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セオの髪結になるということ
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「セオ様の笛の音は不思議な音色ね。日本では聞かないような旋律」
テラスの寝椅子で身を寄せ合いながら、真凛はセオの笛の音にうっとりとしていた。
まぶたを閉じれば、昨夜の激しいセオの感触を思い出して恥ずかしくもなるが、彼の奏でる音色はひどく優しくて癒される。
「その昔、ケルドの民は広大な草原で演奏会を開いては、他の民族の心に安らぎを与えたという」
「ケルド?」
「そう。セドニー王国が誕生する前に栄えていた民族だよ。俺はこの髪だから、なんとなくケルド民謡に親しみを感じるのかもしれない。ほら、笛にもケルド民族が愛した波模様が描かれている」
セオは波模様がよく見えるように真凛の前へ差し出す。
銀製の艶めく横笛の装飾は気品があり、ケルド民族は穏やかで豊かな民族だったのだろうと思わせる。彼の髪もまた美しい。
「白銀の髪はケルドを象徴するものなのね」
「そうだよ。真凛は異国から来たようだけど、セドニーにも黒髪の民は存在する。それがバーン民族だよ」
「セドニーって5つの国から成ってるって聞いたけど、その一つなのね?」
「兄上の王宮に仕える者は黒髪の人が少ないから珍しいかもしれないけれど、セドニーの街には黒髪の人は多い。そうだ。王母にあたるチタ殿下はバーンの民だよ」
思いがけずセオの口から母の名を聞いて戸惑う。母を思って眠れない夜などないけれど、確かに存在するということを否が応でも意識してしまう。
「チタ様には会ったことある?」
「ないよ。陛下の即位式に出席した時に見かけたけど、顔まではわからない。ただ絶世の美女だって聞いたことはある」
即位式に出席したとセオは言うが、彼の持つ能力によって分身を参加させたにすぎないのだろう。だが彼はその能力によって、ベリルの王宮から出なくともさまざまなことを知っている。
「そんなに美人なの?」
「うわさだよ。でも貴族じゃない人が王家に嫁いだ初めての人だから、よほどタンザ前国王が気に入ってたんだと思う」
「じゃあ、チタ様のお姉さんって人は知ってる?」
「姉がいるっていうのは聞いたことあるよ。そっくりな顔してるって」
真凛の胸はどくりと音を立てる。育ての親である藍を知る人もまた、セドニーにいる。
「そっくりって?」
「双子らしい。きっと姉も絶世の美女なんだろう」
真凛は藍を思う。藍は清楚で美しい人だった。彼女はおとなしい人だったけれど、街の人に愛されていた。
チタが母だと聞かされてもすんなり納得できなかったけれど、セオの話を聞いて、母親似だと言われていたのもうなずける気がした。
「アウイ陛下はお父さん似よね」
「そうだろうね。兄上に似てるから。俺は兄上に似てないから、きっと母に似てる」
両親の顔を知らないセオは、何の罪もない笑顔であっけらかんと答える。真実を知ったら彼はどうなるのだろう。真凛はセオの腕をそっと握りしめてほおを寄せる。
「セオ様、いつかここから出ましょう?」
「真凛はどうしても王子の妻にはなりたくないみたいだ」
髪を撫で下ろしてくるセオの手が後ろ頭を支える。上向いた唇にそっと触れるだけのキスが落ちてくる。
「セオ様はここから出たいと思わないの?」
「外の景色には興味がある。それでもこの身体にある能力に気づいた時、自由を制限されていることに不便は感じなくなった」
「でも見たり聞いたりすることが出来るだけで、何も触れないのでしょう?」
それは寂しいことだ。自由に生きてきた真凛には自由のない世界にしか生きたことのないセオの気持ちがわからない。
「あまり欲深になってはいけない……」
「え……?」
「そうやって兄上には言われてきた。望むものが大きいほど失望も大きい。何も望まない生活に慣れているんだ」
「どうして……」
セオのグレイの瞳が曇る。
セオだって心のどこかでわかっているのかもしれない。大人になれば、アウイやベリルのように王宮から出られると思っていたのだろう。それが叶わないことがなぜなのか。そこから無意識に目を背けている。
「真凛がいてくれるから、これ以上望むものはない」
そう断言するセオは真凛をきつく抱き寄せる。こうして過ごせることは幸せだ。だがこれ以上の幸せがないのも事実だった。
「セオ様……」
真凛もセオの背中に腕を回す。同時に彼の唇が耳に触れる。
「今夜も抱きたい。あなたを感じたいんだ……」
「そんな……、だめよ」
下腹部に残る痛みはセオがくれたもので、彼に愛されることに喜びは感じるけれど抵抗してしまう。
「断って許されるのは真凛ぐらいだ」
「セオ様はその……」
その先を言葉にすることをためらう。初めてだからセオが上手だったのかはわからないけれど、彼は初めてではないような気がした。では王宮から出たことのない彼が誰を抱いたのだろうと思うと心がふさぐ。
「真凛、そんな顔をしなくても嫌ったりしない」
「セオ様の髪結はルベだけよね?」
「急に何を?」
「セオ様にも、他の髪結がいたことあるのかな? って」
心を見透かされないように、素朴な疑問のように投げかけると、セオは素直に答える。
「髪結はルベだけだが、盲目の娘は何人か仕えていたことはある。どれもすぐにいなくなったからあまり覚えてないけどね」
「盲目の娘……?」
「まだ兄上の王宮も華やいでた頃だよ。昔はたくさんの人が出入りしてた。そのうちの何人かを俺の話し相手にと連れてきていたのかもしれない」
「綺麗な子ばかりだったでしょう?」
セオが純粋なのは周囲の助けがこれまであったからだ。彼の相手が盲目でなければならなかった理由を思うと複雑な気分にもなる。
「……俺も男だよ」
セオはちょっと笑って、真凛をひざの上に抱き上げる。
「セ、セオっ……」
「真凛を気持ちよくさせてあげられるのだから悔いはない」
「きっ、気持ちよくって……」
「甘い声が耳にまだ残ってる。すごく気持ち良さそうだったよ。俺もそうだった」
明るい場所で生真面目に言われると赤面する。セオの手のひらが衣服の上から優しく胸を覆う。
「また一緒に気持ちよくなりたい。あなたの顔を見ながら抱きたい……」
唇が合わさると同時に、ゆるゆると胸を撫でられる。深くなるキスに合わせて、胸も激しく揉みしだかれていく。
「セオさま……」
「服を着たままなら、このまま抱ける?」
「そういう問題じゃ……」
「なぜだろう」
ふと、セオの指が止まる。
「セオ様?」
「真凛に触れていても焦燥感は消えない。焦る必要などないのに、……たまらなくあなたが欲しくなる」
不安げなセオと見つめ合ったら、真凛は矢も盾もたまらず彼を抱きしめていた。
「ここにいるからそんな風に思うのよ。私はずっとセオ様の側にいる」
「真凛……」
セオもまた、真凛を抱きしめ返す。離れたくないと抱きしめ合う時間は幸せだった。しかしその幸せも、静かな足音によってすぐに奪われる。
「セオ、昼間から髪結を独占してはいけません。ましてやマリンはまだ私の髪結です」
「兄上……」
セオが立ち上がると同時に腕を引かれ、赤い髪が視界を覆う。ベリルのたくましい腕が真凛の腰に絡みつき、胸へと強く引き寄せられる。
「ベリル王子……、なぜ……」
もう来ないと思っていたわけではなかったが、今来るとも思っていなかった。連れ戻されるなら、昨夜愛し合う前に引き裂かれるだろうとたかをくくっていたのかもしれない。
「サンを解雇しました。私の髪結はマリンしかいません。もう二度とここへ来てはいけませんよ」
ベリルは淡々とそう答える。
「解雇っ? サンは今どこに?」
「辞めた者のゆくえなど知りません」
ぴしゃりと言い切ると、ベリルは真凛の腕を引いてセオに背を向ける。
「兄上、待ってくださいっ! 真凛は自ら望んでここへ来たんですっ」
ベリルはセオの呼び止める声に反応して、ゆっくりと振り返る。その青い瞳は冷ややかにセオを見つめ返す。
「髪結に選択肢など与えられていません。セオ、マリンのことは忘れなさい。いえ、忘れるぐらいのことをしないといけませんね」
「セオ様の笛の音は不思議な音色ね。日本では聞かないような旋律」
テラスの寝椅子で身を寄せ合いながら、真凛はセオの笛の音にうっとりとしていた。
まぶたを閉じれば、昨夜の激しいセオの感触を思い出して恥ずかしくもなるが、彼の奏でる音色はひどく優しくて癒される。
「その昔、ケルドの民は広大な草原で演奏会を開いては、他の民族の心に安らぎを与えたという」
「ケルド?」
「そう。セドニー王国が誕生する前に栄えていた民族だよ。俺はこの髪だから、なんとなくケルド民謡に親しみを感じるのかもしれない。ほら、笛にもケルド民族が愛した波模様が描かれている」
セオは波模様がよく見えるように真凛の前へ差し出す。
銀製の艶めく横笛の装飾は気品があり、ケルド民族は穏やかで豊かな民族だったのだろうと思わせる。彼の髪もまた美しい。
「白銀の髪はケルドを象徴するものなのね」
「そうだよ。真凛は異国から来たようだけど、セドニーにも黒髪の民は存在する。それがバーン民族だよ」
「セドニーって5つの国から成ってるって聞いたけど、その一つなのね?」
「兄上の王宮に仕える者は黒髪の人が少ないから珍しいかもしれないけれど、セドニーの街には黒髪の人は多い。そうだ。王母にあたるチタ殿下はバーンの民だよ」
思いがけずセオの口から母の名を聞いて戸惑う。母を思って眠れない夜などないけれど、確かに存在するということを否が応でも意識してしまう。
「チタ様には会ったことある?」
「ないよ。陛下の即位式に出席した時に見かけたけど、顔まではわからない。ただ絶世の美女だって聞いたことはある」
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「そんなに美人なの?」
「うわさだよ。でも貴族じゃない人が王家に嫁いだ初めての人だから、よほどタンザ前国王が気に入ってたんだと思う」
「じゃあ、チタ様のお姉さんって人は知ってる?」
「姉がいるっていうのは聞いたことあるよ。そっくりな顔してるって」
真凛の胸はどくりと音を立てる。育ての親である藍を知る人もまた、セドニーにいる。
「そっくりって?」
「双子らしい。きっと姉も絶世の美女なんだろう」
真凛は藍を思う。藍は清楚で美しい人だった。彼女はおとなしい人だったけれど、街の人に愛されていた。
チタが母だと聞かされてもすんなり納得できなかったけれど、セオの話を聞いて、母親似だと言われていたのもうなずける気がした。
「アウイ陛下はお父さん似よね」
「そうだろうね。兄上に似てるから。俺は兄上に似てないから、きっと母に似てる」
両親の顔を知らないセオは、何の罪もない笑顔であっけらかんと答える。真実を知ったら彼はどうなるのだろう。真凛はセオの腕をそっと握りしめてほおを寄せる。
「セオ様、いつかここから出ましょう?」
「真凛はどうしても王子の妻にはなりたくないみたいだ」
髪を撫で下ろしてくるセオの手が後ろ頭を支える。上向いた唇にそっと触れるだけのキスが落ちてくる。
「セオ様はここから出たいと思わないの?」
「外の景色には興味がある。それでもこの身体にある能力に気づいた時、自由を制限されていることに不便は感じなくなった」
「でも見たり聞いたりすることが出来るだけで、何も触れないのでしょう?」
それは寂しいことだ。自由に生きてきた真凛には自由のない世界にしか生きたことのないセオの気持ちがわからない。
「あまり欲深になってはいけない……」
「え……?」
「そうやって兄上には言われてきた。望むものが大きいほど失望も大きい。何も望まない生活に慣れているんだ」
「どうして……」
セオのグレイの瞳が曇る。
セオだって心のどこかでわかっているのかもしれない。大人になれば、アウイやベリルのように王宮から出られると思っていたのだろう。それが叶わないことがなぜなのか。そこから無意識に目を背けている。
「真凛がいてくれるから、これ以上望むものはない」
そう断言するセオは真凛をきつく抱き寄せる。こうして過ごせることは幸せだ。だがこれ以上の幸せがないのも事実だった。
「セオ様……」
真凛もセオの背中に腕を回す。同時に彼の唇が耳に触れる。
「今夜も抱きたい。あなたを感じたいんだ……」
「そんな……、だめよ」
下腹部に残る痛みはセオがくれたもので、彼に愛されることに喜びは感じるけれど抵抗してしまう。
「断って許されるのは真凛ぐらいだ」
「セオ様はその……」
その先を言葉にすることをためらう。初めてだからセオが上手だったのかはわからないけれど、彼は初めてではないような気がした。では王宮から出たことのない彼が誰を抱いたのだろうと思うと心がふさぐ。
「真凛、そんな顔をしなくても嫌ったりしない」
「セオ様の髪結はルベだけよね?」
「急に何を?」
「セオ様にも、他の髪結がいたことあるのかな? って」
心を見透かされないように、素朴な疑問のように投げかけると、セオは素直に答える。
「髪結はルベだけだが、盲目の娘は何人か仕えていたことはある。どれもすぐにいなくなったからあまり覚えてないけどね」
「盲目の娘……?」
「まだ兄上の王宮も華やいでた頃だよ。昔はたくさんの人が出入りしてた。そのうちの何人かを俺の話し相手にと連れてきていたのかもしれない」
「綺麗な子ばかりだったでしょう?」
セオが純粋なのは周囲の助けがこれまであったからだ。彼の相手が盲目でなければならなかった理由を思うと複雑な気分にもなる。
「……俺も男だよ」
セオはちょっと笑って、真凛をひざの上に抱き上げる。
「セ、セオっ……」
「真凛を気持ちよくさせてあげられるのだから悔いはない」
「きっ、気持ちよくって……」
「甘い声が耳にまだ残ってる。すごく気持ち良さそうだったよ。俺もそうだった」
明るい場所で生真面目に言われると赤面する。セオの手のひらが衣服の上から優しく胸を覆う。
「また一緒に気持ちよくなりたい。あなたの顔を見ながら抱きたい……」
唇が合わさると同時に、ゆるゆると胸を撫でられる。深くなるキスに合わせて、胸も激しく揉みしだかれていく。
「セオさま……」
「服を着たままなら、このまま抱ける?」
「そういう問題じゃ……」
「なぜだろう」
ふと、セオの指が止まる。
「セオ様?」
「真凛に触れていても焦燥感は消えない。焦る必要などないのに、……たまらなくあなたが欲しくなる」
不安げなセオと見つめ合ったら、真凛は矢も盾もたまらず彼を抱きしめていた。
「ここにいるからそんな風に思うのよ。私はずっとセオ様の側にいる」
「真凛……」
セオもまた、真凛を抱きしめ返す。離れたくないと抱きしめ合う時間は幸せだった。しかしその幸せも、静かな足音によってすぐに奪われる。
「セオ、昼間から髪結を独占してはいけません。ましてやマリンはまだ私の髪結です」
「兄上……」
セオが立ち上がると同時に腕を引かれ、赤い髪が視界を覆う。ベリルのたくましい腕が真凛の腰に絡みつき、胸へと強く引き寄せられる。
「ベリル王子……、なぜ……」
もう来ないと思っていたわけではなかったが、今来るとも思っていなかった。連れ戻されるなら、昨夜愛し合う前に引き裂かれるだろうとたかをくくっていたのかもしれない。
「サンを解雇しました。私の髪結はマリンしかいません。もう二度とここへ来てはいけませんよ」
ベリルは淡々とそう答える。
「解雇っ? サンは今どこに?」
「辞めた者のゆくえなど知りません」
ぴしゃりと言い切ると、ベリルは真凛の腕を引いてセオに背を向ける。
「兄上、待ってくださいっ! 真凛は自ら望んでここへ来たんですっ」
ベリルはセオの呼び止める声に反応して、ゆっくりと振り返る。その青い瞳は冷ややかにセオを見つめ返す。
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