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マドンナ
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「いくつか回ってみたけどさ、祥子はどこか気に入ったところあった?」
地元、一見市の情報に強いと評判の不動産屋を出て、駐車場に停めた啓介の車に乗り込むと、彼は早速、スマホで撮影した賃貸マンションの写真を眺めながら尋ねてくる。
「啓介は?」
「俺はあったよ。駅にも近いし、新築じゃないけど、予算的にも問題なさそうだなって思ってさ」
こちらにスマホの画面を向けてくる彼に助手席から身を寄せて、私も画像をのぞき込む。
「それ、私も思った。でも、3LDKだったよね。ちょっと広くないかな?」
「俺、基本的にリモートワークだから、仕事用にひと部屋欲しいんだよ。祥子がいいなら、ここが最有力かな」
「リモートなんだ? じゃあ、毎日家にいてくれるの?」
将司は仕事人間だったから、ほとんど家にいなかった。連日の飲み会にも付き合いだからと断ることなく出かけていて、夜遅く帰ってくるのはあたりまえだった。
さみしくはあったけど、私も仕事で疲れていたし、共働きならそんなものなのだろうと、当時は思っていた。
「取材で家を空けたり、講演会に出かける日もあるけどさ、ほとんど家にいるよ」
啓介はライターの仕事だけでなく、介護関係の講演会もしている。元警察官の人脈が活かされて、定期的に仕事は入ってくるらしい。
大人しそうな彼からは想像もできないぐらいアグレッシブな一面があって、頼もしくもある。
「仕事から帰ってきたら、誰かがいてくれる生活なんだね。ちょっとほっとするかも」
「そっか。ずっといるんだって、気にならないならよかったよ。……あ、そうだ。これからうちに来るか? 今後の予定っていうか、いろいろ決めておきたいからさ」
「啓介のアパートに行くの?」
「嫌?」
なんだか少しばかり照れくさそうに、啓介は私の顔をのぞき込む。
もしかしたら、そういうお誘いかもと思って身構えるけど、そこはプラトニックでときちんと約束したのだから大丈夫。私は信じてるし、彼も裏切らない。そういう信頼の積み重ねの一つだと思う。
「嫌じゃないよ。啓介がどんな部屋で過ごしてるのか見てみたい」
「普通だよ」
啓介は苦笑いすると、車を発進させる。
イチョウ並木の大通りから脇道に入ると、私のアパートの前を通り過ぎ、二つ目の信号を右折する。通りに入ってすぐにある、薄茶色の3階建てアパートの駐車場へ車は入っていく。
「ここ?」
「1階の一番奥」
啓介はうなずいて、そう言う。
食事に行くたびに、通り道だから、とアパートまで送ってくれたけど、本当に近くで暮らしていたようだ。
物件の資料を手に取る啓介と一緒に車を降り、私は彼の背中についていく。
細身の彼は背が高く、姿勢がいい。童顔だから勘違いしてしまいそうになるけど、頼りがいのある背中を見ていると、思っているよりたくましい男の人だと思う。
玄関に入る彼が、片付けるから少し待ってて、と部屋の奥へ消えていく。最初から私を誘う気はなかったみたい。
すぐに戻ってくる彼とともに廊下を進み、リビングへと入る。
普通だと言っていたけど、濃茶で統一した家具はセンスがあって、普段から片付けをきちんとしているのだろうと思えるぐらいの清潔感がある。
「綺麗にしてるね」
「いつもリビングで仕事してるから、普段はもっと散らかってるんだけどさ。とりあえず、座って。コーヒー淹れるから」
「ありがとう。ここは1DK?」
辺りを見回して、そう言う。
「そう。隣は布団があるだけ。ベッドはないし、引っ越しは大変じゃないと思うよ」
インスタントでごめん、と彼は謝りながら、マグカップをテーブルに置くと、私の隣に座る。
「いつから一緒に暮らしたいとか考えてる?」
コーヒーをひと口飲んで、彼がさらりと尋ねてくる。
「ごめんね。まだ両親にはなんにも話してないの。……芹奈にも」
「謝る必要はないだろ。俺だってまだ誰にも言ってないしな。ふたりで暮らして、落ち着いたころに報告でもいいと思う」
彼の譲歩にはいつもほっとする。
「それでもいい? でもね、引っ越しはなるべくはやくしたいから、次の休みには契約してもいい?」
