからさ」
「びしょ濡れ?」
「川に落ちたから」
「ああ、そうか。じゃあ、例の腕時計は間違いなく、転落事故以降に入れられたってことだな。じゃあ、そのバッグに腕時計を入れるチャンスがあったのは、誰だ?」
真中と目が合うが、光莉は首を横に振る。光莉が拓海と再会したときにはきっともう、あの腕時計は拓海のもとにあった。
ふたりで拓海を見守っていると、彼は思い出しながら話す。
「そうだなー。バッグは病室にずっと置いてあったから、まず、うちの両親だろ? 次に、看護師と医者か」
「病室は個室だったか?」
「そう。部屋には常に誰かいたし、ほかの患者が入れたとかは考えにくいかな」
「お見舞いには誰が来た?」
「誰って、警察と会社の同僚ぐらいだな。ああ、あと、シオンの店長」
「シオン?」
「アパート近くのバー。よく行くんだよ。シオンの帰り道で川に落ちたからさ、店長が申し訳ないって毎日のように顔出してくれてさー」
それ以外に来た人はいないと思う、と拓海は補足する。
「退院後はそのバッグ持って出かけたか?」
「もちろん。って言っても、腕時計に気づいたのは、退院して1週間後ぐらいかな。それまでに会ったのは、やっぱり、両親と警察の前山さん、シオンの基哉さんたちぐらいかな。コンビニは毎日行ってたけど、そこで入れられたなら、お手上げだ」
「まずはわかる範囲で潰していこう。とりあえず、今あげた中で、松村さんと接点がありそうなのは?」
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拓海は悩んだ挙句、そう答える。
「まあ、そうだよな。ご両親には腕時計のこと話したのか?」
「いや、まだ。聞いた方がいいか?」
「ああ。もしかしたら、おまえの部屋にあったものを、気をきかせて入れたかもしれないからな」
真中はいろんな可能性を考えているようだ。次々と拓海に指示を出す姿には頼もしさを感じる。
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