93 / 119
奪われるまでの距離
13
しおりを挟む
*
俺の後ろを歩く沙耶は、ひどい疲労感に満たされた表情でうつむいていた。
一週間ぶりに会う喜びもなく、それどころか、俺の顔を見た瞬間に見せた彼女の表情には、怯えや憂いがあった。
「なんて顔してる」
朔のアパートから少し離れた路上で足を止めた俺は、そう声をかけたが、彼女の表情は一向に浮かばない。
「この一週間、ずっと朔と一緒にいたのか?」
さらにそう言うと、沙耶はパッと顔をあげて首を横に振る。
「違うよ。朔くんのアパートにはさっき来たの。純ちゃんが来るって言ったから……」
「山口純が来ると聞けば、君は男のアパートに一人で行くのか」
「……朔くんだからだよ」
「朔を信頼してるようだが、やつになら何でも話せるのか?」
責めるように言ってしまう。沙耶は悲しそうに目を伏せる。
「朔くんはいつも心配してくれてるだけだよ」
「朔に居場所は知らせてたんだろう? 俺の知らないところで連絡を取り合うってことが、どういうことかわかってるのか?」
苛立つ俺に、沙耶は萎縮していく。こんな風に俺はいつも彼女を追い詰めているのだろうか。そんな風にふと思ったが、俺の苛立ちはおさまりそうになかった。
「朔くんにはたまたま会っただけだよ。湊くんだって純ちゃんと一緒だったでしょ? それと同じだよ」
「同じか……」
俺が山口純に会ったのは、本当に偶然だった。
沙耶がいなくなってから外食が増え、今日もレストランへ行った。その帰り、俺は山口純に会ったのだ。
彼女はスマホを片手に、歩きながらメールしていた。もしかしたら、山口純なら沙耶のことを知っているかもしれないと思い近づいた。その時見たのだ。沙耶あてにメールしようとしていたのを。
俺は彼女を問い詰めた。すぐに沙耶の居場所を白状した彼女を引きずるようにして、朔のアパートへ向かった。
沙耶が朔のアパートに来ていると知っただけで、血が逆流したような怒りが全身を走った。朔の部屋にいる沙耶を目の当たりにしたら、怒りはさらにわき上がった。
それなのに、俺と山口純が偶然会ったのと、沙耶と朔が一緒にいた事実が同じだなんて言う彼女が理解できない。しかし、冷静にならなくてはとも思う。
「この際、この一週間のことは水に流そう。君の無事がわかっただけで本当は十分なんだ」
「湊くん……」
「このままマンションへ帰ろう」
手を差し伸べると、沙耶の瞳は戸惑いに揺れる。
「大丈夫だ。この前のように、君を傷つけるようなことは言わない。出ていった理由が言いたくないなら、それでもかまわない。君だって話したくないこともあるだろうからね」
「……湊くん」
「さあ、帰ろう。君がいないと、全然落ち着かないんだ」
帰って君を抱きしめたい。それさえ出来たら俺は安心する。
そんな気持ちで手を伸ばすのに、沙耶はジッと俺の手を見つめたまま、ゆっくりと首を振るのだ。
「帰れないよ……湊くん。私、帰りたくない」
「どうして」
沙耶に詰め寄る。彼女は少し顔を背け、何も言う気がないのか、唇をかたく結んだ。
「嫌なら言わなくていいとは言ったが、それは俺たちが元通りになるためだろう? このまま君が俺に会いたくないというなら、話は別だよ」
大通りからそれた脇道に人通りは多くないが、近くのコンビニの明かりや、時折通る車のヘッドライトに照らされた沙耶の泣き出しそうな表情を、通りすがりの人々が奇異な目で眺めていく。
きっと俺が沙耶を苦しめているように見えているのだろう。俺に注がれる視線は冷たく、沙耶には同情の目が集まる。
「近くに公園がある。そこで話そう」
人目を気にする俺に、沙耶は憐れむ目をするだけで頷かない。
「沙耶、いつまでもこのままというわけにはいかないよ」
「……わかってるよ」
「だったら、君が本心を話せる場所へ行こう」
「話してるよ……話してる、湊くん」
「沙耶……」
沙耶は目を伏せ、苦しげに胸を押さえる。
「私もう、湊くんと一緒にいられないよ。だから帰らなかったの。もうマンションにはいかない……」
「どう……」
どうして?
