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004 異世界到着
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森の中である。
まぁ、これが森なのか林なのかは分からないけども。
そんな事よりもまずは現状把握が大事だ。
自分の格好の確認が最重要だな。なんせ風呂上がりでタオル一枚姿だったんだから……。
え~と、ジーパンにTシャツ、その上から茶色の革ジャン。
うん、俺の服だ。どうやら着せてくれたらしい。
しかし夏のような外気温なので、革ジャンは暑い……。もう少し季節感を考えて欲しかった。
頭には何も無し。キャップくらい欲しかったわ。熱中症になったらどうするんだ。
足元は、靴下と、普段履いているトレッキングシューズ。
普段からトレッキングシューズ履いてて良かった。普段がサンダルだったらサンダル装備になるところだったかもしれない。
服やジーパンのポケットには何も入っていない。
スマホはおろか、ライターの1つもない。まぁタバコは吸わないから持って無くても当然なのだが。
しかし、言われていたキャンプ道具はどこに?
まさか渡し忘れたとか言わないよな……?
このままだと即死だぞ?!
いやいや、神なんだから。
それくらいちゃんとしてるだろ。
きっと、ちょっと遅れてから届くんだよ。そうに決まってる。
そう考えて近くにあった倒木に腰掛ける。
立ち尽くしててもしょうがないし、むやみに移動したところで人と出会えるとか民家を発見出来るとは思えないからね。
…………本当に送ってくるよな?
そう考えながら10分くらいが経過した。
もしかしたら届いているのだろうか? 俺が見落としているだけ?
い、一応、周囲の確認だけしておくか。
んん?!
今、木々の間に何か白いモノが見えたぞ?
お、落ち着こう!
この場合、どんな可能性がある?!
1.幽霊
2.異世界の動物
3.見間違い
4.異世界なのだからモンスターとか魔物とか言われる生物
5.人間
うん、絶望的だな。
幽霊とか動物とかモンスターとか魔物の場合、俺にはどうする事も出来ない。
なんせ何のチートも貰えなかったからね!
希望は、見間違いか人間。
でも俺、目は良い方なんだ。悲しいが見間違いじゃない。
となると人間という事になるが、異世界の人間って木々の間をそんなに早く動けるのかな?
そんな事を考えていると、ソレは突然俺の目の前に現れた!
血走ったような赤い目、大きく長い耳、恐ろしい程の太い脚。
……
…………
………………
デカい白兎!!
これがさっき見た白い物体の正体か!!
見た感じ、体長は3mくらいだろうか。
高さは耳を含めなければ1.5mくらいか?
俺は兎に襲われて生涯を終えるのか……。
抗おうにも何も手段が無いし。現れた時のような速度で突進されたら何の抵抗も出来ないだろう。
よく異世界に飛ばされたラノベの主人公は、こんなのを相手に戦えるよなぁ。
いくらチートを貰ってて戦えると言っても恐怖には勝てないぜ?
きっと異世界に行く時に、恐怖や動物を殺す事への抵抗感を消されてるのだろうなぁ。
ぼんやりとこんな事を考えていたが、一向に襲われる気配がない。
どういう事なのだろうか? どうやって殺すか考えているのか?
それとも、実は、兎も俺に恐怖しているのか?
それはありうるかも? 異世界の人間なんだ。魔法とかであっけなく倒せるのかもしれない。
それを知っていれば兎だって恐怖するかも。
ここは勝負どころだな! どうせ何もしなくてもあっけなく殺されるんだ。少しは抵抗してやろう。
「そ、そそ、それ以上近寄ったら、俺のスーパー凄い魔法で、一瞬で切り裂くぞ!
分かったら下がれ! いや、引き返せ!!」
そう言いながら左手を前に出す。
我ながら中二病っぽいけど、しょうがないだろう。
だが、俺の言葉も行動も役には立たなかった。
兎がゆっくりとこっちに近づいてきたのだ。
「ち、ちち、ちちち、近寄るなって言ってるだろ! って、言葉が通じないのか?!」
よく考えなくても、兎に言葉なんか通じないよな~。
もう終わりか。呪うぜ、神よ。
そのままゆっくりと近づいてきた兎は、俺の横に来ると、俺を囲うようにして寝そべった。
……何コレ?
まぁ、これが森なのか林なのかは分からないけども。
そんな事よりもまずは現状把握が大事だ。
自分の格好の確認が最重要だな。なんせ風呂上がりでタオル一枚姿だったんだから……。
え~と、ジーパンにTシャツ、その上から茶色の革ジャン。
うん、俺の服だ。どうやら着せてくれたらしい。
しかし夏のような外気温なので、革ジャンは暑い……。もう少し季節感を考えて欲しかった。
頭には何も無し。キャップくらい欲しかったわ。熱中症になったらどうするんだ。
足元は、靴下と、普段履いているトレッキングシューズ。
普段からトレッキングシューズ履いてて良かった。普段がサンダルだったらサンダル装備になるところだったかもしれない。
服やジーパンのポケットには何も入っていない。
スマホはおろか、ライターの1つもない。まぁタバコは吸わないから持って無くても当然なのだが。
しかし、言われていたキャンプ道具はどこに?
まさか渡し忘れたとか言わないよな……?
このままだと即死だぞ?!
いやいや、神なんだから。
それくらいちゃんとしてるだろ。
きっと、ちょっと遅れてから届くんだよ。そうに決まってる。
そう考えて近くにあった倒木に腰掛ける。
立ち尽くしててもしょうがないし、むやみに移動したところで人と出会えるとか民家を発見出来るとは思えないからね。
…………本当に送ってくるよな?
そう考えながら10分くらいが経過した。
もしかしたら届いているのだろうか? 俺が見落としているだけ?
い、一応、周囲の確認だけしておくか。
んん?!
今、木々の間に何か白いモノが見えたぞ?
お、落ち着こう!
この場合、どんな可能性がある?!
1.幽霊
2.異世界の動物
3.見間違い
4.異世界なのだからモンスターとか魔物とか言われる生物
5.人間
うん、絶望的だな。
幽霊とか動物とかモンスターとか魔物の場合、俺にはどうする事も出来ない。
なんせ何のチートも貰えなかったからね!
希望は、見間違いか人間。
でも俺、目は良い方なんだ。悲しいが見間違いじゃない。
となると人間という事になるが、異世界の人間って木々の間をそんなに早く動けるのかな?
そんな事を考えていると、ソレは突然俺の目の前に現れた!
血走ったような赤い目、大きく長い耳、恐ろしい程の太い脚。
……
…………
………………
デカい白兎!!
これがさっき見た白い物体の正体か!!
見た感じ、体長は3mくらいだろうか。
高さは耳を含めなければ1.5mくらいか?
俺は兎に襲われて生涯を終えるのか……。
抗おうにも何も手段が無いし。現れた時のような速度で突進されたら何の抵抗も出来ないだろう。
よく異世界に飛ばされたラノベの主人公は、こんなのを相手に戦えるよなぁ。
いくらチートを貰ってて戦えると言っても恐怖には勝てないぜ?
きっと異世界に行く時に、恐怖や動物を殺す事への抵抗感を消されてるのだろうなぁ。
ぼんやりとこんな事を考えていたが、一向に襲われる気配がない。
どういう事なのだろうか? どうやって殺すか考えているのか?
それとも、実は、兎も俺に恐怖しているのか?
それはありうるかも? 異世界の人間なんだ。魔法とかであっけなく倒せるのかもしれない。
それを知っていれば兎だって恐怖するかも。
ここは勝負どころだな! どうせ何もしなくてもあっけなく殺されるんだ。少しは抵抗してやろう。
「そ、そそ、それ以上近寄ったら、俺のスーパー凄い魔法で、一瞬で切り裂くぞ!
分かったら下がれ! いや、引き返せ!!」
そう言いながら左手を前に出す。
我ながら中二病っぽいけど、しょうがないだろう。
だが、俺の言葉も行動も役には立たなかった。
兎がゆっくりとこっちに近づいてきたのだ。
「ち、ちち、ちちち、近寄るなって言ってるだろ! って、言葉が通じないのか?!」
よく考えなくても、兎に言葉なんか通じないよな~。
もう終わりか。呪うぜ、神よ。
そのままゆっくりと近づいてきた兎は、俺の横に来ると、俺を囲うようにして寝そべった。
……何コレ?
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