神の不祥事に巻き込まれた

お子様

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010 村の掟

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「さて、ここまで話を聞いてだ、まだこの村を利用する気があるか?」

へ? 何だこの質問は。
利用するに決まってるじゃないか。今日限りなんて言われたら、神獣に頼んでまた旅に出なきゃいけないじゃないか!

「勿論使わせてもらうつもりですけど……何か不都合が?」
「ん? いや? 不都合は無いぞ? 使うってんなら、もう少し詳しく教えてやろうと思ってな」
「あっ、そういう事ですか」

もう来るなって事じゃなかったんだ。助かった。

「じゃあ言うけど、質問は後にして全部聞いてくれ」
「分かりました」
「って言っても、そんなに多くは無いんだがな。
 1つ、村の中をウロウロするな。
 2つ、入れない建物があるから、そこは近寄るな。
 3つ、街から人が来ている時は、村に来るな。
 4つ、これは当たり前の事だが、犯罪はするな。以上だ」

4項目か。順番に理由を聞いていこうか。理由を知らないと、後に問題になる事もあるからね。知らなかったじゃすまないだろうし。

「ウロウロするな、というのは?」
「知らないヤツが村の中をキョロキョロしながら歩いてりゃ、誰が見ても怪しいだろ?」
「確かに怪しいですね」
「そういうヤツは大概盗賊の手下か、碌でもない商売をしようとしてる商人だ」
「最初に俺を見た時はそう思わなかったんですか?」

不審人物だと思われてても不思議じゃない。
服装も違うし、何も知らないしね。

「ははは。お前はどう見ても難民だよ。ビクビクしながら近寄ってきたしな。悪い事を企んでるヤツは、ビクビクした態度しながらもどこか冷静なんだよ」
「そういう理由があったんですね」
「ま、後は俺の勘だ。伊達に長い事、村の門番をやってないぜ?」

侮れないな、村の門番。
ラノベとかじゃああっさり通してくれたり、警備がザルだったり、主人公への好感度マックスだったりするのに。

「入れない建物というのは?」
「当たり前だが、他人の家には許可無く入れないのは分かるよな?」
「子供じゃないんだから、それくらい分かりますよ」

勝手に他人の家に入れば、どう考えても泥棒だろ。
勇者じゃないんだから、勝手に入ってタンス漁ったり壺壊したりしませんよ。

「入れるのは商店くらいだな。後は公衆便所。集会所や共同浴場はダメだ」
「共同浴場?! ダメなんですか?!」
「そりゃそうだろ。誰もが身につけてる物を外して裸になるんだぞ? 襲うヤツや泥棒からすれば格好の獲物だろ。
 それにたまたまお前が入ってた時に泥棒騒ぎでもあったら、絶対に犯人にされるぞ? 冤罪だとしてもな」

キャンプで唯一困る事。それは風呂だ。今思いついたよ。
キャンプ用具に風呂なんか無いだろうし……。
風呂を思い出してしまった今、入れないとなるとより一層辛い。

「どうしても無理ですか?」
「1年くらい村と交流してりゃ信用されて、村長から許可が出るかもな」
「い、1年…………」

1年も風呂に入れないなんて地獄だ。
とりあえずキャンプ地に戻ったら、風呂関連の物を探してみよう。

「他に聞きたい事はあるか?」
「あっ、商店はどこにありますか?」
「だからウロウロ出来ないって言っただろ? 行きたきゃ門番に言え。そうすりゃ案内してやるよ」
「了解です」

つまり監視付きならOKって事ね。

「街から人が来てるかどうかってのは、どうやって知ったら良いんでしょう?」
「誰か来てれば、村の入口に洗濯物を干しておいてやる。それがある時は引き返せ」
「お願いします」

これは俺っていう難民が居る事をあまり知られないようにする為の措置って感じだな。
良くて徴税、悪けりゃ国からの退去命令、最悪逮捕勾留だもん。
この人は言わないけど、間接的には俺を助けてくれる形だ。感謝します。

「最後に犯罪なんですけど、常識的な事は分かるんですけど、それ以外に何かありますか?
 知らずにやってて逮捕ってのも困るので」
「お前が何を知ってて何を知らないか、それを俺は分からないから何とも言えねぇなぁ」

困った顔でそう言われた。
確かにそうだ。日本に来た外国人に「貴方の国とはここが違うのでその行為は犯罪になりますよ」って説明出来ないわ。
説明出来る人は相手の人の国の法律に詳しくないと出来ない。

「ま、その都度聞けや。そうすりゃ答えてやるよ」
「すみませんがお願いします。じゃあそろそろ帰りますね」
「おう。そうだ、最後に1つ。お前が何人で森に来てるのか知らないけど、村に来るのはお前だけな。
 日によって違うヤツが来ればこっちとしても警戒するし、いちいち調べたり説明したりしなきゃいけないから面倒だ」
「了解です」

最後に言った面倒ってのが本音なんだろう。
まぁ、俺しか居ないから問題無いけど。赤ん坊は勝手に来る事が出来ないし。

「買い物はしなくて良いのか?」
「必要な物が分からないので、調べてからにしようと思います」
「なるほどね。また獲物を待ってるぜ。死ぬなよ?」
「はい、がんばります」

労いの言葉を受け取った。若干怖かったけど。

よし、帰ろう。そして風呂について考察するのだ!!
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