レディース異世界満喫禄

日の丸

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閑話 約束

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「うはははははは!!!」



ジョッキを高々と掲げ上げながら笑うレンを見て思わずため息をついてしまう。

こういう姿を見ると年相応なんだけど、ときたま私を驚かせる行動や考えを口にする・・・・とても面白いご主人様だ。







「アリーヌ、話がある」



楽しみにしていたレオス狩りを終えてウルステアの家で寛いでいるとレンが声を掛けて来た。



「ん?何かしら?」



真剣な顔で私に声を掛けて来たので何かあったのかと思っていたら、レンが何かの書類を私に差し出してきた。



「これを」



ただそれだけを言って差し出してきた書類を受け取り。その書類に視線を向けると思わず目を細めてもう一度読んだ後に視線をあげてレンを見る。

まず目に入ったのは『ビスタ家の調査書』と書いてあったのだ。



「セイに頼んで調べてもらった、で!あの時あった討伐者・・・・リオールはアンタの血縁者だったみたいだね」



淡々というレンの言葉を聞いた後その書類に目を通す。

読んで行くとリオールは兄の血族らしい。



「レン・・・貴女」



思わず呟いた言葉を抑え込むようにレンは言葉を放つ。



「3ぺージ目をみな」



私はその言葉に従い3ページ目を見て・・・・・・・固まる。



「行ってきなよ」



3ページ目には私の家族が眠る場所・・・・・ビスタ家が所有するお墓の位置が書いてあった。



「色々話して来るといい、アリーヌならチンピラが来ても返り討ちに出来るからひとりで・・・ね」



確かに【ウルステア】のに行くとなった時に家族の事を思い出した、けど私が死んでもう何年たったのかもわからない状態でレンに『家族と会いたい』とは言えなかった。

というか会いに行く勇気がなかった・・・・・・一度死んでこの体で生き返った・・・・・両親に何と言えばいいのだろう?兄妹にも何と言えば?と思い探す事も出来なかった。

でも目の前のご主人様は全てを見透かしているかのように私を優しく見ている。



「はぁぁぁぁ」



本当にかなわない・・・・・・・ここまでやってもらって『行かない』という選択肢は私にはない。



「まったく貴女は・・・・・ここまでされては行かなきゃいけなくなるでしょ?・・・・・・・ありがとう」



思わず本音を言ったら嬉しそうに微笑むだけで何も言わなかった。



「早速行ってくるわ、シン、私は出かけるからご主人様が無茶をしないように監視しておいてね」



それが悔しくて憎まれ口をシンんに言って私は家を出て報告書に書いてある所へと向かい歩きはじめる。



街を歩いていると昔見た見知った街並みは無く建物も変わり雰囲気も違うけど、確かに私の故郷だ・・・・と心から思ってしまう。



「全く昨日まではこんな事感じなかったのに」



自分の心の変化に苦笑しながら歩いていると見覚えのある顔がこっちに向かって歩いて来た。



「む?君はレン殿のパーティーメンバーだね」



あったのは【ウルステア】のグランドマスターである老紳士だ、一回しか会っていないから名前は忘れた。



「こんにちは、グランドマスターは今から仕事ですか?」



と無難な会話を口にする。



「そうですね、これからギルドに向かいます、ララウ君から報告を昨日受け取った、報酬を渡したいから手が空いたらギルドに来るようにレン殿に伝えてくれますかな?」



その言葉を聞き私は頷く。



「伝えておきます、それじゃ」



私はそう言って、目的地へと再び歩き出して・・・・・少ししたら足を止めてしまう。



「君もベストヒップだ!!」



という言葉を聞いたから。

勿論一撃入れた後に歩きだしたけど!
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