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034 謁見準備
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「なななな、何で謁見なんです?!
無理ですよ!! そんな礼儀も知らないし、礼装も持ってないし、そもそも謁見出来る程の功績を残してないし!」
「謁見にするには、周知させる為。
礼儀も礼装も不要。例えば功績を残した冒険者を呼んだ場合、そんなものは無理だろ?
武器だけは外してもらうがね。
功績と言うなら、ドラゴンと接触してるだけで十分。誰も成し遂げてない事をやっている」
「絶対に行かなきゃダメですか?」
「勿論強制はしない。
ただな、絶対に絡んでくる貴族が居ると思われる。絶対に味方に付けたいからな。
その度に大臣に報告相談するのも面倒だろ? 一回で済んだ方が楽だと思わんか?」
言われてみればその通り。
謁見する事で、王様が宣言をしてくれるのだ。俺に関わるなと。
その場に居ない貴族にも通達しやすいだろう。王が公の場で認めているのだから。
そう考えれば悪い事じゃない。
ただ俺が恥ずかしいだけだ。
「判りました。でも服はこれしか持ってないですよ?」
「貸そうか?」
「絶対に貴族風の豪華な格好をさせられると思うのでお断りします」
「ならばこうしよう。いくらかのお金を渡す。それで明日来るまでに買えば良い。
この金は譲渡ではない。城に販売される物の料金を先払いしただけだ」
おおっ、ちゃんと考えられている!
施せば、俺に貸しが出来る。
しかしそれでは各国での取り決めに抵触する恐れがある。
あくまで対等な立場という形にするのが理想。
「じゃあ、それでお願いします。
あっ、さすがにその格好はダメだ、ってのがあれば教えてもらえますか?」
「先程も言った通り、武器の所持はダメだ。だから隠す所が多い服装は止めた方が良い。
後は帽子は不要。どうせ謁見の時には脱がないといけないしな。それくらいか?」
「では作法は?」
「特に無いぞ。お前達はどう思う?」
王様は特に拘りはないようだ。
「では私から」
声を上げたのは軍務大臣さん。
「謁見の間の足元にこっそり印を付けておきます。当日はそこで立ち止まってください。
印より後ろであれば問題ありませんが、あまり離れられては声が聞こえないでしょうし」
「そこで頭を下げれば良いですか? 跪くべきですか?」
「いえ。変な動作をされると警戒されますので、そこで立っていれば大丈夫です」
「そうだぞ。頭なんか下げられたらこちらが困る」
王様が困ると言い出した。
「頭を下げると、そちらの方が下という事になりかねん。
立場は同等。一応謁見の間なので、こちらが一段高い所に居るがね。
判りやすく言えば、君は他の国の王と同じ立場だと考えれば良い」
「さすがにそれは……」
「不思議か? 領土を持たないが強大な戦力を持つ国だと思うがね。
では、その国の王がドラゴンで、君は全権を持った使者だと考えてくれ」
そう言われると少し納得した。
俺を下に見ると、ドラゴンも動かせると勘違いされる恐れがある。
かといって、俺を上にしたら王としてのメンツの問題がある。
どこまでも対等でやるんだね。
「出来るかどうか判りませんが、やってみます」
「うむ。では明日。
準備があるので、昼過ぎに来てくれれば良いぞ」
それだけ言い残し、王様一行は帰っていった。
俺の手に金貨を一枚握らせて。
金貨って……。
それだけ服が高いのか、金貨の価値が低いのか。
まぁどっちでもないんだろうな。俺が持ち込む物が高価だと思われているんだろう。
金貨まで届かなかったらどうしよう?
