5 / 16
005 ウサギと会話
しおりを挟む
この状態で5分。
さすがに俺でも気づいた。
この兎が神獣だろ。
まさか俺を小兎だと勘違いして保護してる、なんて事はありえないと思うし。
では神獣兎を意思疎通をしようと思う。
異世界なら念話とかありそうだけど、どうやって使うのか不明だし、そもそも俺は貰ってないんだよな。
さっき対峙した時に話しかけたけど、聞いてる感じは無かったのが不安要素だ。
「な、なぁ。お前って神獣なの?」
耳に向かって言ってみたが返事は無い。
耳は動いてるので聞こえてはいるようなんだけどなぁ。
「なぁ、返事してくれよ」
……返事が無い。
どうやら念話とかそういう魔法や超能力は無いようだ。
そうなると会話しか無いんだけど…………兎って発声器官あったっけ?
鳴いてるのを見た事無いなぁ。
犬ならまだ態度で分かる気がするけど、兎だもんな。
聞いてるけど聞こえてないフリをしてるような感じは、どっちかというと猫っぽいか?
俺の見える範囲では耳くらい。顔が見えないので表情も分からない。
手足は伸ばして投げ出しているような姿勢なんだけど、俺が動こうとするとギュっと腹に押し当てられる。
こうなったら駄目で元々!
「俺の言ってる事が理解出来るなら右耳だけ動かしてくれないか?!」
おおっ!! 片耳だけ動いた!!
……えっと、それは右耳だよね。ちょっと見づらいんだよな。
って、よく考えたら、動かしてくれたんだから、右左関係無く理解してるって事じゃないか!
「どうやら理解出来るみたいだな。じゃあこれからは、『はい』なら右耳を、『いいえ』なら左耳を動かしてくれるか?」
また右耳だけ動いた。理解してくれてる……よな? 右耳だけ痒くて動かしてるって事は無いよな?
左耳を動かしてもらって、確認しておいた方がよさそうだ。
「ここは地球か?」
左耳が動いた。うん、完全に意思疎通が出来ているね。
ここから俺と神獣兎との会話は1時間以上続いた。
お陰である程度の情報が集まった。
まずキャンプ道具だけど、神獣が預かってきたそうでチラッと出して見せてくれた。
見た感じ、押入れに入れておく収納カラーBOX。アレに全部入っているのか。
インベントリみたいな事になってるのかもね。だとしたら色々入れたいけど、神の口ぶりから多分キャンプ用具以外は入らないっぽい。
しかし、アレ、前足の付け根辺りから出てきたんだよ。あんな所にポケットあるのか。
ここでキャンプをする訳じゃないから出さないようだ。
次に助ける親子の事。
どうやらここから遠い所に居るらしい。
移動したのか?と質問したけど、どうやら俺が離れた場所に出ただけのようだ。
神獣は慌ててこっちに来たのだとか。これは神がやらかしたな。
最後に、生きるのに必要な金。
少しだけ期待したけど、神獣は金を持ってなかった。うん、そうだろうね。
どうすんだよと訪ねたら、神獣が獣を狩るから、それを売って金にすれば良いとの事。
俺には狩る能力なんか無いからね!
で、これからどうするかと聞いたら親子を迎えに行くとの事。
まぁそれが目的だからね。でも遠いって言ってたよね?
あぁ、自分に乗れば良いと。助かります。
「しかしずっと神獣とか兎と呼ぶのもアレだから、名前をつけても良いか?」
良いようだ。
まぁ、名前はある!と言われても知る方法が無いので困るんだけどさ。
「じゃあポチってのはどうだ?」
前足で横っ面を叩かれた。モフっとしてそれほど痛くは無かった。
くそっ、親にも叩かれた事は無いのに!
「じょ、冗談だよ。兎は英語でラビットだから、ラビってのは?」
首を横に振られた。前足まで動かして。まるで「ヤレヤレだぜ、こいつ」みたいな顔で。
ムカつく。ってか首動かせるなら耳じゃなくても良いじゃないか!
これから色々な名前を言ってみたが、どれもピンと来ないようでOKが出ない。
段々と疲れて来て、最後に適当に言った名前が「シロ」。
なのにこれが採用された。しかも喜んでる。納得いかん!
これからは神獣兎はシロとして俺に同行する事になった。
では出発しようか。
さすがに俺でも気づいた。
この兎が神獣だろ。
まさか俺を小兎だと勘違いして保護してる、なんて事はありえないと思うし。
では神獣兎を意思疎通をしようと思う。
異世界なら念話とかありそうだけど、どうやって使うのか不明だし、そもそも俺は貰ってないんだよな。
さっき対峙した時に話しかけたけど、聞いてる感じは無かったのが不安要素だ。
「な、なぁ。お前って神獣なの?」
耳に向かって言ってみたが返事は無い。
耳は動いてるので聞こえてはいるようなんだけどなぁ。
「なぁ、返事してくれよ」
……返事が無い。
どうやら念話とかそういう魔法や超能力は無いようだ。
そうなると会話しか無いんだけど…………兎って発声器官あったっけ?
鳴いてるのを見た事無いなぁ。
犬ならまだ態度で分かる気がするけど、兎だもんな。
聞いてるけど聞こえてないフリをしてるような感じは、どっちかというと猫っぽいか?
俺の見える範囲では耳くらい。顔が見えないので表情も分からない。
手足は伸ばして投げ出しているような姿勢なんだけど、俺が動こうとするとギュっと腹に押し当てられる。
こうなったら駄目で元々!
「俺の言ってる事が理解出来るなら右耳だけ動かしてくれないか?!」
おおっ!! 片耳だけ動いた!!
……えっと、それは右耳だよね。ちょっと見づらいんだよな。
って、よく考えたら、動かしてくれたんだから、右左関係無く理解してるって事じゃないか!
「どうやら理解出来るみたいだな。じゃあこれからは、『はい』なら右耳を、『いいえ』なら左耳を動かしてくれるか?」
また右耳だけ動いた。理解してくれてる……よな? 右耳だけ痒くて動かしてるって事は無いよな?
左耳を動かしてもらって、確認しておいた方がよさそうだ。
「ここは地球か?」
左耳が動いた。うん、完全に意思疎通が出来ているね。
ここから俺と神獣兎との会話は1時間以上続いた。
お陰である程度の情報が集まった。
まずキャンプ道具だけど、神獣が預かってきたそうでチラッと出して見せてくれた。
見た感じ、押入れに入れておく収納カラーBOX。アレに全部入っているのか。
インベントリみたいな事になってるのかもね。だとしたら色々入れたいけど、神の口ぶりから多分キャンプ用具以外は入らないっぽい。
しかし、アレ、前足の付け根辺りから出てきたんだよ。あんな所にポケットあるのか。
ここでキャンプをする訳じゃないから出さないようだ。
次に助ける親子の事。
どうやらここから遠い所に居るらしい。
移動したのか?と質問したけど、どうやら俺が離れた場所に出ただけのようだ。
神獣は慌ててこっちに来たのだとか。これは神がやらかしたな。
最後に、生きるのに必要な金。
少しだけ期待したけど、神獣は金を持ってなかった。うん、そうだろうね。
どうすんだよと訪ねたら、神獣が獣を狩るから、それを売って金にすれば良いとの事。
俺には狩る能力なんか無いからね!
で、これからどうするかと聞いたら親子を迎えに行くとの事。
まぁそれが目的だからね。でも遠いって言ってたよね?
あぁ、自分に乗れば良いと。助かります。
「しかしずっと神獣とか兎と呼ぶのもアレだから、名前をつけても良いか?」
良いようだ。
まぁ、名前はある!と言われても知る方法が無いので困るんだけどさ。
「じゃあポチってのはどうだ?」
前足で横っ面を叩かれた。モフっとしてそれほど痛くは無かった。
くそっ、親にも叩かれた事は無いのに!
「じょ、冗談だよ。兎は英語でラビットだから、ラビってのは?」
首を横に振られた。前足まで動かして。まるで「ヤレヤレだぜ、こいつ」みたいな顔で。
ムカつく。ってか首動かせるなら耳じゃなくても良いじゃないか!
これから色々な名前を言ってみたが、どれもピンと来ないようでOKが出ない。
段々と疲れて来て、最後に適当に言った名前が「シロ」。
なのにこれが採用された。しかも喜んでる。納得いかん!
これからは神獣兎はシロとして俺に同行する事になった。
では出発しようか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる