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セオの髪結になるということ
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セオは王子ではなかった。
それを指し示す刻印はなく、同時にそれは彼が真凛の弟ではないことを証明するものだった。
まぶたを閉じてもセオの真っ白な背中が眼裏に浮かぶ。
なぜ刻印がないのだろう。それを知るルベはなぜセオに仕えるのか。そして、その事実を知るものは果たしてどれほどいるのか。
真凛の不安は消えない。しかし、安堵もしている。ガーネの子が生まれようがそうでなかろうが、セオは王にはなれない。ガーネ殺害に彼は関与していない。
だからベリルは『今日は大丈夫』と言ったのだろう。
真凛とセオがふたりきりになることがあっても大丈夫。真凛の命が狙われることはない。それはガーネを殺害した犯人がセオではないと、ベリルが確信しているということではないか。
取りとめのないことを考えていると、ベリルが寝返りを打ち、まぶたを上げた。うつろな青い瞳はすぐにまぶたに隠れたが、わずかに震えた後にまた開く。
「マリン、最近眠りが浅いようですね」
ベリルの腕がすっぽりと真凛を包み込む。この優しさはガーネが受けるべきもので、妹に向けるものではないように思う。
「ちょっと……」
「何かありましたか?」
即位式の日、ベリルは王宮にいなかった。だからセオと真凛の間にあったことは知らないのだろう。
「セオ王子が私を髪結にと望んでくれて」
そう告白すると、ベリルの眉間にしわが寄る。やはり快くは思わないようだ。それでも真凛は悩みを吐き出すようにぽつりぽつりと言葉をこぼす。
「セオ王子の髪を切ったの。それをルベが許してくれたのは、ルベにも反対する気持ちがないからだと思って」
「真凛はセオの髪結になりたいのですね?」
そう問われると、悩んでしまう。
セオの髪結になれば、間違いなく彼は真凛を抱くだろう。
弟ではないのだから、それを受け入れることに抵抗する必要はない。しかし、心は別だ。抱かれたいほどにセオを愛しているのかは、まだわかりかねている。
「セオ王子が私を必要とするなら、ここにいるよりはいいって思うわ。ベリル王子が嫌いなわけじゃないの」
ベリルは真凛のほおをゆるりと撫でて、泣き出しそうなまぶたにキスをする。妹の苦しみをまるで一緒に背負うような優しいキス。
「……わかりました。次に目覚めたらセオを呼びましょう」
だから安心して眠るように、とベリルは囁いて、ふたたびまぶたを落とした。
真凛はすぐに寝付けない。しかし窓の外はうっすらと明るく、真凛の運命を決める朝は直にやってきた。
ベリルに呼ばれてセオが部屋へやってきたのは朝食を終えてすぐの頃だった。
セオはひとりだった。身にまとう銀糸に彩られた白い衣服は彼をより高貴に際立たせ、すっかり迷いを振り切ったスッキリとした表情に、爽やかな短髪がよく似合う。
サンの用意した紅茶を前に、ベリルとセオは向かい合って座る。
セオが王の子でないなら、ベリルの弟でもないのだろうかと思うが、ふたりが並ぶ様を見ると、どことなく顔の輪郭が似ているような気がする。セオは誰の子だろう。真凛の胸には当たり前の疑問が浮かんでは沈む。
「マリンを私から奪うつもりでここへ来たのですね?」
ベリルは穏やかな口調で静かにそう、沈黙を破った。
「兄上の許しが出たから呼ばれたのだと思っています」
まっすぐにベリルを見つめるセオの眼差しは凛としていた。王子である誇りを背負い、強く生きる道を選んだ彼に真凛の心は揺れる。
「マリンを妻にはできません。それでも髪結にと望みますか」
「それは真凛が決めること。真凛がその決意をしてくれるなら、妻にしたいと思ってる」
「マリンは私の妻になります。約束しました。マリンの身が危険にさらされるようなことがあるなら、私の妻にすると」
セオの眉がぴくりとあがる。
「兄上はまるで俺が真凛を守れないみたいな言い方をする」
「守れないと思うから言っています。愛するものを守れず、失うつらさをセオは知らない。詭弁にしかならない建前で守れるものは何もありません」
「兄上には俺が子どもに見えるのかもしれないが、初めて守りたいと思う女性に出会えた俺の気持ちぐらいはわかるでしょう」
苦しみを表情に浮かべるセオに対し、ベリルは無表情で淡々としている。
その胸の内は計り知れないが、ひとたび緊張の糸を切らしたら、堰を切ったようにガーネを失った悲しみがベリルを襲い、二度と立ち上がれないほどの闇の渦に飲み込んでしまうだろう。
「守るために身を引くことも大切です。マリンは必ず私が幸せにします。セオはこの王宮をいつの日か出るために、自らの力で生きるすべを今は身につける時です」
「王宮を出る……?」
「それを望んでいるでしょう?」
セオの瞳に動揺が浮かぶ。セオは王宮を出たいだろう。父にも母にも会えず、兄とともに生涯をこの王宮で終えるには、セオはまだ若すぎる。
「外の世界を知れば、マリンへの思いはいずれ薄れます」
「そ、そんなことはないっ」
声を荒らげるセオはテーブルに手をつき、腰を浮かす。
「確証はどこにもありません。マリンより美しい娘は他にもいます。それを知らないだけです、セオは」
「そんなことは……ない。俺は王宮から出られないが、民の顔は見たことがある。真凛よりも美しい娘に出会ったことは一度もない」
テーブルに肘をつき、椅子に腰を落としながら、セオは苦しげにこぶしを握る。
「あなたの生きる世界は狭い。広い世界を見てからでも遅くはないでしょう。今はマリンを諦めなさい」
「できないと、言ったら?」
「後悔するとしか言えません。いばらの道を歩むとわかり切っているのに進めとは言えませんよ、セオ。私が大切なのはマリンだけではありません。セオもまた、私の大切な弟なのです」
ふたりのために、とベリルは微動だにせず、真凛がセオの髪結になることを拒む。
「いばらの道とわかっていても、いま真凛を諦めたら後悔する。……そう、真凛の気持ちは? 真凛は兄上の妻になることを容認しているのですか」
髪結が王子に求められたら拒むことはできないとわかっているのに、セオは往生際悪くベリルに詰め寄る。それほど真剣に考えてくれているのだと真凛の胸は熱くなるが、それを口にしてはいけないような気がした。
「していますよ、もちろん」
落ち着き払ったベリルの前で、セオは崩せない牙城を見上げるように絶望する。
「セオ、話はおしまいです。戻りなさい。あなたはただ、この王宮から出て生きることだけを考えなさい」
ベリルは立ち上がり、動けないでいるセオの腕をつかみ立ち上がらせる。
セオが真凛を見た。
「真凛……」
と震えながら動く唇が、きつく結ばれる。
いま引き裂かれたら二度と会えないだろう。セオを欲しいと言えばいい。だけどその言葉を口にできるほど、真凛の情熱は高まっていない。
真凛は目を伏せた。セオのため息が聞こえた。ベリルに連れられてセオが部屋を出ていく。扉の閉じる音がした瞬間、真凛の目から涙がぼろぼろとこぼれ落ちた。
「マリン、あなたはどうしたいの?」
むせび泣く真凛の背に、優しく触れるのはサンだった。
「セオ王子の側にいたい……」
それは正直な思いだった。
王子ではないセオを救いたいとか、セオの妻になりたいとか、そういう思いは一切ない。ただセオだけが……。
真凛は涙をぬぐいながら、濡れた手でサンの腕をつかむ。
「マリン……」
「セオ王子だけ……。セドニーへ来て、私を〝マリン〟ではなく〝真凛〟と呼んでくれたのは、セオ王子だけなの」
それはセオの優しさだった。
阿留間や母の藍がそう呼んでくれたように、セオだけが〝真凛〟と発音した。
住み慣れた地から異国の地へ来た真凛だからこそ、母国を大事にする呼び方で呼んでくれた。それがセオにとって発音しにくいものだったとしても、真凛のために。
「私は今でも、神崎藍の娘で神崎真凛だと思ってる」
セドニーで生まれたマリンを否定するわけじゃない。ただ、タンザの娘ではなく、神崎真凛としてセドニーで生きていきたいと真凛が望んでいたから、セオに〝真凛〟と呼ばれることが純粋に嬉しかった。
「マリン……、そのお気持ち、ベリル様はご存知かしら?」
サンは泣き濡れる真凛を抱きしめ、いつまでも優しく背中を撫でていた。
セオは王子ではなかった。
それを指し示す刻印はなく、同時にそれは彼が真凛の弟ではないことを証明するものだった。
まぶたを閉じてもセオの真っ白な背中が眼裏に浮かぶ。
なぜ刻印がないのだろう。それを知るルベはなぜセオに仕えるのか。そして、その事実を知るものは果たしてどれほどいるのか。
真凛の不安は消えない。しかし、安堵もしている。ガーネの子が生まれようがそうでなかろうが、セオは王にはなれない。ガーネ殺害に彼は関与していない。
だからベリルは『今日は大丈夫』と言ったのだろう。
真凛とセオがふたりきりになることがあっても大丈夫。真凛の命が狙われることはない。それはガーネを殺害した犯人がセオではないと、ベリルが確信しているということではないか。
取りとめのないことを考えていると、ベリルが寝返りを打ち、まぶたを上げた。うつろな青い瞳はすぐにまぶたに隠れたが、わずかに震えた後にまた開く。
「マリン、最近眠りが浅いようですね」
ベリルの腕がすっぽりと真凛を包み込む。この優しさはガーネが受けるべきもので、妹に向けるものではないように思う。
「ちょっと……」
「何かありましたか?」
即位式の日、ベリルは王宮にいなかった。だからセオと真凛の間にあったことは知らないのだろう。
「セオ王子が私を髪結にと望んでくれて」
そう告白すると、ベリルの眉間にしわが寄る。やはり快くは思わないようだ。それでも真凛は悩みを吐き出すようにぽつりぽつりと言葉をこぼす。
「セオ王子の髪を切ったの。それをルベが許してくれたのは、ルベにも反対する気持ちがないからだと思って」
「真凛はセオの髪結になりたいのですね?」
そう問われると、悩んでしまう。
セオの髪結になれば、間違いなく彼は真凛を抱くだろう。
弟ではないのだから、それを受け入れることに抵抗する必要はない。しかし、心は別だ。抱かれたいほどにセオを愛しているのかは、まだわかりかねている。
「セオ王子が私を必要とするなら、ここにいるよりはいいって思うわ。ベリル王子が嫌いなわけじゃないの」
ベリルは真凛のほおをゆるりと撫でて、泣き出しそうなまぶたにキスをする。妹の苦しみをまるで一緒に背負うような優しいキス。
「……わかりました。次に目覚めたらセオを呼びましょう」
だから安心して眠るように、とベリルは囁いて、ふたたびまぶたを落とした。
真凛はすぐに寝付けない。しかし窓の外はうっすらと明るく、真凛の運命を決める朝は直にやってきた。
ベリルに呼ばれてセオが部屋へやってきたのは朝食を終えてすぐの頃だった。
セオはひとりだった。身にまとう銀糸に彩られた白い衣服は彼をより高貴に際立たせ、すっかり迷いを振り切ったスッキリとした表情に、爽やかな短髪がよく似合う。
サンの用意した紅茶を前に、ベリルとセオは向かい合って座る。
セオが王の子でないなら、ベリルの弟でもないのだろうかと思うが、ふたりが並ぶ様を見ると、どことなく顔の輪郭が似ているような気がする。セオは誰の子だろう。真凛の胸には当たり前の疑問が浮かんでは沈む。
「マリンを私から奪うつもりでここへ来たのですね?」
ベリルは穏やかな口調で静かにそう、沈黙を破った。
「兄上の許しが出たから呼ばれたのだと思っています」
まっすぐにベリルを見つめるセオの眼差しは凛としていた。王子である誇りを背負い、強く生きる道を選んだ彼に真凛の心は揺れる。
「マリンを妻にはできません。それでも髪結にと望みますか」
「それは真凛が決めること。真凛がその決意をしてくれるなら、妻にしたいと思ってる」
「マリンは私の妻になります。約束しました。マリンの身が危険にさらされるようなことがあるなら、私の妻にすると」
セオの眉がぴくりとあがる。
「兄上はまるで俺が真凛を守れないみたいな言い方をする」
「守れないと思うから言っています。愛するものを守れず、失うつらさをセオは知らない。詭弁にしかならない建前で守れるものは何もありません」
