異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第3章 快適生活へ向けて頑張ろう!

056 そんなに虫が嫌いなら冒険者なんかになるなよ

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さすがの俺でも、いきなりクマを連れて街に近づけば警戒される事くらい判る。
なのである程度まで近づいたら、クマには近くの森で待機しるように指示。
街へは俺一人で歩いて行く。

「そこで止まれ! これ以上近寄るな!」

あるれぇ~?!
クマを連れてないのに警戒されたぞ?!

そうか! 1人で歩いて来たから警戒してるのか!
普通は馬とか馬車とか、もしくは武装した何人かでやってくるよね。

「怪しい格好のヤツめ! 何が目的だ!」

はい、違いましたー。
俺の格好のせいでしたー。

「怪しい者ではありません。自分は冒険者です。
 虫がすごーく嫌いなので、虫除けの為にこんな格好をしているのです」
「そんなに虫が嫌いなら冒険者なんかになるなよ」

はっきりと正論を言う人は嫌いだな。
ぐうの音も出ない。

「俺の自由でしょ!」
「確かに自由だが、不自由だろ」
「上手い事言われた!」
「とにかく動くなよ。こちらがそっちに行く」
「はいはい、動きませんよ」

好きにしてくれ。
抵抗なんかしないから。

3人くらいが門の前で警戒して、1人が剣に手をかけたまま俺に近寄ってくる。

「身分証を出せ。怪しい素振りをしたら……判るだろ?」
「判ってますよ。……はい、身分証」

俺は身分証を懐から出して、来た人に渡す。

おっ、この人美形だな。
声からして男性だろうけど、女性にも見える。金髪のロングだし。

ん? んんっ?!
耳が長くない?! ももももも、もしかして、エルフでは?!

「確認した。確かに帝都所属の冒険者のようだな。……どうした?」
「ちょっとお伺いしても良いですか?」
「こっちの質問が先だ。ここへは何しに来た?」
「帝都から東に進んだ所にある場所へ採取をしに。依頼を受けまして。
 で、この街には、食料を買おうと思って寄りました」
「1人でか?」
「自分は便利な能力があるので、1人でも問題無いんですよ」
「……確かにたまにそういうヤツも居る。だが信じ難いのも確か。
 出来る範囲で良いから見せてくれないか? 勿論秘匿するというなら無理にとは言わない。
 その場合、中に入れる事は出来ないが、言ってくれれば食料くらいなら買ってきてやろう」

このエルフさん。良い人のようだ。
能力を見せるのも簡単だし、了承しよう。

「判りました。でも見せたからって攻撃しないでくださいね?」
「こちらに向けなければ大丈夫だ」
「そういう意味じゃないんですけどね。では」

俺は口笛を吹く。
クマと別れる時に決めてた合図だ。

……結構離れたけど聞こえるのかな?
これで来てくれなかったら、ちょっと恥ずかしいなぁ。
いや、かなり恥ずかしいぞ? 頼む! 来てくれ!

俺のメンツは保たれた。
クマが来てくれたのだ!
ありがとう。果物でも買ってあげよう。

「これに乗って移動してますし、攻撃もしてくれます」
「……手懐けているのか?」
「まぁ、そんな感じです」

細かく言う必要は無いだろう。

「……本当に言う事を聞くのか?」
「ええ」
「では、引き返してくれと言えば戻っていくのか?」
「そうですよ。戻します?」
「頼む」

頼まれたので、クマには森に戻ってもらう。
「なんやねん」「呼んどいてすぐ戻れって……」「見せて自慢ですか?」
お前ら、そういう顔をするな。悪かったよ。
ちゃんと果物買ってくるから許してくれよ。

「……なんか不服そうな顔をしてたが」
「気の所為です」
「……そうか」
「そうです」
「判った。では入る事を許可しよう。だが、街の中では顔くらい出してくれ」
「判りました」
「ではこっちに来てくれ。許可証を渡す」

許可証なんてあるのね。
パスケースみたいなのに入れて、首から下げておこうかな。
この先、何度も止められる気がするから。
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