「かまわないよ。はやく引っ越したい理由とかあるの?」
「あ、ううん。年内に引っ越したいだけ。年末年始は忙しいし」
綾の件はまだ話してない。不必要に心配させたくないし、何より、私が彼女にとらわれたくないと思ってる。引っ越して、何も起きなければ、それでいいのだ。
「そうだよな。俺も早めに引っ越しの準備しておくかな」
「一緒に引っ越す?」
そう尋ねると、啓介は少し驚いた表情をする。
「あっ、別に変な意味じゃないよ。その方が引っ越し費用も抑えられるし、手間がないかなって……」
「変な意味って? 俺はすぐにでも祥子と暮らせるなら暮らしたいし、みんなに結婚したんだって言いたいぐらいだよ」
にやける彼に恥ずかしくなりながら、私もコーヒーを口に運ぶ。
「でも、まだ実感ないよね」
「まあな。付き合うって決めたばっかりだしな。それでもさ、一緒に暮らしながら、お互いの気持ちを深めていくのも悪くないなって思えてるから、俺」
彼は驚くほど前向きだ。私だって自分のことをめんどくさい女だと思うのに、彼は全然そんな素振りも見せない。
「負担じゃない? こんな付き合い方」
「全然。毎日、祥子に会えるんだなって、正直舞い上がってる」
「私はまだ、どんな生活になるのかなって想像できてなくて」
「大丈夫だよ。幸せだなって思えるような生活にするから」
優しくささやくようにそう言った啓介は、手を重ねようとしてくるが、すぐに迷いを見せる。
「手は触れてもいい?」
「……どうかな」
「その言い方はずるい。俺はすぐにでも一線を越える自信があるのに」
冗談めかしく言いながら、彼は手を重ねてくる。
思っていたよりも骨太の温かい手。ほっとする自分を感じてしまう。安心できてしまうのは、触れ合っていた方が心が安定するからだ。彼の言う通り、理性が働かなくなったら、約束は簡単に反故になるのだろう。
目をあげると、さっきよりも啓介の顔が近づいている。
「キスは……ダメ」
どうしてプラトニックな愛を望んだのか忘れてしまいそうで、自分にブレーキをかける。
「一緒に引っ越すよ、俺。少しでもはやく、祥子と恋人らしい生活がしたいから」
わずかに笑んだ彼は、身を引く。
そういうことをしたい気持ちもあるし、抑える気持ちもある。それを態度で示してくれたみたい。
「ごめんね」
裏切られるのが怖くて、自分が傷つきたくないために、啓介を傷つけてる。謝っても仕方ないとわかってるのに頭を下げると、彼は優しく言う。
「急かしてるのは、俺の方だよ。いま、抱きしめてキスしても、安心するのは俺だけなんだってわかってる。でもさ、俺が祥子を裏切らないって、はっきりわかったときは許してほしい」
「……両親にも芹奈にも話すね、結婚前提で一緒に暮らすって」
はっきりとうなずく自信がなくて、そう答えてしまう。だけど、私を大事に思う啓介にしてあげられるのは、今はそれだけだとも思う。
「じゃあ、俺は両親と誠也さんだな」
「あっ、誠也さんって、のんちゃんの?」
「そうそう、乃梨佳ちゃんだっけ? 誠也さんは芹奈のお姉さんと結婚したんだよ」
「芹奈から聞いてる。誠也さんも元警察官だって」
そう言うと、啓介はうれしげな顔で大きくうなずく。
「俺の先輩でさ、尊敬できる人だよ。祥子はまだ会ったことない?」
「うん、ない」
「会ってみる? 都合つくか聞いてみるよ」
すごく慕っているのが伝わってくる。芹奈もいい人だと言っていたし、会ってみてもいいかもしれない。
「じゃあ、芹奈も一緒に。のんちゃんも連れてきてもらえるように、新居に来てもらってもいいね」
「そうだな。そうと決まったら、はやく引っ越し済ませようか。最短でも、年末前になるかなぁ」
早速、スマホで引っ越し業者を調べ始める啓介の横顔を見つめる。
将司もこんなふうに積極的に段取りを組んでくれる人だった。私は頼り過ぎていたかもしれない。任せておけばいいと安心しすぎていて、上手に甘えてもいなかったかもしれない。だから、甘え上手な綾に付け入る隙を与えてしまった。
「ねぇ、次は一緒に家具、見にいかない?」
「家具?」
スマホから顔をあげた彼は、首をかしげる。
「ほら、ベッドがないって言ってたし」
「ベッドか。そうだな。引っ越し前に届くようにしてもらうといいよな。……なんか」
「なに?」
「いや、祥子が歩み寄ってくれてるからさ、すげぇうれしいなって噛み締めてるだけ」
