レディース異世界満喫禄

あたしの心を浄化してもらうしかないね！！

皆の分の紅茶を用意してから話し合いは始まった。



「貴女と別れた後、ガッリさんはアッホスの屋敷を調べ、私はギルド内部を調べる事にしたのよ、レンに『ギルド内部も調べた方がいい』って忠告されていたから、そうしたら討伐・採取部門のギルマスと商業部門のギルマスを始めとした半数の人間がアッホス側の人間だった事がわかったのよ、流石にこれはまずいと思って王都のギルドに救援を求めて信頼できるギルド員と討伐者によってアッホス側の人間を捕縛したり調査したりしたのよ」



かなりの規模でアッホスと共謀状態だったんだね。



「それを調べて、捕縛、そして国への引き渡し・・・・かなりの時間が掛かったわ」



いやいやいや！！まだアッホスの件がわかって一月くらいしか経ってないよね？それで国に引き渡せるほど調べ上げたのって凄くない？前から思ってたけどララウって物凄くできる人間なの？



「それで少し落ち着いたから部下に任せて一度王都に戻って来たらこっちでも色々話が進んんでいて、その全てにレンが関わってるって言うじゃない？驚いたわ」



あたしはララウの話を聞きながら苦笑した。



「好きで関わった訳じゃないよ？むしろ今回はあたしは被害者だよ」



なにせ暗殺者に襲われましたから！！



「それをグランドマスターから聞いてびっくりしたわ、本当に無事でよかった」



『本当に無事でよかった』と呟くよに言ってくれたことがとても嬉しく感じてしまう。



「うちの子達が強いから何とかなったんだよ、あたしが聞きたかったのは『黒幕』は捕まったんだべ？それから何かあったの？あたし王都を離れてたから分からないんだ」

　

これが聞きたくてギルドに来Þんだよね。



「これと言って動きは無かったわ」



へ？てっきり『裏組織』がひと騒ぎ起こすものだと思ってたよ？もしかして『黒幕』は見捨てられた？



「『黒幕』を捕らえたと連絡が来た日から警戒をしてるけど今の所は何も起きてないわ、まあ小さな喧嘩はあるけどそれはいつものことだから」



まあ王都はデカいから小さな喧嘩くらいは日常茶飯事だろうね。



「まあ何事も無いって事はいい事だと思うよ、平和が一番だべさ」



・・・・・・・・・・・・・何か起こるって思ったって事はあたしも争いに慣れてしまったから思いついたって事なのかもしれない・・・・・・・・・・・・これはうちの子達の笑顔であたしの心を浄化してもらうしかないね！！って事でもうしばらくはアズエルでのんびりする事に決まりだね！！



「そうね、何も起きない事を喜びましょう」



ララウがそう言った時にノック音がして扉が開くとおっさんが入って来た。



「レン殿が来たと聞いたのでなこれを渡そうと思ってのな」



小さな小袋をちょっと掲げながらそう言って来た。



「それは？」



その小袋が何かが分からずそう聞くとおっさんは真剣な顔であたしを見ながら口を開く。



「レン殿がこれまで提供してくれた情報の対価・・・・つまりは報酬だよ」



へ？



「え？え？そんなのいらないよ？って言うか偶々知ったから話しただけでお金をもらうほどじゃないべ？」



言い方は悪いがウルステア王から聞いた情報を横流ししただけだからお金をくれるとか言っても困るんだよね。



「受け取って欲しい、レン殿が早々に知らせてくれたので我々は備える事が出来たのだ、だからこそ報酬として受け取って欲しい」



珍しく真剣な顔でそう言って来たのであたしは少し考えた後に口を開く。



「ならそれを今回攫われてその後無事に保護された人達に配ってくれないかな？迷惑料って奴だ」



怖い思いをしたんだからこれくらいはしてあげてもいいんじゃないかな？