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大富豪との出会いは、家電量販店で!?

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「うわぁ、すごい」

 名門と名高い総合病院は、重厚感と壮麗さを兼ね備え、威風堂々と存在していた。

 日本屈指のセレブ街と称される複合タウンの中にあり、その佇まいは、まるで高級ホテル。うわさに聞いていた通りの、高級総合病院である。

 10月1日付で、私はこの、社会医療法人風雅会ふうがかい神崎かんざき総合病院に配属となった。
 系列病院に勤務していたとはいえ、突然の異動は青天の霹靂だった。

 なぜなら、神崎総合病院はセレブ御用達で、そこに勤務する医師を始め、検査技師、看護師、すべての従事者が有名私大、国立大学を卒業した、有能な者ばかり。
 最高峰の医療を受けられる、最新技術の粋を集めた組織なのである。

「ほんとに、ここで働くわけー?」

 ひとりごとにしては大きな声で、私は改めて、病院を見上げた。

 それにしても信じられない。
 どうしてこんなことになったんだろう。

 理由を聞かされた今でも、いまだに信じられないでいる。

 それは、1ヶ月前の出来事にさかのぼる。いやになるほどの暑さが長引く、残暑のことだった。
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