14 / 119
キスまでの距離
14
しおりを挟む
*
「それで? それでどうなったの? 付き合うことにしたの? っていうか、結婚するんだよね。恋人になる前に結婚って、想像つかないけど楽しそう!」
「純ちゃん……、落ち着いて。声大きいよー」
「大丈夫よー。ここ、会社じゃないんだし」
そうは言うけど、オフィス近くの喫茶店だから、もしかしたら知り合いがいるかもしれない。
そっと辺りを見回してみる。店内に見知った顔はない。ガラス窓の向こうには、マフラーに顔をうずめるサラリーマンが、足早に通り過ぎる姿が見えた。
ひとまず安心してはみるものの、純ちゃんの質問攻めは1日では終わらないだろうと思うほどで、まだまだ帰れそうにない。
「でもやっぱり、あのめちゃくちゃカッコいい人がミナトくんだったんだー。考えてみたら、当たり前と言えば当たり前だよね。初対面の相手が結婚前提の交際を申し込んできたら引くしねー」
「う、うん……」
「あの時ちゃんと気づいてたら、話が中途半端にこじれなくて良かったのにね」
「こじれてはないよ。だって、ミナトくんにはお母さんのために結婚しなきゃって気持ちは前からあったし……。ただ私と付き合ってみて、良ければ結婚しようと思ってたんだとは思うけど。それが出来ずにいきなり結婚することになったから不満なだけだと思う」
だから、終始彼は不機嫌で。私だって、彼なりの最善策を提示してくれたことは、理解できてるけど。
「それは沙耶も同じ気持ちだよね」
「うん……。結婚だよー。一生一緒に暮らすんだよ。そんな簡単に決めていいのかな」
「いいんじゃない? あの結城でしょ。この縁談はすごいことだよー」
「そうかなー。私は平凡な結婚がしたかったけど……」
「それこそ贅沢だよ。大金持ちのイケメンと結婚できるっていうのに、そんなに悩むのは沙耶ぐらいだよ」
純ちゃんはいつも楽天的だ。そんなところをうらやましく思ったりする。
「でも、湊くんと話してても、結婚するとか……、全然実感わいてこなくて」
「当然だから大丈夫だって。一緒に暮らすんでしょ? 暮らしてるうちに好きになれるって」
「一緒に暮らさなくても大丈夫だって言われたから、それも悩んでるの」
「えーっ?」
大げさに純ちゃんは驚くけど、私は戸惑うばかりだ。
「お父さんもね、順番が違うんじゃないかってちょっと困ってたし。お母さんは気分が良くないって、昨日はずっと部屋にいたし……。一緒に暮らさなくてもいいなら、それでもいいかなって思ったりもしてるんだー。書類上は夫婦でも、少しずつ湊くんとは恋人みたいになっていけたらいいのかなって……」
「なんか、大変だね」
純ちゃんはまるで知らない世界の話を聞いたみたいに、他人ごとのようにつぶやくと、両手を添えて頬杖をついた。
「沙耶の気持ち、ちゃんとミナトくんに話した方がいいよ」
「うん……」
「きっとミナトくんはそれでいいって言いそうだけどね」
「純ちゃんもそう思う?」
「沙耶も?」
「うん。湊くんは書類上の夫婦でいられるなら、それでかまわないんだと思う」
それが、彼なりの最善策なのだから。
「だから、沙耶なのかな?」
「だからって?」
「沙耶はおとなしいから、反論したりしないって思ってるんだよ。そんな風にしか沙耶を扱えないなら、私は反対だなー」
「でも、結婚は私や湊くんの意思とは関係なくすることになるから……」
お互いにとって不本意な結婚。そんな中で、私たちは模索してる。
「だから悩むんだよね」
「だね……」
「いい縁談だと思うけど、もうちょっと時間があればいいのにね」
「そうだね。でも、仕方ないよ。湊くんは他に縁談がたくさんあるみたいだから、そんなには待ってられないんだよ」
「なんだか羨ましいような話だけど。そうなると、上條家との縁談に固執する意味とかあるのかなーって、変に勘ぐっちゃうね」
