レディース異世界満喫禄

日の丸

文字の大きさ
611 / 1,656

閑話 友の為の外交

しおりを挟む
俺はエルスと共にまずはウォルムに転移した。

転移した後に部屋を出て、辺りを見渡すといつもの騎士を発見した。



「これはケイン陛下、ようこそいらっしゃいました」



敬礼する騎士に挨拶をした後にアクスを呼んできてもらう。

そしてしばらく待つとアクスが先程の騎士と共にやってきた。



「今日はどうした?【王様会合】までまだ日数はあったはずだが何かあったのか?」



「ああ飛びきり厄介な事が起きた、レンが捕まったらしい」



「詳しく話せ」



互いに向き合う形でソファーに座りエルスから聞いた話をアクスに話す。



「それはまたあいつも災難だな」



まったくだ、こう言っては何だが【カグヤ商会】は向こうでは無名の商会だ、それなのに悪徳商会に目を付けられ陥れられるとか不運以外の何物でもない。



「しかもあいつが戦力増強後にこんな事態になるとか・・・・【エルセア王国】もついていない」



それも同情しかない、ひざ元で気が付かないうちに国家滅亡の危機とか・・・・・・俺だったら耐えられん!!



「という訳で協力して欲しい」



「もちろんだ、あいつには借りがあるしこの前もオーシャンズデッドをタダでもらったばかりなんだ」



あの魚か、あれ美味いんだよな。



「でどうするつもりだ?考えがあるのであろう?」



「ああ、数で攻める」



「・・・・・なるほど」



俺の考えを理解したのかニヤリとしながら頷く。



「てことで少し付き合え」



次にバウダック王国に転移してエミリアとプレシァーナ嬢と面会する。



「・・・・・・なるほど、それは由々しき事態だ、元々【エルセア王国】行きは私が勧めたのだからレンには申し訳ない事をした」



苦虫を嚙み潰したような顔で悔しがるエミリアを見た後にプレシァーナ嬢を見る。



「プレシァーナ嬢、頼みがある」



「なんでしょうか?」



「メッセンジャーをして欲しい」



俺達【王】が乗り込むと政治的にいろいろ問題が出て来るが、プレシァーナ嬢は【王】ではなく継承者、政治的な問題も少しは緩和できる。



「わかりました」



決意に満ちた目で俺を見た後頷いてくれた。



「ではレンを助けるための話を詰めよう」



この後に【レインプトス王国】にも行ってデュナスにも頼むつもりだがまずはこの面子で詳細な事を決めてしまおう。







ここは【エルセア王国】の王城にある謁見の間、今私は【バウダック王国】の使者として此処に居る。



「久しいなプレシァーナ嬢、話は聞いているぞ【バウダック王国】の正当な後継者となったそうだな、めでたい事だ」



「ありがとうございます」



私の目の前で玉座に座っている引き締まった体をしている男性が今年45歳になる現【エルセア王国】国王ライアット・リノ・エルセアである。



「それで?急を要する事とは何かな?」



私は・・・いえ【バウダック王国】は王と面会するために『火急の要件があるので速やかに面会がしたい』と使者を送って今に至るわけだ。



「今日私が参りましたのは【バウダック王国】を代表し【エルセア王国】に抗議しに参りました」



私の言葉に眉を動かしこちらを見、しばし考えた後口を開いてきた。



「それは穏やかではないな?我が国が【バウダック王国】に何をしたというのだ?」



もっともな話だがまだ言える段階ではない。



「陛下、お渡ししたい物がございます」



「・・・・・・何を渡すと?」



私は後に控えているエルスさんに視線を向けた後、ライアット陛下に視線を戻し答える。



「【メイシェル王国】【ウォルム王国】【バウダック王国】【レインプトス王国】から預かっている抗議文でございます」



「何!!」



私の言葉に信じられないようにライアット陛下が玉座から立ち上がった。

しおりを挟む
感想 1,344

あなたにおすすめの小説

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい

木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。 下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。 キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。 家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。 隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。 一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。 ハッピーエンドです。 最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。

処理中です...