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彼女は氷のように冷たい
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それを聞いた瞬間、俺は那波と芽依が向かった階段へ走り出していた。
那波に会って何を言ったらいいのか、正直わからない。それでも、会わなければいけないなんて思いが俺を追い立てる。
俺の脳裏に浮かぶのは、不思議そうに首を傾げて俺を見つめる無表情な那波だ。
しかしその表情とは裏腹に、会話から感じることができるのはおさなくて純粋な心だ。
そんな心のある彼女がバケモノだなんて、心ないことを言われていいはずはない。
きっと何かの誤解だろう。
那波に触れて、ひどい罵声を浴びせた女子生徒の方に何か言い知れぬ理由があって、そんな誤解が生まれたのだろう。
俺はそう信じている。
たった数日だ。那波に出会って、話すようになったのはこの数日のことだが、那波と会話する時間に楽しさを見出していたのは事実だ。俺にはその事実が真実でしかない。
渡り廊下を一人で歩く那波を見つけ、迷わず追いかける。
那波は心理学研究部の部室へ向かっているようだ。その予想は正しかった。
ポケットから鍵を取り出し、部室のドアの奥へ消える彼女に遅れて、俺も部室に飛び込む。
那波はすぐに俺に気づいて、やはり不思議そうに首を傾げる。
俺の肩は激しく上下する。胸に手を当て、乱れる呼吸を整え、彼女に近く。
しかし、かける言葉がすぐに見つからない。
俺は惑い、ためらう。
女子生徒が那波に触れて何を感じたのか、俺はそれを確かめて何をしようとしているのか、と。
「どうしたの? 木梨くん」
那波が先に口を開く。まだ部活の時間じゃないわよ、と笑われているような気がする。
それは願望だろうか。冗談が言えるぐらい、俺たちの距離は親密に近づいてるんじゃないかと思いたいのかもしれない。
「次は体育なのに、こっちに来る飛流さんと芽依が見えたから……」
本意を見せれなくて、そんな風に言ってしまう。
「芽依なら体育館へ行ったわ」
「俺は飛流さんに用があって」
「そう。でももう授業始まるわよ。木梨くん、まだ着替えてないのね」
「飛流さんだって」
「私はいつも見学」
知らないの?なんて言うように、あたりまえのことのように彼女は言う。
「見学なんて言って、ここにいるんだ?」
「たまたまよ。いつもそうしてるわけじゃないわ。そうね、今日は芽依がやたらと体育の授業を受けるように誘うから、ちょっと逃げ出してきただけ」
「誘う? つまり、ずる休み?」
ちょっとからかうように聞こえたかもしれない。でも那波は気にする様子なく、尋ねてくる。
「木梨くんも誘いに来たの? そうだったら気にしなくていいのよ」
「気になるよ。俺や芽依だけじゃないよ、きっとみんな気になってる。具合が悪いわけじゃなきゃ出たらいいよ」
「説教?」
那波はスッと俺から目を離す。
怒らせた?
彼女は窓際へ移動すると、ジッと外を眺める。背中が俺を拒絶している。まだ知り合ったばかりの俺の助言など、彼女は必要としていない。そう思えてくる。
しばらく続く沈黙が重い。俺は余計なことを言ってばかりだ。もしかしたらまだ、昨日の俺の発言を気にして怒っているかもしれないのだ。
「あ、あのさ、飛流さん、昨日の話だけど」
そう切り出すと、那波は振り返る。
「昨日? ああ、本ね。読んだの?」
俺が手にする心理学の本に気づいた那波はそっと片手を伸ばす。
「本もそうだけど……」
「まだ何かある?」
もう忘れたのだろうか。
いや、あれほどショックを受けた顔を見せたのだ。今更蒸し返されたくないだけかもしれない。
「いや……」と首を横に振り、本を差し出す。
その先にある那波の指は白く、細い。なめらかな指だ。重たいものなど持ったことないのだろう。
この手のどこに、バケモノだなんて罵られなければならない理由があるのだろう。
「あのさ……」
噂を聞いたんだ。
ちょっと気になることを聞いたんだけど。
どう切り出したらいいだろう。迷ううちに、那波の指が本に触れようとする。
この本を渡したら、また俺たちはきっと沈黙する。
何をどう話したらいいのか、また悩むだろう。
不器用な俺には、彼女を知りたいと思う気持ちを表すのは難しすぎる。
「飛流さん……、あのっ」
那波と目が合い、俺はどきりとする。
綺麗だ。那波はすごく綺麗だ。白く細面の顔は小さくてまるで本当の天使のように美しく、窓から差し込む光が彼女に天使の羽を与える。
言葉を忘れた。
俺は何をしにここへ来たのかも、忘れてしまいそうになるほど美しい。
俺はビクッと体を震わせた。
四時間目の始業を知らせる突然のチャイムの音に驚いた。
はずみで本が手から滑り落ちる。とっさに伸ばした指は、同じく本を拾おうとした彼女の指先に触れる。
ドクンッと、俺の心臓は跳ね上がる。同時に那波を凝視した。