私はちょっと首をかしげる。純ちゃんにそう言われるまで、深く考えようとしたこともない話だ。
「どうなんだろー。どうしても上條病院とのつながりを持ってたいって言うなら、いとこと結婚するだろうし。湊くんもお母さんが上條に固執してるからって言うだけで、あんまり深い意味はないのかもって感じだったし」
「うーん、あんまり考えない方がいいかもね。ほら、凡人には金持ちの考えてることはいくら考えてもわからないって」
「純ちゃんらしい」
「もちろん、沙耶はねっからのお嬢様で、私と一緒にしたらいけないけどね」
「そんなことないよー。結婚しても今まで通り仲良くしてね」
そう言った時、テーブルの横を通り過ぎようとしていたサラリーマンの足が止まる。
「え? 上條さん、結婚するの?」
純ちゃんと顔を見合わせた私は、驚きの声を上げた男性を見上げた。
「浅田主任」
そこには三期上の先輩で、私と同じ総務部に配属している、浅田雄哉が立っていた。
「上條さんって、彼氏いたんだ?」
通路を挟んで、私たちの座る席とは反対側の席が空いていることに気づくと、浅田主任は迷うことなく腰を下ろした。そして、通路に足を投げ出したまま、身を乗り出して尋ねてくる。
「えっと……、彼氏というか」
「浅田主任、彼氏じゃなくて婚約者ですよ、婚約者」
どう答えたら良いものかと戸惑う私に変わって純ちゃんがそう言うと、「婚約者? 上條さんは本当にお嬢様なんだなー」と、浅田主任は感心した。
「いつ結婚するの? 部署のヤツら、それ知ったらショック受けるだろうなぁ」
「ショック?」
「やっぱり気づいてないの? 上條さんって実はモテてるんだよ。今までは知野さんを差し置いて上條さんに気があるだなんて騒ぐ男性社員はいなかったけど、これからはそうもいかないだろうなぁなんて思ってたとこだよ」
「それで? それでどうなったの? 付き合うことにしたの? っていうか、結婚するんだよね。恋人になる前に結婚って、想像つかないけど楽しそう!」
「純ちゃん……、落ち着いて。声大きいよー」
「大丈夫よー。ここ、会社じゃないんだし」
そうは言うけど、オフィス近くの喫茶店だから、もしかしたら知り合いがいるかもしれない。
そっと辺りを見回してみる。店内に見知った顔はない。ガラス窓の向こうには、マフラーに顔をうずめるサラリーマンが、足早に通り過ぎる姿が見えた。
ひとまず安心してはみるものの、純ちゃんの質問攻めは1日では終わらないだろうと思うほどで、まだまだ帰れそうにない。
「でもやっぱり、あのめちゃくちゃカッコいい人がミナトくんだったんだー。考えてみたら、当たり前と言えば当たり前だよね。初対面の相手が結婚前提の交際を申し込んできたら引くしねー」
「う、うん……」
「あの時ちゃんと気づいてたら、話が中途半端にこじれなくて良かったのにね」
「こじれてはないよ。だって、ミナトくんにはお母さんのために結婚しなきゃって気持ちは前からあったし……。ただ私と付き合ってみて、良ければ結婚しようと思ってたんだとは思うけど。それが出来ずにいきなり結婚することになったから不満なだけだと思う」
だから、終始彼は不機嫌で。私だって、彼なりの最善策を提示してくれたことは、理解できてるけど。
「それは沙耶も同じ気持ちだよね」
「うん……。結婚だよー。一生一緒に暮らすんだよ。そんな簡単に決めていいのかな」
「いいんじゃない? あの結城でしょ。この縁談はすごいことだよー」
「そうかなー。私は平凡な結婚がしたかったけど……」
「それこそ贅沢だよ。大金持ちのイケメンと結婚できるっていうのに、そんなに悩むのは沙耶ぐらいだよ」
純ちゃんはいつも楽天的だ。そんなところをうらやましく思ったりする。
「でも、湊くんと話してても、結婚するとか……、全然実感わいてこなくて」
「当然だから大丈夫だって。一緒に暮らすんでしょ? 暮らしてるうちに好きになれるって」
「一緒に暮らさなくても大丈夫だって言われたから、それも悩んでるの」
「えーっ?」
大げさに純ちゃんは驚くけど、私は戸惑うばかりだ。
「お父さんもね、順番が違うんじゃないかってちょっと困ってたし。お母さんは気分が良くないって、昨日はずっと部屋にいたし……。一緒に暮らさなくてもいいなら、それでもいいかなって思ったりもしてるんだー。書類上は夫婦でも、少しずつ湊くんとは恋人みたいになっていけたらいいのかなって……」
「なんか、大変だね」
純ちゃんはまるで知らない世界の話を聞いたみたいに、他人ごとのようにつぶやくと、両手を添えて頬杖をついた。
「沙耶の気持ち、ちゃんとミナトくんに話した方がいいよ」
「うん……」
「きっとミナトくんはそれでいいって言いそうだけどね」
「純ちゃんもそう思う?」
「沙耶も?」
「うん。湊くんは書類上の夫婦でいられるなら、それでかまわないんだと思う」
それが、彼なりの最善策なのだから。
「だから、沙耶なのかな?」
「だからって?」
「沙耶はおとなしいから、反論したりしないって思ってるんだよ。そんな風にしか沙耶を扱えないなら、私は反対だなー」
「でも、結婚は私や湊くんの意思とは関係なくすることになるから……」
お互いにとって不本意な結婚。そんな中で、私たちは模索してる。
「だから悩むんだよね」
「だね……」
「いい縁談だと思うけど、もうちょっと時間があればいいのにね」
「そうだね。でも、仕方ないよ。湊くんは他に縁談がたくさんあるみたいだから、そんなには待ってられないんだよ」
「なんだか羨ましいような話だけど。そうなると、上條家との縁談に固執する意味とかあるのかなーって、変に勘ぐっちゃうね」
私はちょっと首をかしげる。純ちゃんにそう言われるまで、深く考えようとしたこともない話だ。
「どうなんだろー。どうしても上條病院とのつながりを持ってたいって言うなら、いとこと結婚するだろうし。湊くんもお母さんが上條に固執してるからって言うだけで、あんまり深い意味はないのかもって感じだったし」
「うーん、あんまり考えない方がいいかもね。ほら、凡人には金持ちの考えてることはいくら考えてもわからないって」
「純ちゃんらしい」
「もちろん、沙耶はねっからのお嬢様で、私と一緒にしたらいけないけどね」
「そんなことないよー。結婚しても今まで通り仲良くしてね」
そう言った時、テーブルの横を通り過ぎようとしていたサラリーマンの足が止まる。
「え? 上條さん、結婚するの?」
純ちゃんと顔を見合わせた私は、驚きの声を上げた男性を見上げた。
「浅田主任」
そこには三期上の先輩で、私と同じ総務部に配属している、浅田雄哉が立っていた。
「上條さんって、彼氏いたんだ?」
通路を挟んで、私たちの座る席とは反対側の席が空いていることに気づくと、浅田主任は迷うことなく腰を下ろした。そして、通路に足を投げ出したまま、身を乗り出して尋ねてくる。
「えっと……、彼氏というか」
「浅田主任、彼氏じゃなくて婚約者ですよ、婚約者」
どう答えたら良いものかと戸惑う私に変わって純ちゃんがそう言うと、「婚約者? 上條さんは本当にお嬢様なんだなー」と、浅田主任は感心した。
「いつ結婚するの? 部署のヤツら、それ知ったらショック受けるだろうなぁ」
「ショック?」
「やっぱり気づいてないの? 上條さんって実はモテてるんだよ。今までは知野さんを差し置いて上條さんに気があるだなんて騒ぐ男性社員はいなかったけど、これからはそうもいかないだろうなぁなんて思ってたとこだよ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる