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王都決戦 南門の戦い
しおりを挟む「・・・・・派手なノック音ですねぇ」
呆れたようにガラムが北門がある方向を見ながらそう呟くと私は肩を竦める。
先程何かの破壊音が此処まで聞こえたのだ。
「あの方の従者達なのだからノックの規模も変わるのだろうさ、ガラム打ち合わせ通りゴーレム達に破城槌を持たせて最前列に、そして陣を組みそのまま水でも飲んで待機しておいてくれ」
「了解でさぁ」
ガラムを見送り私も馬に跨る。
南門攻略の第一歩、それは南門の扉の破壊からやらねばならない。
この工程で兵士達が何人も犠牲になるのだが我々にはジャンヌ殿が作ってくれたゴーレムがいる。
ゴーレムに破城槌を持たせ扉を破壊した後に中に入る、これが攻略作戦の第一段階だ。
一時間後の突撃と決めていて、陣を組み待機しているが王国軍がこちらに攻撃はしてこない、多分北門の騒ぎが原因だと思う。
「さて・・・・・・そろそろ時間だな」
私は剣を引き抜き真上に掲げる。
「皆の者!!あのお方のお言葉は忘れてはおらぬだろうな?生き残れよ!行くぞ!!」
「「「「「「「「「「「応!!」」」」」」」」」」
南門攻略が始まった。
南門の上から矢と魔法がどしゃ降りのように降り注ぐがゴーレム達はそのような物は知らぬとばかりに破城槌を抱え門へと突撃を繰り返し私達はそれを離れた場所から見ていた。
「そろそろか」
破城槌の突撃を受け続け門がそろそろ破壊できそうだ。
「マリッサ、アルベルド用意は出来てるな?」
離れた場所から声を掛けると2人は頷く。
そろそろ行くか?ってところで伝令係の騎馬が私の所に来た。
「ラッチ隊長!後方部隊から連絡!!【ダスティン】方面から騎馬を含めた部隊が接近!数およそ2千!!王国軍の旗を掲げています!!」
何!!2千の兵だと?伏兵?だがここに来る道のりで兵を伏せておける所はなかったはず・・・・・・・・いや1か所だけあった!!
「やられたな」
裏をかかれた!!
「ラッチ隊長!」
報告を聞いていたマリッサとアルベルドが私の所にやって来た。
「やられた、王国軍は【ダスティン】の中に駐在していた」
私とジャンヌ殿が入場門に行った時はしっかりと門が閉まっていた。
あれは私達を街に入れない為に閉まっていたのではなく、兵を見られたくない為に閉じていたのだ。
まあ【ダスティン】は王国側だったという考えをしなかったこちらの落ち度だ。
「マリッサとアルベルドの部隊は門が開き次第突入、ガラムとゴーレム部隊を後ろに回す!急いでガラムに知らせてくれ」
2人にそう言うとアルベルドが口を開く。
「そうすると前線がかなり苦しくなりますが?」
作戦ではガラム、マリッサ、アルベルド、ミレーヌの部隊で突撃する予定だったからな。
「私の部隊も参加する、ガラムを後ろに回さねば後ろから切り崩される」
後方部隊は戦闘面では前線部隊にどうしても劣ってしまう、しかも今は【神の巫女】様も後方部隊に居る。
【神の巫女】様を連れ去られる訳には行けないのだ、後方はゴーレム部隊を壁代わりにしてしのぎ切るしかない。
それから1分もしないうちに門が壊れ、崩れるのが見えた。
「行くぞ!!」
アルベルドがそう言うと兵達が門に向かい武器を持ち走り出す。
そして門に向かう兵とすれ違うように100人位の兵とゴーレム部隊がこっちに向かって来る。
「ラッチ隊長!後方に向かいやす!!」
ガラムが馬に乗り、止まらず通り過ぎていく時にその言葉を私に言い進んでいき、その後を追いかけるようにゴーレムナイト達が走っていく。
その姿を見送った後南門へと視線を戻す。
「我等も乗り込むぞ!!」
ガラムの部隊とゴーレム部隊が抜けたぶんを埋める為に北門に向かい馬を走らせる。
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