目を見開く俺の前で、彼女は普段と変わらぬ様子で床に落ちた本を拾い上げ、ほこりを払い落とす仕草をする。
「あ……」
本棚へ向かう那波に手を伸ばす。なんて声をかけたらいいのだろう。単純な言葉すら出てこない。
「授業が始まったわ。行きましょう、木梨くん」
本棚を背に振り返る那波は普段通りだ。はぐらかされてしまう。なんだかそう思えて、俺は那波に歩み寄ると、今度は確かに強い意思を持って彼女の手を握りしめた。
冷たかった。
それも氷のように。
今は6月だ。それなのに、真冬の寒空の下にいる時よりも冷たい氷のような手。
血が通っていない。
俺は脳裏によぎる言葉を口にすることは出来なかった。
しかし、彼女は、したのだろう。退学に追い込まれた女子生徒は、那波に触れ、バケモノだと口にしてしまったのだろう。
「驚いた?」
那波は俺の手をほどき、無表情で言う。
「……飛流さん」
「聞いたの? だから確かめに来たの?」
誰に、とは言わないが、那波は俺が阿部と一緒にいるところを見ている。噂の出所を予想するのは簡単なことだろう。
「……違うよ」
違わない。那波の目が見れないから、俺の嘘に彼女は気づいただろう。
「冷え症なの」
「え……」
冷え症なんて嘘だ。そんな冷たさじゃない。苦し紛れの嘘に言葉も出ない俺に向かって、那波は言う。
「って……、芽依が言ったわ」
「飛流さん……」
「あの時、芽依が私を助けてくれた。誰よりも芽依が私の存在を嫌っていたはずなのに、違ってた」
那波はうなだれる。体から苦しみが湧き上がり、彼女を押しつぶしているみたいだ。
「飛流さん、わからないよ。もっとわかるように話してくれないと、理解できない」
「もう終わりね……、木梨くん」
「終わりって……」
「私、あなたに会えて、何か変われる気がしたの。芽依が変わったように、私も。でももう終わり」
那波は窓際の机へ向かう。
その引き出しを開け、ファイルを取り出す。それは入部届が入っていたファイルだ。
一枚の用紙を取り出した那波は、それを手渡しではなく、ギンガムチェックのテーブルクロスの上に乗せた。
拒絶された。そう思えた。
「退部届よ。安藤先生に渡してくれたらいいわ」
一方的に言うと、那波は退部届に目を奪われている俺の横を素通りし、部室を出ていった。
那波に会って何を言ったらいいのか、正直わからない。それでも、会わなければいけないなんて思いが俺を追い立てる。
俺の脳裏に浮かぶのは、不思議そうに首を傾げて俺を見つめる無表情な那波だ。
しかしその表情とは裏腹に、会話から感じることができるのはおさなくて純粋な心だ。
そんな心のある彼女がバケモノだなんて、心ないことを言われていいはずはない。
きっと何かの誤解だろう。
那波に触れて、ひどい罵声を浴びせた女子生徒の方に何か言い知れぬ理由があって、そんな誤解が生まれたのだろう。
俺はそう信じている。
たった数日だ。那波に出会って、話すようになったのはこの数日のことだが、那波と会話する時間に楽しさを見出していたのは事実だ。俺にはその事実が真実でしかない。
渡り廊下を一人で歩く那波を見つけ、迷わず追いかける。
那波は心理学研究部の部室へ向かっているようだ。その予想は正しかった。
ポケットから鍵を取り出し、部室のドアの奥へ消える彼女に遅れて、俺も部室に飛び込む。
那波はすぐに俺に気づいて、やはり不思議そうに首を傾げる。
俺の肩は激しく上下する。胸に手を当て、乱れる呼吸を整え、彼女に近く。
しかし、かける言葉がすぐに見つからない。
俺は惑い、ためらう。
女子生徒が那波に触れて何を感じたのか、俺はそれを確かめて何をしようとしているのか、と。
「どうしたの? 木梨くん」
那波が先に口を開く。まだ部活の時間じゃないわよ、と笑われているような気がする。
それは願望だろうか。冗談が言えるぐらい、俺たちの距離は親密に近づいてるんじゃないかと思いたいのかもしれない。
「次は体育なのに、こっちに来る飛流さんと芽依が見えたから……」
本意を見せれなくて、そんな風に言ってしまう。
「芽依なら体育館へ行ったわ」
「俺は飛流さんに用があって」
「そう。でももう授業始まるわよ。木梨くん、まだ着替えてないのね」
「飛流さんだって」
「私はいつも見学」
知らないの?なんて言うように、あたりまえのことのように彼女は言う。
「見学なんて言って、ここにいるんだ?」
「たまたまよ。いつもそうしてるわけじゃないわ。そうね、今日は芽依がやたらと体育の授業を受けるように誘うから、ちょっと逃げ出してきただけ」
「誘う? つまり、ずる休み?」
ちょっとからかうように聞こえたかもしれない。でも那波は気にする様子なく、尋ねてくる。
「木梨くんも誘いに来たの? そうだったら気にしなくていいのよ」
「気になるよ。俺や芽依だけじゃないよ、きっとみんな気になってる。具合が悪いわけじゃなきゃ出たらいいよ」
「説教?」
那波はスッと俺から目を離す。
怒らせた?
