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冗談で?
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それは夏也の悲痛な叫びだった。
結婚しない。
そう言われただけなのに、長く続く恋が冷めてしまったようで、私も悲しい。
でもどうにもならない。頭ではわかってるのに、気持ちがついてこない。
どうして夏也への想いが燃え上がらないのか、私の方が知りたい。
別れるときってこんな気分だったかな?
誰かと別れるなんて遠い昔のことで、よく思い出せない。
「いろんな感情って、忘れちゃうものだね」
夏也とけんかしたこともある。そのときに覚えた怒りも、今は思い出せない。それと同じで、夏也に夢中だったことも思い出せなくなっている。
「茉莉は仕事、楽しいか?」
「急に何? 楽しいよ。楽しいから、やめないよ」
「……そうか」
力の抜けていた手をあげて、夏也のほおを優しくなでる。
泣き出しそうな夏也は初めて見る。そんな顔をさせてしまったのは私だ。
「結婚しても……、仕事は続けられるしな」
「そうだね」
「茉莉……、ごめん」
「何、あやまるの?」
ちょっとおかしくて笑う。
結婚しよう、って言えない気持ちが伝わってきて、余計に悲しくなる。
「いや、ごめんって……、それしか言えなくてごめん」
「いいよ。夏也があやまることない」
そう言って彼の首にしがみついたら、そのまま抱き上げられて、ぎゅっと目を閉じた。
一歩二歩、……十歩あるけば、ベッドにたどり着く。
何度私はこの十歩をあるいただろう。
それなのに、愛し合った喜びを全然思い出すことができない。
ベッドの上で私を組み敷いて、夏也が何度も何度も激しく攻め立てる。
この行為に愛はある。
夏也が苦しみながら私に伝えてくるものは愛だろう。それでも私が感じているのは嫌悪感。
支配されているみたいで気持ち悪い。
私をどうにかしようと必死な夏也が、身体も心も支配しようとするみたいで。
___いやだ。
はっきりと自覚した思いは口に出せなかった。
身体を重ねないなら、まだ私は夏也と一緒にいられる。
夏也のことは嫌いじゃない。
別れるほどのことなんてない。
だけどちょっと、抱かれるのはいやだ。
それはきっと、いっときの感情なはずで。
「茉莉……、好きだよ、茉莉」
私の上にかぶさり、汗のにじむうなじに顔をうずめる夏也が、まるで私の気持ちを呼び覚まそうとしているかのように訴えてくる。
「好きだからな」
熱に浮かされたように、何度も夏也は言う。
「わかってる。夏也の気持ちはちゃんとわかってる」
白い天井を見つめながら、私も言う。
それでも夏也は安心できないのか、わかってねぇよ、なんてつぶやきながら、身体中にキスを落としていった___
結婚しない。
そう言われただけなのに、長く続く恋が冷めてしまったようで、私も悲しい。
でもどうにもならない。頭ではわかってるのに、気持ちがついてこない。
どうして夏也への想いが燃え上がらないのか、私の方が知りたい。
別れるときってこんな気分だったかな?
誰かと別れるなんて遠い昔のことで、よく思い出せない。
「いろんな感情って、忘れちゃうものだね」
夏也とけんかしたこともある。そのときに覚えた怒りも、今は思い出せない。それと同じで、夏也に夢中だったことも思い出せなくなっている。
「茉莉は仕事、楽しいか?」
「急に何? 楽しいよ。楽しいから、やめないよ」
「……そうか」
力の抜けていた手をあげて、夏也のほおを優しくなでる。
泣き出しそうな夏也は初めて見る。そんな顔をさせてしまったのは私だ。
「結婚しても……、仕事は続けられるしな」
「そうだね」
「茉莉……、ごめん」
「何、あやまるの?」
ちょっとおかしくて笑う。
結婚しよう、って言えない気持ちが伝わってきて、余計に悲しくなる。
「いや、ごめんって……、それしか言えなくてごめん」
「いいよ。夏也があやまることない」
そう言って彼の首にしがみついたら、そのまま抱き上げられて、ぎゅっと目を閉じた。
一歩二歩、……十歩あるけば、ベッドにたどり着く。
何度私はこの十歩をあるいただろう。
それなのに、愛し合った喜びを全然思い出すことができない。
ベッドの上で私を組み敷いて、夏也が何度も何度も激しく攻め立てる。
この行為に愛はある。
夏也が苦しみながら私に伝えてくるものは愛だろう。それでも私が感じているのは嫌悪感。
支配されているみたいで気持ち悪い。
私をどうにかしようと必死な夏也が、身体も心も支配しようとするみたいで。
___いやだ。
はっきりと自覚した思いは口に出せなかった。
身体を重ねないなら、まだ私は夏也と一緒にいられる。
夏也のことは嫌いじゃない。
別れるほどのことなんてない。
だけどちょっと、抱かれるのはいやだ。
それはきっと、いっときの感情なはずで。
「茉莉……、好きだよ、茉莉」
私の上にかぶさり、汗のにじむうなじに顔をうずめる夏也が、まるで私の気持ちを呼び覚まそうとしているかのように訴えてくる。
「好きだからな」
熱に浮かされたように、何度も夏也は言う。
「わかってる。夏也の気持ちはちゃんとわかってる」
白い天井を見つめながら、私も言う。
それでも夏也は安心できないのか、わかってねぇよ、なんてつぶやきながら、身体中にキスを落としていった___
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