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陶芸の青年と閉ざされた過去
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ろまん亭の丸窓から見える景色は、薄灰色にけぶっていた。ほんの数十分前から、細かい霧のような雨が降り出していた。
「思ったよりはやく降り出したなぁ。夕方には一度やんで、また夜から降るみたいだな」
スマホで雨雲レーダーを確認しながら、つづみさんがそう言う。着の身着のままな生活をしてるように見える彼が文明の利器を使う姿に、失礼ながら違和感を覚えつつ、レアチーズケーキをテーブルに置く。
「父のレシピで作ってみたんです。食べてもらえますか?」
「おっ、うまそうだな。じゃあ、早速」
彼はすぐに、いただきます、と綺麗な姿勢で両手を合わせて、一口サイズに切り取ったケーキを口に運んだ。
つづみさんの所作は見るものを不快にさせないきれいさがある。長髪を無造作に結んで、無精ひげを生やす姿は豪快だけど、とても神経質で繊細な人なのだろう。というのは言い過ぎだろうか。口の中のケーキがのどを通ったかどうかというところで、彼は目を丸くした。
「うん、うまいっ。永朔さんは菓子づくりが得意じゃなさそうだったからなぁ。おんなじレシピ? だったら、望ちゃんの方がうまいんじゃないか?」
「そうなんですか?」
「ああ。その代わり、永朔さんの和食はめちゃくちゃうまい。洋食じゃないとなかなか客が入らないらしいからなぁ、おかげでランチは洋食メインだったけどな」
「そっか。ちょっとお茶しようって思うときは洋食たべたいかもしれないですね」
「洋食は陽仁が得意だな。まあ、陽仁はなんでも器用にこなすし、坊ちゃん育ちで舌も肥えてる。でも、このケーキはうまいって言うと思うな」
そう言って、つづみさんは私たちしかいない店内を何気に見回した。
「陽仁も食ってから行けばよかったのにな」
「仕方ないですよ。あの女性、大事な話があるって言ってましたし」
話ならろまん亭でどうぞと言いたかったけれど、陽仁さんと果歩という女性の関係に踏み込みたくなくて、言い出せなかった。無意識に覚えた嫌な予感に、素直に従ってしまったのだ。
陽仁さんは戸惑っていたけど、雨が降り出したから、傘を忘れたという果歩さんを車に乗せて行ってしまった。坂を下っていったから、駅の方にあるカフェにでも行ったのだろうと思う。
さめざめと泣いてるみたいに窓ガラスをしたたり落ちる水滴をぼんやりと眺めた。私の心の中が投影されてるみたい。果歩さんを目にしたときから感じてる胸騒ぎも、少しも落ち着かない。
ここへ来れば、陽仁さんやつづみさんがいて、永朔の娘である私をかわいがってくれる。心のどこかで、居心地のいい環境がずっと続くと思ってた。ふたりの好意につけ込んで甘えていたから、果歩さんが現れたことで、その環境が壊されるような気がして落ち込んでしまってるのだろう。
「あれは、陽仁の女だよ」
追い打ちをかけるようにつづみさんが言うから、ちょっと笑ってしまう。デリケートなのに、デリカシーのない人だ。違うか。私が陽仁さんを好意的に思ってると気づいてて、あえて現実を突きつけてくる潔さがある人なのだ。
「そうじゃないかと思ってました」
「まあ、何年か前に別れてるけどな。弦さんはあの女がきらいだから、すぐ吠える」
「弦さんにも好みがあるって、そう言えば前に言ってましたね」
くすっと笑ってごまかすけれど、少しショックを受けている。言葉の裏で、果歩さんがよくここへ来ていたと白状したようなものだろう。
「陽仁がふられた日も、今日みたいに雨が降ってたらしいよ。ろまん亭の入り口で、ずぶ濡れになって立ち尽くす陽仁に、弦さんはずっと寄り添ってたらしい。まだろまん亭ができた頃の話で俺は直接知らないが、永朔さんがそう言ってたよ」