彼女は窓際へ移動すると、ジッと外を眺める。背中が俺を拒絶している。まだ知り合ったばかりの俺の助言など、彼女は必要としていない。そう思えてくる。
しばらく続く沈黙が重い。俺は余計なことを言ってばかりだ。もしかしたらまだ、昨日の俺の発言を気にして怒っているかもしれないのだ。
「あ、あのさ、飛流さん、昨日の話だけど」
そう切り出すと、那波は振り返る。
「昨日? ああ、本ね。読んだの?」
俺が手にする心理学の本に気づいた那波はそっと片手を伸ばす。
「本もそうだけど……」
「まだ何かある?」
もう忘れたのだろうか。
いや、あれほどショックを受けた顔を見せたのだ。今更蒸し返されたくないだけかもしれない。
「いや……」と首を横に振り、本を差し出す。
その先にある那波の指は白く、細い。なめらかな指だ。重たいものなど持ったことないのだろう。
この手のどこに、バケモノだなんて罵られなければならない理由があるのだろう。
「あのさ……」
噂を聞いたんだ。
ちょっと気になることを聞いたんだけど。
どう切り出したらいいだろう。迷ううちに、那波の指が本に触れようとする。
この本を渡したら、また俺たちはきっと沈黙する。
何をどう話したらいいのか、また悩むだろう。
不器用な俺には、彼女を知りたいと思う気持ちを表すのは難しすぎる。
「飛流さん……、あのっ」
那波と目が合い、俺はどきりとする。
綺麗だ。那波はすごく綺麗だ。白く細面の顔は小さくてまるで本当の天使のように美しく、窓から差し込む光が彼女に天使の羽を与える。
言葉を忘れた。
俺は何をしにここへ来たのかも、忘れてしまいそうになるほど美しい。
俺はビクッと体を震わせた。
四時間目の始業を知らせる突然のチャイムの音に驚いた。
はずみで本が手から滑り落ちる。とっさに伸ばした指は、同じく本を拾おうとした彼女の指先に触れる。
ドクンッと、俺の心臓は跳ね上がる。同時に那波を凝視した。
目を見開く俺の前で、彼女は普段と変わらぬ様子で床に落ちた本を拾い上げ、ほこりを払い落とす仕草をする。
「あ……」
本棚へ向かう那波に手を伸ばす。なんて声をかけたらいいのだろう。単純な言葉すら出てこない。
「授業が始まったわ。行きましょう、木梨くん」
本棚を背に振り返る那波は普段通りだ。はぐらかされてしまう。なんだかそう思えて、俺は那波に歩み寄ると、今度は確かに強い意思を持って彼女の手を握りしめた。
冷たかった。
それも氷のように。
今は6月だ。それなのに、真冬の寒空の下にいる時よりも冷たい氷のような手。
血が通っていない。
俺は脳裏によぎる言葉を口にすることは出来なかった。
しかし、彼女は、したのだろう。退学に追い込まれた女子生徒は、那波に触れ、バケモノだと口にしてしまったのだろう。
「驚いた?」
那波は俺の手をほどき、無表情で言う。
「……飛流さん」
「聞いたの? だから確かめに来たの?」
誰に、とは言わないが、那波は俺が阿部と一緒にいるところを見ている。噂の出所を予想するのは簡単なことだろう。
「……違うよ」
違わない。那波の目が見れないから、俺の嘘に彼女は気づいただろう。
「冷え症なの」
「え……」
冷え症なんて嘘だ。そんな冷たさじゃない。苦し紛れの嘘に言葉も出ない俺に向かって、那波は言う。
「って……、芽依が言ったわ」
「飛流さん……」
「あの時、芽依が私を助けてくれた。誰よりも芽依が私の存在を嫌っていたはずなのに、違ってた」
那波はうなだれる。体から苦しみが湧き上がり、彼女を押しつぶしているみたいだ。
「飛流さん、わからないよ。もっとわかるように話してくれないと、理解できない」
「もう終わりね……、木梨くん」
「終わりって……」
「私、あなたに会えて、何か変われる気がしたの。芽依が変わったように、私も。でももう終わり」
那波は窓際の机へ向かう。
その引き出しを開け、ファイルを取り出す。それは入部届が入っていたファイルだ。
一枚の用紙を取り出した那波は、それを手渡しではなく、ギンガムチェックのテーブルクロスの上に乗せた。
拒絶された。そう思えた。
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