レディース異世界満喫禄

日の丸

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それは威張れることじゃないでしょ!!

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青ざめた顔で逃げるようにテントの中に入っていくおっさん。


「レンちゃん、やっぱり貴方凄い人じゃない!!聞いててびっくりよ!!」


興奮した顔でウルザさんが歩いてくる、テンション高っ!!


「え」


「この国の騎士団長二人と副長二人に勝ったって、とても凄い事よ!!」


「たまたま勝てたんだけどね」


「たまたまでも勝てることがすごいのよ!私だったら絶対負けてるわ!保証する!」


いや!それは威張れることじゃないでしょ!!


「はぁぁぁぁ、余計な事してまた汗かいちまった、も一回風呂入ってから寝ようっと」


「レン殿、風呂に入る前にもう少し汗をかきませんか?」


「ん?どういうこと?」


「私と模擬戦をしていただきたい」


「何でそうなるのかな?」


「私が戦いたいからです!!」


笑顔で言いやがった!さっきまでの凛々しいフォートさんはどこに行った!!


「それはいいわね!フォートさんは第三師団の副長さんなんだから国でもトップクラスでしょう、レンちゃんの実力が見れるチャンスね!」


何故かウルザさんがノリノリで話を進めてキャンプ地の中央に連れてこられフォートさんと向かい合う。

あたしはやる気はないって言ってるのに、誰もあたしの話を聞いてくれないべさ!!!

あたしとフォートさんを見守るように今回の旅に参加している騎士と討伐者は全員見つめている。


「ねえフオートさん、やめにしない?あたしは戦いたくないんだけど」


「またまた、そんな心にもないことを言って」


ちがうよ!本心だよ!!正真正銘の本心だよ!!何でそういう風に見えるのかな!!

メイシェルの騎士って皆こんな人ばっかりなの?戦闘狂なの?ため息しか出ないべさ!!

もう仕方ないので日光を取り出して構える。


「それじゃ・・・・・・・・始め!!」


ウルザさんの掛け声と共にあたしの方に踏み込んできて片手剣を下から上に振り上げる。

この人かなり早い!スピードタイプかな?その後も上がった剣を振り下ろしてそのまま空いた手をあたしの向かって突き出し、その手から火の玉があたしに向かって飛んでくる、この人魔法剣士だ!!


「さすがに避けられますか」


「かなりびっくりしたよ」


フオートさん全体を見ながら話をする、視線からはずしたらそこから攻撃が来る、この人はそういうタイプだ。


「ならばもっとびっくりさせてあげましょう」


言葉と共に踏み込んでくる、さっきよりも早い!

あたしの周りを回るように攻撃をして来て、一分くらいしたら今度は一点集中の攻撃に切り替わった。

フオートさんの一点集中攻撃で2・3歩下がった所で、いやな予感がしたので、体をコマのように回しながら日光を振るう。

周りながらみると8個ほどの火の玉が向かってきていたので日光で切り裂く。


「あれを切り裂く・・・・・ですか・・・本当に貴方は凄いですね」


「半分感だったよ、あれって遅延魔法?」


「そうです、遅延魔法と設置型の魔法技術の組み合わせ、私のとっておきですよ」


「本当にびっくりしたよ」


「それはよかった」


今度はあたしかが踏み込んでいく、勢いを利用して突きを放ち避けられたら後を追いかけるように横凪、そして空いた左手で風魔法の【ウインドインパクト】を使う。

【ウインドインパクト】を受けて体制を崩したところに蹴りを放ちフォートさんの剣が宙を舞う。


「参りました」


剣を落としたところで負けを認めてくれたので、構えを解いてホット一息ついた、と思ったら、周りから拍手とあたし達の戦いを称える声が上がりだした。


「すごかったわレンちゃん!!」


「姐御!マジで強いな!!」


「レン!貴方凄いわ!!」


「「「さすがレン様です」」」



などの言葉が飛び交う、あたしはそんな言葉要らないからゆっくりしたいんだよ!!なんて言える雰囲気じゃないべ!

フォートさんがニコニコとあたしの方に歩い置てきて小声で「これで貴方を侮る者はいなくなりました、旅が楽になりますよ?」と言いながら一つのテントを見ているので、あたしも見てみるとおっさんとその取り巻きが真っ青な顔でこっちを見ていた。

・・・・・そういう事か、あたしの力を見せつけることで黙らせたわけね。

戦いの理由が強引だと思ったら、すべてフォートさんの策略どうりだった訳だ、さすがは副長をやっているだけの事はあるってことだね!


「いやぁ!楽しい戦いだった!!」


勘違いかもしれない!!
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