ろまん亭の入り口へ私たちは視線を移す。開け放したドアの奥で、ぼうぜんと立ち尽くす陽仁さんの姿を、私たちは見てるみたいだった。
「あの女、こっぴどくふったくせに何回か陽仁に会いに来てたな。そのたんびに弦さんが吠えるからすぐにわかったよ。ここ2、3年はずっと来てなかったようだけど、今日は何の用事だか。……寄りを戻しに来たのかもな」
最後の言葉は、私の様子をうかがって、案じながら彼は言った。
いらない心配だ。私と陽仁さんはそういう関係じゃない。
「あ、そうだっ。ろまん亭の顧客名簿って、あるかわかりますか?」
「は? 名簿ー?」
あからさまに話題を変えたからか、彼はひどくけげんそうに眉をひそめた。
「ろまん亭の常連客が少しでもわからないかと思って」
「そんなもんないだろう。常連なんて、みんな知り合いだろうし」
知り合いならなおさら連絡先名簿がありそうな気がするのだが、取引先名簿は食器棚の中から見つけたけれど、父の交友関係の記録は年賀状を含めてまったく見つからないのだ。
顧客情報は全部、父の頭の中に入っていて、墓場まで持っていってしまったのだろうか。
「どうして知りたいんだ?」
いぶかしそうなまま、彼はそう言う。
「父が気にかけてた陶芸の青年が誰なのか、知りたいんです」
「陶芸って……ああ、朝言ってたやつか。作業場は誰のために作ったのかって」
「そうです。どんな人か知りたくて。その人が父をどう思ってたのかも知りたいんです」
つづみさんは眉をピクリとあげた。なんで知りたいんだ? はっきりと、そう顔に書いてある。そして、彼はそのまま黙り込んだ。
めんどくさいと思ってるのかもしれないし、どうでもいいって思ってるのかもしれないけれど、しばらくして妙案を思い付いたみたいにハッと表情を変えた。
「芳名録、調べたらどうだ」
「芳名録って、父のお葬式の?」
「ああ。俺も参列させてもらったよ。何人か常連客見かけたしな、世話になった気があるなら葬式に来てたかもな」
その手があったか、と感心してしまう。しかし、芳名録なんてどこにあるのだろう。
父の葬式には私も呼ばれた。父は再婚しておらず、父の子どもは私ひとりだけだったが、喪主は父の実兄である伯父さんがつとめてくれた。だけど、その伯父さんもあまり父とは親密な交流をしていないみたいだった。
遺言書に従って、私はろまん亭を相続したが、父の遺骨は父方の実家のお墓に納められているし、仏壇も位牌も、母の生家である祖父の家にはない。
あらためて、父は孤独な人だったのだと思う。ろまん亭のお客さんに熱心な世話をやいていたのは、その孤独を埋めるためだったのだろうか。
だとしたら余計に、陶芸の青年に会いたくなる。父が私にろまん亭をたくしたのは、本当にたくしたい相手に届けるためかもしれなかった。
父に対するほんの少しの好奇心からここをたびたび訪れるようになったけれど、今では使命を与えられたような気分になっている。
「芳名録は見た記憶がないんですけど……、祖父に聞いてみます」
「わかるといいな、その陶芸の青年とやらが」
「できる限りのことはやってみます」
「だから、毎週末こっちに来てるわけ?」
つづみさんは鋭い。
「あっ、……はい」
白状すると、彼はおかしそうに笑った。
「陽仁に会いに来てるんだと思ってたよ。陽仁もそう思うから、献身的になってるんだろうしな」
「えっ! 陽仁さんはそんな誤解してないですよ」
「陽仁は別に、誰にでも親切なわけじゃないからな。そこは誤解しない方がいいよ」
どきりとさせられる。永朔の娘というだけで親切にしてくれるから、誰にだって優しいと思うのは当然で、そうじゃなくて、特別なことなんだよと突きつけられたら誰だって戸惑うだろう。
「さあ、雨がやんだら弦さんのさんぽに行くか」
雨がやみ始めたのか、言ってるそばから、丸窓にほんの少し明るい日ざしが差し込んできていた。
ろまん亭の丸窓から見える景色は、薄灰色にけぶっていた。ほんの数十分前から、細かい霧のような雨が降り出していた。
「思ったよりはやく降り出したなぁ。夕方には一度やんで、また夜から降るみたいだな」
スマホで雨雲レーダーを確認しながら、つづみさんがそう言う。着の身着のままな生活をしてるように見える彼が文明の利器を使う姿に、失礼ながら違和感を覚えつつ、レアチーズケーキをテーブルに置く。
「父のレシピで作ってみたんです。食べてもらえますか?」
「おっ、うまそうだな。じゃあ、早速」
彼はすぐに、いただきます、と綺麗な姿勢で両手を合わせて、一口サイズに切り取ったケーキを口に運んだ。
つづみさんの所作は見るものを不快にさせないきれいさがある。長髪を無造作に結んで、無精ひげを生やす姿は豪快だけど、とても神経質で繊細な人なのだろう。というのは言い過ぎだろうか。口の中のケーキがのどを通ったかどうかというところで、彼は目を丸くした。
「うん、うまいっ。永朔さんは菓子づくりが得意じゃなさそうだったからなぁ。おんなじレシピ? だったら、望ちゃんの方がうまいんじゃないか?」
「そうなんですか?」
「ああ。その代わり、永朔さんの和食はめちゃくちゃうまい。洋食じゃないとなかなか客が入らないらしいからなぁ、おかげでランチは洋食メインだったけどな」
「そっか。ちょっとお茶しようって思うときは洋食たべたいかもしれないですね」
「洋食は陽仁が得意だな。まあ、陽仁はなんでも器用にこなすし、坊ちゃん育ちで舌も肥えてる。でも、このケーキはうまいって言うと思うな」
そう言って、つづみさんは私たちしかいない店内を何気に見回した。
「陽仁も食ってから行けばよかったのにな」
「仕方ないですよ。あの女性、大事な話があるって言ってましたし」
話ならろまん亭でどうぞと言いたかったけれど、陽仁さんと果歩という女性の関係に踏み込みたくなくて、言い出せなかった。無意識に覚えた嫌な予感に、素直に従ってしまったのだ。
陽仁さんは戸惑っていたけど、雨が降り出したから、傘を忘れたという果歩さんを車に乗せて行ってしまった。坂を下っていったから、駅の方にあるカフェにでも行ったのだろうと思う。
さめざめと泣いてるみたいに窓ガラスをしたたり落ちる水滴をぼんやりと眺めた。私の心の中が投影されてるみたい。果歩さんを目にしたときから感じてる胸騒ぎも、少しも落ち着かない。
ここへ来れば、陽仁さんやつづみさんがいて、永朔の娘である私をかわいがってくれる。心のどこかで、居心地のいい環境がずっと続くと思ってた。ふたりの好意につけ込んで甘えていたから、果歩さんが現れたことで、その環境が壊されるような気がして落ち込んでしまってるのだろう。
「あれは、陽仁の女だよ」
追い打ちをかけるようにつづみさんが言うから、ちょっと笑ってしまう。デリケートなのに、デリカシーのない人だ。違うか。私が陽仁さんを好意的に思ってると気づいてて、あえて現実を突きつけてくる潔さがある人なのだ。
「そうじゃないかと思ってました」
「まあ、何年か前に別れてるけどな。弦さんはあの女がきらいだから、すぐ吠える」
「弦さんにも好みがあるって、そう言えば前に言ってましたね」
くすっと笑ってごまかすけれど、少しショックを受けている。言葉の裏で、果歩さんがよくここへ来ていたと白状したようなものだろう。
「陽仁がふられた日も、今日みたいに雨が降ってたらしいよ。ろまん亭の入り口で、ずぶ濡れになって立ち尽くす陽仁に、弦さんはずっと寄り添ってたらしい。まだろまん亭ができた頃の話で俺は直接知らないが、永朔さんがそう言ってたよ」