金貨を金庫に仕舞って寝た。
収納魔法で仕舞ったら、どこにあるか探すのが面倒だからね。
翌日。
宿の受付で服屋の場所を聞いて、そこに行き購入。
やっぱ金貨は高額でした。
大量の銀貨っぽいお釣りが来た。
その店にあった革袋を何枚か購入して、少額を入れた袋だけ持つようにして後は収納しておいた。
ちょっと早いけど、その辺にある屋台で飯食って、ゆっくり城に向かいますか。
無理ですよ!! そんな礼儀も知らないし、礼装も持ってないし、そもそも謁見出来る程の功績を残してないし!」
「謁見にするには、周知させる為。
礼儀も礼装も不要。例えば功績を残した冒険者を呼んだ場合、そんなものは無理だろ?
武器だけは外してもらうがね。
功績と言うなら、ドラゴンと接触してるだけで十分。誰も成し遂げてない事をやっている」
「絶対に行かなきゃダメですか?」
「勿論強制はしない。
ただな、絶対に絡んでくる貴族が居ると思われる。絶対に味方に付けたいからな。
その度に大臣に報告相談するのも面倒だろ? 一回で済んだ方が楽だと思わんか?」
言われてみればその通り。
謁見する事で、王様が宣言をしてくれるのだ。俺に関わるなと。
その場に居ない貴族にも通達しやすいだろう。王が公の場で認めているのだから。
そう考えれば悪い事じゃない。
ただ俺が恥ずかしいだけだ。
「判りました。でも服はこれしか持ってないですよ?」
「貸そうか?」
「絶対に貴族風の豪華な格好をさせられると思うのでお断りします」
「ならばこうしよう。いくらかのお金を渡す。それで明日来るまでに買えば良い。
この金は譲渡ではない。城に販売される物の料金を先払いしただけだ」
おおっ、ちゃんと考えられている!
施せば、俺に貸しが出来る。
しかしそれでは各国での取り決めに抵触する恐れがある。
あくまで対等な立場という形にするのが理想。
「じゃあ、それでお願いします。
あっ、さすがにその格好はダメだ、ってのがあれば教えてもらえますか?」
「先程も言った通り、武器の所持はダメだ。だから隠す所が多い服装は止めた方が良い。
後は帽子は不要。どうせ謁見の時には脱がないといけないしな。それくらいか?」
「では作法は?」
「特に無いぞ。お前達はどう思う?」
王様は特に拘りはないようだ。
「では私から」
声を上げたのは軍務大臣さん。
「謁見の間の足元にこっそり印を付けておきます。当日はそこで立ち止まってください。
印より後ろであれば問題ありませんが、あまり離れられては声が聞こえないでしょうし」
「そこで頭を下げれば良いですか? 跪くべきですか?」
「いえ。変な動作をされると警戒されますので、そこで立っていれば大丈夫です」
「そうだぞ。頭なんか下げられたらこちらが困る」
王様が困ると言い出した。
「頭を下げると、そちらの方が下という事になりかねん。
立場は同等。一応謁見の間なので、こちらが一段高い所に居るがね。
判りやすく言えば、君は他の国の王と同じ立場だと考えれば良い」
「さすがにそれは……」
「不思議か? 領土を持たないが強大な戦力を持つ国だと思うがね。
では、その国の王がドラゴンで、君は全権を持った使者だと考えてくれ」
そう言われると少し納得した。
俺を下に見ると、ドラゴンも動かせると勘違いされる恐れがある。
かといって、俺を上にしたら王としてのメンツの問題がある。
どこまでも対等でやるんだね。
「出来るかどうか判りませんが、やってみます」
「うむ。では明日。
準備があるので、昼過ぎに来てくれれば良いぞ」
それだけ言い残し、王様一行は帰っていった。
俺の手に金貨を一枚握らせて。
金貨って……。
それだけ服が高いのか、金貨の価値が低いのか。
まぁどっちでもないんだろうな。俺が持ち込む物が高価だと思われているんだろう。
金貨まで届かなかったらどうしよう?
金貨を金庫に仕舞って寝た。
収納魔法で仕舞ったら、どこにあるか探すのが面倒だからね。
翌日。
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やっぱ金貨は高額でした。
大量の銀貨っぽいお釣りが来た。
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