なぜ?
そう尋ねても、答えは同じだ。
繰り返す問答に意味はない。沙耶はただ、俺の側にはいたくないと言ってるだけだ。
「今は一緒にいたくないだけだろう? 気持ちが落ち着いたら帰って来ればいい。もう怒ったりしないから、俺に黙っていなくなる必要はないんだ」
「湊くん……」
俺を見上げる彼女の目は途方に暮れている。
「俺が怖いか?」
「怖くないよ……」
その言葉から本心はやはり見つけ出せない。
「だったら、別れないと言ってくれないか?」
伸ばした指先が彼女の頬に触れた途端、緊張が走る。それでも俺は彼女に触れた。
「君がそんな顔をするから不安になる」
「湊くん……、ごめんね」
「何を謝る? 俺は何も怒ってない」
「もうダメだよ……」
今までに別れたいと言い出した女の表情は皆、こんな風に憂いていただろうか。あまり気にしたことがないからわからないだけだろうか。
「ダメだなんてことはない」
俺はまだ沙耶が好きだ。絶望するには早すぎる。それでも俺の指を濡らし始めた彼女の涙には、絶望しか見出せない。
「もうダメだよ。湊くんと別れたい……」
「沙耶」
「もう、疲れちゃったよ……」
沙耶の頬に触れている俺の手は、離れる前に彼女の手によって引きはがされた。
「沙耶……」
「純ちゃんと朔くんが待ってるから、行くね」
「まだ話は終わってないよ」
俺はまだ返事をしてない。別れたいと言われても、すぐに納得できるわけがない。
「沙耶っ」
後ろを向いて歩き始めた沙耶の背中に叫ぶ。
「理由もわからず別れるなんて出来るわけないだろうっ?」
一瞬止まった彼女の足は、ためらいを見せた後、そのまま歩を進めた。
「沙耶……」
沙耶は振り返らなかった。
何がいけなかったのか、取り残された俺には全く想像がつかなかった。
「別れるなんて……無理だろ」
ぽつりと落とした言葉は夜風にさらわれたが、その声が彼女に届くことはないのだろう。
俺の後ろを歩く沙耶は、ひどい疲労感に満たされた表情でうつむいていた。
一週間ぶりに会う喜びもなく、それどころか、俺の顔を見た瞬間に見せた彼女の表情には、怯えや憂いがあった。
「なんて顔してる」
朔のアパートから少し離れた路上で足を止めた俺は、そう声をかけたが、彼女の表情は一向に浮かばない。
「この一週間、ずっと朔と一緒にいたのか?」
さらにそう言うと、沙耶はパッと顔をあげて首を横に振る。
「違うよ。朔くんのアパートにはさっき来たの。純ちゃんが来るって言ったから……」
「山口純が来ると聞けば、君は男のアパートに一人で行くのか」
「……朔くんだからだよ」
「朔を信頼してるようだが、やつになら何でも話せるのか?」
責めるように言ってしまう。沙耶は悲しそうに目を伏せる。
「朔くんはいつも心配してくれてるだけだよ」
「朔に居場所は知らせてたんだろう? 俺の知らないところで連絡を取り合うってことが、どういうことかわかってるのか?」
苛立つ俺に、沙耶は萎縮していく。こんな風に俺はいつも彼女を追い詰めているのだろうか。そんな風にふと思ったが、俺の苛立ちはおさまりそうになかった。
「朔くんにはたまたま会っただけだよ。湊くんだって純ちゃんと一緒だったでしょ? それと同じだよ」
「同じか……」
俺が山口純に会ったのは、本当に偶然だった。
沙耶がいなくなってから外食が増え、今日もレストランへ行った。その帰り、俺は山口純に会ったのだ。
彼女はスマホを片手に、歩きながらメールしていた。もしかしたら、山口純なら沙耶のことを知っているかもしれないと思い近づいた。その時見たのだ。沙耶あてにメールしようとしていたのを。
俺は彼女を問い詰めた。すぐに沙耶の居場所を白状した彼女を引きずるようにして、朔のアパートへ向かった。
沙耶が朔のアパートに来ていると知っただけで、血が逆流したような怒りが全身を走った。朔の部屋にいる沙耶を目の当たりにしたら、怒りはさらにわき上がった。
