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033 偉い人と話そう
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「まず、全世界共通の決まり事というものがある」
「は、はい」
「それは『ドラゴンに関わるな』というもので、各国の王族や貴族は教えられている」
「何故か聞いても?」
「うむ。理由は簡単で制御なんか出来ない自然災害扱いだからだ。
下手に関われば待つのは国の死。最悪世界が滅んでも不思議ではない。
なのでもし関わった場合、どの国もその国には不干渉とも言われているな」
確かにアレは個人では倒せないし、かといって国家総動員でも無理。
そもそも防御を突破出来ないし、炎や重力を使われたらあっという間に人間なんか死ぬ。
勝つにはアレよりも多くの魔力を持った人間が必要だ。ラノベの主人公みたいなね。
「それをふまえた上での話なんだが。
君はドラゴンの弟子だという。それを確認した貴族も居る。ドラゴンを見た者も複数居る。
どう思う?」
「……国としてはヤバい?」
「その通り。とてもヤバい」
「陛下。言葉遣いが悪いですよ」
「ここにはお前達とパトリエル殿しかおらん。問題無い。
それよりも難しい言い回しをして、こちらの伝えたい事が伝わらない事の方が問題だ」
王様は大臣達と話をしているが、俺はそれどころじゃなかった。
ドラゴンと関わるな、なんて教えがあったのか!
これって罰せられるのか?!
「自分は何か罪に問われるのでしょうか?」
「いや、そのような事は無い。
はっきり言って、こちらとしては不干渉で行きたいと思っているくらいだ」
「そ、そうですか。安心しました。あっ、でも……」
「判っている。身分証の事だろう? それについては私が後見人となって発行し直すから大丈夫だ」
「へ、陛下が後見人ですか?!」
「君にちょっかいをかけられて、我が国に被害が出ても困るのでね。
私が後見人となれば、文句を言う者は少なくともこの国にはおらんだろう」
そりゃ王様の決定に文句を言える訳ないからね。
文句を言えば不敬罪、最悪反逆罪だ。
「その上で、君には自由にしてもらう。
他の国に行くのも良し。この国に居るのも自由。何か商売をするのも自由。君を縛るような事は無い。
あぁ、勿論、国の法律は守ってもらわないと困るがね?」
「それは当然ですよ。判ってます」
「ただし、何か問題があったら、個人で解決しようとせずに、私やここに居る大臣に相談して欲しい」
「え? 本気ですか?」
ちょっとした事でも陛下達に相談しないといけないの?
不思議に思ってたら、政務大臣さんが話しだした。
「例えばですね。貴方と商人の間で食い違いがあり、金銭トラブルになったとします。
困った貴方がドラゴンに泣きつかれられたら困るのですよ」
「そんな事しませんって!!」
「判っています。例えばですよ。
そこで金銭を得る為に、ドラゴンの鱗などの貴重品を持ち込まれても困ります」
「……それはどのような理由で?」
そっちはやりそうな気がする。
ドラゴン関係ではなくても、人の身では行けないような所で穫れる物を持ち込んだり。
だって、そういうのを高く売って儲けるのは、ラノベの常套手段じゃん?
そういう事しといて「貴重品とは知らなかった」「目立ちたくない」って言うまでがセットね。
「流通の管理も国の仕事だからです。
ポンポンと貴重品を市場に流されても困るのですよ。
それにそういう事をされると、必ず変な商人や貴族に目をつけられますので」
あ~、ありがちな展開だね。
貴族だから言う事聞け、アレ取ってこい、ワシに仕えろ、みたいなヤツ。
「あ、でも、困ります。
俺、ずっとドラゴンの所に居たので、金が無いんです」
「判っています。しかし援助は出来ません。最初に陛下がおっしゃっていた理由でね。
なので、貴方が取ってきた物は、まず城に持ち込んでください。
市場に流して良い物はお返ししますので、好きな所にお売り下さい。
具合の悪い物は、城の方で買い取ります。少し面倒ですが、了承して頂けますか?」
なるほど。
城で査定してくれるって事か。
問題は……無いな。ちょっと手間なくらいだ。
「それでお願いします。
それで思い出したんですけど、ドラゴンから預かった武器や防具があるんですけど、どうしましょう?」
「確か魔法でどこかに仕舞われているそうですね?」
「そうです」
「貴方に問題が無いようでしたら、城までお持ち下さい。そこで調べます」
助かった。冒険者ギルドに行かなくてもすみそうだ。
ここで政務大臣との話が終わったと思われたのか、陛下が話しだした。
「それでだな、君の後見人になる為に、明日にでも城まで来てもらいたい」
「あっ、はい、大丈夫です。どうせ武器とかも持っていきますし」
「その時に貴族達も呼んで、謁見の間で発表させてもらう」
「…………は?」
「は、はい」
「それは『ドラゴンに関わるな』というもので、各国の王族や貴族は教えられている」
「何故か聞いても?」
「うむ。理由は簡単で制御なんか出来ない自然災害扱いだからだ。
下手に関われば待つのは国の死。最悪世界が滅んでも不思議ではない。
なのでもし関わった場合、どの国もその国には不干渉とも言われているな」
確かにアレは個人では倒せないし、かといって国家総動員でも無理。
そもそも防御を突破出来ないし、炎や重力を使われたらあっという間に人間なんか死ぬ。
勝つにはアレよりも多くの魔力を持った人間が必要だ。ラノベの主人公みたいなね。
「それをふまえた上での話なんだが。
君はドラゴンの弟子だという。それを確認した貴族も居る。ドラゴンを見た者も複数居る。
どう思う?」
「……国としてはヤバい?」
「その通り。とてもヤバい」
「陛下。言葉遣いが悪いですよ」
「ここにはお前達とパトリエル殿しかおらん。問題無い。
それよりも難しい言い回しをして、こちらの伝えたい事が伝わらない事の方が問題だ」
王様は大臣達と話をしているが、俺はそれどころじゃなかった。
ドラゴンと関わるな、なんて教えがあったのか!