ろまん亭の入り口へ私たちは視線を移す。開け放したドアの奥で、ぼうぜんと立ち尽くす陽仁さんの姿を、私たちは見てるみたいだった。
「あの女、こっぴどくふったくせに何回か陽仁に会いに来てたな。そのたんびに弦さんが吠えるからすぐにわかったよ。ここ2、3年はずっと来てなかったようだけど、今日は何の用事だか。……寄りを戻しに来たのかもな」
最後の言葉は、私の様子をうかがって、案じながら彼は言った。
いらない心配だ。私と陽仁さんはそういう関係じゃない。
「あ、そうだっ。ろまん亭の顧客名簿って、あるかわかりますか?」
「は? 名簿ー?」
あからさまに話題を変えたからか、彼はひどくけげんそうに眉をひそめた。
「ろまん亭の常連客が少しでもわからないかと思って」
「そんなもんないだろう。常連なんて、みんな知り合いだろうし」
知り合いならなおさら連絡先名簿がありそうな気がするのだが、取引先名簿は食器棚の中から見つけたけれど、父の交友関係の記録は年賀状を含めてまったく見つからないのだ。
顧客情報は全部、父の頭の中に入っていて、墓場まで持っていってしまったのだろうか。
「どうして知りたいんだ?」
いぶかしそうなまま、彼はそう言う。
「父が気にかけてた陶芸の青年が誰なのか、知りたいんです」
「陶芸って……ああ、朝言ってたやつか。作業場は誰のために作ったのかって」
「そうです。どんな人か知りたくて。その人が父をどう思ってたのかも知りたいんです」
つづみさんは眉をピクリとあげた。なんで知りたいんだ? はっきりと、そう顔に書いてある。そして、彼はそのまま黙り込んだ。
めんどくさいと思ってるのかもしれないし、どうでもいいって思ってるのかもしれないけれど、しばらくして妙案を思い付いたみたいにハッと表情を変えた。
「芳名録、調べたらどうだ」
「芳名録って、父のお葬式の?」
「ああ。俺も参列させてもらったよ。何人か常連客見かけたしな、世話になった気があるなら葬式に来てたかもな」
その手があったか、と感心してしまう。しかし、芳名録なんてどこにあるのだろう。
父の葬式には私も呼ばれた。父は再婚しておらず、父の子どもは私ひとりだけだったが、喪主は父の実兄である伯父さんがつとめてくれた。だけど、その伯父さんもあまり父とは親密な交流をしていないみたいだった。
遺言書に従って、私はろまん亭を相続したが、父の遺骨は父方の実家のお墓に納められているし、仏壇も位牌も、母の生家である祖父の家にはない。
あらためて、父は孤独な人だったのだと思う。ろまん亭のお客さんに熱心な世話をやいていたのは、その孤独を埋めるためだったのだろうか。
だとしたら余計に、陶芸の青年に会いたくなる。父が私にろまん亭をたくしたのは、本当にたくしたい相手に届けるためかもしれなかった。
父に対するほんの少しの好奇心からここをたびたび訪れるようになったけれど、今では使命を与えられたような気分になっている。
「芳名録は見た記憶がないんですけど……、祖父に聞いてみます」
「わかるといいな、その陶芸の青年とやらが」
「できる限りのことはやってみます」
「だから、毎週末こっちに来てるわけ?」
つづみさんは鋭い。
「あっ、……はい」
白状すると、彼はおかしそうに笑った。
「陽仁に会いに来てるんだと思ってたよ。陽仁もそう思うから、献身的になってるんだろうしな」
「えっ! 陽仁さんはそんな誤解してないですよ」
「陽仁は別に、誰にでも親切なわけじゃないからな。そこは誤解しない方がいいよ」
どきりとさせられる。永朔の娘というだけで親切にしてくれるから、誰にだって優しいと思うのは当然で、そうじゃなくて、特別なことなんだよと突きつけられたら誰だって戸惑うだろう。
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