異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第5章 ダンジョンに行こう

174 大の大人が言う事じゃないわよ?

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2人には荷物持ち兼護衛としてクマを1頭付けておいた。
どこかのセーフエリアに到着くらいは出来るだろう。
そこから戻るには、妖精から貰った魔法が役に立つはずだ。
クマは時間が来れば消えるので問題は無い。
背負っている荷物は、2人で分配して運んでもらうか、不要ならそこに居る人にでも売れば良い。

そんな感じで別れたのだが。
別れ際に、2人が羨ましいような可哀想なような顔をしてたのが印象的だった。
いや、死にませんから! た、多分。

「さて、これで1人になったけど、10層に向かえば良いのかな?」
「私達が案内するわ」
「迷子になられて到着しないのも困るし」
「あ、ありがとう」

妖精を連れている俺。
誰かに見られたら驚愕されるだろうなぁ。

「君達はなんて呼べば良いのかな?」
「呼ぶ?」
「妖精だけど?」
「いや、妖精なのは分かっているんだけどね?
 ゴメンだけど、俺には区別がつかないんだ。だから名前で呼びたいんだけど」
「名前?」
「固有名詞?」

固有名詞ときたよ。

「そうそう」
「名前なんか無いわ」
「あると不便だもの」
「あると不便なの?!」
「区別されると固定されちゃうから」
「固定を解除するのって面倒なのよ」

区別されると固定される?
固定を解除?
理解出来ない単語が並んでいく。

「まぁ区別出来ないのはしょうがないわよ」
「私達同じだもの」
「お、同じ?」
「そう」
「同じなの」

うん、全く理解出来ない。

「ま、不便ならしょうがないわ」
「名前つけましょうか」
「解除面倒だけどね」
「しょうがないね」
「お、お願いします」

理解は出来ないが、面倒だけど俺の為にやってくれるという事は判った。
すみません、お手数かけます。

「じゃあ私はイチ」
「じゃあ私はニー」
「えっ?! そんなので良いんですか?!」
「今回だけだしね」
「分かりやすいでしょ?」
「確かに1・2なんて分かりやすいけど……」

なんだろう、この違和感。
犬に名前をつけようとしてたら、犬が喋って「今日からポチと呼んでくれ」と言われたような感じ。
そんな短絡的な名前で良いのかよ!とツッコみたい。

「分かりやすいように、頭の毛を1本立てておくわ」
「じゃあ私は2本立てておくわ」

立ってる毛の数?!
どういう力で毛を立ててるのか判らないけど……はっきり言おう。わからんわ!!
せめてマンガのアホ毛のように束にしてくれ! 1本とか見えないんだよ!
本体が小さいし! 相対的に毛も短いし!
飛んでいるトンボの頭に生えている毛が1本か2本か見極めるようなものだ。
無理無理!

「ゴメン……判らない」
「えー」
「えー」
「だって小さいんだもん!」
「だもんとか……」
「大の大人が言う事じゃないわよ?」

妖精に言葉の使い方をバカにされた。

「しょうがないわね」
「これでいい?」

そう言うと服の色を変えてくれた。
さっきまでは薄ピンクって感じの色だったが、今は赤色と青色になっている。

「助かります」
「赤がイチね」
「青がニー」

非常に分かりやすくなった。
でも、1つだけ言わせてくれ。それ出来るなら最初からやってくれよ!!
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