これって罰せられるのか?!
「自分は何か罪に問われるのでしょうか?」
「いや、そのような事は無い。
はっきり言って、こちらとしては不干渉で行きたいと思っているくらいだ」
「そ、そうですか。安心しました。あっ、でも……」
「判っている。身分証の事だろう? それについては私が後見人となって発行し直すから大丈夫だ」
「へ、陛下が後見人ですか?!」
「君にちょっかいをかけられて、我が国に被害が出ても困るのでね。
私が後見人となれば、文句を言う者は少なくともこの国にはおらんだろう」
そりゃ王様の決定に文句を言える訳ないからね。
文句を言えば不敬罪、最悪反逆罪だ。
「その上で、君には自由にしてもらう。
他の国に行くのも良し。この国に居るのも自由。何か商売をするのも自由。君を縛るような事は無い。
あぁ、勿論、国の法律は守ってもらわないと困るがね?」
「それは当然ですよ。判ってます」
「ただし、何か問題があったら、個人で解決しようとせずに、私やここに居る大臣に相談して欲しい」
「え? 本気ですか?」
ちょっとした事でも陛下達に相談しないといけないの?
不思議に思ってたら、政務大臣さんが話しだした。
「例えばですね。貴方と商人の間で食い違いがあり、金銭トラブルになったとします。
困った貴方がドラゴンに泣きつかれられたら困るのですよ」
「そんな事しませんって!!」
「判っています。例えばですよ。
そこで金銭を得る為に、ドラゴンの鱗などの貴重品を持ち込まれても困ります」
「……それはどのような理由で?」
そっちはやりそうな気がする。
ドラゴン関係ではなくても、人の身では行けないような所で穫れる物を持ち込んだり。
だって、そういうのを高く売って儲けるのは、ラノベの常套手段じゃん?
そういう事しといて「貴重品とは知らなかった」「目立ちたくない」って言うまでがセットね。
「流通の管理も国の仕事だからです。
ポンポンと貴重品を市場に流されても困るのですよ。
それにそういう事をされると、必ず変な商人や貴族に目をつけられますので」
あ~、ありがちな展開だね。
貴族だから言う事聞け、アレ取ってこい、ワシに仕えろ、みたいなヤツ。
「あ、でも、困ります。
俺、ずっとドラゴンの所に居たので、金が無いんです」
「判っています。しかし援助は出来ません。最初に陛下がおっしゃっていた理由でね。
なので、貴方が取ってきた物は、まず城に持ち込んでください。
市場に流して良い物はお返ししますので、好きな所にお売り下さい。
具合の悪い物は、城の方で買い取ります。少し面倒ですが、了承して頂けますか?」
なるほど。
城で査定してくれるって事か。
問題は……無いな。ちょっと手間なくらいだ。
「それでお願いします。
それで思い出したんですけど、ドラゴンから預かった武器や防具があるんですけど、どうしましょう?」
「確か魔法でどこかに仕舞われているそうですね?」
「そうです」
「貴方に問題が無いようでしたら、城までお持ち下さい。そこで調べます」
助かった。冒険者ギルドに行かなくてもすみそうだ。
ここで政務大臣との話が終わったと思われたのか、陛下が話しだした。
「それでだな、君の後見人になる為に、明日にでも城まで来てもらいたい」
「あっ、はい、大丈夫です。どうせ武器とかも持っていきますし」
「その時に貴族達も呼んで、謁見の間で発表させてもらう」
「…………は?」
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