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049 職
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とりあえず王都へ向かう事にしたんだけど、ハリーが楽しみすぎてうるさいんだけど。
自由に喋らせるとあまりにうるさいので、質問形式にした。
これなら俺が回答するまでの間は静かになるから。
『なぁなぁ。この世界って、職業システムって無いのか?』
「え~と、あれかい? ゲームやラノベにある職業ってやつ?」
『そうそう。戦士とか鑑定士とか』
「ん~、無いかな?」
『え~~~~?! 無いの~~~?!』
いや、無いだろ、普通。
『俺さ~、不遇職で成り上がるの好きなのに~』
「は? 不遇職? 俺、そこまで読んで無いから詳しく無いんだけど、何それ?」
『例えば鑑定士とか鍛冶師とかだよ。冒険者をしてて不遇されるんだよね』
え~と、理解が追いつかないんだけど。
「ごめん。意味が判らない。何で不遇なの?」
『えっ? 役に立たないからに決まってるじゃん?』
「職で鑑定士も鍛冶師も居るよ? 入手した物の価値や使い方を知るのに鑑定士は必要だよね。
武具や包丁とかの作成や修復に鍛冶師は必要だし。なんで不遇職?」
『いや、だから、冒険者だからだよ。冒険者としては意味無い職業だろ?
必要なのは戦士とか魔法使いとかだろ?』
「何でそんな職を持ってるのに冒険者してんの?」
『出生とかの関係で冒険者しないと生きていけないからに決まってるじゃん。
例えば、孤児院出身とか両親が死んだから若くして一人で生きないといけないとか』
まぁ、現代日本のように救済システムが無いのは判る。
「冒険者やってても良いけど、他の人も職を持ってるんだろ? 職以外の事は何も出来ない訳じゃないでしょ?
さっき出てきた鑑定士って職業を持った人を例にあげるとさ。普段は荷物持ちとかして、何か手に入れたら鑑定すれば?
鍛冶師なら、冒険中に武具が壊れたら鍛冶師の出番があると思う」
『いや、そうだけどさ……』
「そもそも、不遇職って言われてる人達は冒険者するのに努力しないの?
努力して短剣くらいは使えるようにならないのかな?
それとも努力しても絶対に上手くなれないの? だとしたらその世界は調理師じゃないと飯も作れない事になるけど?」
『えっとな。努力したら使えるようにはなるけど、それでもその職業の人がすぐ使えるようになるレベル程度までだ』
「つまり、料理を勉強して出来るようになったら親レベルにはなれるけど、職持ちはすぐに料理人レベルになれるって事?」
『そうそう』
ふ~ん。便利なような不便なような。
「ところで、不遇職ってだけで嫌われるの?」
『そうだよ。使えないって認知されてるからね』
「はい? 突然出来たシステムなら判るけど、世界が出来た時から職業制度があるなら、特定の職が嫌われる事なんかありえないでしょ。
いわば特化してる人って事だから、その職に就く為のシステムが出来てて当たり前じゃないの?」
『そ、そんな細かい事は知らないよ!
あっ、思い出した! そういう不遇職って、過去に誰かが大失敗してるんだよ!
それ以来、不遇になったの!』
「いや、毎回なら判るけどさ、単発だったらどの職でもあるんじゃない?」
『ぐぬぬ……』
結構無理のある設定じゃないだろうか?
いや、作り込んであるけど、ハリーが覚えてないだけかも?
『とにかく! 不遇職が成り上がるのが面白いの!』
「どうやって?」
『ふふん、教えてあげよう!
アイデアを持ってる人との出会いとか相乗効果のある人との出会いとかでチートになるのさ!』
「それって、不遇職じゃなくてもチートになれるんじゃね? 優遇職だって研究されるでしょ普通。
優遇職だってアイデアや相乗効果でチートになれると思うんだけど?」
『違うんだよ! えっと、不遇だから神様からの救済措置みたいなものなの!』
「神かなんか知らないけど、救済しないといけない職を何で作ってるの?
最初から作らなきゃ不遇にならないんじゃない?」
『…………もういいよ』
あっ、ハリーがすねた……。
まぁ、お陰で静かになったので助かる。
静かなまま王都に到着した。
自由に喋らせるとあまりにうるさいので、質問形式にした。
これなら俺が回答するまでの間は静かになるから。
『なぁなぁ。この世界って、職業システムって無いのか?』
「え~と、あれかい? ゲームやラノベにある職業ってやつ?」
『そうそう。戦士とか鑑定士とか』
「ん~、無いかな?」
『え~~~~?! 無いの~~~?!』
いや、無いだろ、普通。
『俺さ~、不遇職で成り上がるの好きなのに~』
「は? 不遇職? 俺、そこまで読んで無いから詳しく無いんだけど、何それ?」
『例えば鑑定士とか鍛冶師とかだよ。冒険者をしてて不遇されるんだよね』
え~と、理解が追いつかないんだけど。
「ごめん。意味が判らない。何で不遇なの?」
『えっ? 役に立たないからに決まってるじゃん?』
「職で鑑定士も鍛冶師も居るよ? 入手した物の価値や使い方を知るのに鑑定士は必要だよね。
武具や包丁とかの作成や修復に鍛冶師は必要だし。なんで不遇職?」
『いや、だから、冒険者だからだよ。冒険者としては意味無い職業だろ?
必要なのは戦士とか魔法使いとかだろ?』
「何でそんな職を持ってるのに冒険者してんの?」
『出生とかの関係で冒険者しないと生きていけないからに決まってるじゃん。
例えば、孤児院出身とか両親が死んだから若くして一人で生きないといけないとか』
まぁ、現代日本のように救済システムが無いのは判る。
「冒険者やってても良いけど、他の人も職を持ってるんだろ? 職以外の事は何も出来ない訳じゃないでしょ?
さっき出てきた鑑定士って職業を持った人を例にあげるとさ。普段は荷物持ちとかして、何か手に入れたら鑑定すれば?
鍛冶師なら、冒険中に武具が壊れたら鍛冶師の出番があると思う」
『いや、そうだけどさ……』
「そもそも、不遇職って言われてる人達は冒険者するのに努力しないの?
努力して短剣くらいは使えるようにならないのかな?
それとも努力しても絶対に上手くなれないの? だとしたらその世界は調理師じゃないと飯も作れない事になるけど?」
『えっとな。努力したら使えるようにはなるけど、それでもその職業の人がすぐ使えるようになるレベル程度までだ』
「つまり、料理を勉強して出来るようになったら親レベルにはなれるけど、職持ちはすぐに料理人レベルになれるって事?」
『そうそう』
ふ~ん。便利なような不便なような。
「ところで、不遇職ってだけで嫌われるの?」
『そうだよ。使えないって認知されてるからね』
「はい? 突然出来たシステムなら判るけど、世界が出来た時から職業制度があるなら、特定の職が嫌われる事なんかありえないでしょ。
いわば特化してる人って事だから、その職に就く為のシステムが出来てて当たり前じゃないの?」
『そ、そんな細かい事は知らないよ!
あっ、思い出した! そういう不遇職って、過去に誰かが大失敗してるんだよ!
それ以来、不遇になったの!』
「いや、毎回なら判るけどさ、単発だったらどの職でもあるんじゃない?」
『ぐぬぬ……』
結構無理のある設定じゃないだろうか?
いや、作り込んであるけど、ハリーが覚えてないだけかも?
『とにかく! 不遇職が成り上がるのが面白いの!』
「どうやって?」
『ふふん、教えてあげよう!
アイデアを持ってる人との出会いとか相乗効果のある人との出会いとかでチートになるのさ!』
「それって、不遇職じゃなくてもチートになれるんじゃね? 優遇職だって研究されるでしょ普通。
優遇職だってアイデアや相乗効果でチートになれると思うんだけど?」
『違うんだよ! えっと、不遇だから神様からの救済措置みたいなものなの!』
「神かなんか知らないけど、救済しないといけない職を何で作ってるの?
最初から作らなきゃ不遇にならないんじゃない?」
『…………もういいよ』
あっ、ハリーがすねた……。
まぁ、お陰で静かになったので助かる。
静かなまま王都に到着した。
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