そう言うと、彼は照れくさそうに髪をかき上げた。
「いくつか回ってみたけどさ、祥子はどこか気に入ったところあった?」
地元、一見市の情報に強いと評判の不動産屋を出て、駐車場に停めた啓介の車に乗り込むと、彼は早速、スマホで撮影した賃貸マンションの写真を眺めながら尋ねてくる。
「啓介は?」
「俺はあったよ。駅にも近いし、新築じゃないけど、予算的にも問題なさそうだなって思ってさ」
こちらにスマホの画面を向けてくる彼に助手席から身を寄せて、私も画像をのぞき込む。
「それ、私も思った。でも、3LDKだったよね。ちょっと広くないかな?」
「俺、基本的にリモートワークだから、仕事用にひと部屋欲しいんだよ。祥子がいいなら、ここが最有力かな」
「リモートなんだ? じゃあ、毎日家にいてくれるの?」
将司は仕事人間だったから、ほとんど家にいなかった。連日の飲み会にも付き合いだからと断ることなく出かけていて、夜遅く帰ってくるのはあたりまえだった。
さみしくはあったけど、私も仕事で疲れていたし、共働きならそんなものなのだろうと、当時は思っていた。
「取材で家を空けたり、講演会に出かける日もあるけどさ、ほとんど家にいるよ」
啓介はライターの仕事だけでなく、介護関係の講演会もしている。元警察官の人脈が活かされて、定期的に仕事は入ってくるらしい。
大人しそうな彼からは想像もできないぐらいアグレッシブな一面があって、頼もしくもある。
「仕事から帰ってきたら、誰かがいてくれる生活なんだね。ちょっとほっとするかも」
「そっか。ずっといるんだって、気にならないならよかったよ。……あ、そうだ。これからうちに来るか? 今後の予定っていうか、いろいろ決めておきたいからさ」
「啓介のアパートに行くの?」
「嫌?」
なんだか少しばかり照れくさそうに、啓介は私の顔をのぞき込む。
もしかしたら、そういうお誘いかもと思って身構えるけど、そこはプラトニックでときちんと約束したのだから大丈夫。私は信じてるし、彼も裏切らない。そういう信頼の積み重ねの一つだと思う。
「嫌じゃないよ。啓介がどんな部屋で過ごしてるのか見てみたい」
「普通だよ」
啓介は苦笑いすると、車を発進させる。
イチョウ並木の大通りから脇道に入ると、私のアパートの前を通り過ぎ、二つ目の信号を右折する。通りに入ってすぐにある、薄茶色の3階建てアパートの駐車場へ車は入っていく。
「ここ?」
「1階の一番奥」
啓介はうなずいて、そう言う。
食事に行くたびに、通り道だから、とアパートまで送ってくれたけど、本当に近くで暮らしていたようだ。
物件の資料を手に取る啓介と一緒に車を降り、私は彼の背中についていく。
細身の彼は背が高く、姿勢がいい。童顔だから勘違いしてしまいそうになるけど、頼りがいのある背中を見ていると、思っているよりたくましい男の人だと思う。
玄関に入る彼が、片付けるから少し待ってて、と部屋の奥へ消えていく。最初から私を誘う気はなかったみたい。
すぐに戻ってくる彼とともに廊下を進み、リビングへと入る。
普通だと言っていたけど、濃茶で統一した家具はセンスがあって、普段から片付けをきちんとしているのだろうと思えるぐらいの清潔感がある。
「綺麗にしてるね」
「いつもリビングで仕事してるから、普段はもっと散らかってるんだけどさ。とりあえず、座って。コーヒー淹れるから」
「ありがとう。ここは1DK?」
辺りを見回して、そう言う。
「そう。隣は布団があるだけ。ベッドはないし、引っ越しは大変じゃないと思うよ」
インスタントでごめん、と彼は謝りながら、マグカップをテーブルに置くと、私の隣に座る。
「いつから一緒に暮らしたいとか考えてる?」
コーヒーをひと口飲んで、彼がさらりと尋ねてくる。
「ごめんね。まだ両親にはなんにも話してないの。……芹奈にも」
「謝る必要はないだろ。俺だってまだ誰にも言ってないしな。ふたりで暮らして、落ち着いたころに報告でもいいと思う」
彼の譲歩にはいつもほっとする。
「それでもいい? でもね、引っ越しはなるべくはやくしたいから、次の休みには契約してもいい?」
「かまわないよ。はやく引っ越したい理由とかあるの?」
「あ、ううん。年内に引っ越したいだけ。年末年始は忙しいし」
綾の件はまだ話してない。不必要に心配させたくないし、何より、私が彼女にとらわれたくないと思ってる。引っ越して、何も起きなければ、それでいいのだ。
「そうだよな。俺も早めに引っ越しの準備しておくかな」
「一緒に引っ越す?」
そう尋ねると、啓介は少し驚いた表情をする。
「あっ、別に変な意味じゃないよ。その方が引っ越し費用も抑えられるし、手間がないかなって……」
「変な意味って? 俺はすぐにでも祥子と暮らせるなら暮らしたいし、みんなに結婚したんだって言いたいぐらいだよ」
にやける彼に恥ずかしくなりながら、私もコーヒーを口に運ぶ。
「でも、まだ実感ないよね」
「まあな。付き合うって決めたばっかりだしな。それでもさ、一緒に暮らしながら、お互いの気持ちを深めていくのも悪くないなって思えてるから、俺」
彼は驚くほど前向きだ。私だって自分のことをめんどくさい女だと思うのに、彼は全然そんな素振りも見せない。
「負担じゃない? こんな付き合い方」
「全然。毎日、祥子に会えるんだなって、正直舞い上がってる」
「私はまだ、どんな生活になるのかなって想像できてなくて」
「大丈夫だよ。幸せだなって思えるような生活にするから」
優しくささやくようにそう言った啓介は、手を重ねようとしてくるが、すぐに迷いを見せる。
「手は触れてもいい?」
「……どうかな」
「その言い方はずるい。俺はすぐにでも一線を越える自信があるのに」
冗談めかしく言いながら、彼は手を重ねてくる。
思っていたよりも骨太の温かい手。ほっとする自分を感じてしまう。安心できてしまうのは、触れ合っていた方が心が安定するからだ。彼の言う通り、理性が働かなくなったら、約束は簡単に反故になるのだろう。
目をあげると、さっきよりも啓介の顔が近づいている。
「キスは……ダメ」
どうしてプラトニックな愛を望んだのか忘れてしまいそうで、自分にブレーキをかける。
「一緒に引っ越すよ、俺。少しでもはやく、祥子と恋人らしい生活がしたいから」
わずかに笑んだ彼は、身を引く。
そういうことをしたい気持ちもあるし、抑える気持ちもある。それを態度で示してくれたみたい。
「ごめんね」
裏切られるのが怖くて、自分が傷つきたくないために、啓介を傷つけてる。謝っても仕方ないとわかってるのに頭を下げると、彼は優しく言う。
「急かしてるのは、俺の方だよ。いま、抱きしめてキスしても、安心するのは俺だけなんだってわかってる。でもさ、俺が祥子を裏切らないって、はっきりわかったときは許してほしい」
「……両親にも芹奈にも話すね、結婚前提で一緒に暮らすって」
はっきりとうなずく自信がなくて、そう答えてしまう。だけど、私を大事に思う啓介にしてあげられるのは、今はそれだけだとも思う。
「じゃあ、俺は両親と誠也さんだな」
「あっ、誠也さんって、のんちゃんの?」
「そうそう、乃梨佳ちゃんだっけ? 誠也さんは芹奈のお姉さんと結婚したんだよ」
「芹奈から聞いてる。誠也さんも元警察官だって」
そう言うと、啓介はうれしげな顔で大きくうなずく。
「俺の先輩でさ、尊敬できる人だよ。祥子はまだ会ったことない?」
「うん、ない」
「会ってみる? 都合つくか聞いてみるよ」
すごく慕っているのが伝わってくる。芹奈もいい人だと言っていたし、会ってみてもいいかもしれない。
「じゃあ、芹奈も一緒に。のんちゃんも連れてきてもらえるように、新居に来てもらってもいいね」
「そうだな。そうと決まったら、はやく引っ越し済ませようか。最短でも、年末前になるかなぁ」
早速、スマホで引っ越し業者を調べ始める啓介の横顔を見つめる。
将司もこんなふうに積極的に段取りを組んでくれる人だった。私は頼り過ぎていたかもしれない。任せておけばいいと安心しすぎていて、上手に甘えてもいなかったかもしれない。だから、甘え上手な綾に付け入る隙を与えてしまった。
「ねぇ、次は一緒に家具、見にいかない?」
「家具?」
スマホから顔をあげた彼は、首をかしげる。
「ほら、ベッドがないって言ってたし」
「ベッドか。そうだな。引っ越し前に届くようにしてもらうといいよな。……なんか」
「なに?」
「いや、祥子が歩み寄ってくれてるからさ、すげぇうれしいなって噛み締めてるだけ」
そう言うと、彼は照れくさそうに髪をかき上げた。
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