それなのに、俺と山口純が偶然会ったのと、沙耶と朔が一緒にいた事実が同じだなんて言う彼女が理解できない。しかし、冷静にならなくてはとも思う。
「この際、この一週間のことは水に流そう。君の無事がわかっただけで本当は十分なんだ」
「湊くん……」
「このままマンションへ帰ろう」
手を差し伸べると、沙耶の瞳は戸惑いに揺れる。
「大丈夫だ。この前のように、君を傷つけるようなことは言わない。出ていった理由が言いたくないなら、それでもかまわない。君だって話したくないこともあるだろうからね」
「……湊くん」
「さあ、帰ろう。君がいないと、全然落ち着かないんだ」
帰って君を抱きしめたい。それさえ出来たら俺は安心する。
そんな気持ちで手を伸ばすのに、沙耶はジッと俺の手を見つめたまま、ゆっくりと首を振るのだ。
「帰れないよ……湊くん。私、帰りたくない」
「どうして」
沙耶に詰め寄る。彼女は少し顔を背け、何も言う気がないのか、唇をかたく結んだ。
「嫌なら言わなくていいとは言ったが、それは俺たちが元通りになるためだろう? このまま君が俺に会いたくないというなら、話は別だよ」
大通りからそれた脇道に人通りは多くないが、近くのコンビニの明かりや、時折通る車のヘッドライトに照らされた沙耶の泣き出しそうな表情を、通りすがりの人々が奇異な目で眺めていく。
きっと俺が沙耶を苦しめているように見えているのだろう。俺に注がれる視線は冷たく、沙耶には同情の目が集まる。
「近くに公園がある。そこで話そう」
人目を気にする俺に、沙耶は憐れむ目をするだけで頷かない。
「沙耶、いつまでもこのままというわけにはいかないよ」
「……わかってるよ」
「だったら、君が本心を話せる場所へ行こう」
「話してるよ……話してる、湊くん」
「沙耶……」
沙耶は目を伏せ、苦しげに胸を押さえる。
「私もう、湊くんと一緒にいられないよ。だから帰らなかったの。もうマンションにはいかない……」
「どう……」
どうして?
なぜ?
そう尋ねても、答えは同じだ。
繰り返す問答に意味はない。沙耶はただ、俺の側にはいたくないと言ってるだけだ。
「今は一緒にいたくないだけだろう? 気持ちが落ち着いたら帰って来ればいい。もう怒ったりしないから、俺に黙っていなくなる必要はないんだ」
「湊くん……」
俺を見上げる彼女の目は途方に暮れている。
「俺が怖いか?」
「怖くないよ……」
その言葉から本心はやはり見つけ出せない。
「だったら、別れないと言ってくれないか?」
伸ばした指先が彼女の頬に触れた途端、緊張が走る。それでも俺は彼女に触れた。
「君がそんな顔をするから不安になる」
「湊くん……、ごめんね」
「何を謝る? 俺は何も怒ってない」
「もうダメだよ……」
今までに別れたいと言い出した女の表情は皆、こんな風に憂いていただろうか。あまり気にしたことがないからわからないだけだろうか。
「ダメだなんてことはない」
俺はまだ沙耶が好きだ。絶望するには早すぎる。それでも俺の指を濡らし始めた彼女の涙には、絶望しか見出せない。
「もうダメだよ。湊くんと別れたい……」
「沙耶」
「もう、疲れちゃったよ……」
沙耶の頬に触れている俺の手は、離れる前に彼女の手によって引きはがされた。
「沙耶……」
「純ちゃんと朔くんが待ってるから、行くね」
「まだ話は終わってないよ」
俺はまだ返事をしてない。別れたいと言われても、すぐに納得できるわけがない。
「沙耶っ」
後ろを向いて歩き始めた沙耶の背中に叫ぶ。
「理由もわからず別れるなんて出来るわけないだろうっ?」
一瞬止まった彼女の足は、ためらいを見せた後、そのまま歩を進めた。
「沙耶……」
沙耶は振り返らなかった。
何がいけなかったのか、取り残された俺には全く想像がつかなかった。
「別れるなんて……無理だろ」
ぽつりと落とした言葉は夜風にさらわれたが、その声が彼女に届くことはないのだろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる