別世界の空の下で!

みきトラ

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『剣の決意と相棒と』

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第15話『別世界の空の下で!」


『剣の決意と相棒と』



僕はインテリジェンスウェポンから話を聞いて疑問に思った事があったので聞いてみた。


「そういや、その『ダグザイム王国』ってのは何処にあるんだ?俺そんな王国の名前なんて聞いた事ないんだけど別の大陸かな?それと、封印されていたはずなのに此処まで来るのになんのトラップも無いなんて変わってるよな?。」


すると剣は言った。


「何を言っているんだ?私が封印されたのは『ダグザイム王国』の近くにある此処死霊洞窟だぞ?そこに、此処の場所にいたリッチキングの亡骸であるローブと杖が落ちてるじゃないか?君が倒したのではないのかい?。」



「え?、此処って死霊洞窟だったの?それにしては何も出てこなかったよ?道中沢山の骨と錆びた武器や汚いローブと杖はみたけど…。もしかして、あれ全部モンスターの死体っすか…?マジで?。」



「結論から言うとマジだ。しかし、おかしいな…このリッチキング完璧に浄化されているそして、死霊洞窟のはずなのに洞窟内にモンスターの気配すら無い…。私が眠ってる間に一体この洞窟に何があったと言うんだ?」



「あー、頑張って考えているところ悪いんだけど、君が知ってる王国の中に『ミィーシャ王国』ってある?。」


「『ミィーシャ王国』?いや…私の記憶のなかにそんな名前の王国は存在しない…。私の記憶にある王国の名前はこの大陸の三大王国と呼ばれる『ダグザイム王国』と『ライナイナム王国』そして、『カザスライナ王国』だけだ。」



僕は『カザスライナ王国』の名前を聞いて両親の書庫で読んだ数千年前にあった過去の王国だと言うことを思い出した。


「そっか…、あのさ落ち着いて聞いてくれよ?僕は『カザスライナ王国』の事は本で読んだ事があるんだ。」



「本で?『カザスライナ王国』が何か素晴らしい事でもしたのか?確かにあの国は魔法の研究が盛んで次々と新しい魔法を作り出した国だったが…。わたしが数百年眠っていた間にもずっと魔法の研究をしていたのだな。」



「それなんだけどさ、その王国って数千年前にあったとされていた国で、今はもうその存在すら不確かでこの世界の伝説上の国の歴史とされているんだよ。」



「そんな…バカな…。私は数百年ではなく数千年も此処で眠っていたと言うのか!?しかも、伝説上の歴史だと!?一体三大王国に何があったと言うのだ!。」



「お、落ち着けって、そうカタカタ鳴らすな!わかってることは話してあげるから。」



「う、うむ。すまない…少し取り乱してしまったようだ、もう、大丈夫だ話を続けてくれ。」



「今、わかっている事やおそらくそうだろうとされているのは、魔王軍により滅ぼされたのでは無いかと言う事と邪神による滅亡だ。ある人が数千年前に書かれたであろう封印されていた魔法の書物を見つけたんだ、そしてそのなかに『邪神が復活して全ての国を滅ぼした』とかかれていたらしい。今は過去についてわかっている事はこれだけなんだ。そのほかの事は一切書かれてはいないんだ、君が 話してくれたインテリジェンスウェポンや《刻印》の話なんて簡単なおとぎ話でしか聞いた事がないくらいなんだよ。しかも、『昔、インテリジェンスウェポンを持ち沢山の人々を救った勇者がいた』って感じの事しか書かれてないんだ。」



「そう、なのか…。」


僕の話を聞いて静かになってしまった剣に僕はこれからどうするのか聞いてみた。


「それで?君はこれからどうする?《刻印》がついた僕と共に来る?それとも、また此処で眠るかい?もし、それを望むなら今度は目覚めないように厳重に封印してあげることを約束するよ。」


すると剣は、少し呆れたように答えた


「何をいっているんだ?封印の魔法は君のような子供に使えるものじゃないぞ?レベルもまだ30しかないじゃないかその年齢にしては確かに高いがその程度のレベルでは封印魔法を使うための魔力量が足りぬ。」


確かに、僕の今のステータスには僕のレベルは30となっているがそれは隠蔽された情報なので仲間になるかわからない剣に伝える必要はまだ無いと僕は考え、話をそらした。


「まぁ、細かい事は良いから。今は君の判断を僕は待っているんだよ。で?どうしたい?。」


そして僕は、剣にもう一度聞いた。


「そうだな…。」


しばらく悩んだ末に剣は答えた。


「残念ながら私は、今のこの世界の常識を全くといって知らない、それに、私はもう、時代の片隅にも残っていない伝説上の武器インテリジェンスウェポンの一つである、もし私のようなインテリジェンスウェポンが本当に存在などしていたら、凄く問題になるだろう、だがそれでも私が我儘を言って良いと言うのなら、私は今のこの世界を見てみたいこの世界の風を知りたいこの世界に住む人々を見たい、変わってしまった世界を見たい。そして、《刻印》を結んだ君と共に旅立ちたい。これが、君の質問への私の答えだ。」


それを聞いて僕は答えた。



「その願い、しかと僕の心に届いたよ。約束しよう君と《刻印》を結んだ者として。そして、これからの相棒として。僕と共にこの別世界の空の下をこの目で見よう。」

僕の言葉を聞いて
剣は答えた。

「あぁ、よろしく頼む、新たなる主人よ。」

そして、僕ももう一度答えた。

「こっちこそ、これからよろしくね。僕の相棒。」


剣が答えを出し僕がその願いに答えた時、ずっと封印されていた剣の側にあった大きな木が空を枝と草で塞いでいた天井に少しの隙間を空けて僕と剣の周りに自然の光を通した、まるで此処から離れる剣への別れと此処から始まる僕らの旅路を祝福するように。



それから、僕は剣を木でできた鞘に入れて洞窟の出口へと歩いて向かっていた、本当は剣のための鞘をローブで作ってやりたかったんだけど剣が「リッチキングのローブで作られた鞘なんて嫌だ!。」と我儘を言ったので仕方なく、剣の事をずっと見てきた大きな木の太い枝を《魔壁》を使い空中を歩きちょうどいい大きさの物を一本だけ《剣術スキル》《一線》で切らして貰いもらい、スキル《魔道具作成》を使って簡単な木の鞘を作った、剣はその鞘に入るとどうやらお気に召したようで「良い作りだ、とても居心地がいいぞ。」と言ってとても、嬉しそうだった。それで、しばらく歩いていると剣が僕に質問してきた。



「所で、新たなる主人よ。君はどうしてこんな所まで来たんだい?。」


「え?それは、今日冒険者になった初依頼でゴブリンの討伐依頼を受けてたんだよ、それでちょうど良く少数で集まったゴブリン達をこの洞窟の前で見かけたんだ、本当は倒したら直ぐに帰るつもりだったんだけど、見た事ない洞窟だったし気になって奥に入ったんだそして、気づいたらこの現状だよ。その時に討伐したゴブリンの魔石がこれさ。」


僕は《アイテムボックス》にしまっていた魔石を剣に見せた。


「ほう?初依頼だと言うのにゴブリンリーダーが率いるチームをそんな簡単に全滅にさせたと言うのか、ご主人はまだ子供だと言うのに随分と強いのだな!私は嬉しく思うぞ。 」


「アハハ、大げさだよ。ただのゴブリン討伐じゃない…か…。え?この魔石一個だけやけに大きいなと思ったらゴブリンリーダーの魔石だったの?マジか…。」


僕は街に帰りながら思った、きっとこれを見せたら色々聞かれるんだろうなぁ…と、何せゴブリンリーダー率いるゴブリンチームの討伐なんて今日冒険者になった最低ランクのFランク冒険者がやる討伐ではないからだ…。ゴブリンリーダー率いるゴブリンチームの討伐依頼はDランク冒険者がチームを組んで倒しに行くレベルなのだ。


僕はギルドに帰ってから起こる面倒な騒動をある程度想像しながら綺麗な空を見て街まで歩いて向かっていた。久しぶりの外の風に当たって嬉しそうに鞘の中でカタカタ音を鳴らす剣と共に。

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