「兄上には俺が子どもに見えるのかもしれないが、初めて守りたいと思う女性に出会えた俺の気持ちぐらいはわかるでしょう」
苦しみを表情に浮かべるセオに対し、ベリルは無表情で淡々としている。
その胸の内は計り知れないが、ひとたび緊張の糸を切らしたら、堰を切ったようにガーネを失った悲しみがベリルを襲い、二度と立ち上がれないほどの闇の渦に飲み込んでしまうだろう。
「守るために身を引くことも大切です。マリンは必ず私が幸せにします。セオはこの王宮をいつの日か出るために、自らの力で生きるすべを今は身につける時です」
「王宮を出る……?」
「それを望んでいるでしょう?」
セオの瞳に動揺が浮かぶ。セオは王宮を出たいだろう。父にも母にも会えず、兄とともに生涯をこの王宮で終えるには、セオはまだ若すぎる。
「外の世界を知れば、マリンへの思いはいずれ薄れます」
「そ、そんなことはないっ」
声を荒らげるセオはテーブルに手をつき、腰を浮かす。
「確証はどこにもありません。マリンより美しい娘は他にもいます。それを知らないだけです、セオは」
「そんなことは……ない。俺は王宮から出られないが、民の顔は見たことがある。真凛よりも美しい娘に出会ったことは一度もない」
テーブルに肘をつき、椅子に腰を落としながら、セオは苦しげにこぶしを握る。
「あなたの生きる世界は狭い。広い世界を見てからでも遅くはないでしょう。今はマリンを諦めなさい」
「できないと、言ったら?」
「後悔するとしか言えません。いばらの道を歩むとわかり切っているのに進めとは言えませんよ、セオ。私が大切なのはマリンだけではありません。セオもまた、私の大切な弟なのです」
ふたりのために、とベリルは微動だにせず、真凛がセオの髪結になることを拒む。
「いばらの道とわかっていても、いま真凛を諦めたら後悔する。……そう、真凛の気持ちは? 真凛は兄上の妻になることを容認しているのですか」
髪結が王子に求められたら拒むことはできないとわかっているのに、セオは往生際悪くベリルに詰め寄る。それほど真剣に考えてくれているのだと真凛の胸は熱くなるが、それを口にしてはいけないような気がした。
「していますよ、もちろん」
落ち着き払ったベリルの前で、セオは崩せない牙城を見上げるように絶望する。
「セオ、話はおしまいです。戻りなさい。あなたはただ、この王宮から出て生きることだけを考えなさい」
ベリルは立ち上がり、動けないでいるセオの腕をつかみ立ち上がらせる。
セオが真凛を見た。
「真凛……」
と震えながら動く唇が、きつく結ばれる。
いま引き裂かれたら二度と会えないだろう。セオを欲しいと言えばいい。だけどその言葉を口にできるほど、真凛の情熱は高まっていない。
真凛は目を伏せた。セオのため息が聞こえた。ベリルに連れられてセオが部屋を出ていく。扉の閉じる音がした瞬間、真凛の目から涙がぼろぼろとこぼれ落ちた。
「マリン、あなたはどうしたいの?」
むせび泣く真凛の背に、優しく触れるのはサンだった。
「セオ王子の側にいたい……」
それは正直な思いだった。
王子ではないセオを救いたいとか、セオの妻になりたいとか、そういう思いは一切ない。ただセオだけが……。
真凛は涙をぬぐいながら、濡れた手でサンの腕をつかむ。
「マリン……」
「セオ王子だけ……。セドニーへ来て、私を〝マリン〟ではなく〝真凛〟と呼んでくれたのは、セオ王子だけなの」
それはセオの優しさだった。
阿留間や母の藍がそう呼んでくれたように、セオだけが〝真凛〟と発音した。
住み慣れた地から異国の地へ来た真凛だからこそ、母国を大事にする呼び方で呼んでくれた。それがセオにとって発音しにくいものだったとしても、真凛のために。
「私は今でも、神崎藍の娘で神崎真凛だと思ってる」
セドニーで生まれたマリンを否定するわけじゃない。ただ、タンザの娘ではなく、神崎真凛としてセドニーで生きていきたいと真凛が望んでいたから、セオに〝真凛〟と呼ばれることが純粋に嬉しかった。
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